MTI姉貴が土方語録を話す世界線
| タイトル | MTI姉貴が土方語録を話す世界線 |
|---|---|
| 画像 | MTI_OneeKi_HijikataWorldline_Cover.png |
| 画像サイズ | 280px |
| caption | 「姉貴の声が“現場語”として再生される」ことを売りにしたパッケージアートである |
| ジャンル | ロールプレイングゲーム(現場言語パズルRPG) |
| 対応機種 | 携帯型疑似現実(H-POCKET)/据置互換ドングル |
| 開発元 | 珪藻工房システムズ |
| 発売元 | 夜間流通連盟(N-Circulation) |
| プロデューサー | 鈴木ノリカツ |
| 音楽 | 工務音楽研究所(K-Music Lab) |
『MTI姉貴が土方語録を話す世界線』(英: MTI Onee-Ki in the Worldline Where She Speaks Hijikata Phrasebook、略称: MTI-ON)は、[[2031年]][[9月13日]]に[[日本]]の[[珪藻工房システムズ]]から発売された[[携帯型疑似現実]]用[[コンピュータRPG]]。[[土方語録計画]]の第1作目である[1]。
概要/概説[編集]
『MTI姉貴が土方語録を話す世界線』は、プレイヤーが「通訳見習い」として[[現場語]]の会話を攻略し、言葉の分岐から[[土木異界]]を横断するロールプレイングゲームである[1]。
本作は、作中で“MTI姉貴”と呼ばれるNPCが、なぜか[[土方語録]]を状況に応じて口にするという設定を核に、台詞選択がそのまま戦闘補正と行動時間に影響する仕組みとして知られている[2]。
キャッチコピーは「一言で、杭が刺さる。」であり、発売初週のデモ会場ではプレイヤーのイヤホンが“現場鳴り”に自動調整される演出も話題になったとされる[3]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
プレイヤーは[[通訳見習い]]として操作し、会話ウィンドウに表示される「現場語候補(3〜7語)」を選択することで、敵の弱点状態が変化する[4]。
ゲームシステムの特徴として、戦闘はターン制でありつつも「音節ヒット数」で攻防が決まる点が挙げられる。たとえば「“ド真ん中”」を高頻度音節で発話した場合、[[クランプ]]を奪取できるが、誤発話だと“砂塵耐性”が上がるとされる[5]。
アイテムとしては、[[語録札]](ごろくふだ)と呼ばれる紙片型のカードが登場し、入手方法は掘削地点の落下物(落とし物ではなく“落下物”)を拾うミニゲームに紐づけられている[6]。
対戦モードも備えており、オンライン対戦では「姉貴の口癖」を先読みして会話分岐を封じる“現場言語の読み合い”が重視される。協力プレイでは、同じ[[H-POCKET]]を2台並べているときのみ発動する“二人通訳ボーナス”が実装されていたとされる[7]。
ストーリー[編集]
舞台は、[[東京都]][[港区]]にある旧湾岸倉庫跡から広がったという[[土木異界]]である。プレイヤーは“言葉が施工を始める”とされる異界に迷い込み、MTI姉貴の声を手がかりに、封鎖された現場を再稼働させていく[8]。
ストーリーは章立てで進行し、各章の終盤では「現場語録の誤読」が引き金となって、橋脚が逆向きに立ち上がる演出が挿入される。特に第4章「防音壁の向こう」では、姉貴が唐突に「任せろ」と言うことで、プレイヤーが“恐怖値”を一度だけ無視できる仕様が話題になった[9]。
なお、終盤に向かうほど敵味方の立場が入れ替わり、“誰が土方で、誰が通訳か”が判定されるとされる。ただし公式ガイドでは矛盾を避けるため、判定条件を「合図の回数:合計81回」とだけ記しており、読者が考察を続ける一因になったとされる[10]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主要人物はMTI姉貴と、その相棒とされる通訳見習いである。MTI姉貴は、ゲーム開始時点では何の職能か明言されないが、台詞選択によって“現場語録の韻律”が変化するため、プレイヤーの攻略スタイルを左右する[11]。
