さとみだ
| コンビ名 | さとみだ |
|---|---|
| 画像 | |
| キャプション | |
| メンバー | 里見田 司、三田辺 章 |
| 結成年 | 2014年 |
| 解散年 | |
| 事務所 | 北辰プロモーション |
| 活動時期 | 2014年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 里見田 司 |
| 出身 | |
| 出会い | 養成所の合同発表会 |
| 旧コンビ名 | 田中と里見田 |
| 別名 | 沈黙二人組 |
| 同期 | 三浦トマト、夜叉川バッファロー |
| 影響 | 長い間を用いる漫才の再評価 |
| 現在の代表番組 | サトミダ・ラジオの余白 |
| 過去の代表番組 | 笑いの保冷庫 |
| 現在の活動状況 | ライブを中心に活動 |
| 受賞歴 | 平成末期漫才新人賞 準優勝 |
| 公式サイト | 北辰プロモーション公式プロフィール |
さとみだは、を拠点に活動する。結成。いわゆる「静かな間」と「説明過多のオチ」を組み合わせたで知られる[1]。
メンバー[編集]
里見田 司(さとみだ つかさ)は担当、生まれ。台本上の役割は突っ込みであるが、実際には相方より先に状況を誤解してしまうことが多く、そのズレ自体が笑いになるとされる。ネタ作成も担当し、場面転換の説明を異常に丁寧に書く癖がある。
三田辺 章(みたべ あきら)は担当、生まれ。声量は小さいが、視線だけで客席をざわつかせるタイプとして知られる。公式には無口な性格とされているが、楽屋では小道具の配置についてだけ饒舌になるという証言が複数ある[2]。
来歴[編集]
結成[編集]
2人は、の養成所「」合同発表会で初めて本格的に組んだとされる。当時はそれぞれ別のコンビに在籍していたが、発表会の段取り表を互いに読み違え、同じタイミングで舞台袖に立ってしまったことが結成の契機になったという。この偶然が「間のある会話芸」として評価され、講師のが半ば強引に組ませたと伝えられている。
結成当初のコンビ名は「田中と里見田」であったが、に現在の「さとみだ」へ改称した。改称理由は、チラシ印刷の際に旧名が2行に割れて読みづらかったためとされるが、実際には事務所内で同名の新入生が増えたためだという説もある[3]。
東京進出[編集]
、活動拠点をの小劇場からの定期寄席へ移したことで、徐々に露出を増やした。この時期に収録された深夜番組『』で、2人が90秒の沈黙をはさんでから一言だけ落とす形式のネタを披露し、局内で「編集泣かせの漫才」と話題となった。
なお、にはの劇場企画にも参加し、後に「大宮セブンに近い空気を持つが、正式には一切関係がない」と評された。この評は本人たちも気に入っており、現在でもパンフレットにだけ小さく掲載している。
芸風[編集]
さとみだの芸風は、を基調としつつ、的な状況設定を冒頭に埋め込む形式である。里見田が制度や手順を過剰に整理し、三田辺がその前提を1つだけ静かに破壊する構造が多い。
演目の特徴として、オチ直前に全員が「いったん説明し直す」時間を入れることが挙げられる。これにより通常のボケ・ツッコミの往復が遅延し、観客が笑う前に一度納得してしまう点が独自性とされる。業界内では「説明系漫才」「保留型笑い」と呼ばれ、のは「笑いの生成工程を客席に見せる希有なコンビ」と評した[4]。
エピソード[編集]
2人は初ライブの際、出囃子を流し忘れたまま舞台に出てしまったが、三田辺が無言でポケットから小さな拍手板を取り出し、2回だけ叩いてから自己紹介を始めたため、結果として「最初から演出だったように見えた」という逸話が残っている。
また、のでの寄席では、里見田がネタ中に使用するホワイトボードを忘れ、近くので購入したレシート裏に図解を書いて演じ切った。この回は後に「小道具の危機管理能力が高い」として、若手芸人向け講座の教材に採用されたという。
出囃子[編集]
出囃子は風のシンセサイザーを模したインストゥルメンタル『余白の序曲』である。公式には北辰プロモーション所属の音響担当が自作したことになっているが、実際にはの中古レコード店で購入したB面トラックを編集したものだとする説が有力である。
なお、ライブハウスによってはイントロが長すぎるため、開演前に半分だけ流されることがあり、これを受けて2人が「後半だけで入場してくる」演出を始めたこともある。
賞レース成績・受賞歴[編集]
、『平成末期漫才新人賞』で。審査員の1人は「完成度は高いが、説明が丁寧すぎて脳が追いつかない」と講評した。
