森 士郎
| 名前 | 森 士郎 |
|---|---|
| 本名 | 森士郎(同一名) |
| ニックネーム | 沈黙の士 / しろう先生 |
| 生年月日 | 1979年11月12日 |
| 出身地 | 札幌市(藻岩方角の生まれ) |
| 血液型 | A型(本人談) |
| 身長 | 172 cm |
| 方言 | 北海道弁(“らっしゃる”を過剰に使う癖) |
| 最終学歴 | コメディ技術科 |
| 師匠 | の湯上(ゆがみ)師 |
森 士郎(もり しろう、[[1979年]]〈[[昭和]]54年〉[[11月12日]] - )は、[[日本]]の[[お笑い芸人]]、[[司会者]]。本名は森士郎であるが、本人は「“士”は“士業の士”ではなく“沈黙の士”」と語っている[1]。[[ワイヤード・マナベ事務所]]所属である[2]。
概要[編集]
森 士郎は、言葉の“間”を主武器にする[[日本]]の[[お笑い芸人]]である。即答を避け、代わりに「計測」「規格化」「監査」を持ち込む作風が特徴として知られている[1]。
本人の公式プロフィールでは「理科系ボケ・総合司会タイプ」と整理されているが、現場では「士郎方式」と呼ばれる独特の沈黙芸が浸透し、舞台袖のスタッフがタイムキープをするほどである[2]。なお、この沈黙がどの程度まで許容されるかは、後述の“間の法律”として半ば冗談の制度化が進んだとされる。
略歴/来歴[編集]
森 士郎は[[北海道]]の小劇場文化が濃い家庭で育った。本人の回想では、子どもの頃に台所の計量スプーンを「ミリ単位の拷問具」として扱い、測定値が1.0 mmずれた日には、その日の宿題を“監査保留”として翌日に回していたという[3]。
[[札幌第一芸術学院]]在学中、演劇部の発表会で突然“間”を採点表に落とし込むアイデアを披露した。学内の模擬審査では、観客が笑った瞬間ではなく、笑いが来るまでの沈黙が何秒続いたかを評価する方式が採用され、森は「沈黙7.3秒は満点、7.4秒は減点」とノートに書き残したとされる[4]。
その後、[[ワイヤード・マナベ事務所]]に所属し、東京の小ライブハウスへ活動拠点を移した。初の東京進出は[[東京都]][[渋谷区]]の「北口サテライト劇場」とされるが、当時の彼は“到着時刻を20回言う”という奇妙な自己紹介を続け、スタッフがカウントを始めた結果、会場が遅刻者に厳しくなったとも指摘されている[5]。
人物[編集]
森 士郎はツッコミ担当ではなく、基本的に一人で“議事録”の声色を演じる人物として知られている。本人は「笑いは効果音ではなく、証拠の提示で成立する」と語り、ネタ中に架空の書式番号を挿入する[6]。
一方で、私生活では意外にも几帳面であるとされる。冷蔵庫の中の食品を「棚A」「棚B」ではなく「棚A/監査済」「棚A/監査未済」と呼び、賞味期限の翌日には自分のメモを読み上げる習慣があると報じられた[7]。この“自己監査”が、舞台での沈黙芸に転化したとの説がある。
なお本人のインタビューでは、沈黙芸は[[北海道大学]]の“研究室での議論”が原点だと述べているが、聞き手が「その大学のどの研究室ですか」と尋ねた際、森は沈黙のまま封筒を差し出し、封筒には「分類不能(7秒)」とだけ書かれていたという[8]。要出典の域を残すが、ファンの間では“分類不能の森”と呼ばれることもある。
芸風/作風[編集]
森 士郎の芸風は、[[漫才]]と[[コント]]の境界をあいまいにする“議会コント”として整理されることが多い。ボケは言葉の遅延で構成され、最初の一言が出るまでに一定の秒数を要するため、観客はいつ笑うべきか判断できなくなるのが狙いとされる[9]。
最大の特徴は、ネタ内に架空の制度を登場させる点である。たとえば「笑い税(わらいぜい)」が制定され、笑わなかった場合に“沈黙ポイント”が積算される設定が繰り返し使われた。森はこの制度を“間の法律”と呼び、2021年時点で施行細則が全63条あると語ったことがある(ただし本人は「細則は増え続ける」として条文数を更新しがちだとも言われる)[10]。
また、演出上の細部にもこだわる。ネタの途中でマイクの位置を0.5 cmずらすだけでテンポが変わるとし、リハでは床に0.5 cm間隔のテープを貼る。舞台に上がってからテープを見ない理由として、「見たら制度が成立しないから」と説明したとされる[11]。
受賞歴[編集]
森 士郎は大規模な賞レースで優勝したわけではないが、いくつかの“評価軸が変わる”大会で名を上げたとされる。特に[[R-1ぐらんぷり]]系の小規模予選で「沈黙部門」なる独自企画が組まれ、森は“満点の沈黙”として取り上げられたという[12]。
さらに、司会力が買われ、[[日本]]各地の視聴者参加型番組で進行役に抜擢された。本人は「進行はボケではなく監査である」と言うが、実際にはゲストの発言を受けてすぐに訂正せず、3秒後に“訂正のフリ”を入れる癖があり、番組スタッフがそれを“士郎タイム”と呼んだとされる[13]。
