モンキーホール松村
| コンビ名 | モンキーホール松村 |
|---|---|
| 画像 | — |
| キャプション | 『人類版・回転ドア漫才』期の衣装(架空) |
| メンバー | 松村トラ介、ミナト・ハーミット |
| 結成年 | 2016年 |
| 解散年 | —(活動継続とされる) |
| 事務所 | クラウン物流組合(通称:C-LUX) |
| 活動時期 | 2016年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント(“誤差の演技”を含む) |
| ネタ作成者 | 主に松村トラ介(脚本はミナト・ハーミットが改稿) |
モンキーホール松村(もんきーほーるまつむら、英: Monkey Hall Matsumura)は、[[架空事務所・クラウン物流組合]]所属のお笑いコンビである。[[2016年]]に結成され、[[M-1グランプリ]]2019年では準決勝進出、同年の業界内で“奇妙に正確な噛み合わなさ”として話題となった[1]。
概要[編集]
モンキーホール松村は、[[松村トラ介]]と[[ミナト・ハーミット]]によって構成されるお笑いコンビである。漫才は「相手の返答を“聞き返していない”体」で進行することで笑いを生むとされ、コントは“現実の数値”をあえて小刻みに外すことで不安を増幅させる手法が特徴とされる[1]。
名称の由来は「スタジオの回転椅子がモンキーホール状に回り、松村が落ち着いている顔のまま針のように説明する」ことにちなむと語られるが、初期の公式プロフィールでは「実在施設の清掃員募集広告に由来する」とも記され、出典の扱いが一貫しない点が“伝説性”として定着している[2]。なお、本人たちは「これは全部“嘘でも本当っぽい”という芸風設計の名残である」と説明している[3]。
メンバー[編集]
松村トラ介(まつむら とらすけ)は、説明口調のボケを担当するとされる。声のトーンを固定したまま語尾だけを毎回変える癖があり、観客に「今のは同じ文法で別の事実を見せている」と感じさせることで間を作るとされる[4]。
ミナト・ハーミット(みなと はーみっと)は、数値と手順の“ツッコミ”を担当するとされる。舞台袖で台本を折りたたむ回数が決まっており、折り目の角度が一度でも変わるとツッコミの語尾が崩れるため、リハーサルではスタッフが角度計を持ち込むことがあると伝えられる[5]。
コンビ名の“松村”は松村側の名字であるが、相方が自分の名字ではないことに一時期だけ異議を唱え、「ミナトホール松村」のような表記案が出たとされる。ただし事務所側が商標出願の適合性を理由に拒否したため、現在の表記に落ち着いたとされる[6]。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成まで(“数値芸の起源”とされる話)[編集]
ふたりは[[2013年]]、[[東京都]][[港区]]の「災害備蓄倉庫シミュレーション講座」会場で出会ったとされる。当時、松村は参加者向けの説明係をしており、ミナトは配布物の“誤差許容範囲”を書き写していたとされる。講座の最終課題が「同じ説明を小数点以下2桁まで一致させる」であったため、松村が“一致しないまま一致している顔”を作り、ミナトが“それを検証する”眼差しを向けたことがきっかけであると語られる[7]。
この時点でふたりの間に「正しいのに間違っている説明」という方向性が固まったとされるが、当時の資料は倉庫の棚卸しで紛失したため、記録は数値よりも手順の順序で語られることが多いとされる。なお、講座の担当部署は[[東京都中央防災管理庁]]の前身組織とされるが、実在の行政機関名と完全には一致しないため、後年のファン間では“その名が出るときは必ず別ルートの嘘が混ざる”と指摘されている[8]。
東京進出と“回転ドア漫才”の発明[編集]
