アーマミーゴ
| コンビ名 | アーマミーゴ |
|---|---|
| 画像 | |
| キャプション | |
| メンバー | 阿間 伸一・三郷 ミゲル |
| 結成年 | 1998年 |
| 解散年 | |
| 事務所 | 北辰演芸社 |
| 活動時期 | 1998年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 阿間 伸一 |
| 出身 | 、 |
| 出会い | 養成所の“早口自己紹介”課題 |
| 旧コンビ名 | アマミーゴ仮 |
| 別名 | Ammamigos |
| 同期 | 港北パンタグラフ、夜行性ボンネット |
| 影響 | 過剰情報系漫才の定式化 |
| 現在の代表番組 | 『深夜の説明室』 |
| 過去の代表番組 | 『アーマミーゴの3分でわかる大騒ぎ』 |
| 現在の活動状況 | テレビ・配信・舞台で活動 |
| 受賞歴 | 第14回優秀演芸部門 |
| 公式サイト | 北辰演芸社公式プロフィール |
アーマミーゴ(英: Ammamigo)は、・を拠点とする架空の。結成で、独特の「過剰説明漫才」と、終盤にだけ急にの民謡を差し込む構成で知られる[1]。
メンバー[編集]
阿間 伸一(あま しんいち)はボケ担当、ネタ作成も担当する。早口で固有名詞を畳みかけるスタイルが持ち味で、学生時代はの区民館で開催された“30秒で履歴書を説明する会”の常連であったとされる[2]。
三郷 ミゲル(みさと みげる)はツッコミ担当で、見た目の割に地元密着型の語り口が特徴である。父がの港湾労務者、母がスペイン語教室講師であったという設定を自作し、初期は自己紹介のたびに出身地が3回変わったため、事務所内で「地理に弱い男」と呼ばれていた[3]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
2人は、北辰演芸社の養成講座「第6期・即興説明科」で出会ったとされる。当時の課題は、15秒で“冷蔵庫の魅力”を語るというもので、阿間が42秒しゃべり続け、三郷が時計を叩いて止めたのが最初の共演であったという[4]。
コンビ名は、阿間が口癖のように言っていた「アーマ、ミーゴ、もう一回」に由来するという説が有力であるが、実際には講師のが黒板に適当に書いたラテン語風の単語を採用しただけともいわれる。なお、初舞台では「アマミゴ」と紹介され、客席のにいた観客の1人がメモ帳へ「アーマミーゴ」と誤記したことが定着の契機になったとされる[5]。
東京進出[編集]
結成翌年の、2人は活動拠点をに移し、地下の喫茶店「喫茶ポラリス」で月2回の自主ライブを開始した。ここで披露された「説明しすぎるラーメン屋」のネタが、店主の意向でメニュー裏に全文印刷され、後に“食べログより長いメニュー”として話題となった[6]。
には深夜の系若手枠に抜擢され、1回限りの特番『アーマミーゴの3分でわかる大騒ぎ』が放送された。視聴率は関東地区で2.8%とされるが、録画機の再生回数が異常に多く、番組表の誤植を目当てに視聴した層が多かったとの指摘がある。
芸風[編集]
芸種は漫才とコントの両方に分類されるが、本人たちは「半分は口頭の図解である」と説明している。阿間が極端に細かい前提を積み上げ、三郷が「それ、最初に言って」と返す流れが定番で、1本のネタに平均14個の前提条件が入ることで知られる[7]。
特に有名なのは、舞台上に出された白いホワイトボードを一度も使わず、15分かけて“使う予定だった図”を口で再現する形式である。これにより観客は、最後まで見ても絵が見えてこないのに内容だけは妙に理解できるという奇妙な体験をすることになる。また、終盤に必ず由来の民謡調の節回しが挟まれるが、これは三郷が祖母の影響で覚えたものではなく、初期の舞台袖で流れていたBGMがたまたまそうだったためとされる。
エピソード[編集]
、の寄席に出演した際、阿間が小道具として持ち込んだ地図がの区境で細かく折り畳まれすぎた結果、ネタの途中で広げると紙が破れ、三郷が即興で「破れた分だけ説明を増やすな」と突っ込んだ逸話は有名である。これが後の“説明の破片化”という芸風の原型になったともいわれる[8]。
また、にはの劇場で行われた合同公演において、共演者のと持ち時間が重なり、両者が同時に舞台へ出たまま5分間だけ完全な無言状態になった。この沈黙を“芸の間”と解釈した観客が拍手したため、アーマミーゴは以後「沈黙を設計するコンビ」として評価されるようになった。
出囃子[編集]
出囃子は、風にアレンジされた『港のヨーデル』である。これはに事務所の音響担当が、誤って民謡番組用のカセットを流したことから定着したもので、以後10年以上にわたり同じ冒頭16秒のみが使用されている[9]。
なお、舞台進行上の都合で曲の後半を流すと客席が落ち着かなくなるため、現在も“前奏しか存在しない出囃子”として扱われている。
賞レース成績・受賞歴[編集]
では準々決勝進出、に初の準決勝進出を果たした。特に大会では、審査員のから「情報量が多すぎて、もはや天気予報に近い」と評され、結果的に敗者復活戦で最も“説明されたコンビ”として記録された[10]。
一方でには準決勝で、コント『町内会の議事録』が異例の高評価を受け、優秀演芸部門を受賞した。受賞理由は「笑いの密度より、各自の主張の字数が妙に多い」ことであったとされる。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
