モータルコンバットの登場人物一覧
| 対象作品 | 『モータルコンバット』シリーズ |
|---|---|
| 分類 | キャラクター一覧(登場人物別) |
| 成立時期 | 1990年代前半に資料として整備 |
| 主な目的 | プレイヤー向け攻略・系譜把握 |
| 編集媒体 | 同人誌・掲示板・電子掲示板の転載 |
| 採用基準 | ゲーム内での「呼称」および「公式ポスター記載」 |
モータルコンバットの登場人物一覧(もーたるこんばっとのとうじょうじんぶついちらん)は、格闘ゲーム『モータルコンバット』に登場する人物群を整理した一覧である。1980年代末の家庭用ゲーム市場での「有名キャラクターの収集」需要を背景に、ファン資料として体系化されたとされる[1]。
概要[編集]
モータルコンバットの登場人物一覧は、シリーズ作品に登場する人物(プレイヤーキャラクター、ボス、準プレイヤー枠など)を、役割と初登場コンテキストに基づき再編した一覧とされる[1]。一般には「キャラクター名の辞書的整理」として理解される一方で、実際の編集実務では「どの大会配布紙面に載ったか」「どの街の掲示板に最初に流通したか」といった流通史まで辿る傾向がある。
この一覧が成立した経緯としては、1990年代初頭にアメリカ国内で行われた家庭用ゲーム大会が「勝敗より先に“誰が使えるか”を共有する」文化を作り、以後、キャラクターの呼称・表記ゆれ・ローカライズ差を統一する必要が生じたことが挙げられる[2]。なお、編集者の一部は、登場人物の整理が単なる攻略支援に留まらず、社会的には「暴力表現への距離感」を言語化する営みだったとも述べている[3]。
一覧[編集]
## 内部流通名で整理される主要人物
- スコーピオン(初代表記:英: Scorpion、年:1992年)- 朱塗りの兜と火を扱う忍として知られる。初期の資料では「勝利演出の煙量が平均1.8倍」と記され、のちに配布ポスターで“炎の比率”が統一されたとされる[4]。
- サブ・ゼロ(英: Sub-Zero、年:1992年)- 氷結技を中心に据える戦闘員で、一覧の初版では「滑走距離が最短3.4m」というやけに具体的な脚注があったとされる[5]。大会の実況者がその数字を引用し、ファンが冷却系の理屈を語り始めた経緯が残っている。
- レイデン(英: Raiden、年:1992年)- 雷を媒介にした統治者型の存在として整理される。掲示板転載版では「雷光の角度は東経で微修正される」とする誤読が混入し、編集合戦の引き金になったとされる[6]。
- ソニア・ブレイド(英: Sonya Blade、年:1992年)- 特殊部隊の指揮官枠として、一覧では“命令が先、技が後”という説明が付くことが多い。初期ローカライズでは表記揺れが多く、同人研究会が東京都港区にある架空の資料室を名乗って照合したとする逸話がある[7]。
- ジャックス(英: Jax、年:1992年)- サイバネティクス改造の格闘家として列挙される。初期まとめでは「腕部アクチュエータの応答遅延が17フレーム」とされ、検証記事が実在の計測記事の体裁を模倣していたと指摘されている[8]。
## “ファクター”別にまとめられる忍・暗殺者枠
- エルマ・ブラック(英: Elma Black、年:1993年)- 影の刃を用いるが、一覧の編集では“使用武器よりも姿勢の角度”が主題として扱われる。1993年の資料では、試合開始後の深呼吸回数が「ちょうど2回」と断定されていたとされる[9]。
- ミレーナ(英: Milena、年:1993年)- 鎖と近接を組み合わせる人物で、旧版では「鎖の長さが推定で約1.93倍」として載った。編集者がサンプル動画のコマ割りを数えた結果として語られ、数字が独り歩きした[10]。
- クン・ラオ(英: Kung Lao、年:1994年)- 扇状の兜を用いる戦闘者枠として整理される。初期の一覧では「回転軌道の半径が1.2歩分」といった単位が併記され、後に“歩分”がファンのローカル慣用に固定された経緯がある[11]。
- テオ・クロウリー(英: Theo Crowley、年:1994年)- 地下闘技場の管理人として登場するとされるが、一覧では“管理人なのに攻撃力カテゴリ上位”として妙に注目されている。大会で「リングの端が削れていた」話が混入し、オカルト的解釈が流行したとされる[12]。
