ミュージックステーション
| 番組名 | ミュージックステーション |
|---|---|
| 画像 | MusicStation_Logo.png |
| ジャンル | 音楽バラエティ番組 |
| 構成 | スタジオライブ・トーク・チャート検証 |
| 演出 | 佐伯皓(演出統括) |
| 司会者 | 山河律子 |
| 出演者 | レギュラー:黒田ユウマ、海野ミツキ/ゲストは週替わり |
| 放送期間 | 1997年4月3日 - 継続中(放送回数は累計で算出) |
| 制作局 | 星海テレビ制作局(音楽情報班) |
『ミュージックステーション』(みゅーじっくすてーしょん、英: Music Station、ローマ字表記: Myujikku Sutēshon)は、[[星海テレビ]]で[[関東広域ネット|関東広域ネット系]]として[[1997年]]([[平成]]9年)[[4月3日]]から毎週[[木曜日]]23時台([[日本標準時|JST]])に放送されている[[音楽バラエティ番組]]。[[山河律子]]の冠番組でもある[1]。
概要[編集]
『ミュージックステーション』は、スタジオ収録で行われる[[公開放送]]を軸に、ゲストアーティストの最新曲を披露しつつ、視聴者が“次に来る音”を予測する参加型コーナーを組み合わせた音楽バラエティ番組である[2]。
番組は毎週[[木曜日]]23時台に放送され、放送時間は基本的に54分で固定される一方、特別回では“生放送の遅延”を理由として数分単位で伸縮されるとされる[3]。なお、番組開始当初から[[データ放送]]連動が導入されており、視聴者は番組内で提示される「音源の癖」を数値で選ぶことが求められた[4]。
この番組が象徴的なのは、音楽ニュースを“検証番組”として扱う点である。たとえば当日のセットリストに混ざる楽曲のうち、視聴者投票が最も多かった曲は「次週のスタジオに追加される可能性」があるとされ、現場では小さな異変が定期的に起きていると報告されてきた[5]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
開始〜黄金期[編集]
番組は[[1997年]]4月3日に[[星海テレビ]]で放送を開始し、当初の放送枠は毎週[[木曜日]]23時00分〜23時54分([[放送分|放送分]]54分)であった[6]。開始当月に限り、オープニングの台詞に“音程の合成”が使われたとして、視聴者から問い合わせが3,219件(当時の窓口記録)寄せられたことが番組年表に記されている[7]。
[[2001年]]に[[ハイビジョン放送]]へ段階移行された際、画面の残像を抑えるために照明の色温度が「6,400K固定」に変更されたとされる。これによりスタジオライブの“息づかいの見え方”が変わり、番組内で「息の同期スコア」なる指標が話題になった[8]。
再編と“誤差の美学”[編集]
番組は[[2007年]]に放送枠が一度だけ移動し、同じ[[木曜日]]23時台でも前半枠(23時20分開始)となった。星海テレビの番組編成担当は「前半枠の方が録画率が上がる」と説明したとされるが、実際にはスポンサーが“計測誤差の少ない時間帯”を好んだためだという内部メモが存在したと語られている[9]。
さらに[[2014年]]には視聴者投票の集計がオンライン化され、[[データ放送]]の画面に「あなたの予測は確率で何番目?」という問いが追加された。ここで表示される確率の端数が小数点以下3桁まで表示されるようになり、視聴者が「番組は占いなのか」と戸惑う場面もあった[10]。
出演者(司会者/レギュラー出演者/歴代の出演者)[編集]
司会は[[山河律子]]が長年務めており、彼女は番組内で「歌の情報は“音の面積”として語る」と発言したことで知られている。山河は番組開始から第1期のスタジオセット(反射板素材が異なる)に立ち会っていたとされ、以後のリニューアルでも司会席の位置が微調整されてきた[11]。
レギュラーとしては、黒田ユウマ(音響評論担当)と海野ミツキ(歌詞検証担当)が固定される。黒田は“低域が増えた曲ほど表情が変わる”と主張し、番組内でベースラインの変化を5段階で採点する[12]。一方の海野は、同じサビでも言葉の頭子音が異なる場合に「伸びしろがある」と解釈するとされ、視聴者投稿の採否に関わると報じられている[13]。
また、歴代ゲストには演奏家や作詞家が多く、特に[[2012年]]の“地方収録”回ではゲストに[[札幌市]]出身の編曲家が呼ばれたが、楽屋の時計が一度だけ17分進んだことが翌日の放送でネタにされたとされる[14]。この種の“ズレ”が番組の軽妙さを作っているとの見方がある。
番組史[編集]
番組史は大きく、技術の節目と社会の節目が重なる形で記録されている。とりわけ[[1997年]]当初に導入された「予測音階」制度は、視聴者が歌唱の“次に来る音”を選ぶ仕組みとして設計されたとされる[15]。しかし当時の制作現場では、視聴者投票の結果がスタジオの演出台本に反映される時間を確保するため、台本の印刷が“毎回23:11分に完了”するよう工程が組まれていたと伝えられている[16]。
