パチリス
| タイトル | パチリス |
|---|---|
| 画像 | (架空)パチリス公式アート |
| 画像サイズ | 320x180px |
| ジャンル | アクションRPG / ハンティングアクション |
| 対応機種 | NEOポケットアーケード、PC-OS/9、バーチャルコンソールS |
| 開発元 | 燻銀(くんぎん)インタラクティブ |
| 発売元 | 燻銀パブリッシング |
| プロデューサー | 渡辺精一郎(わたなべ せいいちろう) |
| 音楽 | 和泉貫太郎(いずみ かんたろう) |
| 対象年齢 | 12歳以上 |
『パチリス』(英: Pachiris、略称: PR)は、にのから発売された用。通称は「ゲーム」とされ、シリーズの第1作目にあたる[1]。
概要/概説[編集]
『パチリス』は、森と市街地が同時に存在する「二層現象」を舞台として、プレイヤーがリス型の狩猟機(ハンティングユニット)を操り、敵性“放電塊(ほうでんかい)”を回収していくである[1]。
開発の発端は、燻銀インタラクティブの社内研究室が「弾が増えるのではなく、弾の記憶が増える」という概念を数学的に説明しようとしたことにあるとされる。ただし社内資料の表紙には、なぜかの古い公民館講座チラシが貼り付けられており、当時の担当者は「学習の熱量を弾数に変換する儀式だった」と語ったという[2]。
本作は発売から約3か月での“技術芸能部門”にノミネートされ、最終的に同賞の準グランプリ相当が与えられたと報じられている。なおこの賞の正式名称は、公式資料上では「獣と音の整合性賞」とも「獣音(けものおと)賞」とも表記され、編集部は首をかしげたとされる[3]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
プレイヤーは「ハンティングアーキタイプ」として操作する。基本操作は三段階の“貯脂(ちょし)”であり、通常攻撃は“皮脂弾”として発射される。ここで言う皮脂は体の脂ではなく、装備に内蔵された「熱記憶カートリッジ」に蓄えられたエネルギーを指すとされる[4]。
ゲームシステムの特徴として、敵を倒すたびにドロップが増えるのではなく、倒す前に観測した挙動に応じて「ドロップ予測値」が書き換えられる。たとえば、同じ種類の放電塊でも、草むらで倒した場合は回収率が平均で上昇し、舗装路で倒した場合は平均で上昇する、というように環境が確率に直結する仕様になっていたと説明される[5]。
戦闘はハンティングアクションの形式で進む。敵は「触れるほど近くなる影」と呼ばれる追跡挙動を持ち、視界を遮ると攻撃モーションが一瞬だけ逆再生される。結果として、プレイヤーは避けるだけでなく、あえて距離を詰めて“逆再生のタイミング”を回収する戦法が推奨されたとされる[6]。
アイテム面では、回収した放電塊を錬成して弾丸を“増やす”のではなく“増えたように見せる”加工装置が用意される。装置の名称は「ピカ減圧(げんあつ)チャンバー」で、説明書の一文目が妙に硬い。「減圧とは錯覚に対する処方である」とされ、プレイヤーの間では定型句として引用された[7]。
対戦モードとして「皿上(さらうえ)デュエル」が用意されており、協力プレイでは最大4人で“二層現象”を同期させる必要があった。オンライン対応は、発売当初の混雑期にサーバーが“同時に物語を忘れる”症状を起こしたとされ、公式は「物語整合性の再起動を行った」と告知した[8]。
ストーリー[編集]
物語は「森の市(もりのいち)」と呼ばれる都市国家を舞台としている。森は上層、都市は下層にあり、両者は毎夜にだけ同期する。この同期時間に現れるのが放電塊であり、放電塊は触れると“過去の音”を呼び戻すとされる[9]。
主人公格は、燻銀インタラクティブの広報で「無名狩人(むめいかりうど)」と呼ばれた。無名である理由は、プレイヤーの選択に応じて主人公の履歴が毎回変更されるためであり、初期設定資料では「固有名を固定すると二層現象が壊れる」と明記されていたとされる[10]。
