十九人
| コンビ名 | 十九人 |
|---|---|
| 画像 | |
| キャプション | |
| メンバー | 桑原 九郎、牧野 十八 |
| 結成年 | 2019年 |
| 解散年 | — |
| 事務所 | 架空芸能社 |
| 活動時期 | 2019年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 牧野 十八 |
| 出身 | |
| 出会い | 学生演劇サークル「第十九舞台」 |
| 旧コンビ名 | 九十八度 |
| 別名 | 十九会議 |
| 同期 | NSC東京41期相当 |
| 影響 | 観客参加型漫才 |
| 現在の代表番組 | 深夜実験バラエティ『19:19』 |
| 過去の代表番組 | 『小劇場の夜』 |
| 現在の活動状況 | ライブを中心に活動 |
| 受賞歴 | 第8回北沢演芸新人賞 優秀賞 |
| 公式サイト | 架空芸能社 公式プロフィール |
十九人(じゅうきゅうにん)は、を拠点に活動する所属のお笑いコンビ。2019年結成。ライブシーンでは「十九人は十九人で一つの会議体である」とも評され、の小劇場文化と強く結びついた存在として知られる[1]。
概要[編集]
十九人は、を中心に活動するお笑いコンビである。小劇場由来の台詞回しと、観客の投票や合唱をネタに組み込む構成で知られ、いわゆる「参加型漫才」の代表格とされる[2]。
コンビ名は、結成当初に関わった演劇サークルの会費台帳に記された「十九人分の席」が由来とされるが、後年になって「本当に十九人いたのか」という点がたびたび議論になった。なお、本人たちは「人数ではなく、議題の多さを意味する」と説明している[3]。
メンバー[編集]
桑原 九郎(くわばら くろう)は主にツッコミ担当で、舞台上の秩序を守ろうとする役柄を担う。書類整理と時刻表の暗唱を特技としており、ネタ中にの運行間隔を例示する癖がある。
牧野 十八(まきの じゅうはち)はボケ担当で、ネタ作成の大部分を担っている。日常会話においても議事録調で話すことで知られ、初期にはこの癖がそのまま台本化されてしまい、漫才というより自治会の定例会に見えたという。
両者ともにの演劇研究会の出身とされるが、実際には同研究会の「準会員」だった時期が長かったとされる。これは彼らが劇団の備品管理を優先し、舞台出演を後回しにしていたためだといわれる[4]。
来歴[編集]
結成[編集]
十九人は、にの居酒屋「会議室」にて結成されたとされる。もともとは別々のコンビを組んでいたが、どちらも解散後に「相方が二人とも議題を増やすタイプだった」という理由で行き詰まり、互いの欠点を補う目的で組まれたという。
結成直後は『九十八度』を名乗っていたが、ライブの受付名簿で毎回「九十八人ですか」と聞き返されるため、現在の名称へ変更された。改名の際、の印刷所で作られた初代フライヤーには誤って「十九入」と印字され、これが一部で「十九入期」と呼ばれる初期活動期の語源になった[5]。
東京進出[編集]
2021年ごろから、活動拠点をとの小劇場群へ本格的に移した。この時期、彼らは「客席のうち十九席だけを笑わせれば成立する」という独自の客席設計理論を提唱し、ライブハウス側としばしば調整を要したとされる。
同年、のライブイベント『19時19分の即興会議』で注目を集め、以後は「時間にうるさいコンビ」として扱われるようになった。なお、関係者によれば、開演時刻を19時19分に設定すると客席の集中率が19.0%上がるという謎の実験結果が残されているが、出典は不明である。
評価の定着[編集]
2023年にはの複合施設で行われた配信企画が話題となり、十九人の名前は徐々に一般層にも知られるようになった。特に「十九人はネタの途中で一度、必ず会議を始める」という特徴が評判を呼び、他の芸人からは「場内整理番号のような笑い」と評された。
一方で、台本の緻密さゆえに「笑いより資料性が高い」と批判されることもあった。ただしその批判がそのまま次作のタイトル『資料で笑う夜』に転用され、結果的に人気を押し上げたとされる。
芸風[編集]
十九人の芸風は、との境界を曖昧にする会話劇型である。桑原が現実的な進行役を担い、牧野が突飛な提案を繰り返すが、終盤になると両者の主張が逆転し、観客が「今どちらが正しいのか」を見失う構造が多い。
また、ネタの中に「本日の議題」「委員長」「採決」といった語が頻出することから、評論家の一部はこれを「自治体漫才」と呼んでいる。彼らは系の深夜番組でこの形式を披露し、笑いの直後にホワイトボードへ議事録を残したことで話題となった[6]。
エピソード[編集]
十九人には、観客参加を前提とした奇妙なエピソードが多い。とくに有名なのは、2022年の単独ライブで、入場時に配られた紙片が実は「投票用紙」ではなく「自分の役割を決める抽選券」だった件である。結果として、客席の三名が「副ツッコミ」「補助ボケ」「進行補佐」に任命され、最後まで舞台袖に呼ばれ続けた。
また、の古書店でネタ合わせをしていた際、店主がたまたま持ち込んだ期の町内会資料に強く影響を受けたという。以後、彼らのネタには「回覧板」「欠席届」「印鑑」の比喩が増え、観客の半数が懐かしさで笑い、残り半数が制度の実在性を心配するようになった。
出囃子[編集]
出囃子は、架空のシンセポップ曲『十九拍子のワルツ』である。原曲はにの大学祭で一度だけ演奏された未流通音源とされ、が中古カセットテープを分解して再構成したという逸話が残る。
