王様のブランチ
| 番組名 | 王様のブランチ |
|---|---|
| 画像 | (架空)王冠を模した番組ロゴセット |
| ジャンル | 情報バラエティ・視聴者参加型 |
| 構成 | トーク/検証/公開ロケ/データ放送企画 |
| 演出 | スタジオ生放送+週1回の地方収録 |
| 司会者 | 王冠亭オウサマ |
| 出演者 | 朝乃しのぶ、碧井カナメ、風間ユウト ほか |
| OPテーマ | 「玉座の朝」 |
| EDテーマ | 「ブランチ・ベル」 |
| 制作局 | 玉雲テレビ制作局(番組制作センター) |
| 放送期間 | 2007年4月8日 - 継続中 |
『王様のブランチ』(おうさまのぶらんち、英: Ousama no Brunch、ローマ字表記: Ousama no Brunch)は、系列で(平成19年)から毎週10時台(日本標準時|JST)に放送されているバラエティ番組である。番組はの冠番組として知られており、視聴者参加型の「王様判定」コーナーが毎回話題となっている[1]。
概要[編集]
『王様のブランチ』は、で放送されている情報バラエティ番組である[2]。番組では、朝の買い物や外食を“王様の舌”が採点する形式が採用されており、スタジオに持ち込まれる試食は毎回「8秒ルール」「二度目の香り確認」「王冠温度(理論値)」の3段階で評価されるとされる[3]。
番組開始当初は「ブランチ=昼食」という素朴な解釈が前面に出ていたが、放送が進むにつれて“ブランチ”は英語のbrunchではなく、番組独自の符号「Brunch・Rations・Unusual Notification Channel」の頭文字だと説明されるようになった。これにより、料理・芸能・街の声が一つのデータ回路でつながるという設定が視聴者に広まり、データ放送の加入率が同期間比で上昇したと報じられた[4]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
放送枠は、番組開始当初10時から11時の「王様タイム」として設計された。初年度は生放送と収録が混在し、放送当日の天候データに応じてロケパートの順序が組み替えられる仕様だったとされる。番組制作側は、この“順序入れ替え”が視聴者の予測欲を刺激し、平均視聴率が初回から、第3週でに到達したとまとめている[5]。
その後、視聴者参加企画のデータ放送が拡大したことで、2012年(平成24年)からは放送時間が10時台前半に圧縮され、ロケVTRの尺調整が制度化された。さらに2017年(平成29年)には、視聴者判定の回答締切が放送中の「ベル音」から、番組オリジナルの“王冠カウント”へ変更され、誤答率が下がったとされる[6]。
また、2021年(令和3年)には深刻な視聴者投稿の偏りを是正する目的で、毎月第2週だけ“逆採点回”が導入された。これは、王様の評価が通常と逆方向に振れる回として知られ、当該週のSNS投稿数が通常週のになったと記録されている[7]。
出演者(司会者/レギュラー出演者/歴代の出演者)[編集]
司会は、奇術師風の立ち振る舞いで知られる落語家が務めている。オウサマは“王様”を名乗っているが、番組内では「王冠は借り物であり、採点は一時的な職務」と説明されることが多い。番組開始2年目に初めて視聴者の味覚アンケートが導入された際、オウサマが回答を読み上げる声色を変えたことが反響を呼び、以後の企画で“音の揺らぎ”が採点要素に組み込まれたとされる[8]。
レギュラーとしては、食レポの速度が早いことから「0.8秒レポーター」と呼ばれる、理系的な言い回しでスタジオを整理する、そして公開ロケの段取りを一人で回すがいる。歴代の準レギュラーには、地方予選から番組公式に昇格した“王冠研修生”出身のがいるとされ、当人が番組内で着用した“測温エプロン”が度々話題となった[9]。
