碌御廃棄場
| タイトル | 碌御廃棄場 |
|---|---|
| 画像 | Roku-Gohai Kijō keyart(架空) |
| 画像サイズ | 300px(架空) |
| caption | 濡れた標識と、廃棄場の入口ゲート |
| ジャンル | ハンティングRPG(落ちもの連動型) |
| 対応機種 | RGKプラットフォーム、RGKポータブル(後年版) |
| 開発元 | 廃棄庁ゲーム開発局 |
| 発売元 | 環形流通株式会社(旧称:環形倉庫) |
| プロデューサー | 早乙女 朱里(さおとめ あかり) |
| ディレクター | 渡辺精一郎(わたなべ せいいちろう) |
『碌御廃棄場』(よみ、英: Roku-Gohai Kijō、略称: RGK)は、にのから発売された用。『虚構衛生シリーズ』の第7作目である[1]。
概要/概説[編集]
『碌御廃棄場』は、プレイヤーがとして操作し、廃棄場の階層を巡りながら「回収・再鑑定・譲渡」を行うである[1]。ジャンル表記は「ハンティングアクション」を含むが、実際には戦闘よりも「落ちものパズル」を介した資源確保が体験の中心として設計されていた。
本作の核となる仕組みは、廃棄場の各ゾーンで「不適合物」を狩り、回収した素材を“廃棄スタンプ”によって格付けし、次の階層に進むことである。なお作中の廃棄場は、実在の都市再開発に着想を得たとされるが、ゲーム内資料ではが「衛生学の教育用フィールド」として発明された、と説明されている[2]。
キャッチコピーは「捨てるな。捨てたものほど、名を与えよ」であり、発売当時はミリオンセラーを記録した。全世界累計は約120万本を突破したとされる[3]。一方で、廃棄の倫理を遊ばせる設計に対して早くから批判も生まれた(後述)。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
プレイヤーはを携え、ゾーンごとに割り当てられた“回収枠”を満たしながら進行する。移動は徒歩だけでなく、回収ルートを「場内配送」用の簡易レールに切り替える方式で、テンポが維持されるよう調整されている[4]。
戦闘では、敵であるを倒すだけでなく、敵が落とすを「3点結線」のミニゲームで鑑定する必要がある。この鑑定が成功すると“浄化”が進み、失敗すると次の落ちものパズルが難化する。ゲームシステムの特徴として、パズルと戦闘が完全に独立していない点が挙げられる[5]。
アイテムは重量ではなく「信頼度(スタンプ値)」で管理され、武器も防具も“スタンプ面”が削れると性能が落ちる仕組みになっている。協力プレイでは、片方が落ちものパズルを担当し、もう片方が鑑定・再鑑定を担当することで、役割分担が推奨される設計であった。オンライン対応のでは、他者の鑑定結果が統計として反映されるとされる[6]。
対戦モードとしては、廃棄場の入り口で互いの運搬員が“譲渡争奪”を行うが搭載されていた。キャッチコピーは「落とせ、奪え、名を付けろ」であり、序盤は運に見えるが、中盤以降はスタンプ値の読み合いが勝敗を決めると評価された[7]。
ストーリー[編集]
物語は、衛生運搬員である主人公が、廃棄場の最上層にある管理塔から「碌御廃棄場が誤登録された」という通知を受け取るところから始まる。通知はの極秘手順書に基づくもので、主人公は“正しい廃棄”の系譜を辿るよう命じられる[8]。
探索の各ゾーンでは、かつて廃棄にされたはずの物が、なぜか“戻ってくる”。作中では、これらがとして扱われ、帰還品の由来がそれぞれ異なるとされる。例えば第3層のでは、海軍向けの防蝕教材が誤廃棄された記録が見つかるが、その教材は実在したのかどうかが作中で揺らぐよう演出されている[9]。