終盤では“パチリス”という語が正式には「弾の反射により、物語だけが跳ねる装置名」であることが判明する。装置は、元々は郵便局の仕分け機を転用したものだという説明があるが、プレイヤーが再現手順を試すと必ず紙詰まりが起きたため、公式フォーラムでは「ほぼ冗談だがなぜか動く」と評された[11]。
ただし、公式サイトの更新履歴では最終章の説明文が2回差し替えられており、片方は「跳ねるのは物語ではなく皮脂だ」としていた。両方を読んだユーザーが「嘘みたいに矛盾してるのに、どっちも体験できる」と笑いながら語ったことが、発売後の評判を押し上げたとされる[12]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主要人物には、無名狩人の相棒として「シラギク係長(しらぎく かかりちょう)」がいる。シラギク係長は戦闘には直接参加せず、回収率を上げる“報告書”を戦場に投げる役割を担う。投げた報告書にはなぜかスタンプの台帳が付いており、プレイヤーは「狩る前に記録しろというメタメッセージ」と解釈した[13]。
敵側では、放電塊を増殖させる存在として「焦熱公(しょうねつこう)」が登場する。焦熱公は、熱湯で地図を“読む”癖があるとされ、戦闘前の前口上が毎回遅延する。遅延の理由は「焦熱公が未来の自分を先に喋ってしまうから」とされ、演出の意図は開発者が「音は未来から来る」と語ったことに由来する[14]。
仲間キャラクターには、上層森に住む「リス博士 ミツハ(みつは)」がいる。ミツハは二層現象の観測装置を発明したとされ、彼女の装置は“音を測るのに音を必要としない”。そのため、装置を起動する儀式として「口笛禁止令」が発令されるという小ネタがあり、プレイヤーが口笛で挑戦すると装置が停止したという報告が残っている[15]。
終盤では、郵便局の仕分け機を改造した“前史の遺物”として「局員アクタ(きょくいん あくた)」が顔を出す。アクタは登場が早すぎるため、攻略サイトでは“先取りネタバレキャラ”としてまとめられたとされる[16]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の中核用語は、放電塊、貯脂、二層現象である。二層現象とは、上層の森が下層の都市と“物語の位相”を入れ替える現象であり、毎夜の同期によってゲーム内の天候が左右されるとされる[17]。
放電塊は、ただの敵ではなく「過去の音の断片」と説明される。回収すると音が鳴るのに、プレイヤーの耳ではなくコントローラの振動で聴かされる仕組みとなっており、開発陣は「視覚と触覚の二重監査」と呼んだ[18]。
貯脂は、皮脂弾の燃料であると同時に、装備の“記憶容量”でもある。容量はステータスではなく、装備ごとの“油圧換算値”として表示され、初回プレイの多くが数値の読み違いで苦戦した。攻略本の初版はこの表示を「油圧=攻撃力」と誤解させる内容だったため、後に回収が行われたという[19]。
また、世界観の中心には「森の市(もりのいち)」があり、ここでは取引が金ではなく“反射率(はんしゃりつ)”で決まる。プレイヤーは反射率を上げることで交渉に成功し、特定のNPCは反射率が一定値を超えると初めて話し始める。奇妙な仕様により、コミュニティでは「パチリスは光を売るゲーム」と揶揄された[20]。
一方で、この反射率の測定はの研究機関「高位光学計測庁(こうい こうがく けいそくちょう)」が関与した、と公式が匂わせた。しかし、その庁はゲーム内組織としても、現実の行政にも存在が確認できないため、解釈の余地があるとされた[21]。
開発/制作[編集]
制作経緯[編集]
開発は、燻銀インタラクティブがの出張研究で見つけた「錆びた玩具の回転機構」が発端だったとされる。機構は、分解しても目的の動きが再現できず、しかし組み直す順序だけは記録されていた。開発陣はこの“順序だけ残る”性質を、二層現象の設計思想として取り込んだと述べた[22]。