東京進出は[[2017年]]春に行われたとされる。ふたりは[[新宿区]]の小劇場にて、看板の点滅が始まるタイミングを合図に漫才を切り替える「回転ドア漫才」を初披露した。観客の入退場導線が点滅と同期してしまい、笑いが“運”ではなく“制御”に近づいたことで、業界関係者が「計測可能な不条理」と呼ぶようになった[9]。
同年、舞台機構の都合でドアが実際には回転していないにもかかわらず、ネタ内では毎分0.83回転として説明した。これが“あり得るが検証不能”な数値としてウケたため、以後のネタでは小数第2位までを多用する方針が固まったとされる[10]。
芸風[編集]
モンキーホール松村の芸風は、主に[[漫才]]と[[コント]]に分類される。漫才では、松村が「手順」「注意」「条件」を淡々と読み上げるボケを担当し、ミナトが「その条件は成立していない」とツッコむのではなく、「成立している前提での誤差」を提示する形を取るとされる[11]。
一方、コントでは、日常の規則が“ほんの少しだけズレている”状況が描かれる。たとえば自動販売機の釣り銭が「合計で17円余る」のではなく、「17円に見えるが実際は15円+2円の分割になっている」と説明され、観客が“会計の矛盾”に気づきかける瞬間に笑いが来る仕組みであるとされる[12]。
なお、ふたりは「嘘で笑わせるのではなく、嘘っぽい正しさで笑わせる」と語っており、出番直前に“計算用の手帳”だけを確認するという。そこには、客席の平均年齢を推定するための質問項目が書かれているとされるが、具体的な質問内容は毎回変わるため真偽は定めにくいとされる[13]。
エピソード[編集]
『人類版・回転ドア漫才』の初回公演では、アンコールの最後に松村が「この場の静寂は平均で0.42秒だけ遅れて到達します」と宣言した。直後にミナトが「遅れていません。到達が“積算”されています」と言い、会場の空調音が計測できるほど静かだったため、一部の観客は“本当に計測しているのでは”と騒いだとされる[14]。
また、彼らの代名詞である“出囃子が鳴る前にツッコミだけ先に来る”演出がある。出囃子は通常のリズムから外れることで知られるが、ある回では太鼓の合図が1拍早かった。ミナトはそのズレを訂正せず、逆に「1拍早いからこそ、あなたの感情が先に戻ります」と説明したため、場が笑いと拍手で溶けたと語られる[15]。
さらに、松村が番組収録中に「今日の気温は観測点Aで22.6℃、観測点Bで22.7℃です」と言ったところ、局の気象担当が即座に訂正資料を持ち込んだ。結果、ミナトは「訂正ありがとうございます。つまり当方は“訂正される前提”で進行していました」とまとめ、進行表の余白に“わざと訂正を誘う空欄”があったことが判明したとされる[16]。この件は業界内で「嘘なのに運用が厳密」と評された。
出囃子/受賞歴/出演[編集]
出囃子は「[[笛]]が先、[[太鼓]]が後、最後に“紙をめくる音”が来る」形式であるとされる。紙の音はCDで再生されるが、舞台上で誰かが実際にページをめくっているように聞こえるため、観客が“生演奏”を誤認しやすいとされる[17]。
受賞歴としては、[[M-1グランプリ]]2019年で準決勝進出、翌[[2020年]]には地方予選で一度だけ“審査員の採点用紙に先回りして書かれたメモ”が公開され、波紋を呼んだとされる。ただし事務所は「偶然である」と説明し、公式サイトでは要因を「舞台機構の反射音」とする項目が一時的に掲載されたが、のちに削除されたとされる[18]。
出演はテレビでは[[フジテレビジョン]]系の深夜バラエティや、[[NHK総合テレビ]]の“地域芸人点検特番”などに出演したとされる。ラジオでは[[TBSラジオ]]の枠で「誤差トーク」を連載し、1回あたり平均で22通の感想メールが届いたと本人が語っている[19]。映画・舞台では、物流倉庫を舞台にした即興劇に出演したともされるが、作品名の表記が複数見つかり真偽が揺れているとされる[20]。
単独ライブ/作品/書籍[編集]
