ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
| 番組名 | ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー |
|---|---|
| ジャンル | 特撮、バラエティ要素、データ放送連動 |
| 構成 | ヒーローアクション+視聴者参加型の勝敗判定 |
| 演出 | 澤村綱太郎ほか |
| 司会者 | 天野ゴウ |
| 出演者 | 結城ユウキ、白浜ミオ、星崎レイナ、ほか(声の出演を含む) |
| ナレーター | 御園タクミ |
| OPテーマ | 『GOJU-ONE!(ゴジュウワン)』 |
| 制作局 | 中京テレビ制作局 |
| 放送期間 | 1999年4月4日 - 2011年3月27日(全999回) |
『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(なんばーわんせんたいごじゅうじゃー、英: Number-One Sentai Goju-jer、ローマ字: Nanbāwan Sentai Gojujā)は、系列で(11年)から毎週19時台()に放送されている。特にの冠番組でもあり、視聴率が開始当初から毎回のように話題となった[1]。
概要[編集]
『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』は、勝利数を競う“ランキング正義”を掲げる戦隊ものとして企画された特撮番組である。敵対勢力であるが「50」を崩すたび現実のルールが歪むという設定が、当時の視聴者参加企画と相性良く受け止められた[1]。
番組の特徴は、各回のクライマックス後に視聴者の投票結果がエンディング映像へ反映される仕組みである。投票はで行われ、最終的に“今週のナンバーワン”が確定する形式が定着した[2]。また、番組名が示す通り「ゴジュウ」がキーワードとなり、視聴者の“語呂の良さ”が宣伝文句として利用されたとされる[3]。
なお、開始当初のコンセプト資料では「ゴジュウジャーは人数ではなく、幸福の到達点である」と記載されていたという回想もある。ただし、番組内では人数としての50が繰り返し強調されており、制作側の意図と受け手の理解がずれたことが後年の考察の種になった[4]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
放送開始当初はの夕方枠が不足していたため、日曜19時台の“前倒し”枠として編成されたとされる。番組開始後の最初の10週で平均視聴率が一度だけ0.2ポイント落ちたが、その回が「投票サーバが一瞬だけ誤作動した回」であったことが、番組ファンの間で伝説化した[5]。
その後、シリーズ中盤である2003年頃に枠が移動し、日曜18時台に変更された。理由は「スポンサーの生コーナー枠が必要になったため」と説明されているが、同時期にヒーローの武器が“ランキング表示”から“点数換算式”へ改修されており、制作都合が実際の背景だったのではないかという指摘もある[6]。
2010年には特別編成として月曜深夜枠での再放送が追加され、生放送風のナレーション演出が一部回で採用された。なお、最終回は本来の放送枠を譲られたために前倒しで放送されたとされる[7]。
出演者(司会者/レギュラー出演者/歴代の出演者)[編集]
司会者(=冠枠として扱われた中心キャラクター)はである。天野は撮影現場でも集計ボードを持ち歩き、投票結果を読み上げる役を担当したとされる。番組史の資料では、初期の台本に「読み間違い禁止」「数字は必ず50の倍数で言う」といった注記があったという[8]。
レギュラーとしては、赤担当の、青担当の、緑担当のが中心であった。結城はアクションの前に“ナンバー呼吸”と呼ばれるルーチンを行うとされ、白浜はスーツの改修に関わるメカ作業担当として番組内でも紹介された[2]。星崎は「声だけで武器の角度を当てる」演出があり、視聴者の間で“見えないスゴさ”として語られている[9]。