一方で、ゲストは毎回「王様席」に座る形式が取られており、芸人、俳優、管理栄養士、さらには企業の広報担当者まで幅広い。ゲスト回では、王様の最終判断が“テーブル上の紙の重さ”で決まると説明される回があるが、これは後述のように演出上の工夫に過ぎないと見られている[10]。
番組史[編集]
番組は、玉雲テレビが朝の生活情報枠を再編する過程で生まれた。構想段階では“朝の会話番組”として検討されていたが、当時の広告主から「会話は広い、王は狭い」という要望が出たとされる。この言葉により、内容は徐々に“採点”へ寄せられ、2007年に初回放送が実施された[11]。
初期の名物企画は「王冠温度テスト」である。スタジオで料理を提供する際、試食者の前に置かれた小型温度計が“王冠温度”という値を表示し、その数値により合否が決まる仕組みが語られた。温度計の数字は実測という説明がなされた一方、制作資料には“数値は標準化された演出値である”という内部メモが残っていたとも言及される[12]。ここが視聴者の好奇心を刺激し、番組の視聴習慣が固定化した。
2010年(平成22年)には、視聴者が投稿した「王様の舌がよく止まる場所(発音ポイント)」を集計し、翌週の収録台本に反映する“言い直し統計”が始まった。これにより、視聴者の投稿が単なる感想ではなく次回の番組設計に関与する仕組みになったとされる。なお、統計の集計方法については「回答は音声だけで、文章入力は受けていない」とする説もあり、混乱を生んだが、結果として“投稿すること自体がエンタメ”として定着した[13]。
番組構成/コーナー[編集]
主要コーナー[編集]
「王様の朝採点」は、ロケVTR→試食→8秒計測→王冠判定の順で構成される。8秒計測は、映像上でタイマーが見えることから“見逃し厳禁”の扱いとなり、回によってはタイムアップ直後にゲストが固まる演出が入るとされる。視聴者参加型のデータ放送では、タイムアップ時点の好みを選択する形式が取り入れられた[14]。
「街角ブランチ」は、東京都台東区周辺のローカル市場を起点に、同心円状に半径1.2kmで店舗を探すルールが採用されている。制作チームは“半径1.2km”を「王様の歩幅の理論値」と呼び、GPS誤差が出ても歩幅を揃えることで誤差を補正していると説明した[15]。
「逆採点の夕立」は、月1回の放送で王様の評価基準が通常と逆転するとされる。通常回が“香り→味→食感”の順なら逆回では“食感→味→香り”になる。ここが笑いの核となっており、視聴者が「今日は何を信じればいいんだ」とコメントする風景が番組の代名詞になった[16]。
スタジオ進行[編集]
スタジオでは、黒い椅子に座るゲストの前に“予言用紙”が置かれる。予言用紙には、事前に収集した視聴者の投票結果が書かれていると説明されるが、後に「書かれているのは集計結果ではなく、集計結果を見た制作側の“期待値”である」との指摘が出た。これにより、紙が“当たる/当たらない”の議論が毎回生まれ、結果的に番組の視聴維持に寄与したと考えられている[17]。
また、番組後半は「王冠ベル生合図」と呼ばれるコーナーが放送される。鐘の音が鳴ったタイミングで視聴者データ放送の回答ボタンが有効化されるため、生放送であるにもかかわらず“回答の祭り”が確実に発生する仕組みだと評価されている。ただし、鐘の音の周波数については「可聴帯域外」とする説があり、やや怪しいとされる[18]。
シリーズ/企画[編集]
長期企画として「玉雲王冠巡礼」がある。これは地方都市へ向かい、各地で“王様の舌が止まった食”を持ち帰るシリーズとして進められてきた。巡礼の旅程は“王冠の影の方位”を基準に決められるとされ、制作側は「観光ではなく影の文化を集める」と説明した[19]。
2014年(平成26年)には「王様のブランチ暗号」が始まった。番組内のテロップに小さく入る数字列(例: 03-14-28)が視聴者の投稿と連動し、翌週の採点基準に“変数”として投入されるとされた。結果として、視聴者がテロップを止めて解析する文化が形成され、翌年のデータ放送加入者が増えたと公式発表で述べられた[20]。
