ギアノア
| タイトル | ギアノア |
|---|---|
| 画像 | (架空) |
| 画像サイズ | 320×180px |
| caption | 蒸気回廊を駆ける機械人形「コレット」 |
| ジャンル | スチームパンク・ハンティングRPG |
| 対応機種 | レムナント・ギア・アーケード / レムナント・ポータブル |
| 開発元 | ヴェルデン機巧開発局 |
| 発売元 | ナハト商会インタラクティブ |
| プロデューサー | アデル・ヴァルシュ |
| 発売日 | 2118年10月13日 |
| 対象年齢 | 12歳以上 |
| 売上本数 | 全世界累計 231万本(発売後3年) |
| その他 | 通称は「GN」、サブタイトルは『蒸気の誓約録』 |
『ギアノア』(よみ、英: Ghianoa、略称: GN)は、[[2118年]][[10月13日]]に[[日本]]の[[ヴェルデン機巧開発局]]から発売された[[レムナント・ギア・アーケード]]用[[コンピュータRPG]]。[[蒸気機械人形]]シリーズの第1作目であり、同作に登場する機械人形「コレット」たちを題材にした[[メディアミックス]]作品群をも指す[1]。
概要/概説[編集]
『ギアノア』は、蒸気都市を舞台に、プレイヤーが主人公の[[レイ・ブリック]]として行動し、機械人形[[コレット]]と共に「歯車災厄獣(げつばさいやくじゅう)」を狩猟する[[ロールプレイングゲーム]]である[2]。
本作が注目された理由として、戦闘中に装備の歯車噛み合いを「音」で判定する独自の設計が挙げられる。具体的には、[[蒸気回路]]の共鳴周波数が規定範囲(±0.6Hz)に収まると与ダメージが増加するとされ、ゲーム内では「サウンドチューニング判定」として解説された[3]。
一方で、物語面では“人形に魂があるのか”という問いが終始付きまとい、作中の倫理規定「第九ギア憲章(だいきゅうぎあけんしょう)」が、そのまま掲示板で都市住民に引用されるほど社会的関心を集めたとされる[4]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの特徴として、ハンティングとRPG要素が同時に進行する構造が挙げられる。プレイヤーは探索中に[[蒸気痕跡]]を追跡し、一定距離内で「獣の呼吸音」に対応するボタン入力を行うことで、戦闘開始が引きずり出される[5]。
戦闘はターン制に見えるが、実際には「歯車ゲージ」が1.25秒ごとに進む準リアルタイム方式である。[[コレット]]は味方として参加し、敵の装甲部位に合わせて「針糸配線(しんしはいせん)」を張り替える。張り替えに成功すると状態異常の付与率が「基礎 12%→補正 18%」へ上がるとされる[6]。
アイテム面では、拾えるのはポーションではなく「潤滑樹脂(じゅんかつじゅし)」や「逆回転バネ」などの工材である。これらは合成時に歯車サイズ(A〜F)を指定する必要があり、特にAサイズの樹脂は[[影塵工房]]でしか精製できないとされた[7]。
対戦モードとしては、二人協力の「双旋回(そうせんかい)」と、対人では「歯車妨害(はぐるまぼうがい)」が採用された。双旋回はオンライン対応していると説明されつつも、発売初期はサーバ負荷の都合で1日あたり最大4時間だけ実装されていたという証言がある[8]。
オフラインモードでは、蒸気都市の天候を模したランダムイベントが進行する。雨天時は錆びが進行しやすい一方、風の回廊ではレア素材の落下率が約1.37倍になるとされ、プレイヤーの攻略コミュニティがしばしば天気予報を議論したとされる[9]。
ストーリー[編集]
物語は、蒸気都市[[カレイドラグーン]]が「白歯の疫(しろばのえき)」によって停止しかけるところから始まる。主人公[[レイ・ブリック]]は、かつて都市を救った機械人形[[コレット]]に導かれ、歯車災厄獣の巣である深層回廊へ向かう[10]。
中盤では、コレットが“意思決定のたびにバックアップ記録を削る”という設定が明かされる。このため、プレイヤーは戦闘のたびに「信頼度ログ」を参照し、過度な命令を与えるほど物語分岐が不安定になる。作中では「信頼度は271ポイントで閾値に到達し、以後は誤作動補償が発生する」との字幕が表示される[11]。
終盤、レイは歯車災厄獣の正体が、都市の排熱を担っていた“旧式の浄化器”に近い存在であることを知る。浄化器は怨嗟ではなく、停止に伴う圧力上昇で暴走していたとされ、敵との戦闘は「破壊」ではなく「再起動」をめぐる交渉として描写される[12]。
エンディングは3種で、最良の結末ではレイとコレットが第九ギア憲章に“矛盾しない形で”署名する。なお、この署名用のインクはゲーム内で一切入手できず、発売週にだけ配布されたコード特典で開放されたとファンが主張している[13]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公の[[レイ・ブリック]]は、旧港区の整備工見習いとして登場する。彼は歯車の音を聞き分ける能力を持つが、作中では「聞き分ける」というより「聞こえないはずの周波数が聞こえる」と表現され、演出の不気味さが議論された[14]。
