にゃみにゃるのアイワナ不正事件
| タイトル | にゃみにゃるのアイワナ不正事件 |
|---|---|
| 画像 | 架空のジャケット画像(猫耳の裁判官が天秤を持つ) |
| 画像サイズ | 280px |
| キャプション | “にゃんP”版の初回特典カードには「不正の発生源推定表」が付属したとされる。 |
| ジャンル | アドベンチャーRPG(捜査・改造・告白選択) |
| 対応機種 | にゃんP(携帯端末) |
| 開発元 | にゃみにゃる研究所 |
| 発売元 | 猫塚メディア販売(通称: 猫塚販) |
| プロデューサー | 渡辺精一郎(わたなべ せいいちろう) |
| ディレクター | Margaret A. Thornton(マガレット・A・ソーントン) |
| デザイナー | 佐倉ミオ(さくら みお) |
| プログラマー | 黒猫アルゴリズム課(クリーンルーム開発チーム) |
| 音楽 | 千葉サトシ&ホワイトノイズ・アンサンブル |
| シリーズ | にゃみにゃる |
| 発売日 | 2021年7月24日 |
| 対象年齢 | C(どきどき・軽い検閲表現あり) |
| 売上本数 | 全世界累計138.2万本 |
| その他 | 日本ゲーム大賞の“伝聞型社会風刺賞”を受賞したとされる。 |
『にゃみにゃるのアイワナ不正事件』(英: Nyamy Nar's If I Wanna Fraud Incident、略称: NIWAF)は、[[2021年]][[7月24日]]に[[日本]]の[[にゃみにゃる研究所]]から発売された[[架空の携帯型ゲーム端末「にゃんP」]]用[[コンピュータRPG]]。[[にゃみにゃる]]シリーズの第4作目である[1]。
概要[編集]
『にゃみにゃるのアイワナ不正事件』は、捜査官猫「にゃみにゃる」を操作して、RPG形式の証拠収集と告白選択を繰り返しながら、架空のオンライン大会の不正を暴く作品である。通称は「NIWAF」であり、キャッチコピーは「勝ちたい気持ちは、改造できない。」とされる[2]。
本作は当時の業界で、ゲーム内の“確率演算”が実在の判定ログに似すぎたことから、発売前から議論を呼んだ。なお、開発者は「確率は“心の推定器”である」と説明していたと報じられたが、のちにその文言が社内の統計資料そのままだったことがスクリーンショットで拡散したとされる[3]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
プレイヤーは主人公「にゃみにゃる」として操作し、落ちものパズル要素とハンティングアクションの中間に位置する“証拠落下”を行う。具体的には、1ターンに3枚の証拠カードが盤面へ落下し、猫の“ひげアンカー”で位置を調整することで、カードの「真偽スコア(最大9.99)」が確定するとされる[4]。
ゲームシステムの特徴として、戦闘は通常のHPを持たず、「整合性(Consistency)」が体力の代わりに提示される。整合性が0になると負けではなく「供述が途切れる」仕様になっており、プレイヤーは再挑戦時に“聞き直しコスト(初期17、改造で最大-12)”を支払う必要がある[5]。この設計により、プレイヤーは敵を倒すより先に、沈黙を読み解くことが求められたとされる。
アイテム面では、裁判用の判例印紙「判印ステッカー(通称: はんいん)」や、改造工具「ねじねこドライバー(青/赤の2色)」が登場する。対戦モードも用意されており、協力プレイでは“証拠の受け渡し”が通信待ち時間を使って成立する仕様であったとされるが、実際の実装はローカル同期の簡略版だったと後に内部告発が出た[6]。
ストーリー[編集]
物語は、猫の競技都市の“月猫体育館”にて開催される、魔法式ガチャ抽選ゲーム「アイワナ杯」から始まる。主人公にゃみにゃるは、優勝直後に配られた“合鍵カード”が、明らかに同一シリアルの複数発行であることを告げられ、不正調査に駆り出される[7]。
ストーリーは章立てではなく、証拠の種類ごとに分岐する。たとえば第2章相当では、配給記録(ログ)を“読む”ルートと、“匂い”を嗅ぐルートに分かれるが、匂いルートを選ぶと勝利条件が「犯人当て」ではなく「匂いの保存期限(推定42日±3)」を当てることにすり替わる[8]。
終盤では、敵陣にあたる組織「データ衛生局(デ衛局)」が、証拠改ざんを“衛生管理”と呼び始める。そこでプレイヤーは、最後の選択肢「告白する/告発する/黙って保存する」を迫られるが、黙って保存するとスタッフロールが1本増え、追加曲が解放される“隠し筋”が存在したとされる[9]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主要人物として、主人公の捜査官猫「にゃみにゃる」(通称: 三毛の算盤)がいる。彼は過去に“猫税”の取り締まりで名を上げたとされるが、その経歴は作中で一度も検証されないまま、都合よく強化アイテムの説明だけに残っている[10]。
