えんぷてい
| 名前 | えんぷてい |
|---|---|
| 画像 | Emptei_band_photo_1999.jpg |
| 画像説明 | 初期のライブ衣装(雨よけの透明ポンチョ) |
| 画像サイズ | 240 |
| 画像補正 | 0.5px |
| 背景色 | #b04a6a |
| 別名 | ENPT |
| 出生名 | —(バンド名) |
| 出身地 | 横浜市(みなとみらい周辺の路地) |
| ジャンル | サイバーフォーク・ロック(自己申告) |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ボーカル/ギター/ベース/ドラム(分業) |
| 活動期間 | 1999年 - 2024年 |
| レーベル | Lapis Valley Records |
| 事務所 | 音響協同組合・百合門 |
| 共同作業者 | (音響監修)ほか |
| メンバー | |
| 旧メンバー | — |
| 公式サイト | emptei.example |
えんぷてい(Emptei)は、日本の4人組ロックバンドである。所属事務所は、レコード会社は。1999年に結成、2002年にメジャーデビュー。略称および愛称は「ENPT」。公式ファンクラブは「雲間郵便局」である[1]。
概要[編集]
えんぷていは、言葉の温度を測るように歌うことを標榜した日本のロックバンドである。楽曲制作では、歌詞カードに加えて“裏紙”と呼ばれる叙述メモが同梱されることが慣例とされ、ファンはそれを読むこと自体をライブの一部と見なしてきた[2]。
バンド名の「えんぷてい」は、1998年にで行われた即興実験会「EMP TAYLOR夜会」に由来すると説明されることが多いが、公式発表では由来の言及が何度も書き換えられており、特に「tay」部分の発音については、編集者の間でも意見が割れたとされる[3]。一方で、音楽業界では“透明な疾走感”を象徴する存在として、2000年代後半には国民的なフォークロック枠に分類されることもあった[4]。
メンバー[編集]
えんぷていのメンバーは4人である。ボーカルとギターを中心に、ベース、ドラムがそれぞれ“言い換え”を担当する方式が採用され、曲によって誰が主旋律を担うかは固定されないとされる[5]。
特に、は「声は機材ではなく天気である」と述べ、歌録りの際にスタジオの湿度を記録して提出する“気象添付書”を常に求めたとされる。音楽プロデュース面では、同バンドのサウンド設計をが「干渉しすぎない干渉」と表現したことが知られている[6]。
なお、公式サイトではメンバー紹介が年ごとに更新され、2011年以降は“役割”ではなく“失敗談”が優先して掲載されるようになったとされる。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、最初期の練習拠点が横浜市の倉庫街にあったことから、「倉庫の番号票(emp)」と「封印のタイ(tay)」を掛け合わせた造語だと語られてきた[7]。ただし、後年のインタビューでは「封(えん)を待つ(ぷてい)」という“行為の物語”であるとも説明され、語源が一定しないことが特徴とされる[8]。
また、メジャーデビュー以前に作られた未流通デモ『透明な一時停止(EMP TAPE #3)』のラベルが「えんぷてい」に酷似していたことから、デモの印字規格がそのまま正式表記になった可能性が指摘されている[9]。さらに、某音楽誌では「発音すると“あの曲”と同じ口形になる」と書かれたが、出典が曖昧であり、編集の過程で“語り口の自慢”が混入したのではないかと見る向きもある[10]。
来歴/経歴[編集]
結成(1999年)[編集]
えんぷていは1999年、の音響倉庫「百合門スタジオ別館」で結成された。結成当初の練習は月曜のみ許可され、メンバー4人が揃う確率を“天体表”で管理していたとされる[11]。伝承によれば、初回の合わせで鳴らした音が4回とも同じ小節に収束したため、以後は「ズレは天気のせい」という合言葉が採用されたという[12]。
結成時の音源は、録音機のテープが1本あたり「37分12秒」しか使えない規格だったため、曲ができる前に“余白”が先に増えていった、と後年語られている。
インディーズ時代(2000年)[編集]
2000年には、路上配布のミニアルバム『濡れたレシートの唄』を制作し、配布枚数は「計算上は1,240枚」であったとされる。しかし実際の残数管理は雑で、当時のスタッフノートには「1,019枚で帳尻が合うよう祈った」との記載が残っている[13]。
この時期、えんぷていは“音程ではなく文法”に重点を置く方針を採り、歌詞の改変をリハーサルで先に決める逆算制作を始めたとされる。
メジャーデビュー(2002年)[編集]
2002年、シングル『駅名の裏側』でからメジャーデビューした。発売日は春の港近くの花見日と同一週とされ、オリコン集計では初週売上が「9.2万枚」と発表された[14]。ただし社内資料では“9.2001万枚”と小数点まで記されており、当時の担当が数字に呪いをかけていたのではないかと推測されている[15]。
同曲は、冒頭の効果音として“無人改札の電子音”を収録しているとされ、これはの監修を受けたと噂された。もっとも、公式には「実物の音ではなく似せた音」とも書かれており、矛盾が議論の火種になった[16]。
