PERGECT HUMAN
| 名前 | PERGECT HUMAN |
|---|---|
| 画像 | PH集合写真(ステージ背面に「PERGECT HUMAN」看板) |
| 画像説明 | 2019年ツアー『人体模様』公演で撮影 |
| 画像サイズ | 280px |
| 画像補正 | 0 |
| 背景色 | #112244 |
| 別名 | PH / ヒト型ロック隊 |
| 出身地 | 東京都港区(結成当時)・後に拠点を大阪府北区へ移管 |
| ジャンル | ポストパンク / ディストピア・ポップ / 実験的ボーカロック |
| 職業 | バンド |
| 担当楽器 | ボーカル&ギター、ギター、ベース、ドラム(役割固定) |
| 活動期間 | 2012年 - 2025年(断続的活動) |
PERGECT HUMAN(ぱーふぇくと ひゅーまん)は、[[日本]]の4人組[[ロックバンド]]である。所属事務所は[[霞野音楽企画]]。レコード会社は[[青藍レコード]]。[[2012年]]に結成、[[2016年]]にメジャーデビュー。略称および愛称は「PH」。公式ファンクラブは「ヒューマン会議」。
概要[編集]
PERGECT HUMANは、歌詞とコーラスの“間”を楽器として扱う手法で知られた、日本の4人組ロックバンドである。とくにサビ前に1小節だけ無音を挟み、会場の咳払いまでを「人間のパーカッション」として取り込む演出が、初期の段階で話題となった[1]。
結成は[[霞野音楽企画]]の若手担当が主導した「模倣ではなく測定」を掲げる企画であり、同社が保有する音響実験室(所在地は東京都千代田区の地下倉庫とされる)で、初期曲のテンポが“心拍に近い揺れ”に調整されたとされる[2]。なお、バンド名の綴りに入る誤植がそのまま商標登録され、以後「PERGECT(誤)」が正しい表記として定着した点は、ファンの間でも逸話として語られている[3]。
メンバー[編集]
ボーカル&ギターは[[瀬戸川 モナ]](せとがわ もな)であり、発声ではなく“呼吸の位相”を制御する声帯トレーニングを売りとしていたとされる。ギター担当は[[宇津見 リョウ]]で、指弾きとフォームを固定し、曲ごとに右手の角度を議事録形式で残すことで知られていた[4]。
ベースは[[神谷 クララ]]、ドラムは[[松島 サワ]]である。神谷はベースラインにだけわずかな歪みを入れ、録音後の波形が「人間らしさ」に相当する領域へ収束するよう調整したと語られたことがある[5]。松島はライブでスティックを変えず、代わりにステージ床の微振動を測定して叩くタイミングを合わせる運用を行っていたとされ、観客の耳では“自然な揺れ”に聞こえると評された[6]。
4人は「誰が欠けても成立しない」構造を意識して役割を固定し、脱退・加入の噂が出るたびに公式SNSが議事録風の文体で訂正したことがある[7]。
バンド名の由来[編集]
バンド名PERGECT HUMANは、“完全な人間”という意味合いで説明されることが多い。ただし初期のドキュメントでは、綴りPERGECTは「検算(per gect)」と称する社内メモの一部が転記されたものとされる[8]。
[[霞野音楽企画]]の担当者が、[[音響工学]]の社内研修で使っていた「gect(ゲクト)=誤差検定の略」を見間違えた結果、バンド名の案がそのまま掲示板に貼られ、翌週にはメジャーデビュー見積りにも同表記が入った経緯がある[9]。この逸話は公式の“訂正ポスター”として配布され、ファンの間では「誤差が愛」として定着した[10]。
一方で、綴りの誤りは意図的であったとする説も有力であり、漢字圏の商標審査を通過させるために“わざと”判定しやすい文字列へ整えたとも指摘されている[11]。
来歴/経歴[編集]
結成(2012年)[編集]
2012年、[[東京都]]港区の合奏スペースで瀬戸川 モナが試作していたデモ音源を、宇津見 リョウが「人の呼吸に寄せると歌が壊れる」として却下したことが発端とされる。そこで瀬戸川は却下理由を逆手に取り、“歌が壊れる瞬間”を録って曲構成へ組み込む方針を掲げた[12]。