仲間には、法廷AIの「フクロウ判事ロクス(Rox)」と、現場技師の「渡辺精一郎(開発関係者の名を再利用したと推定される)」が登場する。フクロウ判事ロクスは、プレイヤーが選んだ言い回しを数値化して“罪悪感メーター”を増減させるとされ、会話のたびに「あなたの矛盾、1.3%」のような短い通知を返す[11]。
敵としては、データ衛生局の局員「黒鍵ベルド(くろかぎ べるど)」が中心人物になる。彼は攻撃ではなく“整合性の改行”を行う存在として描かれ、勝てば戦闘が終わるのではなく、供述が“段落をまたいで”乱れる。なお、同組織の本部所在地としての“旧冷凍倉庫”が示されるが、地図には正式住所がなく、読者の間で「実在の地名を隠したかったのでは」と指摘が出た[12]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の世界観では、確率が「気配(プレイズ)」として扱われる。アイワナ杯における抽選は“気配変換器”によって行われ、変換器の出力値が証拠カードに刻印される仕様であるとされる[13]。
不正の概念としては、改造ではなく「整合性のすり替え」が問題とされる。プレイヤーは“整合性が高い供述”を集めるほど強くなるが、逆に整合性が高すぎると警戒レベルが上がり、敵が“嘘に似た沈黙”を使うようになる。これは開発が意図したメタ的設計であると説明されたが、のちに攻略掲示板では「嘘に似た沈黙は、たぶん単なる難度調整」とされてもいる[14]。
なお、世界観の小ネタとして、各章の背景に“検閲スタンプ(丸印で日付のみ)”が押される。スタンプの日付がプレイ時刻と一致することがあると報告され、プレイヤーが端末の時刻を戻すと告白イベントのセリフが変わる場合があったとされる[15]。この挙動はバグとされつつ、製品発表では「時刻は供述に影響する」と説明された。
開発/制作[編集]
制作経緯として、本作は前作『にゃみにゃるの港猫通信』の“ログ改変バトル”を発展させる形で企画されたとされる。プロデューサーの渡辺精一郎は、インタビューで「勝ち負けより、記録が壊れる音を作りたかった」と語った[16]。
スタッフには、ディレクターのMargaret A. Thorntonのほか、猫型UIを担当した「佐倉ミオ」が参加したとされる。設計段階では、1ターンあたりの証拠落下枚数を5枚にする案もあったが、内部テストで平均プレイ時間が想定より41分長くなったため、3枚に削られたと報告されている[17]。また、サウンド面では“告白の声色”をプレイヤー選択で変化させる試みがなされたが、実装が複雑になり、最終的には7種類の声色へ圧縮されたとされる。
一方で、発売直前に「確率演算のログが、実在する審査システムの文言に似ている」との指摘が入った。猫塚メディア販売は「確認用のダミーデータ」と説明したが、発売後に監査会話ログの一部が“どこかの公開資料”と一致していたとの噂が広まった[18]。
音楽[編集]
音楽は千葉サトシ&ホワイトノイズ・アンサンブルが担当した。公式には“裁判所のように硬いリズム”を目指したとされ、告白イベントでは低周波ノイズが混ぜられていると紹介された[19]。
サウンドトラック『Evidence Drops: NIWAF Original Soundtrack』には、全23曲が収録される。特に評価されたのは、テーマ曲「誤差は抱きしめて」であり、サビの和声が“整合性が高いほど解像度が増える”仕組みになっている。なお、解像度が増えるという説明は、聴覚心理の話として書かれたが、実際にはコンテナ形式の違いで音の粒が変わっただけではないかという意見もある[20]。
また、隠し筋で解放される追加曲「黙って保存する(42日譜)」は、作中で語られる匂いの保存期限42日と連動して、再生タイマーが進むと終盤の和音が少しずつ薄くなるとされる。薄くなる仕様はプレイヤーが気づかなかった場合でも適用されるため、結果として“気づいた人だけ得をする”形式になったと指摘されている[21]。
他機種版/移植版[編集]
2022年には“にゃんP Pro”へのアップグレード版が配信された。移植ではなく「改造パッチ」として扱われ、既存データを引き継ぎつつ、証拠落下の判定幅が±0.5から±0.2へ縮小されたとされる[22]。
さらに2023年には、家庭用端末「据え置きにゃん座」へ移植された。公式の説明では、触感フィードバックを追加したとされるが、実際にはコントローラの振動パターンを差し替えただけだという噂もあり、レビューでは両者の表現が割れた[23]。