歴代出演者としては、覇王クラブ側の幹部が挙げられる。ドクマ50は“50を壊す者”として登場するが、実際には番組内のランキング集計ロジックの監修者でもあるという設定が後付けされた。これにより、同一人物が善悪両面に跨る展開となり、子ども向け番組としては異例だったとも指摘されている[10]。
番組史[編集]
番組開始の1999年4月4日は、制作側が「4(よん)×4(し)」を“四倍の期待”として掲げた日であるとされる。プロデューサーはの当時の編成会議で「数字は呪文である」と発言したと報じられ、タイトルがその場の即興に近かったという証言がある[11]。
第1期(1999年 - 2001年)では、敵組織の出現が毎回“ランキングの例外”として描かれた。例えば第6話では、商店街の時計だけが3分遅れる現象が発生し、ゴジュウジャーが“遅れを取り戻す”ことで街が正しく動き出したという趣向が用いられた[12]。
第2期(2002年 - 2006年)は、覇王クラブの内部争いが導入され、味方側にも「本当にナンバーワンは誰か」という疑念が持ち込まれた。この転換の象徴が、2004年に導入された“合算カプセル”である。合算カプセルは、勝利回数がそのまま積算されるのではなく、投票結果により係数が変動する仕組みだったとされる[6]。
第3期(2007年 - 2011年)では、視聴者参加の比重がさらに増し、“勝敗”が単なる展開装置ではなく、社会の意思決定ごっこに近い形へ進んだとされる。結果として番組は長寿枠として知られるようになったが、同時に「子どもが数字に依存するのでは」との批判も発生した。最終的に2011年3月27日に全999回で終了したとされ、制作側は「999は“終わり”ではなく“次の50へ”繋がる数」と説明した[7]。
番組構成/コーナー[編集]
主要コーナーとしては「ランキング聖判」(毎回後半)と「ゴジュウ計算所」(開始当初の導入コーナー)がある。ランキング聖判では、戦闘後に3つの判定基準が提示され、視聴者の投票が最終決定に反映される形式が採用された[2]。判定基準は回を追うごとに細分化され、2002年頃からは“スピード”“正確さ”“優しさ”の3軸に加え、“例外への対応”が第四軸として登場したとされる。
ゴジュウ計算所は、司会者であるが手元のホワイトボードで“今週の点数”を計算するコーナーである。ここでは数字の整合性が強く求められ、誤差は許されなかったとされる。実際、制作スタッフによれば「小数点以下は絶対に出さない」というルールがあり、合計が割り切れない週は“月替わりの救済係数”で丸める仕組みだったという[13]。
また、オープニング前に生中継風の公開収録が行われることがあり、地方収録としての周辺での実施が多かったとされる。公開収録では観客の“拍手の秒数”が番組内効果音の素材となり、次週予告のテロップに反映される演出が採用された[14]。ただし、実際の効果音採取がどこまで行われたかは不明であり、“盛っていたのでは”という疑いもある。
シリーズ/企画[編集]
シリーズ企画としては「50式メカ図解」「ナンバーワン商店街」「覇王クラブの家計簿」などが挙げられる。50式メカ図解は、毎回1枚だけメカの設計図が公開される体裁で進行し、視聴者投稿で“図解の間違い探し”を募集したとされる[12]。この企画が人気になった結果、視聴者の投稿が番組の公式台本に引用される頻度が増えたという。
ナンバーワン商店街では、戦闘の合間に街の小規模店が登場し、各店が“自分たちがナンバーワン”だと主張する寸劇が挿入された。ここで重要なのは、店ごとの“得点”が単純売上ではなく、店頭の試食率・声かけ率などの観測指標に換算されていた点である。換算方法は回ごとに変わり、視聴者が「今週の算数が違う」と混乱しながら楽しんでいたとされる[15]。
終盤の企画「覇王クラブの家計簿」では、敵組織側が“ランキングの崩壊コスト”を負担している設定が明かされた。これにより、敵が一方的な悪ではなく“会計の綻び”を抱える存在として描かれた。番組内の会計用語がやけに細かく、を連想させる台詞が何度も登場したとされるが、どこまでが伏線でどこまでが脚本の遊びなのかは判然としない[10]。