当時の練習は週3回で、録音するのではなく「議事録へ音の秒数を記載」する方式で進められたという。たとえば無音区間は平均0.88秒で統一する計画が立てられ、実際の初期ライブでも0.87〜0.90秒の範囲で揺らしたとされる[13]。
メジャーデビュー(2016年)[編集]
2016年、[[青藍レコード]]よりメジャーデビューシングル『ヒューマン・アラーム』をリリースした。収録曲は5曲であり、うち2曲が“呼吸の位相”を主軸にしたインスト導入を持つ構成だったと説明されている[14]。
同年のチャートでは、初週売上が“ちょうど”8,432枚であったと公式に発表された。のちにファンが集計したところ、この数字は会場のキャパと同日抽選券の配布枚数と一致していたため、「売上というより式典の結果だ」と笑いを含む解釈が広がった[15]。
2018年[編集]
2018年には3rdシングル『骨のコンパス』で初めて国民的番組の主題歌枠を獲得した。曲が流れるたびに視聴者が睡眠時間を記録する企画が走り、新聞の一面に「“睡眠の測定”がブーム」として掲載されたとされる[16]。
ただし測定アプリの説明欄に“音源を聴くと自動で計測が補正される可能性”が書かれていたことが問題化し、企業側は「数値は個人差の範囲」と釈明した[17]。この件は批判と同時に話題性を生み、バンドの認知度が急上昇したと見られている。
2020年以降[編集]
2020年の配信ライブ『人体模様:無音の章』では、予定されていた照明が一部“故障”した。ところが視聴者のコメント解析では、照明欠落の瞬間に平均視聴維持率が上がったとされ、運営は「偶然が設計を超えた」と表現した[18]。
その後も[[霞野音楽企画]]は“人間の反応”をデータ化する姿勢を続け、ファンとの交流を「測定可能な儀式」として整備した。2023年には武道館で2公演を行い、2日目のMCで瀬戸川が「完全な人間は来ない。だから歌う」と発言したことが切り抜きで拡散した[19]。
音楽性[編集]
PERGECT HUMANの音楽性は、ポストパンクの硬さに、日常のノイズ(呼吸・咳払い・椅子の軋み)を“拍の外側”へ配置する手法を組み合わせた点に特徴がある。特に作詞では「比喩を説明しない」方針がとられ、聞き手が意味を補完する余白が設計されているとされる[20]。
宇津見 リョウはギターの音色を、同じアンプでも“置いた位置”で変えるため、リハ毎にステージ上へテープで基準点を貼ったという。神谷 クララはベースの録音で、コンプレッサーをかけるのではなく“かけない自由”を選び、結果として低音が丸くなるまで待つ運用を好んだ[21]。
松島 サワはリズムの基準をメトロノームに置かず、会場の環境音から推定した周期を採用したとされる。実際、公式パンフレットには「平均86.2dBでドラムの微調整を実施」といった具体値が掲載され、細部へのこだわりとして評価された[22]。
人物[編集]
瀬戸川 モナは、インタビューで「完璧(perfect)を目指すと人が消える」と語り、バンド名の綴り誤りも“消える前兆の記号”として肯定的に扱った。本人は大学で[[心理学]]に関する講義を聴講していたともされるが、資料の提示はなされなかった[23]。
宇津見 リョウは、作曲の際に紙へ数字を書き、数値に意味を持たせないことで逆に感情が立ち上がると主張した。神谷 クララは、音楽プロデューサーと会うとき必ず手袋を外し、皮膚感覚を揃えることで“ズレの説得力”が出ると語ったことがある[24]。
松島 サワは地方自治体の防災イベントに参加し、サイレンのリズムをモチーフにした新曲案が持ち込まれた経緯がある。これがのちに『骨のコンパス』へつながったとされ、公式サイトのコラムでも触れられた[25]。
評価[編集]
音楽評論では、PERGECT HUMANが“人間の不完全さ”を単なるテーマではなく、構成原理へ昇華した点が評価された。特に、無音区間の扱いが「聞こえないものの存在」を肯定する試みとして論じられた[26]。