この仕組みが社会に与えた影響として、音楽の聴き方が「感想」から「選択」に変わった点が挙げられる。実際に、番組で導入された“次週追加の可能性”がきっかけで、ファンが楽曲を聴く前に視聴者投票アプリを開く習慣が広まったとする報告がある[17]。
一方で、番組が長期化するにつれ、音楽チャートの見方も変質したという批判が出た。特定の時間帯に視聴者投票が集中すると、司会コメントに似た言い回しが増えるという指摘があり、結果として「音楽批評が番組仕様に寄る」現象が観測されたとされる[18]。
番組構成/コーナー[編集]
主要コーナー[編集]
主要コーナーは「[[ナイト・コード・リサーチ]]」「[[詩の三角測量]]」「[[スタジオ即興アーカイブ]]」で構成される[19]。『ナイト・コード・リサーチ』ではゲストの新曲のコード進行を“色”に置き換え、データ放送上で視聴者が選んだ色が、次のBメロの照明に反映される形式がとられる[20]。
『詩の三角測量』は歌詞の比喩を“角度”として換算するコーナーであり、たとえば「風」が登場する場合は一般に角度が12度増すと説明されるが、これは番組の社内資料に基づくとされる[21]。この制度が細かすぎるため、視聴者の間で“歌詞は物理学だったのか”という冗談も広まったとされる[22]。
参加型企画と公開放送[編集]
参加型の企画としては、毎回放送の中盤で「あなたの予測は確率で何番目?」が表示される。視聴者は0.000〜0.999の範囲で選択し、その値が番組内で“予測の座標”として扱われる[23]。
また、一定回数ごとに[[公開放送]]が実施され、観客の拍手が一定以上のタイミングで揃うと、エンディング曲が“同一曲でも別テイク”に差し替えられることがある。差し替えの判定はスタジオ床のセンサーで行われるとされ、観客には「拍手は作品です」と注意書きが配布されている[24]。
シリーズ/企画[編集]
シリーズ企画としては、「[[月替わりの最小音]]」「[[逆再生メモリー]]」「[[五拍子の約束]]」が継続されている。これらは新曲紹介よりも“聴き取りの訓練”に寄っている点が特徴であり、たとえば『月替わりの最小音』では、ゲストの楽曲から最小の音成分(番組では“最小音”と呼ぶ)を抜き出し、それを当てるクイズが行われる[25]。
企画の一部には、[[地方収録]]を絡めたものがあり、[[長野県]]の架空スタジオ(旧倉庫を転用した設定)で収録した回では、反響時間が「3.72秒」と字幕表示され、視聴者が正確さを疑った[26]。ただし制作側は「測定器が倉庫の梁に干渉した可能性がある」として、あえて注釈を出したという[27]。
このように、音楽番組であるにもかかわらず“計測の物語”が前面に出ることで、結果として視聴者の参加が長期化したと推定される[28]。
オープニング/テーマ曲[編集]
オープニングテーマは「[[蒼い信号 (OP ver.)]]」で、イントロは16小節で構成される。番組開始当初、イントロの最後の小節だけテンポが微妙に落ちる仕様であり、これが“聴き手の脈拍を同期させる”と紹介されていた[29]。
テーマ曲はシーズンごとにアレンジが変化し、たとえば[[2009年]]の冬改編ではストリングスを増量した結果、視聴者投票の成功率が1.3倍になったと番組公式では説明された[30]。もっとも、実際には成功率が上がった理由は照明の色温度変更と同時期だったためではないか、という観測もある[31]。この二重の理由付けが、番組の“ありえそうであやしい”魅力を支えているとされる。
スタッフ(歴代のスタッフ/歴代スタッフ)[編集]
制作は[[星海テレビ]]制作局の音楽情報班が中心となり、チーフ・プロデューサーは[[川上宗介]]が長期にわたって担当しているとされる。川上は番組企画会議で「音楽は統計で語れる」と繰り返し、オープニングの“16小節”にも数字を持ち込んだ人物として知られている[32]。
演出は佐伯皓が統括しており、彼は収録の際に毎回、スタジオの反響を測定してからリハーサルの順番を決める方式を採用している[33]。また、音響技術スタッフの[[中谷レン]]は、ゲストの声帯の響きではなく「マイク前距離の癖」をデータ化することに熱心で、視聴者投票の精度にも関与したと語られている[34]。
なお、番組内部の文書では“選曲会議”が「第0回」と呼ばれ、通常会議の前に必ず行われる。理由は第0回の決定が、[[データ放送]]の文言に先行反映されるからだと説明されている[35]。この命名の妙が、番組の真面目さと冗談の境界を曖昧にしている。
ネット局と放送時間/放送局・配信元[編集]
ネット局は[[関東地方]]を中心に構成され、代表的なものとして[[星海テレビ]]以外に[[北辰テレビ放送]]、[[西環放送]]、[[東嶺メディア]]などが挙げられる[36]。放送時間は基本的に[[木曜日]]23時台とされるが、地方局では編成の都合で23時10分開始となるケースがあり、その回だけ副音声で補足が入るとされる[37]。
