確保しました! 皮膚よじれちゃいましたけど
| 作品名 | 確保しました! 皮膚よじれちゃいましたけど |
|---|---|
| 原題 | We Secured It! But the Skin Twisted |
| 画像 | Kakuho_shimashita_poster.jpg |
| 画像サイズ | 280px |
| 画像解説 | 公開時ポスター |
| 監督 | 相馬玄次 |
| 脚本 | 相馬玄次、鳴海ユカ |
| 原作 | 鳴海ユカ『確保しました!』 |
| 原案 | 近藤ミネラ |
| 製作 | 北沢早苗 |
| 製作総指揮 | 三枝透 |
| ナレーター | 藤堂円 |
| 出演者 | 御影志帆、真鍋錬、久世ハル |
| 音楽 | 長尾セイジ |
| 主題歌 | 『よじれたまま行け』 |
| 撮影 | 小川利一 |
| 編集 | 村瀬綾人 |
| 制作会社 | 東雲映像工房 |
| 製作会社 | 確保しました製作委員会 |
| 配給 | 青峰配給 |
| 公開 | 2031年7月18日 |
| 製作国 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 製作費 | 4億8,000万円 |
| 興行収入 | 18億4,000万円 |
| 配給収入 | 10億2,000万円 |
| 上映時間 | 127分 |
| 前作 | 確保しました! |
| 次作 | 確保しました! 骨盤が鳴りました |
『確保しました! 皮膚よじれちゃいましたけど』は、[[2031年]]に公開されたのである。監督は、主演は。災害救助と都市清掃を題材にしつつ、公開当時は「字幕ではなく現場音声を尊重した」編集方針で話題を呼んだ[1]。
概要[編集]
『』は、内の大型複合防災施設を舞台にしたである。災害対応の現場で発せられる定型句「確保しました!」を軸に、人体の緊張と都市機能の過剰適応を描いた作品として位置づけられている。
題名の「皮膚よじれちゃいましたけど」は、撮影中にが即興で付け加えた台詞をそのまま採用したものとされるが、制作陣の証言は一致していない[2]。公開後は、救助映画としてよりも「現場用語を詩化した珍作」として語られることが多く、深夜の系再放送でカルト的な支持を得た。
あらすじ[編集]
首都直下地震の予兆が囁かれるなか、民間防災企業の現場班長・有馬千里は、地下貯水槽に迷い込んだ大型配管群の“確保”を命じられる。ところが、装置の誤作動により配管が自律的に振動し、作業員たちの防護服まで次々とねじれていく。
有馬は新人オペレーターの真鍋錬とともに、東京都心の各所を巡りながら、崩壊寸前の都市インフラを「確保」し続ける。しかし、任務を重ねるごとに彼女自身の皮膚感覚が鈍化し、終盤では「皮膚がよじれた状態でも確保は成立するのか」という問いが物語の中心となる。終幕では、湾岸の仮設救護所で全員が同じ方向へ身体を傾けながら、無線越しに「確保しました」とだけ告げる場面があり、観客の解釈を大きく分けた。
登場人物[編集]
主要人物[編集]
有馬千里は、本作の主人公であり、の防災現場を渡り歩くベテラン班長である。冷静沈着に見えるが、実際には署名済みの確認札を何枚も服の裏地に縫い込む癖がある。
真鍋錬は新人オペレーターで、理論に強い一方で現場判断に弱い。劇中では「確保」の意味を逐語的に解釈してしまい、消火ホースまで私物として確保しようとする場面がある。
久世ハルは救護担当の臨時職員で、終盤の“皮膚よじれ”現象の説明役となる。設定上は医療系の有資格者であるが、脚本の改稿過程で急に測量にも詳しい人物へ変更されたとされる。
その他[編集]
片桐修造はの現場統括で、無線では常に語尾がずれる。彼の「確保は道徳ではなく手順である」という台詞は、公開後に社内教育用の標語として流用された。
ラジオDJの藤堂円は、災害情報番組のナレーターとして登場し、画面外から都市の状態を実況する。なお、彼の実況は3分40秒ごとに一度だけ逆再生される演出があり、初見では意味が取りにくい。
声の出演またはキャスト[編集]
御影志帆 - 有馬千里
真鍋錬 - 真鍋錬
久世ハル - 久世ハル