活動の拡大(2007年)[編集]
2007年にはアルバム『雲間郵便局の午前3時』が大ヒットし、全国ツアーは計「43公演」を予定したが、天候都合で2公演が昼に前倒しとなった。結果として、最終公演の所要時間は「2時間17分6秒」と公式記録に残り、ファンの間で“秒単位の合意”が流行した[17]。
この時期、テレビ番組での露出が増え、楽曲の解説が“歌詞の朗読”に寄りすぎるとして批判も受けたが、逆に教育系メディアが取り上げて「聴く国語」と評したことで、商業的成功と学術的な関心の両方を得たとされる[18]。
活動停止から再編(2018年 - 2020年)[編集]
2018年、えんぷていは“声帯の同調不足”を理由に活動を一時停止したと発表した[19]。ただしファンサイトの解析では、実際には音響監修者のが関わる大型計測機器の保守期限と重なっていた可能性が指摘されている[20]。
2020年には、以前の4人に加えて一時的にサポート・メンバー「霧間(きりま)レイ」が加わったが、単なる技術担当とされ、表舞台での名前表記は行われなかった。
活動終結(2024年)[編集]
2024年、えんぷていは“裏紙を配り尽くした”として解散ではなく終結を選択し、最後の配布物として全ライブの裏紙を「合本で26冊」用意したと報じられた[21]。この合本はライブ会場ごとに数えられ、最終的に「全部で10,004部配布」とされる。だが集計の仕方が会場により異なり、1,003部単位の誤差があったとも伝えられる[22]。
音楽性[編集]
えんぷていの音楽性は、自己申告ではサイバーフォーク・ロックとされる。具体的には、アコースティックギターの粒立ちに、短いシンセ・フレーズとドラムの“言い直し”を重ねる構成が特徴とされる[23]。
歌詞は、駅名や郵便、雨よけといった日常語を“約束事”として扱い、同じ語でも時制を変えて何度も返す。特にアルバム『雲間郵便局の午前3時』では、同一ページに配置された単語の位置が曲調の変化点に対応しているとされ、音楽評論家のは「歌というより編集である」と評した[24]。
一方で、作品によっては言葉が先行しすぎてメロディが抑制される場合もあり、聴取者によっては“語り”が勝ちすぎると感じることがあると指摘される。
人物[編集]
バンドの対外的リーダーは明確にされていないが、作詞の発案はに偏るとされる。一方で作曲の主導権は曲ごとに変わり、ベース担当のは「低音は嘘をつかない」と語り、アレンジの際に“音を盛らない規則”を設定したとされる[25]。
ドラムのは、リズム録りの際に“椅子の軋み”をマイクで拾い、そのノイズをテンポの一部として採用したことで知られる。結果として、ライブ映像では微細な音が残り続け、ファンがそれを“勝手な拍手”のように扱うようになった[26]。
また、4人は互いにニックネームを交換し、涌井は「雨の試験官」、榊原は「逆回転の鍵」、北畑は「朱の余白」、伊達は「秒針の口」と呼ばれたとされる。
評価[編集]
批評家の間では、えんぷていは“音の細部を物語化する”点で評価されてきた。特に2013年のシングル『サイレンと作文』は、ストリーミング再生が「8.7億回」を突破したとされる[27]。一方で、数字の出どころが季節ごとに変わるとして、集計方法に疑義を呈する声もあった[28]。
国民的な存在として扱われることもあり、教育番組で特集された際には、番組側が「えんぷてい式の敬語変換」を紹介したと報じられた[29]。ただしこの企画は、公式では“参考として面白い”扱いで、カリキュラム化はしていないと釈明されたとされる。
受賞歴/賞・記録[編集]
受賞歴としては、日本レコード大賞の関連企画で「裏紙賞(非公式)」を受けたとされるが、同賞は公式表彰ではないため、後年のまとめ記事では“記録”として分類されている[30]。
また、オリコン年間チャートでは、アルバム『雲間郵便局の午前3時』が年間アルバムランキングで第1位を獲得したとされる(同時期に第1位争いをしたアルバム名が複数報じられ、記事ごとに順位表が微妙に異なる)。そのため、当時の集計に関する資料検証が行われたとも噂されている[31]。
ライブ面では、ツアー全公演での平均アンコール回数が「1.7回」と記録され、アンコールの数を“約束の温度”として語るファンもいた。
ディスコグラフィ[編集]
シングルとしては『駅名の裏側』(2002年)、『濡れたレシートの唄』(2000年のミニEP扱い)、『サイレンと作文』(2013年)、『午後の封(ふう)だけ』(2016年)などが挙げられる。CDシングルは合計で11作を数え、配信限定シングルは“裏紙のみ同梱”の形式を取った作品が多いとされる[32]。
アルバムは『透明な一時停止』(2001年・インディーズ扱い)、『雲間郵便局の午前3時』(2007年)、『雨の試験官』(2014年)など計5枚が確認される。ベスト・アルバムとしては『えんぷてい 文字数の地図』(2019年)があり、収録曲の歌詞が全て再校正されたことで話題になった[33]。映像作品としてはライブ『霧間レイのいない夜会』(2018年)がある。
なお、末期には“CDは出さないが、裏紙は出す”という方針が強まり、配信ページにPDFの歌詞改訂版が添付される形式が固定化した。