仲間としては、測量士見習いの[[朝霧シオリ]]が登場し、彼女は数値の精度を信奉するタイプとして描かれている。朝霧は戦闘で[[トランシット]]補助を行い、会話の間(ま)が規定値から外れると不機嫌になる仕様が、難易度調整の“隠しレバー”として利用されたという[12]。
敵側には、工事看板を持ち歩く異界勢力[[第三仮設協会]]が存在する。同協会は「言葉で資材を運ぶ」ことを信条とし、会話の中にだけ現れる“漢字だけの呪文”でプレイヤーの行動順を奪うとされる[13]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の鍵となる概念として、[[土方語録]]がある。これは現場の合図、作業名、叱咤の語彙を束ねた“施工用の会話辞書”として提示され、正しい語の選択は“物理演算”に反映されるとされる[14]。
一方で[[土木異界]]は、言語が実体化した場所とされる。具体的には、会話の分岐が地形の属性(滑り、跳ね、吸い)として固着し、同じ台詞を繰り返しても翌ターンで挙動が変わる「現場の気分」システムが搭載されている[15]。
また、用語として[[語録札]]、[[クランプ]]、[[砂塵耐性]]などがゲーム内UIに頻出し、姉貴の発話がそれらを一時的に上書きする。特に姉貴の語録は“訛り”ではなく“発話タイミングの規格”として説明されており、メディア側で技術的考察が盛り上がったとされる[16]。
ただし、土方語録の「正しい読み方」には異説があり、公式設定資料では「読みは三通り、正解は現場ごとに一つ」とされている。編集者の[[要出典]]申請が必要だった箇所として、のちに掲示板で“姉貴は何を見ているのか”が論点化したとされる[17]。
開発/制作[編集]
制作経緯として、珪藻工房システムズは、都市部の老朽化施設を題材にした“言語の地図化”研究を進めていたとされる[18]。その実証のため、プロデューサーの鈴木ノリカツが、架空ではなく実際の現場作業の“拍”を録音したとする発表がなされ、のちにそれが誇張であった可能性が指摘された[19]。
スタッフは、ディレクターとして[[矢口アカツキ]]、シナリオとして[[佐倉ミタカ]]、システム担当として[[谷底ユウマ]]がクレジットされている。作曲は工務音楽研究所(K-Music Lab)が担当し、姉貴の声は“工事用チャイムの周波数帯”を模した合成と説明された[20]。
発売準備の最終段階では、会話分岐の総数が「全分岐:2,417,296ノード」と公表され、試算として“全ノードを正解で踏むには年単位の根気が要る”とされた[21]。この数字は後にユーザーが計算し直し、実際には合算漏れがあったとされるが、少なくとも広報上の説得力には寄与したと評価されている[22]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラックは『[[K-Music Lab]]現場言語集』として発売された。収録曲には「[[港湾標示]]」「クランプ式前奏」「砂塵耐性ブルース」など、ゲーム内のメカニクス名がそのまま曲名として採用された例がある[23]。
姉貴の発話に同期する曲の発想は、音楽ディレクターが“会話の母音数に合わせてドラムが増える”という理屈を持ち込んだことによるとされる[24]。
なお、ボーカルトラック「任せろ(巻き戻し版)」は、公式には歌詞が存在しないとされるが、プレイヤーが周波数解析を行い、語録札の裏面に印字されたはずの文言と一致するように“聞こえてしまう”と報告したことが、発売当時の考察ブームの火種になった[25]。
他機種版/移植版[編集]
携帯型疑似現実の初版に続き、翌年には据置互換ドングル版が発売された。移植の主な変更点として、会話ウィンドウの表示が高解像度化され、語録候補が“現場の距離感”を表すように配置されたとされる[26]。
さらに、バーチャルコンソール対応として“姉貴の独り言のみ抜粋”した特別モードが追加された。これはオンラインなしで遊べるオフラインモードであり、会話分岐の一部だけがランダム化される仕様として説明された[27]。
ただし、互換ドングル版では一部のSE(音声効果)が環境音に吸収される不具合があり、[[港区]]で配布された店舗デモ機では“砂塵耐性が上がりすぎる”という現象が報告されたとされる[28]。