ただし、暗号の正解判定は毎回“公開されない”ことでも有名であり、誤解を誘う設計だとする批判も出た。これに対し制作は「不正解は視聴者の努力の証拠」と回答したとされる。ここが“笑える嘘”として定着し、番組のファン層は「理解できないことを理解する」方向へ拡張していった[21]。
オープニング/テーマ曲[編集]
オープニングテーマは「玉座の朝」である。曲は朝の8時台を連想させるテンポ設計だと説明され、実際のBPMは番組広報資料ではとされる。さらに、オープニング映像の王冠ロゴが画面中心から左上へ移動する秒数は「6.6秒」で固定されていると報じられた[22]。
エンディングテーマ「ブランチ・ベル」は、毎回最後に“勝者の色”が表示される演出を伴う。勝者の色が赤の場合は「再確認」の回、青の場合は「合格」の回とされてきた。しかし、勝者の色が一見矛盾する回が時々発生し、視聴者は「色と採点は別物」と学習していったとされる[23]。この紐づけのズレが、番組に“注意深さ”という笑いをもたらしたとも言及されている。
スタッフ(歴代のスタッフ/歴代スタッフ)[編集]
制作は玉雲テレビ制作局のが担当し、長期プロデュースとして、チーフ・プロデューサーとしてが知られている。前田は企画会議で「笑いは検証である」と繰り返し、検証尺を削らない方針を貫いたとされる。これが“検証コーナーの多さ”につながり、結果として番組は情報バラエティとしての顔を強めた[24]。
一方で演出面では、生放送パートの失敗を前提に、テロップや音のフェイルセーフが準備されている。制作資料では「ベル誤作動時は、試食の順番を逆にしてでも進行する」と記されていたと報告されている[25]。また、字幕担当にはが就任した年があり、字幕の“言い回しの癖”が視聴者間で議論になったとされる。
なお、スタッフの異動は比較的頻繁で、番組開始から10年を超える間に主要ディレクターが3名入れ替わったとされる。ただし入れ替えの理由は「評価指標の再編による」と説明されており、具体的な詳細は公表されていない[26]。
ネット局と放送時間/放送局・配信元[編集]
ネット局はをキーステーションとして、複数の地方局へ再送信されている。例えば、では日曜10時20分から、では日曜9時50分からの同時点検枠として編成されることがあるとされる[27]。
配信については、公式の期間限定配信として「王冠アーカイブ」が設けられている。配信プラットフォームはとされ、放送回の公開は翌日午前中と説明されている。データ放送連動の企画回では、配信側に「回答のための二次抽選コード」が付与され、視聴者が“後追い”で参加できる仕組みが採られている[28]。
放送時間は地域によって変動があり、遅れ放送では「王様ベル生合図」が録画再現になり、視聴者参加の締切が自動延長される仕様が導入されているとされる。これが逆に“参加した気分だけ楽しめる”として批判されたが、同時にリピーターが増えたとの指摘もある[29]。
特別番組[編集]
特別番組として「王様のブランチ大収穫祭」がある。これは年末の放送で、王冠巡礼で集めた食材をスタジオで再構成し、“今年の王冠温度ベスト3”を発表する形式である。発表ランキングは視聴者投票だけでなく、番組が保持する“香りの揺らぎ指数”も加算されるとされる[30]。
また、特番では公開放送が行われることがあり、神奈川県横浜市の臨海展示場で開催された回では、来場者の入場列が「予習列」「試食列」「王冠待機列」の3列に分けられたと報じられた。列ごとに配られる紙が異なり、質問コーナーの順番が決まる仕組みだったとされる[31]。
ただし、特番の裏話として「王冠待機列の人ほど、採点に不利になる」といった都市伝説が出回った。制作側は否定しているが、否定の言い方が曖昧だったため、結果として笑いが増幅したと考えられる[32]。
関連商品(DVD/書籍)[編集]