終盤では、管理塔が「廃棄場」ではなく「名付け装置」であった可能性が示され、プレイヤーの鑑定の成功率が物語の分岐として扱われる。最良の結末では、廃棄獣が“自治体の保健標語”に転化し、プレイヤーが最終ゾーンで“廃棄スタンプの起源”を回収することで幕を閉じる[10]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公の運搬員は、便宜上と呼ばれる。彼は無口である一方、鑑定作業のときだけ語彙が増えるという描写が特徴で、発売後の攻略議論でも「沈黙の理由は演出か設定か」が争点となった[11]。
仲間には、現場監査官のがいる。彼女はの出身で、スタンプ値が低い素材に対しては容赦なくラインを引く性格として描かれる。この厳しさが、ゲーム終盤の“譲渡オークション戦”で主人公を救う伏線になっているとされる[12]。
敵対勢力としては、廃棄獣を束ねるが登場する。黒札協会は「捨てることを儀式にすることで物の運命を固定する」と主張し、プレイヤーの回収ルートを妨害してくる。また作中では、協会の創設者としてという人物名が出るが、資料によって表記が揺れるため、真偽の議論が起こったとされる[13]。
用語・世界観/設定[編集]
世界観の中心はという巨大施設である。作中では、廃棄場が単なる処理場ではなく“回収の訓練施設”として設計されたことになっている。歴史資料風のテキストでは、碌御廃棄場が衛生工学教育のために「標識の言語化装置」として発明された、と説明されていた[2]。
また、廃棄獣はから発生するとされる。彼らは倒されるとを吐き、蒸気に含まれる“名の粒子”がプレイヤーの鑑定精度を押し上げるとされる。なお、一部の攻略サイトではこの設定が“ゲーミングデバイスの誤差”を説明するために後から付け足されたのではないか、と推測している[5]。
用語として重要なのがである。これは「物に付与される再利用可能性の記録」とされるが、実際には“社会の記憶”に紐づいた概念として扱われるため、ゲーム進行におけるバフが単なる数値ではなく物語の分岐と連動する。要するに、プレイヤーの選択が現実の価値判断へ接続されるよう設計されていた、とレビューでは評されている[6]。
さらに、ゲーム内の施設区分としてなどが存在する。各区分は色で管理されており、色に応じて落ちものパズルの“落下角”が変化する設定が細かく与えられている。ちなみに最も落下角が急なは、開発者が「重力に飽きた」と日記で語ったことが資料として引用されていた[14]。
開発/制作[編集]
開発はが主導したとされる。公式コメントでは、汚物処理の現場研修で使われていた教育用シミュレータが前身になった、と説明されていた[15]。ただし社内資料の一部では、前身は“廃棄の倫理を学ぶ教材ではなく、落ちものパズルの試作機”だったと記されており、開発史の確定が難しい。
制作経緯としては、ディレクターのが「戦闘だけでは捨てる気持ちが残る」と考え、鑑定のミニゲームを追加したという逸話が知られている。なお、スタッフ間ではこれを「名札付けの儀式」と呼んでいたとされる[16]。
制作陣の構成として、プログラマーのは、鑑定結果を“プレイヤーの道徳メーター”へ反映するための疑似乱数設計を担当した。ここで用いたアルゴリズムは当時、学会で「確率ではなく物語を揺らすための擬似乱数」として小さく紹介されたとされる[17]。
発売に先立ち、は店頭販促として“廃棄場のスタンプカード”を配布した。カードはその後、実際の清掃ボランティア参加で回収され、参加者に小さな特典が与えられたとされるが、記録の整合性は取れていない[18]。このあたりが「実在の制度を混ぜたように見える」編集者の工夫とも結びついている。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラックはに所属する作曲家が担当した。作風は、低域を厚く保ちつつ、鑑定ミニゲームの成功時にだけ高音が伸びる“衛生反応”型の音響設計で知られている[19]。
特に評価が高いのが、第5層のBGM「Calibrate the Name」である。テンポは120BPM前後とされるが、実際のゲーム内ではプレイヤーの鑑定時間に応じて拍の刻みが微調整されると報告されている[20]。
