海鮮鉱石
| コンビ名 | 海鮮鉱石 |
|---|---|
| 画像 | なし |
| キャプション | 舞台上で防塵マスクを着用したままネタを行うことがある |
| メンバー | 潮崎 湊、石倉 みさき |
| 結成年 | 2012年 |
| 事務所 | 北浜演芸社 |
| 活動時期 | 2012年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 主に潮崎湊 |
| 出身 | |
| 出会い | の「即興言語研究会」 |
| 別名 | 海鉱(かいこう) |
| 同期 | 黒潮三寸、港区シェルター |
| 影響 | 港湾労働者の擬音と魚介類の記号化 |
| 現在の代表番組 | 『深夜採掘ショー』 |
| 過去の代表番組 | 『月曜サンマーク』 |
| 現在の活動状況 | 劇場出演、ラジオ、企業イベント |
| 受賞歴 | 海芸新人賞2014準グランプリ、M-1鉱脈部門2019決勝 |
| 公式サイト | 北浜演芸社 公式プロフィール |
海鮮鉱石(かいせんこうせき、英: Kaisen Koseki)は、の。に結成され、海産物の比喩を用いた高密度なと、採掘現場を模したで知られるの芸人である[1]。
概要[編集]
海鮮鉱石は、所属のである。にで結成されたとされ、結成当初から「海鮮」と「鉱石」という本来接点の薄い語を、あえて同一舞台上で衝突させる作風を採っていた。
コンビ名は、潮流の激しい近くで見つかったとされる黒い結晶体に、スルメのような匂いが残っていたことに由来すると説明されるが、実際には稽古場の冷蔵庫に貼られたラベルの誤読から生まれたという説が有力である[2]。なお、二人は「海鮮鉱石現象」と呼ばれる独特の間合い、すなわち“強い比喩を淡々と読み上げることで笑いを遅延発生させる技法”の開発者として知られている。
以降はへ活動拠点を移し、深夜番組や劇場の中堅枠で人気を博した。一方で、ネタ中にの市場名やの鉱山名が頻出するため、地方自治体の観光資料に誤って引用された例が数件あるとされる。
メンバー[編集]
潮崎 湊[編集]
潮崎 湊(しおざき みなと)は、主にツッコミ担当、ネタ作成担当である。低音の声で魚名と鉱物名を同列に扱う語り口に定評があり、初期はを「層状結晶」と呼ぶなど、無理のある学術比喩で笑いを取っていた。学生時代にはの「即興言語研究会」に所属し、の学内発表で“マグロの採掘”という概念を初めて舞台化したとされる[3]。
石倉 みさき[編集]
石倉 みさき(いしくら みさき)は、ボケ担当。口癖の「今日は潮目がいいね」が初期の看板フレーズで、これを受けた潮崎が即座に長い地質説明へ移行する構成が、後の定型となった。石倉は元々、内の市場イベントで司会補助をしており、魚の値札を読み上げる速度が異常に早かったことからスカウトされたという。なお、本人は「相方よりも海鮮の知識が薄い」と公言しているが、との見分けだけは異様に早い。
来歴[編集]
結成まで[編集]
二人の出会いは、の学園祭で上演された即興劇『採れるものは採る』であったとされる。潮崎が演じた“海底試掘の監督官”に対し、石倉が“市場で値切りに来た地質学者”を当てた場面が異様に受け、その後も二人は定期的に合同ネタを行うようになった。
春、の若手発掘オーディションにおいて、審査員の一人であった演出家・が「この二人は鉱脈がある」と評し、翌月に正式なコンビとして登録された。結成時の仮称は『潮騒結晶』であったが、掲示板に貼られた紙が潮で波打ち、末尾だけが読めたため、結果として海鮮鉱石になったと伝えられる。
東京進出[編集]
、活動拠点をの劇場街に移した。上京直後は魚介系ネタが地方色として扱われ、営業では「魚の解体ショーの余興」と誤認されることもあったが、深夜ライブ『夜更けの採掘口』で評価が反転した。
同ライブでは、石倉が長さ42秒の無言の間を作り、その間に潮崎がの港湾資料を読み上げ続けるネタが話題となり、後に“情報量で笑わせる漫才”の代表例として語られた。2017年にはの小劇場で単独公演『潮下の鉱床』を開催し、全312席が7分で完売したとされる[4]。
芸風[編集]
海鮮鉱石の芸風は、漫才とコントの境界を意図的に曖昧にする点に特徴がある。潮崎が地層の成り立ちを説明し、石倉がそれを“刺身の盛り方”に置き換えることで、意味の落差を作る構造が基本である。
また、二人は「言い換えの連鎖」を多用する。たとえばを「海の小型装甲板」、を「二枚貝型の出入口」と呼び直すなど、説明が進むほど本題から離れる設計になっている。ライブ演出では、、が小道具として用いられるが、実際には一度も採掘場で公演したことはない。
なお、彼らのネタ帳には「笑いの密度が上がると客席の潮位が上がる」という独自の測定法が記されているとされるが、これは北浜演芸社の新人教育資料にだけ載っているため、真偽は不明である。
エピソード[編集]
、のイベント出演時に、潮崎が本番直前までネタを鉱物名で管理していたため、スタッフが照明表を「磁鉄鉱」と「黄鉄鉱」に誤分類し、開演が9分遅れた。これを逆手に取った即興トークが好評で、以後、現場遅延を“ネタの前菜”と呼ぶようになった。
また、石倉はにの市場祭りでを1箱差し入れされ、楽屋で殻の並びを見ながら「これは舞台装置になる」と発言したことがある。実際にその殻は後年のコント『地層の寿司屋』で使用されたが、客席からは「見たことのない過剰演出」として拍手と困惑の両方を集めた。