ストリーミング認定[編集]
音楽配信の普及に伴い、各作品の再生回数は段階的に認定されるようになった。代表曲『サイレンと作文』は国内配信累計で「8.7億回」、『駅名の裏側』は「3.4億回」を記録したとされる[34]。
一方で、2010年代初頭の認定基準が変更されたため、初期の数字が見直された経緯があるとも指摘される。具体例として、同バンドのファンクラブが独自集計を行い、“見直し前よりも裏紙を読む人が多かった”という結果を出したとされる[35]。この主張は学術的検証がないため、公式には採用されていない。
タイアップ一覧[編集]
えんぷていの楽曲はテレビ番組や公共キャンペーンに起用された。代表的なタイアップとしては、ドラマ『雨の縫い方』の主題歌に『午後の封(ふう)だけ』(2016年)が採用されたとされる[36]。
また、の観光ポスターに『駅名の裏側』が使用されたが、ポスターでは曲名が小さく印字され、代わりに“改札の裏の文章”が大きく掲載されたという。これにより、BGMとしてではなく“掲示物としての音楽”が成立したとして話題になった[37]。
さらに、自治体の防災広報に『サイレンと作文』が使われたと報じられたが、公式発表では「防災のための音楽ではない」と否定された。否定したにもかかわらず、配布資料に引用が残っていたことから、誤解が長く続いたとされる[38]。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
ライブ・コンサートツアーは、インディーズ期から“裏紙配布”を軸に運営されてきた。メジャー初ツアーは2002年に「12都市」で行われ、各会場で配布された裏紙の用紙番号が一致するよう調整されたとされる[39]。
2014年の全国ツアーでは、会場ごとの湿度が配信アーカイブに記録され、ファンが“音の気象図”として共有した。記録上のピーク湿度は「92%」とされるが、これは測定器の装置不良である可能性も指摘されており、実際の体感と矛盾したとされる[40]。
終結直前のライブでは、最後に『透明な一時停止』のイントロだけが再生され、本編は始まらなかった。これが“始まらないことを成立させた”として、賛否が分かれた。
出演(テレビ/ラジオ/映画/CM)[編集]
テレビ出演としては、音楽番組の特番で『雲間郵便局の午前3時』を“朗読中心”で披露した回がある[41]。この際、演奏中に画面へ歌詞の校正履歴が表示され、歌詞が少しずつ変わっていく形式が採られたとされる。
ラジオでは、の深夜番組にて、メンバーが“裏紙の余白を読み上げる”コーナーを担当した。コーナー名は『沈黙の文字数』とされ、投稿ハガキの一部は翌週に朗読された[42]。
映画出演としては、青春映画『信号機の会話』に本人役でカメオ出演したと報じられたが、エンドロール上の表記が“えんぷてい(複数)”となっており、人数の扱いが曖昧だったとされる[43]。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
NHK紅白歌合戦への出場は、2017年に初めて実現したとされる。初出場当日の衣装は雨よけポンチョに“郵便番号”を縫い付けたもので、番号は全員の誕生日の下2桁を足した値だと説明された[44]。
ただし、誕生日の下2桁の計算例が公開されなかったため、視聴者の間では複数の誤算が生まれ、SNSでは“別解説が流通”した。結果として視聴率だけでなく、衣装の計算自体が拡散されたとされる[45]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
脚注
- ^ 佐倉 斑『歌詞が編集になる瞬間:えんぷてい論』青燈書房, 2015.
- ^ 涌井 透『声は機材ではなく天気である』百合門出版, 2010.
- ^ 百々瀬 理央『干渉しすぎない干渉:音響監修の現場』音響工房, 2012.
- ^ 北畑 朱音『低音は嘘をつかない』蒼波社, 2016.
- ^ 伊達 悠真『秒針の口—録音現場の小さな反乱』星雲スタジオ出版, 2019.
- ^ 榊原 鐘『逆回転の鍵:アレンジの文法』紅葉学院, 2008.
- ^ 『オリコン・アーカイブス(架空年次版)』オリコン研究所, 2007, pp. 41-58.
- ^ 『ストリーミング認定の実務:国内基準の変遷』音楽データ協会, Vol.12 No.3, pp. 12-30.
- ^ Moriya K.『Post-Urban Folk Rock and “Back Paper” Narratives』Journal of Japanese Sound Studies, Vol.9 No.1, pp. 77-95.
- ^ 『NHK紅白集計メモ』NHK広報資料編纂室, 2017, pp. 3-18.
- ^ 『メジャーデビュー現場報告書(少数点まで)』Lapis Valley Records編集部, 2002, pp. 9-14.
外部リンク
- emptei.example(公式サイト)
- YURIMON_AUDIO(音響協同組合・百合門)
- LapisValleyArtists(レーベル公式)
- 雲間郵便局(ファンクラブ資料倉庫)
- BackPaperArchive(裏紙アーカイブ)