関連商品としては書籍『王様のブランチ 王冠採点完全手引き』が刊行されている。内容はレシピというより、判定の手順書に近く、「8秒ルールの数え方」「ベル音が聞こえないときの代替手順」など、視聴者の“参加作法”がまとめられているとされる[33]。
また、DVDとして『王様のブランチ 2016 王冠巡礼スペシャル』が発売された。特典映像として「誤作動回の進行ログ」が収録されているとされ、テレビ的な失敗があえて見せられる構成が好評だったとされる[34]。
さらに、データ放送連動の企画に由来するカードセット『王冠判定トランプ(第1弾)』も出回ったと報告されている。販売元は架空の“王冠商会”とされ、実店舗ではなくイベント会場のみで配布されたと説明されることが多い[35]。
受賞歴[編集]
受賞歴としては、番組のデータ連動企画が評価され、系の選考で「視聴者参加賞」を受賞したとされる[36]。受賞年は2019年(令和元年)と記載される場合があるが、資料によっては2020年とする記述も見られ、編集に揺れがあると指摘されている[37]。
また、地方収録を多く組み込みつつ生放送要素を残した点が評価され、「情報番組演出賞」を獲得したとも報じられた[38]。ただし受賞の詳細は一般に公開されていない部分があり、ファンコミュニティでは受賞条件が“王冠温度の平均”だったのではないかという冗談めいた推測が広まったとされる[39]。
使用楽曲[編集]
番組では複数のBGMが使用されており、コーナーごとに音の癖が変えられている。王様採点のBGMは短い高音を反復する構成で、スタジオ内では「採点前の鼓動」と呼ばれることがある[40]。
また、ロケVTRのBGMには“足音”に似たパーカッションが使われるとされ、歩幅理論(半径1.2km)に合わせてリズムが調整されていると説明される。なお、視聴者投稿の読み上げ時には、必ず一瞬だけ無音が挿入される演出があるとされるが、これが何故必要なのかはスタッフ間でも意見が分かれていると報じられた[41]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 玉雲テレビ編『王様のブランチ 制作年鑑 2007-2010』玉雲テレビ出版部, 2011.
- ^ 前田甲斐「王様採点の設計思想と8秒ルール」『放送演出研究』第12巻第3号, pp. 41-58, 2010.
- ^ 堀井ユリナ「視聴者参加を安定運用するためのベル音設計」『メディア・トリガー論集』Vol. 5, pp. 77-92, 2015.
- ^ 朝乃しのぶ「街角ブランチの半径1.2km運用:現場記録より」『生活情報番組ジャーナル』第9巻第1号, pp. 12-24, 2012.
- ^ 碧井カナメ「王冠温度は実測か演出か:言説分析」『放送批評研究』No. 28, pp. 103-119, 2018.
- ^ 風間ユウト「逆採点回で生まれる“笑いの反転”」『テレビ企画学会誌』第21巻第2号, pp. 5-19, 2017.
- ^ 国立視聴データ研究所『データ放送と回答行動の統計設計』学術図書, 2020.
- ^ M. Thornton「Interactive Broadcasts and Fictional Signals: A Case Study of ‘Crown Temperature’」『Journal of Broadcast Entertainment』Vol. 14 No. 4, pp. 221-237, 2021.
- ^ 田端勲『王様のブランチ:架空設定のリアリティ技法』玉雲新書, 2016.
- ^ Smith, John『Brunch and Kingdoms: The Sunday Slot Effect』Sunrise Press, 2013.
外部リンク
- 王冠アーカイブ(公式)
- 玉雲テレビ 番組ページ
- 王冠採点データ掲示板
- 王様ベル解析ラボ
- 玉雲クラウド 番組連動案内