、『北関東お笑い回遊杯』で。ここでは3回戦まで沈黙時間の合計が最長であったとされ、集計係が一度だけ時計を止めたという。賞レースでは珍しく、ネタ尺よりも「前段の説明文量」が評価対象になったことで議論を呼んだ[5]。
には『東京漫才アーカイブ賞』特別部門を受賞した。これは「新しいことをしているのに、古典のようにも見える」という両義性が評価されたためである。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
『』()ではレギュラー準レギュラー的な扱いで、毎回最後の30秒だけ出演していた。編集で大半が切られることも多かったが、それが逆に「もっと見たい」との反響を生んだ。
『』では司会の補助を務め、観客に拍手のタイミングを説明する役回りが固定化した。
ラジオ[編集]
『』は2人の冠番組で、放送開始から10分間ほとんど無音の週が2回あった。局側は事故を疑ったが、後日、投稿メールを読むために意図的に沈黙を置いていたと説明されている。
この番組の名物企画「間に合うまで喋らない」は、リスナーの生活音だけが流れる回が最も人気であった。
作品[編集]
DVD『』は、漫才とコントを交互に収録した初映像作品である。特典映像には、2人が舞台袖で「次のボケをどちらが先に忘れるか」を賭けていた様子が収められている。
CD『』は、出囃子と間の取り方を研究したコンセプト盤で、一般的な音楽作品としてはかなり説明的であるが、業界関係者からは資料価値が高いとされた。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『』『』『』などがある。いずれも会場の照明を極端に落とし、観客が「始まったのかどうか」を数秒迷う構成で知られる。
の単独ライブ『』では、終演後に配布されたアンケートの半数以上が「もう一回見たい」ではなく「確認したい」であった。
書籍[編集]
共著『』()は、ネタの構造よりも沈黙の扱いに焦点を当てた研究風エッセイである。本人たちは「資料として読まれる本を目指した」と語っているが、実際には笑いどころの注釈が本編より多い。
また、『』の連載「さとみだの段取り帳」は、舞台裏のトラブル対応を毎号1件ずつ記録しており、若手芸人の間で地味に回覧された。
脚注[編集]
1. ^ 里見田の出身地については説と説があるが、本人が訂正しないため未確定のままである。 2. ^ 三田辺が楽屋で小道具の配置にこだわる件は、複数の現場スタッフの証言による。 3. ^ 改称の経緯は事務所の広報資料と本人証言でやや異なる。 4. ^ 森下由紀『保留される笑い』第12巻第3号, pp. 44-51. 5. ^ 賞レースの計測方法には主催者側の裁量が大きく、公式記録とは一致しない場合がある。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
北辰プロモーション公式プロフィール
さとみだ公式X
サトミダ・ラジオの余白 公式ページ
月刊演芸新報 アーカイブ
東京漫才アーカイブ研究会
脚注
- ^ 森下由紀『保留される笑い』演芸批評 第12巻第3号, pp. 44-51.
- ^ 高瀬昌平『若手漫才の構造変化と沈黙の効用』日本演芸学会誌 Vol. 18, No. 2, pp. 11-29.
- ^ 北辰プロモーション編『北辰演芸学院 10年史』北辰出版, 2022.
- ^ 田所美咲『東京小劇場における説明系漫才の受容』芸能文化研究 第7巻第1号, pp. 88-103.
- ^ A. Thornton, "The Silence Gap in Contemporary Japanese Manzai," Journal of Popular Performance, Vol. 9, No. 4, pp. 201-219.
- ^ 里見田司・三田辺章『漫才の余白学』北辰出版, 2024.
- ^ 黒田一成『深夜番組と編集不能な笑い』放送研究資料 第21号, pp. 5-18.
- ^ S. Watanabe, "A Note on the Introduction of Pause-Based Comedy," International Review of Performance Studies, Vol. 14, No. 1, pp. 73-90.
- ^ 演芸新報編集部『平成末期新人賞の審査基準』月刊演芸新報 第33巻第8号, pp. 2-9.
- ^ 松永あおい『拍手板の民俗誌』芸能民俗学 第5巻第2号, pp. 55-66.
外部リンク
- 北辰プロモーション公式プロフィール
- さとみだ公式X
- サトミダ・ラジオの余白 公式ページ
- 東京漫才アーカイブ研究会
- 月刊演芸新報 アーカイブ