宇都宮大学を栃木大学に改称する会
| 名称 | 宇都宮大学を栃木大学に改称する会 |
|---|---|
| 略称 | 改称会 |
| ロゴ/画像 | 「TOCHIGI」風の筆文字と県庁マークを模した円形紋章 |
| 設立(設立年月日) | 2021年10月12日 |
| 本部/headquarters(所在地) | 栃木県宇都宮市明保町8-1(仮事務所) |
| 代表者/事務局長 | 共同代表:渡辺精一郎/事務局長:中村朱音 |
| 加盟国数 | — |
| 職員数 | 常勤4名・非常勤27名(合算31名とされる) |
| 予算 | 年間約3,480万円(2023年度見込み) |
| ウェブサイト | 改称会公式ポータル |
| 特記事項 | 改称に関する署名活動を「幸福工学」モデルで運用していると主張する |
宇都宮大学を栃栃木大学に改称する会(うつのみやだいがくをとちぎだいがくにかいしょうするかい、英: Association for Renaming Utsunomiya University to Tochigi University、略称: 改称会)は、「大学名の独占」を是正し、全体の最大幸福を実現することを目的として設立されたである[1]。設立。本部は内に置かれている。
概要[編集]
は、栃木県内における「名称の独占」が地域の自己決定感を損ねているとして、の改称を求める非営利団体である[1]。団体は、県名を冠した「栃木大学」にすることで、県民の利得を総和最大化できると主張している。
同会の議論は、大学の学術的評価ではなく、地域アイデンティティの再配分を中心に据えられている。特に「宇都宮」の語が先に想起される広告導線が増え、県南・県北の住民が「自分ごと化」しにくい点が問題視されているとされる。
なお同会は、自らを「反宇都宮主義」ではなく「反名称独占」と位置づけている。一方で、会報では「宇都宮だけが栃木を名乗るな」という刺激的な見出しも掲載され、議論を呼んできた。
歴史/沿革[編集]
前史:名称独占論の誕生(2017〜2020年)[編集]
団体の起点は、2017年にの商業団体が実施した「大学名活用ガイドライン」だと、同会は説明している。このガイドラインでは、大学名を対外発信の“最短語”として扱い、県庁・市役所の広報文章にも「宇都宮大学」を優先的に置く運用が推奨されたとされる。
同会の創設メンバーは、大学名が広報の“先頭割当”を受けると、人の注意資本が偏ると整理した。ここから「名称独占」という概念が会内資料で発達し、注意資本を数値化する試算シートが作成されたという。
さらに2020年には、団体趣旨に賛同する企業広報担当者が「県内検索の初出語が偏っている」ことを示す簡易調査を行い、検索結果の並び替え回数を“影響係数”と呼んだ。以後、その係数が署名活動にも転用されているといわれる。
設立:2021年改称会結成と“最大幸福”の制定[編集]
、宇都宮市内の公民館で設立総会が開催されたとされる。設立の合意文書は、同会が独自に制定した「最大幸福名簿(だいさいこうふくめいぼ)」に基づくもので、署名の集め方を分岐木で管理する仕組みが採られた。
この分岐木では、県南からの署名を受けた場合に「次に必要な会話」を変える運用が組まれ、受付フォームは23項目で設計されたと報告されている。会内では、受付フォームの23項目が「栃木の“23市町村の語り”を一度に回収する」ためだと説明され、なぜか妙に細かい数字として語り継がれた。
また同会は、設立時から「所管官庁ではなく、県民の感情の所管を重視する」と掲げた。これにより、学術政策の手続論を超えて、生活者の体感を政策の中心に置く運動へと展開していったとされる。
組織(組織構成/主要部局)[編集]
同会は、理事会と総会により運営されるとされる。理事会は月1回、オンライン形式で開催され、会計報告と「次年度の活動分担」を決議する。総会は年2回開催され、活動計画の大枠が承認されるとされる。
主要部局としては、政策立案を担う、広報文の作成と出稿交渉を行う、署名データと呼びかけ文面を最適化する、法務・手続の照会を担当するが挙げられる。
また同会は傘下に「地域談義サークル」を置いている。地域談義サークルは、県北・県央・県南・両毛の各エリアで開かれ、そこで出た言い回しを会報の見出しに採用するとされる。会報の見出しがやけに“その地域の口調”になるのはこのためだと説明されている。
なお、団体は職員数を明確にし、常勤4名・非常勤27名の合算31名体制で運営されていると公表している。職員の役割は流動的で、幸福工学室のメンバーが広報文の推敲も担うことがあるとされる。
活動/活動内容[編集]
同会は、主として、、、の4系列の活動を行っている。署名活動では、県民向けの説明文が3段階に分けられ、最初は短文の共感型、次に根拠型、最後に改称手続の概説型へと段階的に示す運用が採られているとされる。
公開フォーラムは、年に1回程度実施されるとされるが、2022年は「栃木の語り声」特集として3回に分割された。会場はの施設が中心とされつつ、県庁所在地であるの複数地域にも巡回したと報告されている。
提案書は、改称がもたらすとされる効果を「最大幸福スコア」で示す形式が特徴である。同会の説明では、最大幸福スコアは(1)来訪意欲(2)誇り(3)理解可能性(4)通学想像度(5)対外発信の容易性、の5項目で構成されるという。
ただし、最大幸福スコアの計算式は外部公開されていないとされる一方で、会報では「分母が17、分子が3、係数が0.72」といった断片が示され、計算の不透明さもまた“議論の材料”として機能していると指摘されている。
財政[編集]
同会の予算は「活動を止めないための最小固定費」として整理されている。2023年度見込みでは、年間約3,480万円とされ、内訳は通信費・会場費・印刷費・データ管理費で分担されている。
