美少女大サーカス
| コンビ名 | 美少女大サーカス |
|---|---|
| 画像 | 公式プロフィール写真(左右非対称のトナカイ帽) |
| キャプション | “安全ピンを抜くと拍手が増える”とされる宣材写真 |
| メンバー | リーダー中央/元プロボクサー左/ぶりっ子嘘つき地雷系右 |
| 結成年 | 2009年 |
| 解散年 | 活動継続 |
| 事務所 | マイクロスター芸能 |
| 活動時期 | 2009年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| 出囃子 | 『鈴の位相ずれ行進曲(仮)』 |
| 受賞歴 | M-1グランプリ2018年ファイナリスト、キングオブコント2020年準優勝(一次予選突破記録あり) |
美少女大サーカス(びしょうじょだいさーかす、英: Bishōjo Dai Circus)は、所属のお笑いコンビである。11月結成。NSC校期生で、2018年ファイナリストを経て、全国区で活動することで知られている[1]。
概要[編集]
美少女大サーカスは、主にとで構成される“日常に安全性の概念を混ぜる笑い”を武器とするお笑いコンビである[1]。
結成当初から「オカンで波瀾万丈」「中央のリーダーが“計画書”を読み上げる」「左が元プロボクサーらしい無言の圧」「右がぶりっ子嘘つき地雷系で会場の空気を壊す」という役割分担が固定化され、視聴者の間で“第三者の安全確保までネタにする”集団として話題となった[2]。なお、本人たちは“美少女”という語を性的意味ではなく「観客の誤認防止ラベル」と説明している[3]。
メンバー[編集]
リーダー中央(りーだー ちゅうおう)は、白いカーディガンとA4の厚紙ファイルを携えることで知られる。喋りはやけに丁寧で、オカン由来の言い回しを交えながら、計測不能な気持ちを数値化して提示する癖があるとされる[4]。
元プロボクサー左(もと ぷろぼくさー ひだり)は、引退後に急速に言葉数を減らした経緯があり、ツッコミではなく“観測”のように反応する。拳は使わず、代わりに「パンチの予備動作だけで笑いを抜き取る」芸が評価されている[5]。
ぶりっ子嘘つき地雷系右(ぶりっこ うそつき じらいけい みぎ)は、笑顔の角度を一定に保ったまま、平然と矛盾する自己申告を行う役である。彼女(と呼ばれることが多い)は“嘘をつく”こと自体が嘘である、と語ることがあり、オチに辿り着く前から観客の倫理を揺さぶる構造が特徴とされる[6]。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成とNSC江東での出会い[編集]
2009年11月、の江東校で同時期に演習を受けていた三人が“安全講習付きコント”を作ったことが結成の直接要因とされる[7]。当時の課題は「架空の大規模催しの運営を笑いで説明すること」であり、彼らは“サーカス”を避難誘導の比喩として採用したとされる[8]。
ただし、中央は後年「本当はサーカスじゃなくて、点検表のほうが本体だった」と述べており、記録上の整合性が取りづらい点が“伝説化”の原因となった。特に2009年12月に提出した企画書は、ページ番号が『1、2、2、4』と重複していたことが、学内の噂として残っている[9]。
東京進出と“波瀾万丈オカン”の固定化[編集]
2013年に上京し、の寄りの劇場で平日深夜の枠に出演したことが契機で、オカン要素が“感情の進行管理”として定着したとされる。中央が即興で言った「お母ちゃん、予定より泣かないでよ」という一節が、リピート客の心に刺さったという[10]。
一方で、左はこの頃、ボクシングの筋力が落ち切っていないため、舞台袖でタオルを“数えながら畳む”癖が残っていた。観客がそれを不気味に感じたことで、ネタ中の沈黙に意味が生まれたとされ、以降“沈黙の秒数”がライブの評価軸のひとつになった[11]。
