どうぶつ奇想天外!の画伯系の回答絵一覧
| 対象番組 | 『どうぶつ奇想天外!』 |
|---|---|
| ルール種別 | 回答を絵で行う(画伯系) |
| 出現時期(推定) | 第1期後半〜第3期前半 |
| 主な特徴 | 下手さが“様式美”として強調される |
| 記録媒体 | 番組台本・デジタル保存スキャン・回収用色紙 |
| 検証方法 | スタジオ背景クロマキー痕・紙目情報・署名圧から推定 |
どうぶつ奇想天外!の画伯系の回答絵一覧は、で放送された動物クイズ企画において、回答者が動物を“絵で示す”ルールの下で描いた作品群を整理したものである[1]。特に出演者の画力が拙いほど、奇抜な動物表現として回遊的に記録されてきたとされる[2]。
概要[編集]
どうぶつ奇想天外!の画伯系の回答絵一覧は、番組内の動物クイズで「出演者が回答動物を絵で描く」運用がなされていた期間に残された回答絵を分類した一覧である[1]。本一覧では、とくに“絵心がない(下手)な出演者”が描いた異様に具体的な動物像を中心に扱い、絵の出来不出来自体が合否判定や笑いの確率に影響したとされる[2]。
この企画はもともと視聴者参加企画の派生として始まり、最初は「正確さ」を競う方式であった。しかし、描けない出演者が増えるにつれ、番組側は『正しさではなく説得力(絵としての勢い)』に重心を移し、結果として“奇想天外な下手絵”が記号化したと説明されている[3]。なお、一覧の選定基準には、描線の走行速度、紙の折り目位置、獣毛の塗りの反復回数などが用いられたとする指摘があるが、いずれも後付け推定に過ぎないとされる[4]。
一覧[編集]
=== 画伯系・序盤(導入期の“下手仕様”)===
1. 《サメ(口が地図)》(1987年)- 出演者は“顎”を海路図のように描き、牙を等高線に見立てたとされる。審査員が思わず「航路の方が正解です」と言い、番組の空気が固定化した逸話が残る[5]。
2. 《アリクイ(配管)》(1988年)- 首を伸ばす代わりに配管の継ぎ目を増やし、鼻先にバルブを描いた例である。紙面の中心から右上へ筆圧が逃げる癖があり、以後“逃げ線アリクイ”と呼ばれるようになった[6]。
3. 《ハリネズミ(雷ノコギリ)》(1989年)- トゲを針金のジグザグで表し、背面に小さな稲妻を添えた。解答理由が「怖いから」とだけ口走り、視聴率が一時的に跳ねたと番組スタッフが語ったとされる[7]。
4. 《タコ(吸盤が顔)》(1990年)- 吸盤を“目”として描き、胴体を表情の集合体にした。テロップ担当が「全部が正面を向いています」と評し、以後“全方向受容タコ”と呼ばれた[8]。
5. 《カピバラ(湯気の王冠)》(1991年)- 体よりも湯気と王冠を丁寧に描いた例である。出演者が「動物は温泉で育ちます」と言い張った結果、王冠だけが異様に高精細で残ったとされる[9]。
6. 《コアラ(枕としての木)》(1992年)- 木に枕カバーの縫い目を描き、コアラを枕の縁に置いた構図。正解動物より寝具の描写が濃く、以後“生活提案型コアラ”の系譜に入れられた[10]。
=== 画伯系・中盤(下手さが制度化した時代)===
7. 《チーター(線香花火)》(1993年)- 走る動物の速度を“花火の尾”で表現し、体よりも軌跡を12本描いたとされる。審査員が数を勘違いして「13本で当たり」と言ったが、その年の正答率が実際に上がったとする記録がある[11]。
8. 《フクロウ(電卓の目)》(1994年)- 目を液晶のように描き、眉に角ばったカギ括弧を入れた。出演者は「計算する夜」と説明し、台本に“回答詩のように喋る”欄が増えたという[12]。
9. 《ペリカン(落とし物ポーチ)》(1995年)- 嘴の下の袋を“レシート置き場”と見立てて描いた。袋の中に「小銭・折り畳み傘・不明な鍵」を3点セットで描き、説明が長すぎて時間切れになりかけた逸話がある[13]。
10. 《ワニ(回転寿司の文字)》(1996年)- 背中の模様を寿司のネタ札のように並べ、口を“シャリの間”のように描写した。制作側は「食べ物に寄せると得点が伸びる」と学習したとされる[14]。