会計は監査を通過するとされ、監査役は年1回、収支報告書を総会に提出する。印刷費は「幸福工学室の帳票が月平均で1,214枚」とされ、ページ数が活動方針の“熱量”を示す指標だと説明されることがあるという。
また分担金のような仕組みとして、協力企業からの寄付が設けられているが、寄付の対価としてロゴ掲載を行わない運用が明文化されているとされる。なお、ウェブ管理は外部委託されており、年契約額が「240万円+システム保守の従量」で計算されると会内資料で述べられている。
一方で、会の財政は署名関連の印刷に依存しやすい構造があるとして、外部からは「短期の熱狂に左右されるのではないか」との懸念も出ている。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
同会は国内の非営利団体であるため、加盟国は存在しない。ただし、海外に居住する県出身者を対象とした「栃木デジタル署名窓口」が運営されているとされる。
この窓口では、国外在住者の署名を“国籍別に集計しない”方針が採られているとされ、集計は都道府県出身(栃木県内出生/栃木県外出生)でのみ区分されるという。区分により、呼びかけ文の温度感を調整していると報告されている。
なお、同会は海外窓口の活動を「管轄外での県民意思の確認」と呼び、所管の枠を超える姿勢を強調している。
歴代事務局長/幹部[編集]
同会には、設立以後の事務局長としてが置かれているとされる。中村は、データ管理の担当として採用され、その後に事務局長へと転任したと説明されている。
幹部には、共同代表としてとが挙げられる。渡辺は「名称独占は行政手続より先に発生する」との見解を示してきたとされる一方で、佐藤は「県民の言葉の再編集」を重視し、会報の表現統一に関わっているといわれる。
また理事会構成員には、(広報統括)と(法務調整)などが含まれるとされる。高橋は改称手続に関する照会文を定型化し、毎年、ほぼ同じ文面の“言い換え”を更新する運用を続けたと報告されている。
これらの幹部は、活動の初期から「分担を細かくしすぎると逆に熱量が落ちる」という理由で、担当の再編を四半期ごとに行うとされる。ただし、四半期の再編会議は議事録だけで48ページになることがあると、参加者の回想で語られている。
不祥事[編集]
同会では不祥事も報じられている。2022年、会報の第4号において、署名フォームのURLが一部の利用者に対して旧リンクのまま配布されていたとされる。誤配布は「クリック数が伸びたように見える」ため、内部では“成功”と誤認された時期があったという。
また別件として、幸福工学室の帳票で用いられた最大幸福スコアの一部計算式が、説明資料の数値と一致していなかったとの指摘が出た。会側は「説明の簡略化」であり、実計算は別物であると回答したとされるが、外部では「簡略化の範囲が広すぎる」と批判された。
さらに、2023年のフォーラムでは、会場で配布したリーフレットにと書くべき箇所がと誤って印刷されていた。これは、印字のフォントが似ていることに起因したと釈明されたが、出席者からは「いったい何を改称するのか分からなくなる」と笑いながら指摘されたとされる。
この“東京大学誤植”は、後に同会が行ったSNS謝罪文のタイトルにも引用され、最も記憶に残る不祥事として扱われている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「名称の独占が注意資本を歪める構造」『地域運営研究叢書』第12巻第2号, 地域運営研究会, 2022年, pp. 11-39.
- ^ 中村朱音「最大幸福スコアの設計思想と運用」『教育行政データレビュー』Vol.8 No.1, 教育行政データレビュー社, 2023年, pp. 44-63.
- ^ 清水玲「会報の見出し最適化:口調の地域差をどう扱うか」『広報工学年報』第5巻第3号, 広報工学年報刊行会, 2022年, pp. 77-95.
- ^ 高橋司「改称提案書の定型化に関する法務調整」『大学手続法研究』第19巻第1号, 日本大学手続法研究所, 2021年, pp. 102-118.
- ^ 佐藤万莉「栃木の語り声:フォーラム設計と参加者語彙の回収」『社会運動と言語』Vol.3 Issue4, Linguistics & Activism Press, 2022年, pp. 5-28.
- ^ International Council on Regional Branding『Renaming and Identity in Subnational Publics』Vol.2, International Council on Regional Branding, 2020, pp. 201-230.
- ^ European Institute for Place-Name Studies『The Politics of University Nomenclature』No.17, European Institute for Place-Name Studies, 2019, pp. 33-58.
- ^ 栃木県総合企画局『県民意思の可視化に関する試行報告(令和5年版)』栃木県, 2023年, pp. 12-27.
- ^ 日本大学協議会『大学名称の社会的受容に関する調査報告書(試案)』日本大学協議会, 2022年, pp. 3-16.
- ^ 改称会文書集編集委員会『改称会設立趣意書と活動分担の記録(初版)』改称会文書集編集委員会, 2021年, pp. 1-9.
外部リンク
- 改称会公式ポータル
- 幸福工学室アーカイブ
- 注意資本広報部ギャラリー
- 名称取扱相談室のQ&A
- 栃木デジタル署名窓口