評価(売上)[編集]
発売後、全世界累計で100万本を突破したとされる。ただし、集計は複数地域にまたがるため、公式発表では「判定対象:初期ロット出荷+DL権利換算」と曖昧にされていたと指摘されている[29]。
日本国内では、月次ランキングで発売月が初登場2位、翌月が4位となり、累計販売は約48万本と推定されたとされる[30]。一方で、ゲームレビュー誌の集計では「会話と戦闘の結びつきが新しい」と高評価が出る反面、言語パズルの難しさが合わない層には“ただの読み当て”に見える問題も指摘された[31]。
日本ゲーム大賞を受賞した経緯として、審査委員会が“言語を素材として扱った点”を評価したと説明されたが、その会議録の公開範囲は限定されている[32]。
関連作品[編集]
関連作品としては、姉貴の過去を描く外伝『[[語録札だけの夜]]』や、通訳見習いを主人公にした前日譚『[[朝霧シオリの測り方]]』が挙げられる[33]。
また、メディアミックスとしてテレビアニメ化もされており、タイトルは『土方語録で世界を直す!MTI姉貴』とされる。アニメでは、実際の会話分岐を再現するために、視聴者投稿で台詞候補が決まる企画が行われたと報じられた[34]。
ただし、原作ゲームとの相違として、第三仮設協会の動機がアニメでは“杭の反転現象”に寄せられたため、ゲーム派からは反発もあったとされる[35]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本としては『『土方語録の読み札大全』(全612ページ)』が発売された。内訳は「語録札索引:214枚」「会話分岐図:98図」「戦闘補正表:63表」といった形式で整理され、細かすぎる情報量が特徴とされた[36]。
ほかには、音楽と会話の関係を図解した書籍『音節は現場で鳴る』、開発資料を編集した『珪藻工房の沈黙ログ』などが刊行された[37]。
さらに、ゲーム内のスクリーンショットを“施工報告書”風に加工するテンプレート集が配布され、全国の印刷店チェーンがコラボしたとされる。なお、このコラボ店舗として[[渋谷]]の一部支店名が記載されたが、後に誤記ではないかという指摘が出ている[38]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 鈴木ノリカツ『MTI姉貴の現場は言葉でできている』夜間流通連盟, 2031.
- ^ 矢口アカツキ「会話分岐が行動順を変える設計」『ゲームシステム研究誌』Vol.12 No.3, pp.41-58, 2031.
- ^ 佐倉ミタカ『土方語録計画:通訳見習いのための脚本術』珪藻学術出版, 第1版, 2030.
- ^ 谷底ユウマ「音節ヒット数の実装と砂塵耐性の計算モデル」『インタラクティブUI論文集』第7巻第2号, pp.9-27, 2031.
- ^ 工務音楽研究所『K-Music Lab現場言語集』音造房, 2031.
- ^ Margaret A. Thornton「Linguistic Scaffolding in Narrative Combat」『International Journal of Game Audio』Vol.6 No.1, pp.100-121, 2032.
- ^ 山田結衣「港湾倉庫と虚構の地形固着」『都市幻想学レビュー』第15巻第4号, pp.203-219, 2031.
- ^ ファミ通編集部『ファミ通クロスレビューゴールド殿堂入りソフト総覧』エンタメ工房, 2032.
- ^ K-Music Lab「任せろ(巻き戻し版)の推定歌詞」『現場鳴り解析通信』Vol.2 No.9, pp.55-60, 2031.
- ^ 矢口アカツキ『土方語録計画:第0作からの飛び方』珪藻工房システムズ, 1928.
- ^ Third Temporary Association『仮設協会文書:語の資材化と反転杭』東京湾資料館, 2030.
外部リンク
- 珪藻工房システムズ 公式MTI姉貴サイト
- 土方語録計画 データベース
- K-Music Lab サウンド解析アーカイブ
- 夜間流通連盟 プレイヤーズノート
- H-POCKET 互換ドングル サポートページ