高瀬蒼太 - 片桐修造
藤堂円 - ナレーター兼ラジオDJ
梨本ミドリ - 救護所受付係
雨宮トオル - 配管監視員
北条レイ - 市民ボランティア統括
出演者は少数精鋭であるが、群衆場面ではの学生102名がエキストラとして参加した。撮影最終日に、全員が同じ角度で首を傾ける訓練を受けたことが、後年「よじれ演技」と呼ばれている。
スタッフ[編集]
映像制作[編集]
監督は、脚本は相馬とが共同で担当した。相馬はドキュメンタリー出身であり、本作では手持ちカメラと固定監視映像を交互に用いる撮影設計を採用している。
撮影監督のは、東京都内の地下施設で反射光を拾うため、実際には使われない銀色の防火シートを78枚張り巡らせた。編集のは、救助無線の聞き取りづらさを残すため、あえて一部の台詞を0.7秒だけ遅らせている。
製作委員会[編集]
本作は名義で製作され、、、防災用品メーカーのが参加した。製作委員会に民間企業が多いのは、劇中に登場する折りたたみ担架の色指定をめぐって協賛が増減したためとされる。
製作総指揮のは、記者会見で「本作は人間が何を握りしめているかの映画である」と述べたが、同席していたスタッフの多くは配管図の話だと理解していたという。
製作[編集]
企画[編集]
企画の発端は、にの防災訓練施設で行われた実地演習で、参加者の一人が予備手袋を落としながら「確保しました!」と叫んだことにあるとされる。鳴海ユカはこれを耳にし、「確保の語感だけで長編が成立する」と判断して脚本を起こした。
当初は小品の予定であったが、の地下インフラ協力が得られたことで、最終的には127分の大作となった。なお、初稿では“皮膚”は比喩ではなく防災マネキンの素材名であったという証言がある[3]。
美術・CG・彩色・撮影[編集]
美術は、との倉庫街に組まれた巨大セットを中心に進められた。特に地下貯水槽の壁面は、実際のコンクリートに似せるため、灰色の塗料を7層重ねた上で、さらに塩を撒いて乾燥させる独自工程が採用された。
CG監修はが担当し、配管の自己収縮と“皮膚のよじれ”を表現するため、人体モデルの表面に12,400本の制御点を割り当てた。完成版では、そのうち約8%があえて不規則に揺らぐ設定であり、観客に軽い不安感を与える効果があったとされる。
音楽・主題歌・着想の源[編集]
音楽はが担当し、救助現場の通信音を基にした打楽器編成が特徴である。主題歌『よじれたまま行け』は、民謡調の旋律に電子ノイズを重ねた曲で、エンドロールでは毎回テンポが0.5拍ずつ上がる特殊仕様となっている。
着想の源について、相馬は「都市は確保されるたびに少しだけ人間を曲げる」と語ったとされる。また、配管図の末端に書かれた「皮膚注意」の手書きメモがそのまま題名に採用されたという説もあるが、制作側は明確に否定していない。
興行[編集]
宣伝・封切り[編集]
キャッチコピーは「確保したのに、戻らない。」であり、公開前から駅貼りポスターと防災無線風の予告編が注目された。の完成披露試写では、配布されたヘルメット型ポップコーン容器が即日話題となった。
に320館で封切られ、初週興行は2億1,300万円を記録した。都心部の深夜上映では、観客が笑ってよいのか判断できず、終映後に拍手が3回だけ起こる回があった。
再上映・テレビ放送・ホームメディア[編集]
公開から半年後には、とでリバイバル上映が行われ、上映後トークイベントに防災士が招かれた。テレビ放送では系深夜枠での放送時に視聴率4.8%を記録し、同時間帯としては異例の高値とされた。
映像ソフト化はにDVDとBlu-rayで行われたが、初回盤のみ肌色の階調が強すぎる「DVD色調問題」が報告され、交換対応が実施された。海外向けには英語字幕版がとで配信され、題名の直訳が長すぎるとして現地では短縮表記が広まった。
反響[編集]
批評・受賞・ノミネート[編集]
批評家からは、災害映画としての緊迫感と、台詞の妙な反復が高く評価された。一方で「救助描写の真剣さと題名の脱力感が噛み合っていない」との指摘もあり、評価は大きく割れた。
本作はで録音賞を受賞し、では審査員特別賞にノミネートされた。なお、同映画祭のパンフレットでは作品解説が「都市型皮膚論の再定義」と紹介され、関係者を困惑させた。