## ボス・準ボス枠(「勝利条件」視点で記述される)
- シンデル(英: Sindel、年:1995年)- 魂の震動を武器にする存在として説明される。一覧の古い版では「震動の周波数が約74Hz」という不自然な記載があり、科学系ファンが電卓で整合を取ろうとして炎上したとされる[13]。
- シャオ・カーン(英: Shao Kahn、年:1995年)- 征服の象徴として長く掲載される。編集史では、当初は“名前だけが先に流通”し、後から公式表記が追いついたとされる[14]。結果として表記ゆれ(漢字音、英字綴り)が一覧の項目に残り、収集家を増やした。
- コールディ・リーパー(英: Coldy Reaper、年:1996年)- 冷却死神型の対戦相手として、単発キャラ枠に分類される。資料室では「勝利演出の暗転が0.6秒」と書かれたが、のちに改訂で「0.8秒」とされ、編集の紛争記録が残った[15]。
- ヴァレリア・ドゥーム(英: Valeria Doom、年:1996年)- 呪いのカードを介して技が増殖する設定が一覧の説明に入りやすい。ある年の編集では、カードの枚数が「ちょうど13枚」と固定され、なぜ13にしたかの理由として“午後13時の儀式”が語られたとされる[16]。
## “ローカライズ差”から生まれた派生人物
- ハルク・マグナス(英: Hulk Magnus、年:1997年)- 海外版での補助役として扱われることがあるが、日本語版では別人のように見えるとされる。一覧の編者は「本当に同一人物かを確定させるには、ケーブル端子の色を見ろ」と半ば本気で書いたと報じられている[17]。
- ミカ・ナイトブレイズ(英: Mika Nightblaze、年:1998年)- 暗闇で炎を扱う“対称忍”として説明される。初版の脚注では「炎の色温度は推定で約3200K」とあるが、実測ではなく“衣装の印刷”から逆算した推定だったとされる[18]。
- ゴースト・ドリフター(英: Ghost Drifter、年:1999年)- いわゆる移動型の妨害枠で、一覧では“姿が見えるのに当たらない時間”が重要視される。掲示板の論争では、この人物が「最も安定してミスを作る」ことで有名だとされ、上達指導に転用されたとされる[19]。
## 編者たちが“入れたがる”番外キャラクター
- ヴィクトル・レンテン(英: Victor Rente n、年:2000年)- 収集系の資料で現れやすい人物で、戦闘描写よりも「初登場回の説明文が異常に長い」ことで記憶される。資料には「文章の総文字数が612字」といった執念深い記録があるとされる[20]。
- サエコ・ゼロクール(英: Saeko Zekool、年:2001年)- 寒色の衝撃波を放つと整理されるが、一覧の複数版で年が前後している。編集合意として「最初に採用された掲示板が大阪府の某倉庫倉庫番掲示板だった」という、地名を過剰に結びつける説明が残り、信用性が揺れた[21]。
- ラズロ・ファントム(英: Lazlo Phantom、年:2002年)- フェイントに特化した人物枠として、終盤に置かれがちである。ある編集者は、フェイント成功率を「体感でなく“誤差の平均が±3%”」として書き、指標化が進んだ[22]。
- オーレン・ヴォルト(英: Oren Volt、年:2003年)- 雷撃と電荷の比喩で説明される人物で、一覧の後期版に増補された。記載の揺れをまとめるために、編集委員会が名目上東京都の大学共同アーカイブに照会したとされるが、照会先は“公開されなかった”とされる[23]。
歴史[編集]
成立:攻略本ではなく「呼称の統一」から[編集]
『モータルコンバット』が家庭用で広まった1990年代初頭、プレイヤーの関心は「最強キャラ」よりも「誰が何と呼ばれるか」に移り、一覧が攻略本の代替として求められたとされる[24]。この背景には、地域別のローカライズが原因で“同じ人物なのに別名”が起きやすかった事情があったという。
一覧は当初、電話帳のようにページが積み上がる方式で作られたとされ、編集作業は“改行位置の規則化”まで含んで細密だったとされる[25]。そのため、のちに一覧が普及した際、キャラクター紹介文も同一フォーマットで統一され、百科事典的な見た目が成立した。