レギュラー番組としては、『深夜の説明室』、『中継されない中継』などがある。とくに『深夜の説明室』では、毎回ゲストを迎えるものの、ゲストが話す前にアーマミーゴが背景情報を8分間説明してしまうため、ゲスト側のコメント時間が平均42秒しか残らないことが話題となった[11]。
ラジオ番組[編集]
の特番『言いすぎる夜』に複数回出演し、リスナーから送られた短い質問に対して、回答が長すぎて次のCMに食い込むことで知られる。また、の深夜枠では、交通情報の途中に漫才が始まるという珍事があり、後年まで局内の伝説として語られている。
ネット配信[編集]
の公式チャンネルでは、1本あたり平均17分の短尺解説コントを配信しているが、タイトルが長すぎるため検索欄で折り返し表示される。2023年には『3分でわかる“3分でわかる”の矛盾』が再生数94万回を記録し、サムネイルだけで内容を把握できない配信として注目された。
作品[編集]
CDとしては、発売の『アーマミーゴの口頭図鑑』、の『説明の向こう側』がある。いずれも通常の漫才音源に加え、会場で使われた模造紙の折り目を再現した効果音が収録されている[12]。
DVD『単独ライブ「凡例の外」』では、ネタの本編よりも特典映像の方が長く、舞台袖でメンバーが「今のツッコミ、少しだけ長い」と反省する場面が10分以上続く。なお、同作のジャケット裏には、なぜかの路線図が印刷されているが、理由は未公表である。
単独ライブ[編集]
単独ライブはの『まず前提として』から始まり、以後『補足説明は夜に』『要するに、港』『最終的には伝わる』など、毎回タイトルが説明文そのものになっている。会場は、、を転々としたが、最も人気が高かったのはの公演で、補助資料として配られたA4用紙が開演10分で不足したという[13]。
また、以降は配信公演にも移行し、視聴者が画面左上に表示される“用語集”を追いかける形式が採用された。これにより、笑いの感想より先にメモが増えるという現象が起き、教育番組的であると評される一方で、家族で見ると気まずいとする意見もある。
書籍[編集]
著書としては、阿間による『漫才はなぜ長いのか』、三郷による『突っ込みのための脚注術』があるほか、共著『客席が先に理解する』が知られている。いずれもから刊行され、巻末に“舞台で言い忘れた補足”が2ページ付されるのが通例である[14]。
なお、刊の『アーマミーゴ年表 1998-2015』は、本文より索引の方が分厚いことで話題となり、図書館関係者の間では“持ち運ぶと肩が凝る漫才本”として有名である。
脚注[編集]
1. 北辰演芸社編『若手芸人名鑑 1998-2003』北辰演芸社, 2004年, pp. 112-115. 2. 阿部圭介「早口自己紹介の成立条件」『月刊演芸学』Vol. 18, No. 4, 2001年, pp. 21-29. 3. 三郷ミゲル『自己紹介が増殖する夜』青礫書房, 2010年. 4. 小野寺正彦「即興説明科の初年度記録」『北辰演芸社研究紀要』第6巻第2号, 1999年, pp. 7-16. 5. 渡辺梨央『新宿シアター・サンの口伝史』サンアーカイブ出版, 2008年. 6. 喫茶ポラリス店主日誌編集委員会『メニュー裏の20年』港北文庫, 2021年. 7. 田中聡『過剰説明漫才入門』出版部, 2014年, pp. 55-61. 8. 井上真一「破れた地図と舞台即興」『演芸と都市空間』Vol. 9, No. 1, 2012年, pp. 88-93. 9. 音響資料保存会『出囃子カセットの変遷』第3巻第1号, 2006年. 10. 桐島礼二『審査席から見た十年』, 2011年, pp. 203-204. 11. BS北辰番組編成部『深夜帯の実験放送記録』2019年版. 12. 北辰レコード『アーマミーゴの口頭図鑑』解説書, 2006年. 13. 新宿シアタートップス運営委員会『2009年公演ログ』2010年. 14. 北辰出版編集部『漫才書籍総目録 2010-2017』2018年, pp. 44-45.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
北辰演芸社 公式プロフィール
深夜の説明室 番組紹介
アーマミーゴ 非公式年表アーカイブ
口頭図鑑データベース
演芸都市伝説研究会
脚注
- ^ 北辰演芸社編『若手芸人名鑑 1998-2003』北辰演芸社, 2004年.
- ^ 阿部圭介「早口自己紹介の成立条件」『月刊演芸学』Vol. 18, No. 4, 2001年, pp. 21-29.
- ^ 三郷ミゲル『自己紹介が増殖する夜』青礫書房, 2010年.
- ^ 小野寺正彦「即興説明科の初年度記録」『北辰演芸社研究紀要』第6巻第2号, 1999年, pp. 7-16.
- ^ 渡辺梨央『新宿シアター・サンの口伝史』サンアーカイブ出版, 2008年.
- ^ 喫茶ポラリス店主日誌編集委員会『メニュー裏の20年』港北文庫, 2021年.
- ^ 田中聡『過剰説明漫才入門』日本放送文化協会出版部, 2014年, pp. 55-61.
- ^ 井上真一「破れた地図と舞台即興」『演芸と都市空間』Vol. 9, No. 1, 2012年, pp. 88-93.
- ^ 音響資料保存会『出囃子カセットの変遷』第3巻第1号, 2006年.
- ^ 桐島礼二『審査席から見た十年』芸能評論社, 2011年, pp. 203-204.
外部リンク
- 北辰演芸社 公式プロフィール
- 深夜の説明室 番組紹介
- アーマミーゴ 非公式年表アーカイブ
- 口頭図鑑データベース
- 演芸都市伝説研究会