一方で、演出がデータ化されすぎるために“観客の反応を消費している”との批判もあった。2022年に雑誌『新都音楽月報』が「PHは身体のログを歌にしている」と書いたことがきっかけとなり、炎上ではないが論争が続いた[27]。ただしバンド側は「反応は同意から始まる」と反論し、ファンクラブ規約を改訂したと説明された[28]。
それでもライブの参加者数は伸び、公式発表ではツアー累計動員が“延べ14万2,370人”とされる。計算過程の公開がなかったことから、数字の精密さに対して「誰が数えたんだ」と笑いが起こる余地も残った[29]。
受賞歴/賞・記録[編集]
受賞歴としては、[[日本レコード大賞]]の一次選考通過枠で複数年連続の記録があるとされる。メジャーデビュー年の2016年には、同賞の“新人選抜企画”で最終候補に残ったが受賞は逃したと報じられた[30]。
その後、2019年の『骨のコンパス』が[[日本ゴールドディスク大賞]]で“ロック部門”の上位評価を得たほか、公式動画の総再生がストリーミングで“5億回”を超えたと発表された[31]。また、無音区間を含むMVが他社に模倣され、業界内では「PH式サイレントレイヤー」が一時的に流行語になったとされる[32]。
ただし、バンドは受賞発表のたびに感謝コメントを議事録風に読み上げるため、同時代のアーティストからは「儀式っぽすぎる」とも評された。本人たちは「音楽は法廷ではないが、測定は礼儀である」と返したと記録されている[33]。
ディスコグラフィ[編集]
シングルとしては、2016年に『ヒューマン・アラーム』、2017年に『呼吸の段階』、2018年に『骨のコンパス』、2020年に配信限定シングル『無音の章(配信版)』、2021年に『誤差は歌になる』がリリースされたとされる[34]。
CDシングルは『呼吸の段階』が最も売上を伸ばし、初動が2万枚台だったと説明されている。アルバムは2019年に1stアルバム『人体模様』、2022年に2ndアルバム『完璧の手前』があり、いずれもオリコンの上位に入ったと報じられた[35]。ベスト・アルバムとしては2024年に『PERGECT HUMAN: 最小の完全性』が発売されたとされる。
映像作品には、ライブ映像『人体模様:無音の章』、MV集『サイレント・レイヤーズ』、ドキュメンタリー『測定される歌』がある。公式サイトの説明では、映像特典として各曲の“無音区間タイムコード”が収録されたとされ、視聴者が巻き戻して確認する手間が話題になった[36]。
ストリーミング認定[編集]
ストリーミング認定については、公式発表で『骨のコンパス』がサブスクで“2.7億回再生”を突破したとされた。『ヒューマン・アラーム』も“1.3億回再生”を記録し、両曲がセットで語られる傾向が生まれたとされる[37]。
また、無音区間を含むトラックだけ再生数の伸び方が異なる点が解析され、音楽配信各社のランキング会議で“沈黙の指標”が議題となったと報じられた[38]。なお、この会議の参加者名は明らかにされておらず、出典は「社内回覧の写し」とする噂がある[39]。
タイアップ一覧[編集]
タイアップとしては、2018年の『骨のコンパス』が[[NHK]]の番組『生活の位相』の主題歌に採用されたとされる。2020年には地方ケーブルテレビ向けのキャンペーンで『無音の章(配信版)』が使用された[40]。
さらに、自治体主催の防災イベント(実施地は[[神奈川県]]横浜市の仮設施設とされる)で、サイレンとリンクさせた“リズム推奨”映像が放映されたとされる。バンド側はタイアップというより「共同研究」と位置づけたが、新聞では通常のタイアップとして扱われた[41]。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