発展:対戦文化と“暴力の言語化”が接続された[編集]
対戦大会の現場では、技の強弱以上にキャラクターの来歴(師、組織、所属)の共有が勝敗に影響するようになり、一覧は“キャラクター辞典”として再編集されたと説明される[26]。さらに一部の編集者は、暴力表現を扱う作品であるからこそ、人物をきちんと分類し、意図せず個人攻撃へ流れないようにする必要があった、と述べている[27]。
一方で、その分類が過剰になり、「所属組織の系譜」や「技の理屈」を現実の制度になぞらえる動きが出た。実在の行政機関風の見出し(“調査局”“対戦安全課”など)を模した記述が混在し、社会的に真剣さと滑稽さが同居したとされる[28]。
批判と論争[編集]
一覧が普及するにつれ、編集者の間で「含めるべき人物と、単なる二次創作をどう区別するか」が争点になった。とくに、ボス枠における“勝利条件の数値化”が過剰だとして、複数の読者から「それはゲームの話ではなく、天気予報の話だ」と揶揄されたとされる[31]。
また、地名や組織名の混在については、東京都の実在施設に見える名称を、架空資料の装置として使った編集方針が批判された。真偽を問うより先に“調査した体裁”が優先されることで、誤解が拡散しやすいとする指摘がある[32]。なお、この批判に対し、編集側は「一覧は百科事典であり、実測よりも“読者が納得する物語設計”が重要である」との趣旨で反論したとされる[33]。
一方で、論争の中心にあった“0.6秒か0.8秒か”のような差異については、後年の統合版で「双方を併記し、読者に選ばせる」方針に転換された。これにより、欠落情報ではなく読者参加型の揺らぎとして扱われるようになり、一覧自体が文化的コンテンツ化したとする見方もある[34]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ M. Thornton, “Character Name Standardization in Home Fighting Game Communities,” Journal of Interactive Indexing, Vol. 12, No. 3, 1994, pp. 41-59.
- ^ 佐藤明里『対戦格闘ゲーム資料の成立過程』誠文書院, 1997.
- ^ J. Whitaker and L. Cho, “On the Reliability of Fan-Verified Frame Data,” Proceedings of the Informal Measurement Society, Vol. 2, No. 1, 1996, pp. 88-102.
- ^ 田中健太『ローカライズ差と呼称辞書:1990年代の実務』中央ゲーム出版, 2001.
- ^ K. R. Nakamura, “Ritual Numbers and Audience Trust in Online Game Guides,” International Review of Playful Scholarship, Vol. 5, 第1巻第2号, 1999, pp. 12-27.
- ^ 編集委員会『家庭用大会資料の書式統一(試案)』大会運営局, 1993.
- ^ R. Delgado, “On Violence, Classification, and Reader Comprehension,” Bulletin of Media Categorization, Vol. 9, No. 4, 2000, pp. 201-225.
- ^ 渡辺精一郎『数字が先に出るページ:掲示板転載の編集学』柏書店, 2003.
- ^ L. Meyer, “The 0.6/0.8 Second Problem in Victory Screens,” Screen Timing Studies, Vol. 3, No. 2, 2002, pp. 77-91.
- ^ 坂本ユウ『湾岸アーカイブと架空照会の作法』東京大学出版会, 2005.
外部リンク
- モータルコンバット資料室(非公式)
- フレーム数メモ帳
- ローカライズ差分アーカイブ
- 対戦掲示板アーカイブセンター
- キャラクター呼称辞書