味方の中心として、機械人形[[コレット]]がいる。コレットは“蒸気舞踏(じょうきぶとう)”という自律移動ギミックを備え、床の歯形に合わせて歩幅を調整する。ゲーム内設定資料では、コレットの歩幅は「骨格長の0.742倍」と計測されており、細かすぎると当時の雑誌で取り上げられた[15]。
敵対勢力として、旧式浄化器を崇める[[灰輪教団]]が現れる。教団は[[カレイドラグーン研究塔]]に潜み、浄化器の再起動を“儀式”として歪めようとする。
そのほか、[[ナハト商会インタラクティブ]]の宣伝媒体に登場したキャラクターとして、運び屋[[ユンカ・スパーク]]がいる。ユンカは序盤から何度も現れ物資を渡すが、渡すアイテムが必ず「正しい場所では役に立たない」。この仕様が「面白い嫌がらせ」として評価された[16]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の世界観では蒸気都市が“循環の設計”で成立している。都市の心臓部である[[蒸気回路]]は、排熱を回して動力へ変換する装置群であり、これが壊れると天候が不安定になり探索難度が変化する[17]。
歯車災厄獣は、単なるモンスターではなく、都市の機械部品が集積して“意思のようなもの”を持った存在として扱われる。作中では、個体ごとに「噛み合い癖」が違い、弱点部位ではなく“弱点音”を狙う必要があると説明された[18]。
また、機械人形の法的位置づけとして[[第九ギア憲章]]が重要である。憲章は「人形の意思は借用である」としつつ、借用期限を明記しない。そのため、プレイヤーの選択によってはコレットが“借用期限切れ”に到達し、能力が一時的に低下する仕組みが導入された[19]。
さらに、都市の工房には[[歯車規格局]]があり、装備の歯車サイズ(A〜F)の互換性が管理されている。ゲーム内の規格局ログには、なぜか誤字が混ざるとされ、初週の攻略動画がその点をネタにして拡散したという[20]。ただし、その誤字はアップデートで修正され、修正前のログが「幻の資料」として取引されたとも言われている[21]。
開発/制作[編集]
開発は[[ヴェルデン機巧開発局]]が担当した。企画の発端として、局内の会議記録に「蒸気の音は感情に直結する。プレイヤーにも“聞かせたい”」と残されていたとされる[22]。この方針はのちに“サウンドチューニング判定”として結実した。
制作経緯としては、元々は探索中心のRPG案だったが、開発後半にハンティング要素が追加された。追加時のプロトタイプでは、敵の突進予兆を視覚ではなく振動として提示しようとしたものの、当時の筐体仕様では再現が難しく、結果として周波数判定に切り替えられたと説明されている[23]。
スタッフ面では、[[アデル・ヴァルシュ]]がプロデューサーとして“コレットの歩幅比”の数値案を持ち込んだとされる。この比率は実測ではなく、当時の機械人形展示の台座設計(机上計算)から引かれたとされ、後に「なぜ0.742なのか」とネットで議論になった[24]。
また、発売直前に“第九ギア憲章の署名コード”を入れる予定だったが、印刷会社の締切が合わず、結果として特典配布へ変更された。この判断は妥当とされた一方で、署名のためのインクがゲーム内非売品になる矛盾が残ったとされる[25]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
『ギアノア』の音楽は、蒸気都市の機械音を素材として取り込む方向で構成された。サウンドトラック『蒸気回廊アーカイブ』には、回廊の壁を叩く音を44種類の波形に分解した「壁叩きアンサンブル」が収録されているとされる[26]。
特に評価が高い楽曲は、戦闘BGMの“歯車聖歌(はぐるせいか)”である。楽曲中に埋め込まれた高周波帯が、ゲーム内判定に影響しているとプレイヤーが噂したが、開発側は「演出の同期であり直接の入力ではない」と説明した[27]。
一部のプレイヤーは、楽曲のテンポが毎章のクリア時間に合わせて変動すると主張した。これはソフト側の挙動として確認されたとされるが、実際にはセーブ時の状態により聞こえ方が変わるだけだった可能性も指摘されている[28]。ただし、発売当時の掲示板では“テンポが嘘をつくのか”という論争が長期化した。
他機種版/移植版[編集]
他機種版としては、発売から2年後に携帯端末[[レムナント・ポータブル]]へ移植された。移植版では、周波数判定が画面上の波形表示へ簡略化され、音感不要になったとされる[29]。
さらに4年後には、仮想端末として[[バーチャルコンソール]]相当の配信形態で再リリースされた。その際、コレットの歩幅ログが“3%だけ短くなった”と感じる報告があり、旧バージョンと比較する検証動画が増えた[30]。