受賞歴としては、[[東京コメディ監査協会]]が主催した「笑い監査アワード2022」で“間の運用改善賞”を受けたと記録される(公式サイトでは受賞理由が長文で、最後に「沈黙は怠惰ではない」と締められている)[14]。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
森 士郎は[[テレビ]]のバラエティ番組で司会を務めたとされる。代表例として[[朝霧テレビ放送]]の「沈黙審議会」が挙げられるが、同番組ではゲストの発言に対して森が“審議中”と書かれた紙を掲げる演出が定番になった[15]。
また[[関西テレビジョン放送]]の特番「間取り笑談」では、笑い声の多い区画と少ない区画を地図上に色分けし、森が無言で“赤”から“青”へ歩く企画が話題になったと報じられた[16]。
ラジオ・配信[編集]
ラジオでは[[NHKラジオ]]の「議事録は音で読む」でパーソナリティを務めたとされる。リスナー参加企画として「あなたの沈黙は何秒?」が実施され、投稿された秒数の平均が6.2秒であったと紹介された(ただし平均値は季節で上下するとされ、番組公式の言い回しが“揺らぐ平均”を採用した点が特徴とされる)[17]。
ネット配信では、[[YouTube]]の「士郎方式チャンネル」で“台本のない台本読み”を連載した。台本の存在は否定されつつ、動画の説明欄だけは毎回1,234文字で固定されており、ファンはそれを“台本の残骸”と呼んだ[18]。
関連作と単独ライブ[編集]
森 士郎は単独ライブ「沈黙の再計算」を定期的に開催してきたとされる。公演は毎回、会場の入口で配布される“無言チケット”が必要であり、チケットには入場番号ではなく「返答禁止の秒数」が印字されているという[19]。
作品(CD/DVD)としては「議会コント集 7.4秒の危険」や「出囃子なしでも成立する」などがリリースされたと記録される。出囃子に関しては通常の和楽器を避け、代わりにメトロノーム音を低音域に変換した音源を使用する。本人は「音が鳴ると間が設計から外れる」と語ったとされる[20]。
なお、書籍としては『沈黙の監査手帳』(仮題)が出たとされるが、流通は限定で、内容はほぼ“沈黙の書き方”ではなく“沈黙を説明する文章の練習”だと評されている[21]。
批判と論争[編集]
森 士郎の芸風は「笑いを遅延させるだけ」との批判も受けている。特にライブでは、沈黙の秒数が長すぎる回において、途中退席者が出たとされる。しかし運営側は「途中退席は自己都合ではなく、制度適用の結果」とする説明を出し、逆に炎上した[22]。
また、架空の制度を持ち込むことについても議論が起きた。森の語る「笑い税」や「間の法律」が、社会の実在の規制と混同されうるという指摘があり、司会番組の放送倫理に関する会合で「言葉の定義が観客に委ねられている」と報告されたことがある[23]。森本人は「定義は委ねられているから芸になる」と反論したという。
一方で肯定的な評価も多い。沈黙を“逃げ”ではなく“観客側の能動的判断”に変える点が支持され、特に若年層では「笑うタイミングを自分で決める訓練になる」と言われることがある[24]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 森 士郎『沈黙審議会の裏側:士郎方式メモリアル』ワイヤード・マナベ出版, 2023.
- ^ 相馬カズト『“間”を売る芸人たち:遅延ボケの社会学』第十三書房, 2021.
- ^ 田中玲子『司会者の言語運用—訂正の3秒ルール』朝霧出版社, 2020. pp. 112-118.
- ^ K. Oda, “Audit of Laughter: Timing Mechanisms in Solo Comedy,” Vol. 7, No. 2, Comedy Studies Review, 2022. pp. 44-61.
- ^ M. Thornton, “Silence as Evidence: A Review of Staged Nonresponse,” The Journal of Performative Miscommunication, Vol. 12, Issue 1, 2019. pp. 9-27.
- ^ [[東京コメディ監査協会]]『笑い監査アワード年報 2022』東京コメディ監査協会, 2022. pp. 3-19.
- ^ 札幌第一芸術学院『コメディ技術科 研究報告 第9巻第4号』札幌第一芸術学院出版部, 2001. pp. 55-73.
- ^ 朝霧テレビ放送『沈黙審議会 公式台本集(抜粋)』朝霧テレビ放送, 2024. pp. 1-9.
- ^ 湯上(ゆがみ)師『沈黙の落語と静電気の話』中央リズム社, 2017.
- ^ 森士郎『間取り笑談アーカイブ(誤植込み)』関西テレビジョン放送出版, 2020.
外部リンク
- 士郎方式チャンネル(公式)
- 沈黙審議会(番組アーカイブ)
- ワイヤード・マナベ事務所・プロフィール
- 笑い監査アワード(受賞者一覧)
- 議会コント研究会(非公式ファンサイト)