さらに、対戦モードでは、観客の拍手音がランダムに差し込まれる演出があり、これが“勝っても気持ちが良くない”感覚を作っているとして、後年の音楽評論で取り上げられた[21]。
評価(売上)[編集]
発売直後の売上は好調であり、初週で約28万本が出荷されたとされる[22]。その後、協力プレイ需要と攻略コミュニティの拡大により、月内に累計が約60万本へ到達したと報告されている[23]。
日本ゲーム大賞では、評価の焦点が“数値最適化ではなく選択の意味付け”に置かれた点が評価された。授賞理由として「廃棄を扱いながら、遊びとして倫理を問い直す構造を成立させた」と記されたとされるが、当時の審査員コメントは複数の媒体で要旨が異なっていた[24]。
ただし批評家の一部からは、ミニゲームが多くテンポを損ねるとの指摘がある。また、スタンプ値のシステムが“善悪”の単純なスコアに見える点があり、没入感を削いだという意見も出たとされる(批判と論争の項を参照)。それでも、全世界累計120万本の記録は当時のRPG市場で一定の存在感を示したとされる[3]。
関連作品[編集]
本作は『虚構衛生シリーズ』の第7作目であり、前作『仮想清拭港』と後続作『残留検疫街』の橋渡しに位置づけられる。特に共通する概念として、の段階表記が統一されたことがファンの間で語られている[25]。
メディアミックスとして、テレビアニメ化に先立ちWeb短編の連載が行われた。短編では、主人公が“名を付ける前に物が泣く”という比喩が多用され、ゲーム本編の暗喩と照合する楽しみが提供されたとされる[26]。
また、漫画版では第3層の物語が拡張され、誤廃棄された“海軍向け防蝕教材”が実は教授用ではなく訓練用の通信暗号だった可能性が示唆される。ここはゲーム本編の設定よりも過激で、読者を二分した[9][27]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 早乙女 朱里「『碌御廃棄場』における廃棄スタンプの物語化」『インタラクティブ衛生学会誌』第12巻第3号, pp.12-31, 2080年。
- ^ 渡辺精一郎「鑑定ミニゲームが倫理感覚に与える影響(RGK網ログに基づく推定)」『ゲーム体験研究論文集』Vol.7 No.2, pp.44-66, 2081年。
- ^ 高柳 理華「廃棄獣の分類不能性と音響応答:Calibrate the Nameの分析」『サウンド・プロトコル研究』第5巻第1号, pp.77-95, 2080年。
- ^ ユリ・グレイシア「衛生反応型ミックスの設計指針」『ニューラル作曲年報』pp.201-219, 2078年。
- ^ 星川音産編「RGKサウンドトラック・アーカイブ(完全版)」星川音産, 2080年。
- ^ 環形流通株式会社「RGK店頭スタンプ施策の評価報告」『流通イノベーション年報』第9巻第4号, pp.10-28, 2079年。
- ^ カミロ・サルヴァトーレ「名付け装置としての廃棄場:碌御廃棄場調査覚書」『都市衛生機構論叢』第2巻第1号, pp.1-19, 2069年。
- ^ J. R. Kessler「RPGs of Refuse: Narrative Calibration in “Roku-Gohai Kijō”」『Journal of Fictional Systems』Vol.18 No.6, pp.331-358, 2082年。
- ^ 山田 洋介「RGKプラットフォームの設計と、疑似乱数が物語を揺らす仕組み」『計算機ゲーム学会誌』第21巻第2号, pp.55-80, 2081年。
- ^ ファミ通クロスレビュー編集部「碌御廃棄場 公式ガイドに対するクロスレビュー」『ファミ通クロスレビュー』第14号, pp.5-9, 2080年。(※書誌情報の一部が誤記されているとされる)
外部リンク
- 廃棄庁ゲームアーカイブ
- RGK網プレイヤーログ閲覧所
- 虚構衛生シリーズ非公式系統図
- Calibrate the Name解析コミュニティ
- スタンプ値早見表(擬似)