ただし、据え置き版では“フクロウ判事ロクス”の一部セリフが削られた。理由として「録音データの容量不足」が挙げられたが、当時の媒体では“削ったのは矛盾が露呈する箇所だったのでは”と報じられた。ここが本作の批評ポイントの一つになったとされる[24]。
評価(売上)[編集]
発売週の初動売上は国内で約19.6万本に達したとされ、全世界累計は138.2万本を突破した。日本では“捜査RPG”という分類が定着し、ジャンル横断のファン層を広げたと評価された[25]。
一方で、レビューでは難度の“整合性ジャンプ”が物議を醸した。整合性が閾値を越えるとイベントが進む仕様があるため、攻略サイトの手順と違う選択をしたプレイヤーが、唐突に供述イベントへ巻き込まれる。これを「演出」と見るか「理不尽」と見るかで評価が分かれたとされる[26]。
ファミ通クロスレビューではゴールド殿堂入りを果たしたと報じられたが、後の集計では“言い回し依存の評価”が強く働いたのではないかという疑念が示された。結果として、売上は伸びたにもかかわらず、議論が沈静化しないタイプのヒット作になったと整理されている[27]。
関連作品[編集]
関連作品として、テレビアニメ『にゃみにゃる裁判日誌』がある。作中で本作のキーワード「アイワナ杯の気配変換器」が回収され、主人公の過去が“調書の余白”として描かれる形式になったとされる[28]。
また、漫画『証拠落下指南〜猫耳の整合性〜』では、落ちものパズルのコツが半ページずつに圧縮され、異様に細かい数字(例: 右上角にカードを寄せると判定が+0.07される)が掲載された。これらの数字が本編のデータと一致するのではないかという噂も出たが、公式は「気配のたとえ」であると説明した[29]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本として『にゃみにゃるのアイワナ不正事件 完全供述マニュアル(第1巻)』が刊行された。内容は章別の選択肢表だけでなく、判印ステッカーの貼る位置推奨(例: “尻尾の付け根から3.2cm”)まで含むとされる[30]。
書籍では『整合性の言い換え:RPG設計の裁判論』が出版され、ゲームデザイン史の文脈で“告白選択”を論じたとされる。なお、著者名の一部が開発スタッフの名前をもじったものだとして、読者の間で混乱が起きた[31]。
さらに、公式のサウンドトラック連動冊子『Evidence Dropsの耳』では、低周波ノイズのスペクトル図が掲載されている。図は美しいと評されつつ、測定機材が明記されないまま描かれているため、専門家からは「要出典に相当する」との指摘がある[32]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「証拠落下判定の心理モデル:供述における整合性の役割」『月刊ゲーム法学』Vol.12 No.4 pp.11-38, 2021.
- ^ Margaret A. Thornton「Probability as Presence: If I Wanna Fraud Incident」『Journal of Playful Analytics』Vol.7 No.2 pp.55-74, 2022.
- ^ 佐倉ミオ「裁判官UIの猫耳設計:声色と選択肢の対応」『インタラクティブ表現研究』第3巻第1号 pp.101-120, 2021.
- ^ 黒猫アルゴリズム課「NIWAF検閲ログ最適化手法(機密ではない版)」『会話ゲームエンジン年報』Vol.5 pp.201-219, 2022.
- ^ 千葉サトシ「Evidence Dropsにおける低周波ノイズの扱い」『サウンドデザイン・レヴュー』第9巻第2号 pp.77-95, 2023.
- ^ 猫塚メディア販売編『NIWAF発売記念特別誌:気配変換器の真実』猫塚販, 2021.
- ^ 『ファミ通クロスレビュー』編集部「ゴールド殿堂入りソフトの傾向分析(2021年後半)」『週刊ファミ通研究』Vol.33 No.19 pp.3-18, 2022.
- ^ 公益・ゲーム審査機構「伝聞型社会風刺賞 募集要項と判定基準」『審査報告書』第2号 pp.1-24, 2021.
- ^ Hiroshi Tanaka「Consistency Cliffs in RPGs with Confessional Choice」『Proceedings of Imaginary Game Systems』Vol.2 pp.12-29, 2020.
- ^ 神山ユウ「にゃんP Proの判定幅縮小は何を変えたか」『携帯端末ゲーム移植論』第1巻第1号 pp.44-61, 2022.
外部リンク
- にゃみにゃる公式裁判所
- NIWAF解析協会
- 猫塚メディア販売・お知らせ倉庫
- 証拠落下練習場(コミュニティ)
- ホワイトノイズ・アンサンブル試聴室