当初企画ではジャンルがだったとも言われるが、試作段階でプレイ感が「狩り」として成立し始めたため、ハンティングアクションへ転換されたとされる。プロデューサーの渡辺精一郎は、会議の記録で「狩るのが正しいとき、パズルは黙る」と書き残したとされ、記録の文字があまりに小さく、監査担当がルーペを使ったという逸話がある[23]。
スタッフ[編集]
ディレクターは「佐伯和真(さえき かずま)」で、ゲーム内の“音の断片”演出を担当した。デザイナーの「楡(にれ)ミオ」は、放電塊の形状をリスの耳の角度に合わせるため、人体ではなく工業用サンプルの計測データを流用したとされる[24]。
プログラマーには「比企(ひき)レン」「陸奥(むつ)カナメ」が参加した。彼らは“確率の観測”をゲームプレイに落とし込むため、ログ保存の頻度を計測し、さらにログが多いほど敵AIが誠実になるという逆転の設計を行った。結果として、攻略中のプレイヤーほど敵が当たりやすくなるという皮肉が生まれ、コミュニティは「ログ勢ほど勝てる」ゲームとして拡散した[25]。
なお、スタッフ紹介の一部に誤字があり、作中で使用される「ピカ減圧チャンバー」の表記が一度だけ「ピカ減圧チャンバー(仮)」として掲載された。修正パッチが当たらず、ユーザーは“仮が本物だった”として笑ったとされる[26]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
音楽は、和泉貫太郎による“振動先行”のサウンドデザインが特徴とされる。BGMは実際の音程が鳴る前に、まずコントローラの振動でリズムが提示される仕様になっており、ユーザーは「聴く前に体が理解する」と評した[27]。
『パチリス:二層旋回音盤(にそう せんかい おんばん)』というサウンドトラックが発売され、全曲のうち曲はゲーム内特定条件でのみ再生される“条件曲”であった。たとえば、舗装路で放電塊を回収し、かつ回収後に振り返る操作が以内に完了すると発音される曲があるとされ、プレイヤーは手順を動画で共有した[28]。
また、オープニング主題歌「反射の子守唄」は、歌詞が当初の方言風に作られたが、配信配慮のため数行だけ標準語へ置換された。その差異を当てた人が複数いたため、歌詞カードの初期ロットを持つユーザーは“証拠品”として扱われたとされる[29]。
他機種版/移植版[編集]
NEOポケットアーケード版に続き、PC-OS/9版がに配信された。PC版では振動先行の要素が“画面の微細遅延”へ置換され、専用ドライバの有無で体験が変化したとされる[30]。
バーチャルコンソールS版では、オリジナルの二層現象を再現するため、映像のフレーム間演算が追加された。これにより、元のゲームで多くの人が苦戦した「逆再生回避」の難易度が、体感ではに上がったという報告があった[31]。
さらに、移植とは別に“思い出モード”と呼ばれる追加コンテンツがあり、これはクリア済みのセーブデータからだけストーリーの一部が変化する仕組みである。公式は「シリーズ一作目にあたる」としつつも、ユーザーは「1作目なのに別物」として驚いた[32]。
評価(売上)[編集]
売上面では、発売初週の売上本数がを記録し、その後3か月で全世界累計を突破したとされる[33]。日本国内に限れば、特定店舗での予約特典(反射率計測リストバンド)が品薄になり、オンライン掲示板では「バンドを先に買う人がいる」と笑われた[34]。
一方で評価にはばらつきがあり、ゲームデザインの複雑さを「学習ゲーム」と称する声もあったが、同時に“確率の観測”が体感で偏る点を批判する意見もあった。特に、ログを取らないプレイでは敵が素直になりすぎる、という逆転現象が指摘された[35]。
ファミ通クロスレビューではゴールド殿堂入りとなったが、最終点数の理由が記事内で「二層現象の没入感」と「バーチャルコンソールSの調整」へ行ったり来たりしたため、読者が「審査員が夢を見てる」と揶揄したという逸話が残っている[36]。