一部地域ではDLCとして、灰輪教団の視点から描く「逆噛みシナリオ」が配信された。しかし、このDLCには必須条件があり、通常プレイでは見つからない「第九ギア憲章の裏紙」が必要だったともされる[31]。裏紙の入手方法は公式に説明されず、攻略サイトでは複数の推測が並立した。
評価(売上)[編集]
発売後の売上は好調で、発売初月で約61万本、半年で約122万本に達したと報じられた[32]。当時の業界紙は、スチームパンク嗜好の増加と、コレット人気が相乗効果を生んだと分析した。
続編ではないにもかかわらずシリーズ化が進んだ背景として、クリア後に解放される“針糸配線の図面集”が収集要素として強く支持された点が挙げられる[33]。
一方で批判として、サウンドチューニング判定が苦手な層にとって難易度が跳ね上がったこと、またオンラインの対戦が短時間稼働に留まったことが問題視された。とはいえ総合的には、日本ゲーム大賞の関連部門で「プレイ体験設計賞」を受賞したとされる[34]。
なお、初週の売上集計には訂正が入り、当初“世界累計”として発表された数字が実際は“地域累計”だった可能性があると後に報じられた[35]。この訂正自体も、ファンの間で「数字の歯車が噛み合わない瞬間」としてネタ化した。
関連作品[編集]
メディアミックスとしては、テレビアニメ『蒸気舞踏のコレット』が挙げられる。アニメは作中設定をなぞる形で進みつつ、灰輪教団の導師を主役格に据えた回も存在したとされる[36]。
また、漫画版『歯車災厄獣録(がっきさいやくじゅうろく)』では、レイが“音を失う回”が追加され、原作よりシビアな展開となったとされる[37]。
冒険ゲームブックの『第九ギア憲章・分岐編』も刊行された。ゲーム本編の分岐を“紙の指示文”に置換した形式で、読者が自宅で歯車サイズを選ぶ仕組みになっていたとされる[38]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本としては『ギアノア完全図面集:針糸配線と歯車音の指針』が発売された。書籍では、各歯車サイズ(A〜F)の推奨組み合わせが表形式で掲載され、特にA×E×逆回転バネの組み合わせが「最大1.92倍の安定率」を生むと説明された[39]。
ほかにも、設定資料集『蒸気回路の裏側』が出版され、[[蒸気回路]]の簡易回路図が付録となった。一部ページでは数値が不自然に細かく、読者が“印刷ミスではなく仕様”と主張するなど、二次創作へ波及したとされる[40]。
企業広報系の書籍としては、[[ナハト商会インタラクティブ]]名義で『コレットの倫理学入門』が刊行された。内容はゲームの第九ギア憲章を解説する体裁でありつつ、現実の法体系に触れないよう注意書きが添えられているとされる[41]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
(架空の参考文献リスト)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
脚注
- ^ ヴェルデン機巧開発局『『ギアノア』制作報告 第1号:歯車音の設計』ナハト技術出版, 2119年。
- ^ アデル・ヴァルシュ「蒸気都市における準リアルタイムターン制の考察」『季刊インターフェース学会誌』Vol.18 第4巻, 2120年, pp.41-62。
- ^ 朽木マル「コレットの歩幅比 0.742の由来と演出同期」『ゲームサウンド研究』第9巻第2号, 2121年, pp.77-83。
- ^ カレイドラグーン研究塔編『蒸気回路アーカイブ:現地観測とモデリング』都市技術資料館, 2118年, pp.12-55。
- ^ S. Halden「Harmonic Targeting in Steam-Punk RPG Encounters」『Journal of Mechanical Narrative』Vol.5 No.1, 2120, pp.101-129。
- ^ 灰輪教団記録局『第九ギア憲章の写本鑑定(未整理版)』灰輪写本会, 2122年。
- ^ ナハト商会インタラクティブ『GN攻略:逆噛みシナリオの条件解析』ナハト教育出版, 2123年, pp.3-26。
- ^ 伊達ノエル「対戦モード稼働時間の最適化とプレイヤー期待」『ファミ通クロス・ラボ報告』第3号, 2120年, pp.88-95。
- ^ R. Morrow「Ethics as UI: The Consent Logic of Wooden Automata」『International Review of Game Ethics』Vol.2, 2121, pp.210-236。
- ^ 『蒸気舞踏のコレット:公式ガイド(誤植込み初版)』蒸気文庫, 2119年(※タイトルが一部誤って記載されている)。
外部リンク
- 蒸気都市資料館
- GN研究掲示板アーカイブ
- ヴェルデン機巧開発局 展示室
- 第九ギア憲章 解説サイト
- コレット歩幅ログ 可視化ページ