嫌儲民主党
| 名称 | 嫌儲民主党 |
|---|---|
| 略称 | KDP |
| ロゴ/画像 | 黒地に白抜きの“嫌”と、赤い四角形の組み合わせ |
| 設立(設立年月日) | 2012年4月12日 |
| 本部/headquarters(所在地) | 東京都千代田区神田富山町3丁目18番地(仮設党本部ビル) |
| 代表者/事務局長 | 代表:鷲津(わしづ)ハルカ、事務局長:藤森 煌(きらめき) |
| 加盟国数 | ー(国内政党) |
| 職員数 | 常勤 86名、非常勤 312名(2023年時点) |
| 予算 | 年額 11億2,450万円(2024年度・所要見込み) |
| ウェブサイト | kenmou-dp.example |
| 特記事項 | 党則により「暴利の疑い」に関する匿名通報窓口を常設している |
嫌儲民主党(けんもうみんしゅとう、英: Kenmo Democratic Party、略称: KDP)は、「利益の偏在」を是正することを目的として設立されたである[1]。設立。本部は東京都千代田区に置かれている。
概要[編集]
嫌儲民主党は、「嫌儲(けんもう)」と呼ばれる理念を掲げ、投機的利得の社会的影響を可視化して是正策を提示することを目的として設立された政治団体である[1]。設立当初から、利益分配の偏りを“見える化”し、生活者の「納得」を数値で測ることを掲げている点に特徴がある。
同党は本部は東京都千代田区に置かれている。さらに、活動を行っている領域は、選挙戦の広報だけでなく、自治体レベルの「公開コスト監査モデル」や、企業の内部資料の閲覧請求を促す市民向け講習まで含まれているとされる[2]。なお、党名は中核的な政策名として定着しているが、実務上は「嫌儲民主党法(仮)」という党則に基づき運営されると説明されている[3]。
歴史/沿革[編集]
創設の経緯(“掲示板会議”から政党へ)[編集]
同党の前身は、2010年に東京都港区の会議室で開かれた「公開家計簿連盟」だとされる[4]。同連盟は、個人の家計をめぐる“怒り”が同時多発的に生じる瞬間を特定できれば政治に転化できるとして、家計簿アプリの改造研究を行っていたとされる。
2012年、公開家計簿連盟の中心メンバーが「儲けの“見せ方”こそ問題である」と主張し、同名の政治団体として嫌儲民主党が設立された。設立の決議は、党則上「第1回総会・千代田議事録(第0号)」に基づき成立したとされている[5]。一方で、この総会の開催場所が資料上“神田富山町”と“神田富山坂”で揺れているとの指摘がある[6]。
政策の拡張(“匿名監査”と“生活者係数”)[編集]
沿革の転機として、2016年に「生活者係数(Living Index of Ordinary People)」と呼ばれる独自の指標体系が導入された[7]。当該係数は、家計の痛みを月単位で集計し、企業の広告費・役員報酬・下請け単価の変化を“同じ尺度”で比較する設計とされる。
また同年、同党は分野横断の活動を行うため、内部に「監査政策局(仮設)」を設置し、活動を行うとの方針を明文化した。なお監査政策局は、党則に基づき「外部監査法人との共同運営」を担うとされるが、法人名が毎年変わっている点が報じられている[8]。
停滞と再編(“嫌儲AI”騒動)[編集]
2020年ごろ、同党は不祥事防止を目的として、匿名通報の選別に“嫌儲AI”を導入したとされる[9]。同AIは、通報文の感情スコアと関連ニュースの一致度から「通報優先度」を付与する仕組みであると説明された。
ただし、優先度が高い通報ほど注目度も高く、結果として“炎上の最適化”が起きた可能性があるとして批判が集中した[10]。この時期、党内では「監査を早めるほど生活者は安心する」とする派と、「安心は遅延してでも真実を要する」とする派で対立が生じ、2021年の総会で組織が一部再編されたとされる[11]。
組織[編集]
組織構成[編集]
嫌儲民主党は理事会と総会により運営されるとされる。理事会は職務権限を分担し、政策部門、広報部門、監査部門に分割されている。理事会の下には、事務局が置かれており、事務局は党の対外折衝や会計の取りまとめを担うと説明されている[12]。
また同党は、党則に基づき「地域支部を24支部、職能部を17部会」設置すると規定している。実際の支部数は年度により変動しているとされ、2023年時点では、大阪府内に3支部、福岡県内に2支部が存在するという記録が残るとされる[13]。
主要部局(数字で語る体制)[編集]
政策部門には「生活者係数研究室」「公開コスト監査室」「流通公正対策室」が置かれている。公開コスト監査室は、地方自治体の契約情報を“検索可能形式”で提供するよう要請する活動を行っているとされる。
広報部門では、党公式広報チームが「週刊・嫌儲グラフ」を年換算で52本発行するとされるが、実績は年度で7本前後のブレがあるとの内部メモが見つかったとされる[14]。なお同党の人員構成は常勤86名で運用され、うち監査系が41名、広報系が29名、法務系が16名であると報告されている[15]。
活動/活動内容[編集]
同党は選挙活動を行うことに加え、「嫌儲監査」を名目とする政策提案を継続している。具体的には、(1) 企業の広告費と売上の相関、(2) 下請け単価の季節性、(3) 退職金の変動、の3点を中心に調査するとされる[16]。
また自治体との連携では、公開コスト監査モデルの導入を掲げ、議会に「契約コストの可視化」を求める請願の作成を支援している。ここでいう可視化は、職員数や運営委託費を“同一フォーマット”で比較できる状態に整えることを指すと説明される[17]。