関連作品[編集]
『パチリス』はメディアミックスとして、テレビアニメ化および漫画化が行われたとされる。アニメでは放電塊が“過去の音”ではなく“未来の囁き”として描かれ、原作との差異が議論になった[37]。
また、関連ゲームとして『パチリス:逆再生試験場』『パチリス:貯脂研究譚(ちょしけんきゅうたん)』などの外伝タイトルが企画された。これらは制作会社が異なると説明されるが、クレジットに同一の“高位光学計測庁”が登場し、ファンの間では「監修が同じ世界線」と語られた[38]。
さらに、冒険ゲームブック『森の市(もりのいち)を巡る12の皮脂』が発売され、章の分岐に応じて読み手の“反射率”が上がるという触れ込みがあった。実際には紙の光沢が増減するだけだったとされ、しかしなぜか一部の読者が「体感が変わった」と書いたため、論争になった[39]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本として『パチリス公式完全狩猟ガイド(Vol.1〜2)』が刊行され、熱記憶カートリッジの“油圧換算値”の読み方が詳述された。初版では誤表記があり回収され、改訂版では「油圧=攻撃力」ではなく「油圧=観測遅延」と訂正されたとされる[40]。
サウンドトラック付属の小冊子『二層旋回音盤の余白(pp.13-41)』では、条件曲の発生条件が“音ではなく視線”で説明されている。視線の判定はプレイヤーの操作入力に基づく疑似推定で、読者が「ゲームがこちらを見ている」と感じる文体になっていた[41]。
そのほか、装備図鑑『ピカ減圧チャンバー修理簿(第◯巻第◯号相当)』や、設定資料集『放電塊の分類学:反射率からの帰結』が販売された。分類学の項目の一部が「理由は説明できないが効く」という記述であり、研究者気取りの読者がこぞって引用したという[42]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 燻銀インタラクティブ『『パチリス』公式設定資料集:二層現象の手引き(Vol.1)』燻銀パブリッシング, 2021.
- ^ 渡辺精一郎『反射率取引の経済論—ゲーム内貨幣ではなく観測である』燻銀研究叢書, 2021.
- ^ 佐伯和真『“逆再生回避”はなぜ機能するか:体感難易度の数学化』『日本ゲーム解析学会誌』第8巻第3号, pp.41-62, 2022.
- ^ 和泉貫太郎『振動先行サウンドデザインの実装:Pachiris振動プロトコル』『電子音響研究』Vol.15 No.2, pp.101-118, 2023.
- ^ 比企レン『確率の観測がAIを誠実にする—ログ設計の逆転戦略』『コンピュータゲーム設計論文集』第12巻第1号, pp.5-27, 2022.
- ^ 陸奥カナメ『環境がドロップ予測値を書き換える条件—舗装路と草むらの比較』『インタラクティブ確率研究』pp.201-233, 2023.
- ^ 『ファミ通クロスレビュー』編集部『パチリス:ゴールド殿堂入りの論点整理』株式会社エンタメ通信, 2021.
- ^ 高位光学計測庁『反射率計測の標準案(試案)』高位光学計測庁資料, 第◯号, 2020.
- ^ M. A. Thornton『Narrative Phase Swapping in Action RPGs』Game Studies Quarterly, Vol.7 Issue 4, pp.77-96, 2022.
- ^ J. Hernández『Vibration-First Rhythm Perception』International Journal of Haptics, pp.13-40, 2021.
外部リンク
- パチリス公式狩猟所
- 燻銀インタラクティブ開発日誌
- 二層現象アーカイブ
- ピカ減圧チャンバー解析コミュニティ
- 条件曲 探索ボード