ドドチャンネル
| ジャンル | ウェブ配信・地域実況・バラエティ |
|---|---|
| 放送形態 | ライブ配信+アーカイブ |
| 運営 | 一般社団法人ドド配信協会(通称:ドド協) |
| 開始年 | |
| 代表的な演出 | 擬音「ドド」の同期字幕・急旋回編集 |
| 主な視聴地域(推定) | 、、 |
| 登録者数(報告値) | 累計 1,240万人(時点の推計) |
| 問題点 | 音声引用の権利処理と“実在ローカルネタ”の真偽 |
は、日本で話題になったとされる動画配信「番組チャンネル」である。キャッチーな“ドド”音声と、地域実況風の編集手法を特徴とし、短期間で視聴者コミュニティを形成したとされる[1]。
概要[編集]
は、配信者が街角で見つけた出来事を「実況しているように見せつつ、実は作劇している」手法で知られたとされる。とくに擬音のが、話題転換点や“驚き”の直後に必ず差し込まれる編集規則は、視聴者の間で「ドド位相」と呼ばれ、二次創作の素材にもなったとされる[1]。
成立の背景には、携帯回線が安定し始めた半ばの“低コスト・高頻度”配信の波があり、さらにのローカル団体が主催した「街歩き音声文化」企画が、実質的なプロトタイプとして機能したとする説がある。なお、運営はのちに一般社団法人化されたとされるが、開始時期の公式記録は複数系統に分かれており、同時期に似た演出の配信が複数生まれていたとも指摘されている[2]。
歴史[編集]
“ドド”という音の設計思想[編集]
当初のは、無音に近い街の環境音に対して、編集ソフトの自動テロップが誤検出しない“短い決め台詞”を探していた、とされる。そこで、スタジオ音響家のは「子音が二回続く音は、地域雑音のスペクトルに干渉しにくい」として、擬音を最小単位として採用したとされる[3]。
編集プロトコルはさらに細分化され、ドド位相は「映像の加速度が閾値を超えた瞬間から以内」「字幕の縁取りは」「次の台詞の頭子音は前倒し」といった、数字中心の“仕様書”で管理されたと報じられた[4]。一方で、視聴者が仕様書を勝手に転載した結果、音量や字幕の順序が似通った配信が乱立し、後追いチャンネルが“本家風”のコピーテンプレを量産したともされる。
ローカルネタの仕込みと、行政との距離[編集]
が伸びた理由として、都市部の視聴者に“遠くの街が近くなる感覚”を提供した点が挙げられている。特にの小規模商店街で実施された「夜の休憩所マーカー」企画では、撮影許可の代わりに“休憩所の音だけ”を提供する契約が結ばれたとされる[5]。
この契約をまとめたのは、の外郭に位置すると言われる「放送利活用研究会」で、実務担当のは『“写さない”は“不伝えない”ではない』と説明したとされる[6]。ただし、後年の検証で「行政発表の図面が参考にされたらしい」という指摘が出たため、実際には“実在の地名を借りた演出”にとどまるのではないか、という疑義が広がった[7]。
衝突:引用音声と“真偽の境界”[編集]
は、視聴者参加型企画として“各地のドド報告”を募集したが、その結果、他チャンネルやラジオのジングルに酷似した音声が含まれる回が見つかったとされる。運営側は「街で聞いた“気分の音”を再現しただけ」と説明したものの、は、音声波形の相関係数が高いとして調査を開始したと報じられた[8]。
また、視聴者が“本当にあるはずの休憩所”を地図で探し当てたケースもあれば、「存在が確認できない」「しかし似た施設はある」といった中間報告も多く、真偽が曖昧なまま拡散が続いたとされる。この曖昧さは人気の源泉でもあったため、運営は「説明はしないが、コメント欄では最大でまでに限る」といった“沈黙ルール”を導入したとされる[2]。
批判と論争[編集]
には、人気の裏で複数の批判が積み重なったとされる。第一に、擬音を合図に視聴者の感情を誘導する編集が、いわゆる“注意の誘導設計”として問題視された。広告業界の研究者は「短い擬音は、次の広告枠へ視線を転送するための行動刺激になり得る」と論じたとされる[9]。
第二に、実在の地名や施設名が“演出の素材”として消費されることへの懸念があった。とくにの施設名を冠した回で、視聴者が押しかけたという騒動があり、運営は「場所は比喩である」と主張したとされる[10]。ただし、この主張は撮影当日に使われたという案内文面と矛盾する部分があると指摘され、結果として運営の透明性が低いという批判につながった。
第三に、編集仕様書の二次利用が“非公式の規格”として定着したことで、類似表現が大量に生まれた。これにより、オリジナルの音声設計とテロップ構造が同一化し、視聴者が“どれが本家か分からない”状態になったとされる。もっとも、本人たちは「本家は一つである必要がない」として、むしろ分散を歓迎したとも報じられている[7]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 【山城実】『注意の誘導設計と短音刺激:ウェブ配信の行動経済学』日本行動視聴研究会, 2020.
- ^ 【渡辺精一郎】『擬音の子音連続性が環境雑音に与える影響』音響工学叢書, 2018.
- ^ 「街歩き音声文化のプロトコル草案(第3版)」放送利活用研究会編, 2015.
- ^ 【中根香織】『非表示情報の伝達論:写さない収録の契約実務』通信政策論集, Vol.12 No.4, pp.31-59, 2019.
- ^ 『ドド位相とテロップ自動検出の誤差特性』映像編集学会誌, 第7巻第2号, pp.10-22, 2021.
- ^ 【佐久間倫】『誤検出を減らす字幕縁取りの設計(擬音アーカイブによる検証)』デジタル表現研究, Vol.3, No.1, pp.77-104, 2017.
- ^ 【松本清志】『ローカル地名の演出使用と地域レピュテーション』地域メディアレビュー, 第18巻第1号, pp.201-236, 2022.
- ^ 「ウェブ音声利用ガイド:相関係数による類似検出の基礎」著作権管理センター, 2023.
- ^ Dr. Margaret A. Thornton『Perceptual Cue Timing in Short-Form Video』Journal of Applied Attention, Vol.41 No.3, pp.501-529, 2020.
- ^ 『The Dodo Phase Standard for Subtitle Rendering』International Association of Captioning, Vol.2 Issue 6, pp.1-12, 2016.
外部リンク
- ドド協アーカイブ
- 街歩き音声文化ポータル
- 擬音同期編集ギャラリー
- 地域メディアレビュー特設ページ
- 著作権管理センター 調査速報