オープニング/テーマ曲[編集]
オープニングテーマはである。歌詞には「一位だけが正しいのではない」「五十で測る心」などの文言が繰り返され、当時の中高生の間で替え歌が流行したとされる[3]。曲のテンポは60秒でちょうど“五回の跳ね”が入るように設計され、ダンス監修が“数えやすさ”を重視したとする資料が存在する[16]。
エンディングテーマはバラード調のである。エンディングでは視聴者投票の結果が抽象的な棒グラフとして表示され、視聴者が翌週の予想を立てられるようになっていた[2]。なお、第2期からはエンディングの最後に“数字が合わなかった回の説明”が短く挿入されるようになったとされるが、その説明が毎回同じ長さ(およそ12秒)だったため、実は固定テロップだったのではないかという推測も出た[6]。
オープニング映像には、合体後に必ず“五十音”風のテロップが一瞬だけ流れる。確認したファンによれば、そのテロップはから始まるように見えるが、実際の文字数は50ではなく51だった週があり、スタッフの計算ミス(または意図)として語り継がれている[17]。
スタッフ(歴代のスタッフ/歴代スタッフ)[編集]
制作スタッフは複数年で入れ替わりがあり、脚本には「数字の整合性担当」が置かれていたとされる。企画開発にはの若手ディレクターだったが関わり、視聴者投票を“ゲームの代わりに社会の疑似体験にする”方針を提案したとされる[11]。
演出は澤村綱太郎が中心期を担い、アクションでは“勝利の音”を統一する方針が取られた。音響チームは勝利の効果音を合計で18種類用意し、勝敗の種類ごとに割り当てたという。さらに、投票結果が同数だった回では効果音が“引き分け版”に切り替わったとされ、実際に第47回でその事象が確認されたという[12]。
チーフ・プロデューサーとして名が挙がるのはである。中島は番組の“数への執着”を売りにしつつも、視聴者の不満が爆発しないように「例外を楽しませる」仕組みを導入した。なお、番組公式ドキュメントでは「例外を救済する係数」が確定するまでの待ち時間が平均7分であったと記述されているが、現場の回想では“8分だったはず”という差異も見られる[5]。
ネット局と放送時間/放送局・配信元[編集]
ネット局は中部・関西を中心に広がり、、、などが同時ネット枠に参加したとされる。特にでは土曜の午前枠に組み替えられ、視聴者参加のデータ放送が若干遅延していたという証言もある[18]。
放送分は概ね24分で、うち戦闘パートが12分、投票・判定が7分、次回予告が1分、残りが“街の寸劇”として構成されたとされる[2]。一部の再放送では字幕フォントが変更され、数字の読み上げがゆっくりになる“視聴者配慮版”が採用されたとも記録されている。
配信元は当時の“番組キャッチアップページ”であり、公式サイトの再生回数が開始3か月で約132万再生に達したと広報が報じた。しかし、当時のインフラは脆弱だったため、回線混雑の日は同じ回が2回表示される不具合が起きていたとされる[19]。
特別番組[編集]
特別番組としては「ゴジュウジャー超集計スペシャル」が放送された。これは通常回とは異なり、生放送風の進行で、投票結果の“全国ランキング”がスクリーンに大写しにされた。生放送と収録の境界が曖昧であったことが指摘されており、実際にどの場面が生かは議論が続いた[20]。
また、2010年の“ありがとう999回”特番では、過去の名勝負を編集しつつ、番組開始時に決めた“救済係数の初期設定”を追体験する構成が採用された。視聴者が過去の回の数値を入力すると、当時の判定ロジックが再現されるとされ、視聴者の参加型学習として受け止められたという[7]。
一方で、特番の視聴率が伸び悩んだ理由として、放送直前に“数字の入力画面が表示されない時間帯があった”という噂がある。番組公式は「端末依存の問題」と説明したが、ファンの間では「わざと難しくしたのでは」と半ば冗談で語られていた[13]。
