新型コロナウイルス感染症
| コンビ名 | マスク・ブリーフ(英: Mask Brief) |
|---|---|
| 画像 | 公式ロゴ(白地に青い二重線マスク) |
| キャプション | 生放送中に“咳の回数”をカウントするパフォーマンスで知られる |
| メンバー | 大間 陽一(ツッコミ)/小島 梨紗(ボケ) |
| 結成年 | 2020年4月 |
| 事務所 | 公益メディア笑劇(こうえきめであしょうげき) |
| 活動時期 | 2020年〜 |
| 芸種 | 漫才・コント(“感染症を比喩化する”) |
| ネタ作成者 | 主に小島梨紗(“数字で落とす”担当) |
| 旧コンビ名/別名 | 旧名『検温カルテット』/通称『検温芸人』 |
新型コロナウイルス感染症(しんがたころなういるすかんせんしょう)は、国内外の医療用語として参照されることが多い概念である。一方でお笑い界では、これを“笑いの手順書”に変換した架空のユニット芸がたびたび話題となった[1]。
概要[編集]
本項では、言葉としてのが持つ“断定しにくい緊張感”を、笑いに変換するための典型フォーマットを、架空のお笑いコンビの活動史としてまとめるものである。
彼らの人気は「正確な数を言うほど嘘に聞こえる」という逆説的な発想に支えられており、舞台上では“感染”を「観客の笑いへの感染」と定義し直すことで、医療的語彙の硬さを摩擦係数の小さいネタにしていったとされる[1]。
メンバー[編集]
は、ツッコミ担当として知られ、マイクの前に卓上カレンダーを置き「今日の“リスク表示”は何色か」を確認してから話し始める癖があるとされる。公式プロフィール上では「平熱(へいねつ)で殴る」スタイルを自称しており、数字の読み上げによりテンポを支配する。
はボケ担当で、“感染症説明”を模した説明口調で、突然バスの運行状況に着地させることが多い。台本には、笑いの落下地点を示す矢印(例:『落とす→換気口』)が細かく書かれるとされ、楽屋では「換気は笑いにも必要」という信条を繰り返していたとされる[2]。
なお、当初はコンビ名が頻繁に変更され、2020年夏に一度“症状”を連想させない方向へ寄せようとしたが、結果的に逆に話題を増やしたという証言がある。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成と“検温の儀式”[編集]
は、2020年4月にの企画オーディションから生まれたとされる。応募書類には「をネタ化する際の倫理的配慮」を200字以内で記載する欄があり、当時の大喜利採点者が“倫理”を“言い切り”に誤読したことがきっかけで、採用が決まったという逸話が残る[3]。
結成直後、彼らはライブ会場で観客の体温を測る代わりに、スマートフォンの前面カメラで“表情の硬さ”をスコア化する装置を持ち込んだ。結果として、スコアが高い観客ほど笑いが起きたとする内部データ(n=73、平均硬さ2.8/10、標準偏差1.1)が公開され、以後“検温の儀式”と呼ばれた[4]。
東京進出と“路上換気漫才”[編集]
2021年3月、彼らはので路上特番の収録に抜擢された。条件は「屋外で一定時間ごとにマスクをずらしてはいけない」というもので、実務上はできないが、芸としては“ずらさないこと”を強調できるため、逆にチャンスになったとされる。
そこで考案されたのがであり、観客が息を吸うタイミングに合わせてセリフの句点を置く技術が使われた。現場では“句点が多いほど笑う”という現象が報告され、のちに番組スタッフが「呼吸同期の最適化」と呼んだという[5]。
ただし、のちに一部の視聴者から「医療の話題を呼吸に結びつけすぎている」との指摘が出て、演出は段階的に修正されたとされる。
芸風[編集]
基本構成は、医療系の定型文を“会話の前置き”として短く読み上げた後、直後に生活の些細なトラブルへジャンプするものである。ツッコミ役のは、視聴者が理解できる範囲を狭めるために「用語の長さを3拍で切る」といった独自ルールで組み立てる。
ボケ役のは、を一種の“比喩システム”として扱い、「感染=うまく引っかかった観客の口元」「潜伏=ツッコミが届くまでの2.3秒」といった概念を作り、時間を小数で語る。特に有名なのは、ネタの冒頭で「本日の笑い潜伏期間は中央値で2.7秒」と宣言し、実測値(観客の笑い声の立ち上がり)を捏造した体裁で語る場面である[6]。
この“嘘の測定”が、観客にとっては安心材料にも不安材料にもなり、結果として番組でのリピート率が上昇したと報告された。
エピソード[編集]
2021年10月、彼らが地方局の生放送でネタを披露した際、進行台本の誤植での読みが「しんがたころなういろうかんせんしょう」となっていた。にもかかわらず小島は平然と「ういろう=喉に優しいので笑いは遅れて届きます」と繋げ、司会のが思わず“合いの手”を入れてしまった。
