バグフェイブルズ
| タイトル | バグフェイブルズ |
|---|---|
| 画像 | (架空)BFロゴ_蜂眼風 |
| 画像サイズ | 250px |
| caption | 蜂の複眼を模したUIが特徴とされる。 |
| ジャンル | ロールプレイングゲーム / 収集・交渉型アクション |
| 対応機種 | バグロム(携帯端末) |
| 開発元 | 琥珀蜂開発研究所 |
| 発売元 | 蜂窩文庫(ハチコボ文庫) |
| プロデューサー | 鶴見 針之助 |
| ディレクター | マラト・シカゴフ(監修) |
| デザイナー | 渡辺 甲一郎 |
| 音楽 | 音盤蜂団(んこばんほだん) |
| シリーズ | フェイブルズ・バグ叙事詩 |
| 発売日 | 2041年9月13日 |
| 対象年齢 | 12歳以上 |
| 売上本数 | 全世界累計 143万本(発売後18か月時点) |
| その他 | 日本ゲーム大賞“バグ技術部門”受賞。協力プレイは初期版では未対応だった。 |
『バグフェイブルズ』(よみ、英: Bug Fables、略称: BF)は、[[2041年]][[9月13日]]に[[日本]]の[[琥珀蜂開発研究所]]から発売された[[バグロム]]用[[コンピュータRPG]]。[[フェイブルズ・バグ叙事詩]]の第3作目である[1]。
概要/概説[編集]
『バグフェイブルズ』は、蜂窩文庫が展開した携帯端末[[バグロム]]向け[[コンピュータRPG]]である。落ちものパズルの要素が戦闘テンポに統合されているとされ、単なる育成ではなく「バグの口承(こうしょう)」を集める形式が特徴であった[2]。
本作は、微小生態系を擬人化した世界を舞台としている。プレイヤーは[[複眼義勇隊]]の見習いとして操作し、フィールド上で発見した“欠陥の物語”を、交渉・収集・改修の手順に沿って再編することが求められる。キャッチコピーは「バグは嘘をつかない、ただ語り方が直っていないだけだ」であり、発売直後にSNSで転用された[3]。
シリーズ第3作目にあたるが、前作までの「採掘中心」の設計を反転させ、[[ネットワーク]]前提ではないオフライン主義を明確化した点が評価された。ただし、発売初月の出荷端末の一部では、セーブデータの整合性チェックに誤差が生じ、“世界が1マスずれる”症状が報告されている(後にパッチで「仕様」と説明された)[4]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの特徴として、戦闘は[[ハンティングアクション]]と[[ターン制]]が合成された形式である。敵の“癖”を観察して弱点を当てるのに加え、画面下部に現れる欠片(いわゆる「バグ紙」)を落とし、縫い目のような連結を作ることで追加効果が発火する[5]。
戦闘では「速度」「粘着」「反響」の3系統ステータスが参照される。速度は先制率、粘着は回避不能時間、反響は会話スキルの成功判定に影響し、会話に勝つと敵が一時的に“語り手”に切り替わる。なお、プレイヤーは戦闘中にアイテムを使えるが、アイテム使用は“説明文”の長さでもコストが変化するため、文章量の最適化が一部プレイヤーの間で研究された[6]。
アイテムは武具ではなく、昆虫の採集学に見立てた「改修パーツ」である。例として[[針金の和声]](成功率+3%)や[[羽織り防滴殻]](被ダメージ軽減-7%)があるが、これらは単純な数値だけでなく、同名の童話の一節を読むことを条件に効果が段階的に増えるとされる[7]。
対戦モードは“物語の早押し”として設計されており、相手の提示したバグ紙の語り順が誤っているとき、一定時間内に修正案を提示できると勝利となる。オンライン対応は2041年末から段階的に解禁され、協力プレイは初期版では一部地域でのみ可能だったとされる[8]。
ストーリー[編集]
ストーリーは、[[シダ紋河]]と呼ばれる乾いた川床を中心に展開する。かつて川床には水があったが、ある日「針の神託」を誤配して以降、文字通り“濡れない地”になったとされる[9]。
主人公(複眼義勇隊の見習い)は、落伍した観測員から「語り直せば水が戻る」と聞かされる。しかし、語り直しとは呪文ではなく、バグの原因となる誤った民話の連結を解く作業であった。旅の途中では、蜂窩文庫の実験室跡地である[[第13乾燥区画]]が現れ、そこには“本当の物語”を数値化する古い装置が残されている[10]。
終盤では、敵勢力である[[羽目板連盟]]が「誤りこそ安定」という理念で各地の語りを固定化しており、水分だけでなく情動も失われていることが明かされる。最終的に主人公は、誤配された神託の行き先を辿り、川床の縫い目を再び開くことで“水の記憶”を復元する[11]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公は無名の見習いとして始まり、戦闘では声優ではなく、プレイヤーが選んだ「語り口調」が性能に反映される。序盤で出会う[[チリウム]]は、砂粒のように細かなログを集めるコレクターであり、会話における反響ステータスを底上げするとされる[12]。
