ライフハック青年団
| コンビ名 | ライフハック青年団 |
|---|---|
| 画像 | なし |
| キャプション | 2023年の単独ライブポスター |
| メンバー | 田辺 速人、北条 しおり |
| 結成年 | 2011年 |
| 解散年 | なし |
| 事務所 | ハイパー日常工業 |
| 活動時期 | 2011年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 田辺 速人、北条 しおり |
| 出身 | 東京都杉並区 |
| 出会い | 区立図書館のPC講習会 |
| 旧コンビ名 | 朝礼メソッド |
| 別名 | LH青年団 |
| 同期 | 午前8時研究会、電卓ラジオ |
| 影響 | セルフ最適化ブーム、時短文化 |
| 現在の代表番組 | 『深夜のTODO会議』 |
| 過去の代表番組 | 『今夜は5分だけ』 |
| 現在の活動状況 | ライブを中心に活動 |
| 受賞歴 | 第3回 生活改善ネタ賞 優勝 |
| 公式サイト | ハイパー日常工業 公式ページ |
ライフハック青年団(ライフハックせいねんだん、英: Lifehack Seinen-dan)は、発祥の。2011年に結成され、を題材にしたと、無駄に実用的な小道具を用いるで知られる。の芸能事務所所属である[1]。
メンバー[編集]
田辺 速人(たなべ はやと)はツッコミ担当、ネタ作成も担う。小学校時代から学級会の議事進行が異様に速く、本人いわく「1回の会議で3回は要約できる」として、後年の漫才に繋がったとされる。
北条 しおり(ほうじょう しおり)はボケ担当。表向きは几帳面であるが、実際には付箋を23色使い分ける癖があり、ネタ中の小道具も色分けされた輪ゴム、透明なクリップボード、手書きのチェックリストなどが多い。なお、2人とも内の同じ区立図書館で初めて会ったが、その時は互いを「無駄に段取りの早い人」と「無駄に準備の多い人」と認識していたという[2]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
2011年春、の区立中央図書館で開かれた初心者向けに双方が参加したことが結成の契機とされる。田辺は「検索窓に何を入れても最適化の話に持っていく」講師に感銘を受け、北条は配布資料の余白に独自のToDo管理表を書き込み続けたため、講習後に職員から同時に注意され、そのまま意気投合したとされる。
当初は「朝礼メソッド」という仮コンビ名で活動していたが、2012年に現在のへ改称した。改称理由については、漫才を聴いた観客の3割が「青年団とは何の団体か」と誤解したため、逆に記憶に残ると判断したという説が有力である[3]。
東京進出[編集]
2014年、活動拠点をの小劇場からのライブハウス群へ移したことで、いわゆる東京進出を果たした。ここで「会議を30秒で終える方法」「冷蔵庫の中身を見ずに献立を決める方法」など、生活に密着したテーマを過剰に分解する芸風が定着した。
2016年にはに似た名前の架空施設で行われた合同ライブに出演し、同業者から「実用性のある狂気」と評された。この評判が先行し、以後は企業研修、自治体の市民講座、文具メーカーの販促イベントなどにも呼ばれるようになった[4]。
芸風[編集]
芸風はを基調としつつ、実演可能なに寄っていくのが特徴である。田辺が「効率の悪い努力は、だいたい朝8時に生まれる」といった半端に説得力のある言い回しで導入し、北条が実際には役に立たない改善策を持ち込む構成が多い。
特に、A4用紙を三つ折りにしただけの「ポケット議事録」、洗濯バサミを並べて会議の発言順を示す「人間フローチャート」、透明テープで床に引く動線最適化などが知られる。2019年以降は、会場入り口で来場者にチェックリストを配布し、舞台上で回収しないまま終わる形式が定番化した。
また、北条の「真顔で雑談を最適化する」ボケは、文化の教条主義を笑いに変換しているとして評価された一方で、実際に真似した観客が帰宅後に家族会議を始めてしまい、SNS上で小さな論争を呼んだことがある[5]。
エピソード[編集]
2017年、公開収録のための貸会議室を借りた際、2人が持ち込んだ小道具の総数は83点にのぼったが、観客が最も笑ったのは、そのうち実際に使用されたのがホチキス1個だけだった点であったという。
2020年には、田辺が「朝の支度時間を7分短縮する」という企画での生活情報番組に出た際、現場スタッフ全員に配られたタイマーが鳴り止まず、結果として10分の予定が26分に伸びた。この出来事は、業界内で「時間短縮の逆説」として語られている。
なお、北条は2021年の夏、の雑貨店で見つけた1冊のメモ帳を「人生を一冊に集約できる理想の媒体」として絶賛し、以後のライブでは必ず1冊だけ新しいメモ帳を客席に向けて掲げる演出を入れている。これを見た編集者の間では、どこまでが演出でどこからが習慣なのか判別しにくいと指摘されている。
出囃子[編集]
出囃子は風の電子音を模した自作ジングル「Task Completed, Yet未完」であるとされる。結成初期はフリー素材の環境音を使用していたが、2015年頃からは田辺が家電量販店の店内放送を録音したものを加工し、独自の出囃子にした。
ライブ会場では、最初の3秒で客席に「これから5分で要点を掴む」という心理を植え付ける効果があるとされ、本人たちはこれを「前説の圧縮」と呼んでいる。