のマネージャーによれば、二人は移動中も会話の半分以上を市場価格と地層の話で占めるという。なお、の配信ライブでは、潮崎が真顔で「このネタは海岸線の浸食率を考慮している」と述べ、コメント欄が一時的に静止した。
出囃子[編集]
出囃子は、の漁港で収録されたとされる「カモメの鳴き声と打ち上げ用サイレンの混成音」である。正式曲名は『Sea Mine Prelude No.3』だが、会場では「しおづち」と略されることが多い。
以降は、ライブハウスの設備更新に伴い、出囃子の最後に0.8秒だけのさばき音が入る仕様に変更された。この微妙な効果音は客席前方の笑いを誘発しやすいとされ、演出家のは「笑いは最後の砂粒で決まる」と評した。
賞レース成績・受賞歴[編集]
に『海芸新人賞』で準グランプリを受賞し、審査員特別コメントでは「地味に新しい。だが何が新しいのか説明しにくい」と記された。翌にはで予選を突破し、決勝進出者の中で唯一、持ち時間を“岩盤の厚さ”で表現したことが話題となった。
にはの地方選抜企画『コント・ザ・リフト』で審査員推薦枠に入り、海の家を舞台にしたネタ『潮だまり採掘所』が高評価を得た。ただし、同年の最終審査では石倉が採点ボタンを“ホタテ貝の裏表”で押し間違えたという噂が残っている[5]。
このほか、にはより「異分野言語の混交を笑いに変換した功績」に対してが授与された。
出演[編集]
テレビでは、『月曜サンマーク』、『深夜採掘ショー』などに出演している。特に『深夜採掘ショー』では、地質学者役のゲストと実在の市場関係者を並べる構成が受け、局内では「情報番組なのにほぼ漫才」と評された。
ラジオでは『潮騒と結晶』を担当し、リスナーから送られてくる“海産物あるある”を即座に鉱石名へ変換するコーナーで人気を博した。また、には配信ドラマ『港の真下で会いましょう』に出演し、2話連続で無言のままホタテを並べる役が妙に評価された。
CMでは、、などの企業広告に起用されたほか、『海底仕分け大作戦』のナレーションも務めた。なお、本人たちは「本業は劇場」と述べているが、営業先での知名度は魚市場のほうが高いとされる。
作品[編集]
CDとしては、2018年に『潮位ゼロ地点』、2021年に『鉱石は泳がない』が発売された。いずれも漫才音源と短い環境音トラックが交互に収録され、店舗側から「どこから再生してもだいたいネタ」と評された。
DVD作品『海鮮鉱石 単独公演集 潮下三部作』では、ライブ映像の合間に“笑いの堆積層”を解説する架空の学術インタビューが挿入されている。特典映像の「楽屋での貝の選別」は、制作スタッフの手違いで約14分も収録され、ファンの間ではむしろ本編以上に知られる。
書籍化はされていないが、北浜演芸社の社内報『演芸港報』に連載されていたコラム『本日の鉱脈』が後にネット上で再録され、引用元不明のまま“名言集”として拡散した。
脚注[編集]
[1] 北浜演芸社広報部「若手芸人プロフィール集2024」より。
[2] 『函館港岸線記録と笑芸命名史』第2巻第4号、p. 61。
[3] 札幌芸能短期大学紀要編集委員会「即興言語研究会活動報告」Vol. 18, pp. 12-19。
[4] 『中野小劇場年鑑 2017』pp. 88-89。
[5] 審査員の一人は後に「ボタンの色が貝殻に見えた」と説明したが、記録映像は残されていない。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 早乙女兼人『笑いと鉱脈のあいだ』北浜演芸出版, 2019.
- ^ 三宅晶子「海産比喩漫才の発生史」『演芸文化研究』Vol. 12, No. 3, pp. 44-57.
- ^ 北浜演芸社編『若手芸人名鑑 2024』北浜演芸社, 2024.
- ^ 杉浦航『市場音響と舞台間の相関』港湾文庫, 2021.
- ^ 石渡ゆかり「函館圏における比喩芸の地域性」『地方芸能論集』第7巻第1号, pp. 101-118.
- ^ Margaret H. Thornton, "Metaphor Density and Audience Tide," Journal of Maritime Comedy, Vol. 8, pp. 201-229.
- ^ 田中一郎『採掘現場の笑い学』新潮社, 2020.
- ^ R. Feldman, "Comics of the Northern Wharf," Comedy Studies Review, Vol. 15, No. 2, pp. 66-80.
- ^ 函館港文化協会『潮目と結晶 研究録』第3巻第2号, pp. 5-23.
- ^ 北沢真理子「貝殻小道具の舞台使用に関する一考察」『舞台装置学』Vol. 4, pp. 9-14.
- ^ 小林俊介『笑芸の地質学』岩波港書店, 2018.
- ^ A. N. Whitmore, "Seafood Semiotics in Late-Night Manzai," International Review of Performance Humor, Vol. 3, pp. 12-31.
外部リンク
- 北浜演芸社 公式プロフィール
- 海鮮鉱石 公式ファンノート
- 中野劇場連盟 アーカイブ
- 函館港笑芸資料室
- 深夜採掘ショー 番組ページ