同番組の裏側記録によれば、笑い声のピークが誤植直後から約14.6秒後に観測されており、スタッフは「言い間違いが新しい潜伏を作った」とまとめたとされる[7]。なお、この数値は誰が測ったか不明であり、のちに“要検証”扱いになったが、その曖昧さがかえって視聴者の記憶に残ったという。
また、彼らは収録前に毎回のウェブページを閲覧し、「“感染”という語が見つからない日ほどウケる」というジンクスを抱いていたとされる。しかし、同省の担当者は「そうした分析は把握していない」と回答したとされ、ここでも“真面目に見えるが外れている”空気が笑いの核となった[8]。
受賞歴・賞レース成績[編集]
2022年、第11回では『説明するほど逃げる漫才』で優勝したとされる。決勝審査では、ボケの小島が“潜伏期間”を小数点第2位まで言い当てた(と主張した)ことが評価された。記録上の評価項目には「小数の説得力」「緊張から生活へ移す速度」「笑いの媒介」の3点満点が設けられており、彼らは総合で29.5点を獲得したとされる[9]。
さらに2023年には相当の冠大会で準優勝したが、彼ら自身は「優勝したら検温の儀式が重くなるので、準優勝で軽くしたかった」と発言したと報じられた。大間は「重症は笑いにしない」という思想を貫いているとされるが、実際の観客からは“重くないのに重症感がある”という不満と称賛が同時に寄せられた[10]。
なお、賞レースの公式記録にない“最短オチ記録(0.9秒)”がSNSで拡散したが、当該動画の出典は確認されていないとされる。
出演[編集]
冠番組としての深夜バラエティ『マスクの裏側、笑いの表側』に出演し、毎回“感染症用語の言い換え辞典”を作るコーナーが人気となったとされる。過去の代表番組には、系の『換気は裏切らない』、系の『説明上手は泣かない』がある。
ラジオでは系の『夜の潜伏室』でパーソナリティを務め、リスナーから届く“家の換気ルール”をネタに変換した。ネット配信では、でのショートライブ『2.7秒の潜伏』が1億回視聴に達したとする報告があるが、視聴回数の母数の定義は記事執筆時点では不明である[11]。
映画・舞台としては、短編映画『検温、笑点』に出演し、主題歌は“咳のタイミングを刻んだリズム”として制作されたとされる。
作品[編集]
CDとして『潜伏小数点/帰宅のための手洗い』、DVDとして『路上換気漫才大全(2021-2022)』をリリースしたとされる。書籍は『用語を削ると笑いが増える—を比喩にする48の手順』で、帯には「読んだら検温したくなる」といった煽りが採用された。
単独ライブは『検温カルテット解体』『マスクを折らないオチ』などが開催され、地方公演では“笑いの媒介”をテーマにしたワークショップも実施されたとされる。なお、ワークショップの参加者に配布された“笑い計測シート”は、配布後すぐに転売されるほど人気だったと報じられた[12]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 村瀬トオル『笑いと感染—用語をすり替える技術』光文社, 2022.
- ^ 小島梨紗『潜伏小数点の作り方』公益メディア笑劇出版, 2023.
- ^ 大間陽一『ツッコミは平熱で殴る』扶桑紙芸, 2021.
- ^ 田中恭平「笑いの“媒介”概念と番組反応」『コメディ研究ジャーナル』第18巻第2号, pp.45-62, 2022.
- ^ Margaret A. Thornton「Slang Epidemiology in Japanese Variety Shows」『Journal of Performative Semantics』Vol.7 No.1, pp.101-133, 2021.
- ^ Hiroshi Matsuda「Breath-Synchronized Comedy: A Field Note」『Asian Theatre & Media Review』Vol.12 No.3, pp.220-240, 2023.
- ^ 佐伯涼介「数字が嘘を呼ぶ——小数オチの効果検証」『テレビ演芸年報』第9巻第1号, pp.12-29, 2022.
- ^ 鈴木公彦『感染症用語の社会史(お笑い編)』講談堂書店, 2020.
- ^ 青井直樹「説明上手は泣かない——進行ミスから生まれる勝ち筋」『放送台本論集』第3巻第4号, pp.77-90, 2021.
- ^ Fumiya K. Watanabe「Mask Logic and Timing Errors」『International Review of Variety Writing』Vol.2 No.2, pp.1-15, 2020.
外部リンク
- 公益メディア笑劇 公式アーカイブ
- マスク・ブリーフ 潜伏小数点倉庫
- 路上換気漫才 地図プロジェクト
- 夜の潜伏室(ラジオ番組ページ)
- 検温カルテット 旧資料室