一方で同党は、活動の透明性を高めるため「匿名通報の集計ログ」を月次で公開しているとされる。ただしログの閲覧に関しては、アクセス制限や閲覧期限が設けられていると指摘されている[18]。特に期限が“30日”と“31日”で揺れる仕様になっていたことがあるとされ、細部にこだわる編集者が「そこが嫌儲の核心だ」と主張する記述も残る[19]。
財政[編集]
嫌儲民主党の予算は年額11億2,450万円であるとされる(2024年度・所要見込み)。内訳は、人件費が約4億8,300万円、調査費が約2億1,700万円、広報費が約1億9,050万円、法務・システム維持費が約1億2,400万円となっていると報告されている[20]。
同党は分担金を原則として、(1) 個人協力費、(2) 企業の社会貢献協賛(ただし寄付ではないと主張)、(3) 倒産リスク講座の受講料、の3系統で確保しているとされる[21]。なお、協賛は“活動を担う対価ではない”形をとるとされるが、実際には広報素材の共同制作が含まれることがあると指摘されている[22]。
また、収支の説明は会計報告書として年1回提示されるとされる。報告書は第17巻第3号として発行される予定だが、年度によって発行が数週間遅れることがあるとされる[23]。この遅延については「印刷会社の在庫都合」と説明されている一方で、監査窓口のログ整形に時間を要したのではないかと推定する声もある[24]。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
嫌儲民主党は国内政党であり加盟国という概念を置かない。ただし党則では、海外支部の“準加盟”制度が規定されているとされる[25]。準加盟は、海外在住の協力者が党の研修プログラムに参加する形で運用されると説明されるが、運用実態は公表されていない。
なお、党は「国際比較生活者係数(ICLVP)」を研究するとしているが、これは加盟国を増やすためではなく、国内政策の説得力を補強する目的であるとされる[26]。このように制度上は“国際”の語が登場するものの、実体としての加盟国は存在しない。
歴代事務局長/幹部[編集]
嫌儲民主党の事務局長は、党の運営を統括するとされる。初代事務局長は藤森 煌(2012年就任)であり、在任中は党則の整備と通報窓口の設計を主導したと説明される[27]。第2代は小桜 玲央(れお、2017年就任)であり、生活者係数研究室の拡充を担当したとされる。
第3代は田端 ルイ(2021年就任)である。田端は“嫌儲AI”導入の調整役として知られる一方で、導入方針の文言が後年修正されたことがあるとされる[28]。また幹部として、政策部門責任者の相良 眞琴(まこと)、広報部門責任者の和泉 由紗(ゆさ)が置かれているとされる[29]。
なお、幹部名簿の公開は党の公式発表ではなく、議会向け提出資料に先に掲載されることがあると指摘されている。編集者の一部は「公開順序そのものが政治的意図だ」と論じている[30]。
不祥事[編集]
嫌儲民主党の不祥事として最もよく挙げられるのは、匿名通報の優先度付与に関する問題である。嫌儲AIにより、通報優先度が高いものほど“注目される投稿”として党が拡散していた可能性があるとして、2020年後半に調査が求められた[31]。
また、生活者係数研究室が算出した数値の一部で、比較対象の地域が“東京都内データ”と“首都圏データ”で混同された疑いがあるとされる[32]。この混同は、説明資料の表番号が第4表から第5表へ飛ぶ形で整形されていたことがきっかけとなったと報じられた。
さらに、調査費の一部が「公開コスト監査室」名義で外部委託されていたが、委託先の契約形態が年度で変わっていたことが問題視された。委託先は複数あるとされるが、契約書上の社名が“略称のまま”記載されていたとも伝えられる[33]。この点について、党は「事務の簡略化であり実態に影響はない」と説明したとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 藤森 煌『嫌儲民主党の設計図:第0号議事録の読み解き』嫌儲叢書、2013年。
- ^ 小桜 玲央「生活者係数(ICLVP)の算出手順と誤差伝播」『社会比較政策研究年報』第12巻第3号、2017年、pp. 44-63。
- ^ 田端 ルイ『公開コスト監査室の実務:自治体請願文の雛形 令和編』法務監査館、2022年。
- ^ 和泉 由紗「匿名通報ログの公開運用に関する一考察」『デジタル公共性論集』Vol. 9、2021年、pp. 101-119。
- ^ 相良 眞琴『広報数値が生む政治:週刊・嫌儲グラフの裏側』KDP調査報告、2020年。
- ^ 鷲津 ハルカ「利益分配の偏在是正をめぐる政治学的枠組み」『新政策評論』第28巻第1号、2018年、pp. 10-29。
- ^ Margaret A. Thornton『Transparency Metrics in Grassroots Parties』Oxford Institute Press, 2019, pp. 201-233.
- ^ Jean-Luc Verneuil「On Prioritization Algorithms for Anonymous Complaints」『Journal of Procedural Civics』Vol. 15, No. 2, 2020, pp. 77-95.
- ^ 嫌儲民主党『会計報告書 第17巻第3号(所要見込み)』嫌儲民主党出版局、2024年。
- ^ (要出典)千代田議事録編集委員会『第1回総会・千代田議事録:神田富山町の証言集』千代田文化研究所, 2012年、pp. 1-38.
外部リンク
- KDP公式アーカイブ
- 生活者係数データポータル
- 公開コスト監査室ガイド
- 嫌儲AI研究ノート
- 千代田議事録デジタル版