単独ライブとしては『誤差の王冠』『回転椅子の正義』『釣り銭は二段階で笑う』などが知られている。特に『釣り銭は二段階で笑う』(2021年)は、観客に配布される“計算カード”が実際には計算できない仕様になっていたことで話題となったとされる[21]。
作品はCD/DVDとして『回転ドア漫才・完全版』がリリースされたとされ、初回盤の特典として「台本ではなく“台本の影”を再現した薄い紙」が同梱されたとされる。これは制作側が“嘘でも通る情報設計”を狙ったと説明したが、購入者の一部が「影が薄すぎる」と不満を漏らし、後に厚紙の再配布が行われたとされる[22]。
書籍としては松村トラ介名義で『小数第2位の間(ま)』が出版されたとされる。本文中には、笑いの立ち上がり時間を測るための簡易表があり、そこでは観客の“笑いの立ち上がり”が0.17秒刻みで推定されるとしている。なお、表の根拠については「現場の空調ログ」とされるが、ログ自体が公開されていないため、出典の不足として一部で指摘されている[23]。
批判と論争[編集]
モンキーホール松村は、その“数値化された不条理”ゆえに批判も受けている。具体的には「観客の感情を計測しているように見せるため、実際は計測していない場合に欺瞞性がある」との声がある[24]。
また、ネタの中で言及される[[架空の施設]]や[[架空の制度]]が、実在する制度と紛らわしい形で登場するため、情報提供の責任が問われたことがあるとされる。ある掲示板では「[[東京都]]の“防災管理庁”は実在しないのに、公式ポスターのように出るのは良くない」という論調が出た。これに対し事務所は「笑いは記憶を借りるものであり、借りた記憶は返却されない」と回答したと報じられた[25]。
加えて、彼らの“出囃子の前倒し”が、番組収録の運用ルールと衝突した可能性が指摘された。制作側が「音響タイムラインの改変はNG」とする一方で、本人たちは「改変ではなく“先に到達した方の音を採用しただけ”」と主張している。真偽は定かでないが、演出の言い換えが巧妙であると評され、かえって議論を長引かせたとされる[26]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 松村トラ介『小数第2位の間』サーカス文庫, 2022.
- ^ ミナト・ハーミット『回転ドア漫才の測定手順』C-LUX出版, 2021.
- ^ 「誤差の芸術と観客反応」『日本笑技学紀要』第8巻第2号, pp. 41-63, 2020.
- ^ 山城静香「数値ボケにおける聞き返しの非発話戦略」『コミュニケーション演芸研究』Vol. 12, No. 1, pp. 10-27, 2019.
- ^ 伊達範彦「“訂正される前提”としての構文設計」『放送台本学研究』第4巻第3号, pp. 88-101, 2023.
- ^ Katherine L. Rowe, “Timing the Laugh: Micro-delays in Stage Comedy,” Journal of Applied Humor Studies, Vol. 6, No. 4, pp. 201-219, 2021.
- ^ 田中ユウ「回転ドア漫才の音響論:紙のめくり音の擬似生演奏効果」『舞台音響レビュー』第15巻第1号, pp. 55-74, 2022.
- ^ 『C-LUX 年報:奇妙に正確な噛み合わなさ』クラウン物流組合, 2020.
- ^ 野々村慎一「誤差許容範囲と笑いの同型性:倉庫シミュレーションからの連結」『災害演芸論集』第2巻第5号, pp. 1-19, 2018.
- ^ Samuel P. Hart, “Invented Institutions in Modern Comedy,” International Review of Comic Semiotics, Vol. 9, pp. 77-95, 2019.
外部リンク
- クラウン物流組合 公式サイト
- モンキーホール松村 公式プロフィール(架空)
- 回転ドア漫才アーカイブ
- 誤差トーク公開メモ(保存庫)
- C-LUX ライブ配信ページ