ブロスタの王
| 名称 | ブロスタの王 |
|---|---|
| 読み | ぶろすたのおう |
| 英語名 | King of Brawls |
| 初出 | 2018年ごろ |
| 起源地 | 東京都渋谷区 |
| 分野 | ゲーム文化・都市伝説 |
| 関連組織 | 日本リアルタイム競技文化協会 |
| 特徴 | 高勝率、即席編成、王冠マークの自作UI |
ブロスタの王(ブロスタのおう、英: King of Brawls)は、文化の初期に現れたとされる称号で、特定のプレイヤーが形式の試合で異常な勝率を示した際に与えられた非公式の称呼である。のちにの草創期を象徴する語として定着したとされる[1]。
概要[編集]
ブロスタの王とは、のインターネットカフェで発生したとされる、対戦ゲーム界隈の半ば伝説的な称号である。もともとは夏、深夜営業の店舗内でを記録した匿名プレイヤーに対し、常連客が敬意を込めて呼び始めたのが起源とされる[1]。
名称はを連想させるが、初期資料では「ブロスタ」はゲーム名ではなく、筐体の保守用語「B-Rost」という謎の略号に由来すると記されている。なお、この略号の実在は確認されておらず、後年の研究では店長がメモ帳に書いた走り書きが一人歩きした可能性が高いとされる[2]。
歴史[編集]
渋谷初期伝説[編集]
最初の記録は近くのビル地下にあった「サイレント・ロビー」と呼ばれる店舗の来店記録である。2018年9月、深夜帯のトーナメントで、名義不明のプレイヤー「K.O.」がを達成し、店内の掲示板に「王冠席に座る者」と書かれた紙が貼られたことが始まりとされる[3]。
この時、対戦相手の一人であったというの会社員・相良誠一は、のちに「ラグが逆に礼儀正しかった」と証言している。証言の真偽は不明であるが、2019年刊の同人誌『深夜のラダーと王冠』に引用されたことで半ば定説化した。
称号の制度化[編集]
に入ると、称号は単なるあだ名から半公式のランキング装置へ変化した。日本リアルタイム競技文化協会の前身団体であるが、勝率・使用キャラ数・試合終了時のエモート使用回数を独自に点数化し、月間上位者へ「王位認定証」を送付したのである[4]。
認定証はA4判、和紙風の厚紙、金箔押しの簡易王冠つきで、毎月およそが郵送されたとされる。ただし、2020年の会計報告では郵送費が妙に安く、実際には近隣のゲームバーに手渡しされていたのではないかという指摘もある。
国際化と消滅[編集]
以降、称号はのユーザーコミュニティへ拡散し、英訳の「King of Brawls」が先に独り歩きした。特にの「Hongdae Replay Lab」では、王位者の対戦席だけBGMが3秒遅れて流れるという演出が恒例化し、これが世界大会の演出に逆輸入されたという[5]。
しかし、運営側がランキング仕様を改定したことで、王位は「伝説トロフィー帯の匿名性」を損なうものとして扱われ、公式記録からは削除された。以後は、古参ファンの間でのみ語られる準神話的語句となった。
制度と評価基準[編集]
ブロスタの王の評価基準は、一般的な戦績だけでなく、試合開始7秒以内の陣取り成功率、壁際での回避回数、そして「敗北時にどれだけ静かに退出したか」まで含まれていたとされる。これは単なる強さではなく、礼節を伴う圧倒性を称えるための仕組みであり、当時の界隈では「勝つ者より、空気を整える者が王にふさわしい」との標語が流布した[6]。
また、王位保持者にはを模した青色の自作アイコンが配布され、プロフィール欄に30日間のみ表示できた。表示期間が短いのは、長く見せると本人が増長するからだと説明されたが、実際には運営側の画像サーバー容量が不足していたためとみられる。
社会的影響[編集]
この称号は、やのゲームバー文化にも影響を与え、店内トーナメントの景品として「王の席」や「敗北者用の冷水」が用意されるようになった。特にのある店舗では、三連勝した客が会計時にレジ横のベルを鳴らすと、店員が無言で王冠シールを貼る慣習が生まれたという[7]。
一方で、学校教育への波及も確認されている。都内の一部中学校では、技術家庭科のグループワークで「ブロスタの王になったつもりで役割分担をせよ」という指示が行われたとする証言がある。ただし、これは生徒指導記録の余白に書かれたメモが唯一の根拠であり、教育史研究では要出典扱いとなっている。
批判と論争[編集]
批判の中心は、王位認定が実力主義に見えて実際には常連客の人気投票に近かった点である。とくにの「白い王冠事件」では、最有力候補とされたプレイヤーが、実は店長の息子であったことが判明し、SNS上で「血統王政ではないか」との非難が相次いだ[8]。
また、王位授与式で用いられた紙製メダルの裏面に、なぜかの備品管理シールが貼られていたことから、景品の調達経路に疑義が生じた。この点について運営は「近所の文具店で大量購入した際の混入」と説明したが、後年の調査では文具店自体がすでに閉店しており、真相は不明である。
後世への影響[編集]
ブロスタの王は、単なるゲーム内称号を越え、短時間で形成されるコミュニティ内序列の象徴として扱われるようになった。2022年にはのゼミで「デジタル王権論」のケーススタディとして取り上げられ、王冠を頂点に置くUIが参加者の滞在時間を平均延長させたと報告された[9]。
さらに、地方の商店街イベントでも流用され、の夏祭りでは「ブロスタの王杯」という模擬大会が開かれた。優勝者には金色のトロフィーではなく、なぜか「次回以降、受付を手伝わなくてよい権利」が授与され、これが最も価値のある賞品だと受け止められたという。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 佐伯俊介『深夜対戦文化における称号の成立』文化通信社, 2021.
- ^ Margaret A. Thornton, “Crowns in Casual Matchmaking,” Journal of Digital Play Studies, Vol. 12, No. 3, 2020, pp. 44-67.
- ^ 相良誠一『ラグの礼儀と匿名王権』青磁出版, 2019.
- ^ Hiroshi Kanda, “The Shibuya Underground Ladder Myth,” Game Anthropology Review, Vol. 8, No. 1, 2022, pp. 11-29.
- ^ 日本リアルタイム競技文化協会 編『王位認定証 制度要覧』同協会刊, 2020.
- ^ 田村由里子『エモート回数と序列形成』情報社会研究, 第14巻第2号, 2021, pp. 88-103.
- ^ Pierre Lemoine, “Prestige Tokens and Micro-Communities,” Revue des Cultures Ludiques, Vol. 5, No. 2, 2021, pp. 130-148.
- ^ 小林和馬『紙製メダルの流通史』東都書房, 2022.
- ^ A. R. Feldman, “Delay as Ceremony: Audio Offset in Competitive Arenas,” International Journal of Playful Systems, Vol. 3, No. 4, 2020, pp. 201-219.
- ^ 渡辺精一郎『王冠UIの心理作用』早稲田文化研究所紀要, 第27号, 2023, pp. 5-24.
外部リンク
- 日本リアルタイム競技文化協会アーカイブ
- 深夜ラダー史料室
- 渋谷ゲームバー口述記録館
- 王冠UI研究会
- 都市伝説デジタル博物館