関連商品(DVD/書籍)[編集]
関連商品としてはDVDシリーズが販売された。BOXは全6巻構成で、各巻の特典には“投票結果の紙台帳”が同梱される形が採られたとされる。台帳には各回の判定軸と合算値が記載され、ファンが自宅で再計算できるようにしたものだったという[21]。
書籍では、番組監修名義でが執筆した『50式メカ図解のすべて』が刊行された。図解の再現性を重視した内容で、巻末には「五十は幸福の単位である」という“学習メモ”が付いていたとされる[16]。ただし、出版時期により一部のページ番号が重複しており、当時の編集現場の混乱が推測された[22]。
さらに、児童向けの学習漫画『ナンバーワン算数入門 ゴジュウジャーといっしょ!』も展開された。ここでは“等分したつもりが等分ではない”という概念が扱われ、算数アレルギーの子どもにも人気だったとされるが、保護者からは「算数が難しくなった」との声もあった[15]。
受賞歴[編集]
受賞歴としては、放送文化関連の表彰で「データ放送連動の創意」を評価されたとされる。具体的には、架空の業界賞であるの第12回で優秀賞を受けたと報じられた[2]。
また、音響面ではの“勝利サウンド賞”を受賞したとされる。受賞理由は「五十音テロップに同期する効果音の設計」が挙げられており、視聴者の体感を数値化した点が評価されたという[23]。ただし、当時の議事録が公開されておらず、受賞の根拠については“番組側の自称が先行した”との指摘がある[24]。
使用楽曲[編集]
本編で使用された楽曲は公式リストでは概ね70曲程度とされる。内訳は、OP/EDを除くと、戦闘BGMが35曲、街の寸劇BGMが18曲、視聴者投票のSEが17曲だったとされる[5]。
また、敵組織が登場する場面では“低音だけが先に来る”方式が採用された。音楽監督によれば「視聴者の身体に先に違和感を入れる」ことが狙いだったという。なお、その低音が実際にどの周波数帯で設計されたかは資料がなく、推定の域を出ないとされる[18]。
視聴者参加パートでは、投票が締め切られる合図として“3打”のベルが鳴る。ベルは毎回同じだが、締め切りまでの残り時間表示が回によって1秒だけズレるため、ファンは「ベルが正しいのか表示が正しいのか」を検証する遊びをしていたとされる[13]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 相良ルミカ『50式メカ図解のすべて』中京出版, 2004.
- ^ 中島カイト『数字で守る正義――ナンバーワン戦隊の設計思想』放送学研究所, 2008.
- ^ 澤村綱太郎『アクションは勝利の音で始まる』映像技術叢書, 2001.
- ^ 御園タクミ『語りの秒数論――ナレーターは12秒を切り取る』音声工房, 2006.
- ^ 天野ゴウ『ゴジュウ計算所の裏側』天野スタジオ出版, 2010.
- ^ 『放送インタラクション賞 受賞記録 第12回』放送振興協会, 2005.
- ^ 田端ユウ『戦隊番組における視聴者投票の社会的効果』『メディア・トランザクションズ』Vol.12 No.4, pp.33-58, 2009.
- ^ Katherine M. Thornton『Gamified Morality in Japanese Tokusatsu』Journal of Broadcast Interfaces Vol.5 Issue2, pp.101-129, 2012.
- ^ 佐久間ヒロ『“例外”の演出論:ゴジュウジャーに見る脚本の逃げ道』『映像脚本研究』第8巻第1号, pp.12-40, 2007.
- ^ 神野マサト『ハイビジョン放送期の字幕設計実務』映像字幕研究会, 2011.
- ^ 相良ルミカ『ナンバーワン商店街の勝ち方(第2版)』中京出版, 2003.
外部リンク
- ゴジュウジャー公式データ放送アーカイブ
- 覇王クラブ勝敗ログ倉庫
- GOJU-ONE歌詞検算サイト
- ナンバーワン算数入門 公式Q&A
- 中京テレビ 番組史ミラー