賞レース成績・受賞歴[編集]
2018年、第3回で優勝し、審査員のから「笑いながら冷蔵庫の棚卸しをしたくなる」と講評された。2021年にはの予選で二度目の通過を果たしたが、本戦進出は逃している。
また、2022年には架空のラジオ賞レース「深夜の説明上手グランプリ」で準優勝した。これは、3分以内に「寝る前のスマホ対策」を説明する部門で、田辺が説明を始めてから1分40秒で自分自身が要点を見失ったことが逆に高評価となったためである[6]。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
レギュラー番組としては、深夜帯の情報バラエティ『深夜のTODO会議』に出演している。同番組では、視聴者から送られた「片付かない机」「眠れない前日の夜」などの相談を、なぜか模造紙と色鉛筆で解決する形式が採られている。
過去には『今夜は5分だけ』『家事の定義を変える夜』『即答! 生活改善研究所』などに出演した。いずれも企画意図が途中から番組本来の方向性を離れ、最終的に「芸人がどこまで整理整頓を語れるか」の検証番組になったとされる。
ラジオ[編集]
ラジオでは風の架空局「J-BITE」で放送された『月曜の最適解』が代表的である。毎回、リスナーの悩みに対して2人が真剣に答えた後、最後に必ず「でも今日はやらない」という結論で締めるのが定番であった。
なお、2023年の特番『ラジオでやると全部長い』では、メール1通の紹介に14分を要し、放送事故寸前であったにもかかわらず、放送局側は「番組の思想に一貫している」として続行したという[7]。
作品[編集]
2020年に自主制作DVD『朝の7分を取り戻す』を発表した。特典映像には、田辺が3種類の歯ブラシを比較するだけの映像と、北条が収納ボックスを1時間並べ替える映像が収録されている。
2024年には配信限定の音声作品『会議は短いほうがいい、しかしネタは長い』を公開した。これは、お笑い作品でありながら実用書の体裁をとった異色作で、文庫版の帯には「使えるようで使えない」とだけ印刷されていた。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『最適化されない夜』『明日から本気』『冷蔵庫の前で会議』などがある。中でも2022年の『最適化されない夜』はの小劇場で3日間6公演行われ、全公演でアンケート回答率が92%を超えたことから、ライブ業界では「妙に真面目な客を集めるコンビ」として知られるようになった。
2025年の最新公演『ToDoは消えない』では、開演前に観客へ「本日の目標」を書かせ、終演後に回収して封印する演出が導入された。封印された紙束は、後日、事務所の倉庫で湿気を吸って膨張したため、演出か保管ミスか判断がつかない事態となった[8]。
書籍[編集]
著書に『3分で伝わる雑談の切り上げ方』『会議室を出る勇気』『やる気は棚に置け』があるとされる。いずれも実在の自己啓発書と見紛う題名であるが、本文の半分以上が漫才の書き起こしで構成されている。
また、北条名義のエッセイ本『付箋の海で溺れない』は、書店員の間で「背表紙だけで生活改善を促してくる」と評された。
脚注[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
ハイパー日常工業 公式サイト
ライフハック青年団 公式X
月曜の最適解 アーカイブ
ヨシミト∞倉庫 ライブ案内
杉並区文化振興会 記録室
脚注
- ^ 田所真紀『生活改善と笑いの接点――2010年代小劇場文化における最適化表現』日常出版, 2022, pp. 41-68.
- ^ 北見悠介「青年団的命名法の変遷」『芸能社会学紀要』Vol. 18, No. 2, 2021, pp. 115-132.
- ^ 佐伯みどり『杉並区図書館と新世代コメディの接触史』青灯社, 2020, pp. 9-25.
- ^ Margaret L. Thornton, "Efficiency as Punchline: Japanese Manzai and the Culture of Time Hacks" in Journal of Performance Studies, Vol. 44, No. 1, 2023, pp. 77-101.
- ^ 本郷一成「生活改善番組における笑いの機能」『放送文化研究』第27巻第4号, 2019, pp. 203-219.
- ^ 石崎玲子『チェックリストの倫理学』都市文庫, 2024, pp. 88-97.
- ^ Harold P. Sweeney, "The Compressed Conference: Fringe Comedy after 2015" Theatre and Media Quarterly, Vol. 12, No. 3, 2022, pp. 14-39.
- ^ 黒田善文「付箋文化と即興芸」『文具と表現』第6巻第1号, 2021, pp. 3-18.
- ^ 斎藤照夫『会議を短くするための漫才学』架空新書, 2018, pp. 121-149.
- ^ 工藤菜央「ラジオ特番におけるメール読解時間の肥大化について」『深夜放送研究』Vol. 9, No. 2, 2023, pp. 55-73.
外部リンク
- ハイパー日常工業 公式サイト
- ライフハック青年団 公式X
- 月曜の最適解 アーカイブ
- 杉並区文化振興会 記録室
- ヨシミト∞倉庫 公演案内