仲間としては、[[針砂ネリス]](粘着担当)と[[反響モルド]](速度担当)がいる。針砂ネリスは普段無口だが、バグ紙の文章が一定文字数に達するとだけ饒舌になるという癖があり、攻略サイトでは「281文字で沈黙が解除される」と繰り返し検証された。ただし、別の検証報告では“曜日でズレる”ともされ、よくある謎として扱われている[13]。
敵勢力側では[[羽目板連盟]]の幹部である[[板締めキリカ]]が知られる。彼女は“物語は規格化されるべきだ”と主張し、フィールド上に仮設レールを敷いて移動を制限する。加えて、倒した敵が残す[[証跡の殻]]を、勝手に再編集する能力があるとされる[14]。
また、川床の古い観測員[[オケラ・ロレンツ]]は終盤で重要な役割を担う。彼は主人公に対し「真実を語るな。真実を“直せ”」と助言するが、その発言の語尾だけがなぜか全会話で同一になるため、データ解析班が“台本の残骸”として注目した[15]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の世界は、微小生態系の擬人化と“ログ文化”が融合した設定として整理される。ここでいう[[バグ紙]]とは、敵や環境が残す「欠陥の説明文」を紙片状にしたものであり、落とし方(連結順)により解釈が変わるとされる[16]。
[[シダ紋河]]の“水分の記憶”は、湿度ではなく会話に反応して復元されるエネルギーとして描かれる。雨が降らないのではなく、雨の物語が欠落しているため、NPCの台詞が空欄のままになる現象が起きるとされる。この描写は当時、ゲーム評論で「乾いた叙事詩」と呼ばれた[17]。
[[羽目板連盟]]は、誤った物語を固定して安定化することで社会を守ろうとした勢力として描かれる。彼らは各地の広場に“羽目板掲示”を設置し、住民の語りを一斉に整える。ただし、この掲示板が新しい欠陥を生み、住民の反響が均されてしまうという皮肉が随所に織り込まれる[18]。
また、[[琥珀蜂開発研究所]]はゲーム内設定資料として、装置の設計に「複眼の誤差補正」が使われたと説明した。実際の誤差はゲーム進行上では調整値として扱われ、プレイヤーの“記憶”が正規化されていく演出につながったとされる[19]。
開発/制作[編集]
制作経緯としては、[[琥珀蜂開発研究所]]が「書き間違いをゲームにする」研究を進めていたことが背景にあるとされる。2040年、同研究所の社内誌で「物語はコードである」という提案が採択され、会話データをUIの落下パズルに変換する試作が走った[20]。
スタッフには、ディレクターの[[マラト・シカゴフ]]が指揮した「反響アルゴリズム」班と、渡辺 甲一郎率いる画面演出班があった。演出班は蜂の複眼をモチーフにしたフレームワークを開発し、画面の“縫い目”が戦闘結果の確率分布を視覚化すると説明された[21]。
音楽面では、[[音盤蜂団]]がフィールド曲を“説明文”として収録したとされる。彼らはトラックごとに歌詞を持たせず、代わりに「語りの長さ」を拍として配置した。ユーザーが攻略して初めて意味がわかる設計だったとされ、批評では「聴くRPG」と評された[22]。
なお、発売前テストでは、セーブ整合性の自動修復が過剰に働き、「世界が1マスずれる」問題が発生した。このとき対応したのが[[蜂窩文庫]]の保守部で、パッチノートに「修正はバグの学習である」と記し、要出典扱いの注釈がファンの間で残った[23]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラックは『[[複眼拍譜]]』として同梱された。収録曲は全31曲で、全曲が“バグ紙の速度系列”に合わせてテンポが段階変化する仕様とされた[24]。
序盤の曲として扱われる[[『第1乾燥区画の序文』]]は、3/4拍子から不規則に7/8拍子へ移行する。ゲーム内でこの曲が鳴るタイミングと、会話の成功判定がわずかに同期するとされ、プレイヤーが足を止めて聞くことで結果が変わるのではないかという噂も出た[25]。
また、終盤の[[『水分の記憶、縫い目で戻る』]]は、実装上は効果音と同じチャンネルでミックスされており、敵の攻撃音が低域に混じるような設計になっている。結果として、ヘッドホン環境によって体験が変わるため、レビュー媒体では「音響依存型の物語」と表現された[26]。
他機種版/移植版[編集]
他機種版としては、発売から2年後に[[バグロムE]]への最適化移植が行われた。移植ではロード時間が31%短縮されたとされ、UIの複眼表示が滑らかになった[27]。