賞歴・ノミネート歴・売上記録[編集]
興行収入は最終的に18億4,000万円を超え、同年公開の中規模邦画としては上位に入った。配給収入では10億2,000万円を記録し、防災映画としてはを抜いて歴代2位になったとされる。
一部では「災害訓練の教材としての導入」を検討する自治体もあったが、題名が教育現場に不向きとして見送られた。もっとも、当該資料には「学習効果高し」とだけ書かれており、要出典とされることが多い。
テレビ放送[編集]
本作の初回テレビ放送はの衛星映画枠で行われた。放送版では、無線ノイズの一部が聴取しやすいように調整され、逆に観客からは「現場感が薄れた」との声もあった。
その後、の年末特番で再放送され、視聴者アンケートでは「題名だけで録画したが内容は真面目だった」が最多回答となった。深夜帯では毎年のように編成候補に挙がるが、番組表上の文字数が長すぎるため、しばしば略題で表示される。
関連商品[編集]
作品本編に関するもの[編集]
公開時には、劇中に登場する折りたたみ担架を模した「よじれ防止メジャー」や、無線機型の録音玩具が販売された。特に「確保しました」スタンプは、現場文書の確認印として使えるとされ、想定を超える売れ行きを示した。
また、サウンドトラックは2枚組で発売され、後半の未使用トラックに“皮膚の復元”という曲が含まれていた。これは編集段階で本編から外されたが、ファンの間では最も人気の高い楽曲の一つである。
派生作品[編集]
ノベライズ版『確保しました! 皮膚よじれちゃいましたけど 下』は自身が執筆し、映画では省略された救護所の事務手続きが詳細に描かれている。さらに、同作をもとにした舞台版『確保しました! 紙資料が多すぎましたけど』がで上演され、原作以上に会計処理の比重が高いと評された。
短編アニメーション『皮膚よじれ補足録』も制作され、物語の空白を埋めるというより、空白そのものを拡張する作品として位置づけられている。
脚注[編集]
1. 興行収入は宣伝用ポスターに記載された数字に基づくとされるが、集計方法にはなお議論がある。
2. 台詞の即興採用については、制作日誌と完成稿で表現が異なっている。
3. 初稿資料の所在はの倉庫番号17にあるとされるが、確認はされていない。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 相沢一郎『都市防災映画論の現在』青峰出版, 2032年.
- ^ 鳴海ユカ『確保の文法と身体』東雲書房, 2031年.
- ^ 高橋みのり「災害現場音響の編集史」『映像技術』Vol. 41, 第3号, pp. 44-59, 2032年.
- ^ M. Thornton, "Twisted Skin and Urban Rescue in Contemporary Japanese Cinema," Journal of Screen Studies, Vol. 18, No. 2, pp. 201-228, 2033.
- ^ 北沢早苗『製作委員会の倫理と配給戦略』カナメ社, 2032年.
- ^ 石塚修『現場語の映画的転用』文化映画研究叢書, 2031年.
- ^ S. Kuroda, "The Aesthetics of Securing," Pacific Film Review, Vol. 9, No. 1, pp. 77-93, 2032.
- ^ 長尾セイジ『ノイズから主題歌へ』青峰音楽出版, 2031年.
- ^ 村瀬綾人「0.7秒遅延編集の実務」『編集工学年報』第12巻第1号, pp. 12-25, 2033年.
- ^ 『確保しました! 皮膚よじれちゃいましたけど』公式パンフレット 2023年版, 確保しました製作委員会.
- ^ 『都市と皮膚の相互変形』東都映画資料室紀要, 第7号, pp. 91-118, 2032年.
外部リンク
- 東雲映像工房 作品資料室
- 青峰配給 公式アーカイブ
- 確保しました製作委員会 公開記録
- 東京アジア・ファンタジア映画祭 アーカイブ
- 日本映画技術賞 データベース