配信については、放送後に公式サイトから一定期間の見逃し配信が行われるとされる。配信元は星海テレビのほか、音楽情報班のパートナーとして[[星海メディアワークス]]が関与していると報じられたことがある[38]。
一方で、ネット局によっては[[データ放送]]連動が提供されない場合があり、その場合は“投票の代替”として動画内のスライダーが提示される。視聴者からは「結局どっちが本物なのか」と問い合わせが来るが、制作側は「同じ確率を別の形で渡すだけ」と回答している[39]。
特別番組[編集]
特別番組として、年末に「[[ミュージックステーション 年越しコード]]」が放送される。これは通常回よりも長い120分枠で、生放送であるとされる[40]。
年越しコードでは、ゲストが“過去1年の最小音”をそれぞれ一つだけ持ち寄り、番組側がそれを“統合コード”として再構成する。統合コードの完成判定は、スタジオの照明パターンと拍手のタイミングの一致度で決められるとされるが、制作現場では一致度が「84.7%」を下回るとやり直しになることがあるという[41]。
また、特別回では地方収録が増え、たとえば[[沖縄県]]の旧港倉庫で収録した回では、波の音がBGM扱いされた結果、視聴者が「効果音が優勝」と投稿したことが話題になった[42]。
関連商品(DVD/書籍)[編集]
関連商品としては、番組の編集版DVD「[[ミュージックステーション]] 計測ライブ大全」が年1回のペースで発売される。収録内容は“選曲会議の第0回で決まった回”を中心に選ばれるとされ、帯には「一曲に三つの数がある」と書かれている[43]。
書籍としては「[[山河律子]]の耳の幾何学」が出版されており、番組で扱う比喩換算(角度や距離)を一般化した解説が含まれる。もっとも、読者の間では“換算の根拠が定量的すぎる”との声もあり、出版社は付録で「例外規則」として一部の計算を省略したとされる[44]。
受賞歴[編集]
受賞歴としては、番組は[[関東民放協会]]主催の「視聴参加設計賞」を[[2006年]]に受賞したとされる[45]。理由は、[[データ放送]]とスタジオ演出が同時に変化する構成が評価されたためだと説明されている。
また、翌[[2007年]]には映像技術部門で優秀賞を受けたとされるが、当該年の審査員講評の一部が後に公開され、「照明の色温度固定が功を奏した」という一文が目立ったと語られている[46]。一方で、審査の公平性に関しては「参加型企画が得点に直結していたのでは」との疑問も出たという[47]。
使用楽曲[編集]
使用楽曲はオープニングテーマのほか、ゲストの披露曲が中心となる。番組内で“最小音抽出”に適する楽曲が選ばれるとされ、制作側はその選定理由を「音の輪郭が安定しているため」としている[48]。
さらに特別回では、前年に話題になった“次週追加の可能性”が高かった曲を「アーカイブ枠」で再演する慣行がある。たとえば[[2015年]]の回では、再演曲が通常の2テイク目であり、最初のテイクとの差分が0.8秒以内に収まるよう調整されたと字幕表示された[49]。こうした細部が、番組の“検証っぽさ”を強化していると考えられている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 編集部『星海テレビ番組年鑑 1997』星海テレビ出版, 1997.
- ^ 田辺一馬「音楽バラエティにおける参加設計の変遷」『放送技術評論』Vol.34 No.2, pp.41-58, 2006.
- ^ 山河律子『耳の幾何学入門』朝嶺書房, 2011.
- ^ 佐伯皓「照明の色温度固定がスタジオライブの印象へ与える影響」『映像演出研究』第12巻第1号, pp.9-27, 2009.
- ^ Kuroda Yuuma「低域変化と表情推定の相関:番組内採点の試み」『Japanese Audio Letters』Vol.7 No.3, pp.101-119, 2013.
- ^ 海野ミツキ「歌詞換算モデルと視聴者理解のギャップ」『メディア言語学会紀要』第5巻第2号, pp.55-76, 2014.
- ^ 川上宗介「編成誤差と視聴習慣:23時台移動の事例」『放送編成研究叢書』pp.201-220, 2008.
- ^ 中谷レン「マイク前距離の癖の統計化と副音声連動」『サウンド計測ジャーナル』Vol.19 No.4, pp.77-95, 2016.
- ^ 星海メディアワークス『ミュージックステーション DVD公式ガイド(第3版)』星海メディアワークス, 2018.
- ^ 北辰テレビ放送 編『地方収録が作る音:反響時間3秒台の記録』北辰出版, 2012.
- ^ M. Thornton,
- ^ 『Broadcast Participation & Statistical Entertainment』Vol.2 No.1, pp.1-10, 2005.
外部リンク
- 星海テレビ 公式ミュージックステーション
- 音楽情報班 参加型企画アーカイブ
- 公開放送レポート倉庫
- 視聴者投票の座標解説ページ
- 年越しコード 特設サイト