11. 《カエル(ホースの口)》(1997年)- 両目を吸水口として描き、舌をホース先端のストッパーにした例である。実際のスタジオ床の色に紙の緑が合いすぎたため、スタッフが「背景と同化した」と記録している[15]。
12. 《シマウマ(障子)》(1998年)- 黒白の縞をそのまま障子の格子にして、体の外形を“立て付け”として描いた。視聴者投書が増え、以後“和室ズブラ”として再放送枠に回されたという[16]。
=== 画伯系・終盤(奇想天外が“様式”として固定化)===
13. 《ゾウ(地面に刺す傘)》(1999年)- 鼻を傘の骨として描き、足元に雨の粒を無数に散らした。出演者が「雨を噛むんです」と言い、解答として採点された(理由は“勢いの統一”とされた)[17]。
14. 《ライオン(王の落書き)》(2000年)- たてがみを落書きのような円弧で描き、目に“日の丸”を小さく置いた例である。演出チームは“政治っぽさ”を抑える方向だったが、なぜか当該回だけSNSが盛り上がったとされる[18]。
15. 《コウモリ(領収書の翼)》(2001年)- 翼を領収書の折り目として描き、裏面の控え線まで再現しようとした形跡がある。出演者は「夜は事務仕事」と語り、以後“帳簿コウモリ”として語り継がれた[19]。
16. 《クジラ(巨大な付箋)》(2002年)- 体を付箋サイズで薄く描き、吹き出しの代わりに“メモ”を大量に書き込んだ。スタッフが付箋風の紙質に注目し、視聴者も「発想が正しい」と誤認した(実際は単なる広告紙を流用したとする噂がある)[20]。
17. 《カメ(タイムカード)》(2003年)- 甲羅にタイムカードの打刻欄を描き、首の代わりに短いピンを付けた。回答理由が「遅刻しないために歩く」となり、以後“勤怠カメ”が半ば公式の呼称として定着したとされる[21]。
18. 《チョウ(付け替えボタン)》(2004年)- 翅を操作パネルのように描き、模様をボタン配置として整理した。審査員が「羽ばたきはUIだ」と評したとされるが、録音は残っていないと報じられた[22]。
=== 派生系・判定員が笑いをこらえた回===
19. 《ペンギン(冷凍ピザの地図)》(2005年)- 図柄をピザのカット線にしてしまい、足元に“トッピングの凡例”を描いた。出演者は「氷は厨房です」と言い切ったが、採点は満点ではなく“準満点”(勢いが勝ったため)とされた[23]。
20. 《ヘビ(輪ゴムの成長図)》(2006年)- 体を輪ゴムとして描き、成長の段階を矢印付きで横に並べた。視聴者が「説明が科学ポスターみたい」と称賛した結果、以後“図解ヘビ”が学術風のレパートリーとして増えたとされる[24]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
歴史[編集]
“回答=文章”から“回答=線”へ[編集]
どうぶつ奇想天外!における画伯系回答絵の制度化は、視聴者からの投書が発端とされる。投書では「頭の中の動物を、絵としてはっきり見せてほしい」という要望が増え、番組は内の企画会議で「回答を線に換算する」方針を採用したと記録されている[1]。
当初の運用は、出演者に対し“正確に描く”指示が出された。しかし絵心のある出演者は少なく、誤差が増えるほど出演者が萎縮し、笑いが減ったとされた。そこで番組は、誤差を責めない代わりに“誤差の種類”を採点項目へ転換し、「下手さの中に一貫した物語があるか」が評価されるようになったとされる[2]。
この転換により、奇抜な比喩(配管、地図、帳簿、UI)を思いつく出演者が増え、最終的に『下手であることが先にあって、その上で不意打ちの比喩が来る』形式が定番化したと説明される[3]。ただし、台本の現物が一部欠落しており、制度化のタイミングは複数の回で“推定”に留まると指摘されている[4]。
誰が関わり、なぜ社会に刺さったのか[編集]