ライブ・コンサートツアーとしては、2017年に『PH体温ツアー』、2019年に『人体模様』、2021年に『完璧の手前(短縮版)』、2022年に『測定儀式ツアー』が行われたとされる[42]。
2021年の公演では、開演前に配布されるリストバンドに“無音の合図”が印刷され、観客が合図を返す仕様になっていた。形式が細かすぎるとして一時的に注意喚起が出たが、結果として“参加した感”が高まり、SNSで写真投稿が増えたと報告された[43]。
2023年には[[武道館]]で2日連続公演が実施され、初日だけ0.9秒の無音区間がズレたという。バンドはMCで「誰かが咳をした。ありがとう」と言い、観客が拍手したとされる[44]。
出演(テレビ/ラジオ/映画/CM)[編集]
テレビ出演では、2018年に『音の位相学』へ出演したほか、2020年に特番『夜の無音実験』で特集が組まれたとされる[45]。ラジオでは[[J-WAVE]]に相当する架空局“JF-WAVE”で、瀬戸川が“呼吸を読む”コーナーを担当したと報じられた[46]。
映画への関与としては、実写映画『透明な人差し指』の劇中バンドとして楽曲が使われた。公開記念舞台挨拶では、宇津見が「ギターのフォームは嘘をつかない」と発言したとされる[47]。
CMでは、栄養飲料“アクア・バイタル”のキャンペーンで『呼吸の段階』が起用された。放送では無音区間に相当する“無声画面10フレーム”が差し込まれ、広告審査で一度差し戻されたとされる[48]。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
PERGECT HUMANは、[[NHK紅白歌合戦]]に2度出場したとされる。1回目は2021年で、披露曲は『誤差は歌になる』だったと報じられた[49]。
2回目は2024年で、演出として“観客の呼吸音のみで構成した新曲”が披露されたと説明されている。公式の進行台本が公開され、歌唱前の無音区間が「ちょうど1秒」と明記されていた点が話題となった[50]。なお、この「ちょうど1秒」を巡って、NHK関係者の間で「計測器が勝った」などの冗談が出たという証言もある[51]。
脚注[編集]
脚注
- ^ 田辺岬也『沈黙を聴く技術:PERGECT HUMANの無音区間分析』青葉出版, 2019年.
- ^ 井原ユウリ『呼吸の位相と言語化できない歌詞』音律書房, 2020年.
- ^ Margaret A. Thornton『The Human Pulse Algorithm in Popular Music』Kite & Harbor Press, 2021, Vol.12 No.3, pp.41-67.
- ^ 高木慎吾「“PERGECT”という綴りの商標効果」『商標と文化』第7巻第2号, 日本法文化研究所, 2022年, pp.88-103.
- ^ Rafael Okoye『Post-Punk Silence Studies: A Japanese Casefile』Cambridge Lantern Review, 2020, Vol.4 No.1, pp.9-31.
- ^ 鈴木ユリ「観客反応をめぐる合意設計:ヒト型ロック隊の規約改訂」『メディアと音楽』第15巻第4号, 霞野学術出版, 2022年, pp.120-138.
- ^ 瀬戸川 モナ『呼吸は楽器になれるか』(著者編)霞野音楽企画出版部, 2023年.
- ^ 新都音楽月報編集部『新都音楽月報:PH式サイレントレイヤー特集』新都出版, 2022年, pp.1-64.
- ^ 青藍レコード編『PERGECT HUMAN データブック(誤差版)』青藍レコード, 2024年.
- ^ 小野寺ミオ「武道館で起きた0.9秒の奇跡」『ライブ現場研究』第3巻第1号, 地下音響学会, 2024年, pp.55-60.
外部リンク
- PERGECT HUMAN 公式記録サイト
- ヒューマン会議(会員制コラム)
- 青藍レコード アーティストページ
- 霞野音楽企画 研究室ノート
- サイレント・レイヤー 非公式検算wiki