ただし、ライブハウスによっては著作権処理の都合上、同曲の冒頭19秒だけを流す場合もある。この19秒版は「短すぎて逆に忘れられない」と評され、十九人の登場と同時に客席が時計を見る現象が定着した。
賞レース成績・受賞歴[編集]
十九人は賞レースへの出場回数が多く、では2024年大会で準々決勝進出、では2023年に地区予選最終日まで残ったとされる。決勝常連ではないが、審査員から「資料の密度が異常に高い」と評価されたことがある。
受賞歴としては、優秀賞、の特別企画賞、そして配信サイト主催の「最も会議室が似合う芸人賞」などが挙げられる。なお、後者は投票総数19票で決まったため、本人たちは「コンビ名が先か、票数が先かで揉めた」と語っている[7]。
出演[編集]
テレビ出演としては、系の深夜枠『小劇場の夜』、の配信連動企画『検討します!』などがある。特に『検討します!』では、毎回ネタの最後に「では持ち帰ります」と言って終わるフォーマットが定着し、番組側が正式に議事進行表を作成した。
ラジオではの深夜番組『十九分間の沈黙』に隔週出演し、19分間だけ本題に入らないという構成で知られた。さらにの特番『下北沢十九番地』では、実在の地図を使った漫才が「地理教育に近い」と評された。
映画、舞台、配信ドラマにも断続的に出演しているが、いずれも役名が「担当者A」「担当者B」「第三議題」など業務的であることが多い。これは本人たちが「名前をつけると責任が発生する」と主張しているためである。
作品[編集]
CD作品としては、ミニアルバム『十九人前』、ライブ会場限定盤『会議録』がある。『十九人前』は収録曲がすべて1分19秒前後で統一されており、結果として「早回し再生に向いたアルバム」として音楽評論欄で取り上げられた。
DVDでは『十九人の会議室』が代表作で、ライブ映像に加え、舞台裏での反省会をそのまま収録した長尺特典が付いた。なお、この特典映像は本編よりも再生回数が多く、ファンの間では「笑いの本編は反省会」と言われている[8]。
単独ライブ[編集]
単独ライブは、毎年タイトルに数字が入ることで知られる。『第十九回仮想総会』、『19の誤解』、『19:19:19』などがあり、いずれも会場の時計表示が演出に取り込まれた。
とりわけの『十九人会議録』では、開演前に観客へ「本日の論点」が配布され、終演後に回収された。回収率は92%であったが、残り8%の紙片が近隣のの古紙回収所で再発見され、翌週のネタに反映されたという。
書籍[編集]
十九人は書籍活動にも積極的で、エッセイ集『議題はまだ終わっていない』、ネタ台本集『十九人台本集 第一会議』を刊行している。前者は笑いよりも移動経路の記述が多いことで知られ、からまでの乗り換え心理が詳細に描かれている。
また、架空の編集者による聞き書き『十九人と十九の夜』は、本文よりも脚注が長い構成で話題を呼んだ。書店では「この本は棚に戻しにくい」との意見が相次ぎ、発売後19日で増刷されたとされる。
脚注[編集]
[1] コンビ名の由来については複数説がある。
[2] 参加型漫才の定義は、後年にまとめられた研究書で定着した。
[3] 「人数ではなく議題」という説明は、インタビューごとに微妙に異なる。
[4] 早稲田大学演劇研究会の準会員であったことを示す資料は一部に限られる。
[5] 初期フライヤーの誤植は、現在ではコレクターズアイテムとなっている。
[6] 議事録を残した件は、番組公式サイトのアーカイブで確認できるとされる。
[7] 19票で決まった受賞については、集計方法に不明点が残る。
[8] 特典映像の再生回数は配信プラットフォーム側の内部指標による。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 佐伯 直人『小劇場から生まれた十九人文化史』架空文化出版, 2023, pp. 41-68.
- ^ 田村 みどり「参加型漫才の成立」『演芸研究』第12巻第3号, 2022, pp. 14-27.
- ^ Margaret L. Henshaw, "The Municipal Structure of Comedy Duos", Journal of Imaginary Performance, Vol. 8, No. 2, 2021, pp. 201-219.
- ^ 中島 恒一『下北沢ライブ地図 2018-2024』北沢書房, 2024, pp. 88-103.
- ^ R. Nakamura, "Nineteen as a Performing Unit", Tokyo Studies in Humor, Vol. 5, No. 1, 2020, pp. 9-31.
- ^ 河合 玲子「議事録芸の美学」『芸能と制度』第4巻第1号, 2023, pp. 55-74.
- ^ 牧野 十八『会議は笑いを止めない』会議録社, 2024, pp. 7-122.
- ^ 桑原 九郎・牧野 十八『十九人台本集 第一会議』架空芸能社出版部, 2025, pp. 1-96.
- ^ 小泉 史彦「時計表示と客席反応の相関」『実験芸能学雑誌』第3巻第4号, 2021, pp. 77-85.
- ^ Elizabeth J. More, "The Audience as Committee: Case Studies from Tokyo", Performing Arts Quarterly, Vol. 19, No. 19, 2024, pp. 19-39.
外部リンク
- 架空芸能社 公式プロフィール
- 十九人 オフィシャルブログ『十九時十九分』
- 北沢演芸協会 データベース
- 下北沢ライブアーカイブ
- 十九人ファン有志記録館