画伯系回答絵の成文化には、制作スタッフと“採点係”の役割分担が重要だったとされる。番組内にはとは別にが設けられ、回答絵の紙目方向や折り目の位置から「描き手の勢い」を推定する手法が導入されたと説明されている[5]。
また、出演者の心理的負担を下げるために、絵心がない場合の“許され方”が段階的に決められた。たとえば、誤って別の動物を描いても「比喩の整合性」があれば部分点が付く仕組みであり、これが結果として視聴者にも波及したとされる[6]。視聴者の自己肯定感に関連した投書が増えたため、当該企画は“描けない人のための可視化”として言及されるようになったと報じられている[7]。
さらに、この流れは当時の教育現場にまで影響したとする説がある。つまり、国語の授業で「正しい答え」ではなく「比喩で伝える」練習が増え、親が家庭で一緒に動物を描くようになった、という筋書きである。ただし、学校側の記録は一致しないため、社会影響は概ね“噂”の範囲にとどまるとされる[8]。
批判と論争[編集]
画伯系回答絵一覧は、笑いの仕組みとしては評価されつつも、いくつかの批判を呼んだとされる。第一に、下手さが“芸”として消費される点が問題視された。批評家は「描けない出演者を道具化した」と指摘し、番組側は「描けない人の挑戦を称える設計」であると反論したとされる[1]。
第二に、採点基準が曖昧なことである。紙目や筆圧などの言及は番組の裏話として広まったが、実際の採点表が公開されていないため、視聴者は“結局なにが正解なのか”を疑問に思ったとされる[2]。なお、ある雑誌では「審査員の笑い声が周波数分析され、平均が一定以上なら加点」という、やや荒唐無稽な説明も掲載された[3]。ただし当該説明は裏取りが取れていないとされ、公式な根拠として採用されていないとされる。
第三に、出演者のスキャンデータや色紙の保管が話題になった。保管場所が近郊の倉庫だという噂が流れ、一部の市民が「個人の落書きがアーカイブ化されるのはどうなのか」と懸念を示したとされる[4]。番組側は「制作物の管理は通常範囲」であると説明したが、批判が消えるまでには時間がかかったとされる[5]。
脚注
- ^ 中村錬十『奇想天外の採点学――線と笑いの相関(Vol.2)』東京放送企画局出版, 1992.
- ^ ケルン・ローデン『The Semiotics of Bad Drawing in Japanese Game Shows』Journal of Visual Play, Vol.14 No.3, 1999.
- ^ 高橋紺太『紙線判定係の記録:番組裏の10秒ルール』【架空】テレビ制作研究所, 2001.
- ^ イザベラ・ミルナー『When Accuracy Loses: UI-Style Animal Guessing』International Review of Media Tricks, Vol.9 No.1, 2004.
- ^ 佐藤眞砂『バラエティ採点の“正解”概念を更新する』NHK放送技術叢書, 2006.
- ^ 楠本理央『下手絵はなぜ勝つのか:視聴者参加型クイズの設計』関東クイズ協会紀要, 第7巻第2号, 2008.
- ^ 李尚賢『笑い声の周波数分析と視聴体験(第1版)』音響文化論叢, Vol.3 No.4, 2011.
- ^ 福田灯子『番組台本の欠落箇所を読む方法:どうぶつ奇想天外!事例研究』日本テレビ史研究会, pp.101-119, 2013.
- ^ A. H. サンチェス『Archive Practices for Ephemeral Television Materials』Broadcast Museum Papers, pp.44-60, 2016.
- ^ 橋本海音『画伯系回答絵一覧の編纂史(誤植版)』TBSライブラリ編集部, 2018.
外部リンク
- どうぶつ奇想天外!アーカイブ(回収色紙倉庫)
- TBS紙線判定係メモ
- バラエティ採点基準研究会(視聴者掲示板)
- 港区・番組資料管理ノート
- 線と比喩のクイズ理論(個人サイト)