さらに、携帯端末ではなく据え置きとしては、[[乾燥ラック]]と呼ばれる専用筐体に移植された。ここではコントローラの振動で“縫い目”の硬さを疑似触覚として表現しているとされる。ただし、振動が強すぎる環境でプレイヤーの疲労が増えたという内部報告が出回り、後に弱振動モードが追加された[28]。
ただし、オンライン対応の拡張には段階があり、対戦モードの物語早押しは、最初は地域限定での公開として扱われた。公式は公平性のためとしていたが、実際には回線遅延が“語り順”に与える影響を検証していたともされる[29]。
評価(売上)[編集]
売上面では、発売後18か月で全世界累計143万本を突破したとされる。国内比率は約61%で、海外では[[シダ紋河]]の舞台描写が“寓話観光”として語られた[30]。
日本ゲーム大賞では“バグ技術部門”を受賞し、審査講評で「物語をUIと統計に分解した試みが新鮮」とされた[31]。一方で、戦闘テンポが文章量に依存する設計は、批評家から「文章ゲーム化」と揶揄された。
ファミ通系のクロスレビューではゴールド殿堂入りを果たした。特に評価されたのは協力プレイ解禁後の「二人で語り直すと敵が“人間的”に壊れる」体験であり、プレイヤー生成の会話が二次創作として広まったとされる[32]。
関連作品[編集]
本作を題材にしたメディアミックスとして、テレビアニメ『[[複眼の口承]]』が2042年に放送された。全12話で、各話のタイトルがゲーム内バグ紙の一行目として設定されているとされる[33]。
また、冒険ゲームブック『[[乾燥区画の選択肢]]』が蜂窩文庫のレーベルで刊行され、ゲーム中の選択肢が“語り順の乱数表”として再録された。ここでは第13乾燥区画の手記が付録として同梱され、主人公が最後に言いよどむ理由が補足されたとされる[34]。
さらに、関連作品として短編漫画『[[羽目板の下で]]』が雑誌[[昆虫通信]]で連載された。連載では羽目板連盟の内部争議が描かれ、ゲーム本編では語られない“誤配の責任者”の存在が匂わされている[35]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本としては『[[バグフェイブルズ 速度・粘着・反響 完全指南]]』(2042年)が刊行された。内容は全608ページで、戦闘の落下パズル手順を図解し、文章量の最適化表も付属したとされる[36]。
書籍としては、研究者向けに『[[口承データとゲームUIの相互変換]]』が登場し、琥珀蜂開発研究所の内部資料が一部引用された。さらにファン向けには『[[シダ紋河の旅程(非公式)]]』が出回り、ゲーム内地名と実在地のように見える地図を並べて楽しむ企画が流行した[37]。
その他の書籍として、音盤蜂団の楽曲譜を収録した『[[複眼拍譜スコア集]]』が存在する。そこでは歌詞が空白のまま印刷され、読者が自分で“語り”を作る形式になっていたとされるが、一部では「著作権的に危うい」との指摘がある[38]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 鶴見 針之助『バグフェイブルズ設計記録:速度・粘着・反響』蜂窩文庫, 2041年.
- ^ 渡辺 甲一郎「複眼UIの縫い目可視化と確率分布」『ゲームインターフェイス研究』第12巻第3号, pp.55-78, 2042年.
- ^ マラト・シカゴフ「反響アルゴリズム:会話成功判定の動的調整」『Proceedings of the Micro-Narrative Engine』Vol.7 No.1, pp.101-119, 2041年.
- ^ 音盤蜂団『複眼拍譜:バグ紙同期のサウンド実装』音響書院, 2042年.
- ^ 田中 渉『乾燥区画の旅と物語のログ化』フィールド出版, 2043年.
- ^ ファミ通編集部『クロスレビュー宝典(第9版)』エンタメ通信社, 2042年.
- ^ 日本ゲーム大賞審査委員会『日本ゲーム大賞 速報と講評:バグ技術部門』日本ゲーム大賞事務局, 2041年.
- ^ Sofia K. Hallow「Narrative Fixation in Micro-World RPGs: A Study of the Feather-Board League」『Journal of Playful Anomalies』Vol.14 No.2, pp.220-244, 2044年.
- ^ 李 明昊「物語文章量と戦術パフォーマンスの相関:GF-Word Length Model」『Human-Dialogue Systems』第5巻第1号, pp.1-16, 2043年.
- ^ (タイトルが微妙におかしい)『バグフェイブルズ公式法令集:修正は学習である』蜂窩文庫, 2041年.
外部リンク
- 蜂窩文庫サポートポータル(BFパッチ履歴)
- 琥珀蜂開発研究所アーカイブ
- 複眼拍譜 公式試聴ページ
- シダ紋河 歩き方Wiki(非公式)
- バグ技術部門 受賞講評まとめ