芸風(漫才/コント)[編集]
美少女大サーカスの漫才は、まず中央が司会進行のように台本を読み上げ、途中で“人間関係の安全基準”を唐突に持ち込む。たとえば「今日の会話は、口角が以内なら許可します」というルールが宣言され、右がそのルール違反を装って褒めることで笑いに変換する手法が多いとされる[12]。
コントでは、左が元プロボクサーとしての所作(ジャブの予備動作)を“効果音だけ”に留める。観客が期待する殴打が来ないため、逆に右の嘘が“現実味を帯びる”構造が生まれるとされる[13]。
また、彼らは「地雷系」を“踏むと音が鳴る擬音装置”として扱うことで、性的・暴力的解釈を回避していると説明することがある。もっとも、右が「私は地雷じゃない、地雷の説明書だ」と言いながらポケットから明らかに地雷っぽい付箋を出すため、毎回解釈は観客に委ねられる[14]。
エピソード[編集]
2016年の地方収録で、右が客席に向けて「今から告知します。私の嘘は遅れて出ます」と宣言したところ、本当に間の悪い無音が0.8秒だけ発生し、スタッフが慌ててBGMを上げた。中央はその場で「誤差の範囲です」と締め、左が一切喋らずにタオルを3回だけ握った。結果、番組のテロップは“偶然”として処理されたが、後日スタッフが議事録を作っていたとされる[15]。
さらに2019年、キングオブコントの一次審査直前に、中央が“オカンの波瀾万丈”を再現するため、内のコインランドリーで洗濯の待ち時間を計測したという。洗濯物は入れず、洗濯槽の回転音だけを録音したとされ、音源がネタ内のSEとして使われた。審査員の一人が「その音が笑いの背骨になっている」と評したとの記録もある[16](ただし出典は記録媒体外とされる)。
2021年の特番では“美少女大サーカス安全宣言”というコーナーが組まれ、客が拍手をする前に中央が「拍手はで安全判定します」と述べた。右が角度を誤認して“拍手するふり”でオチを作り、左が遅れて拍手のタイミングだけ合わせるという、笑いと運動学が交差する構成が話題となった[17]。
出囃子[編集]
出囃子は『』である。中央が「本当は“ずれ”がないと面白くならない」ため、楽器ごとの拍のズレをわざと残して録音したと説明している[18]。
この曲は、ライブ開始時に必ず一度だけ途切れる仕様になっており、途切れた瞬間に右が必ず“言い直し”を行うことで、観客の脳内で修復が起きるよう設計されているとされる[19]。一部では“途切れが本当にミスでは?”という指摘があり、そこにさらに「ミスは嘘である」という右の発言が重なったことで、論争的に共有される形になった[20]。
賞レース成績・受賞歴・出演[編集]
2018年では準決勝まで進出し、ファイナリストに選出された。特に二回戦の“安全講習漫才”が評価されたとされるが、審査員のコメントが「衛生の笑い」と形容されており、後のネット記事で引用が増えた[21]。
では2020年に準優勝となり、最終決戦の台本が“3行だけ”であることが話題になった。中央は「余白は裏切らない」と語ったとされるが、直後に右が「余白は嘘をつく」と訂正して観客がざわついた。左はその間に一切動かず、結果的に“動かないことがオチ”として成立した[22]。
出演面では、では冠番組『中央の指定席〜オカン監修〜』が放送され、ラジオでは『左の沈黙メーター』が長寿番組として知られる[23]。また、ライブでは単独公演『美少女大サーカスの安全地帯』を年2回のペースで行い、チケットは発売3分で完売する年があるとされる(公式発表では発売時刻の秒まで言及された)[24]。
作品[編集]
CDとしては『位相ずれ入門(完全版)』(2018年)があり、収録曲には“拍手判定ソング”と名付けられたトラックが含まれるとされる[25]。
DVD/Blu-rayでは『安全講習コントライブ 2019 余白の取り扱い注意』(2020年)とされる。特典映像には、右が嘘つき自己紹介を繰り返す「吐露検査」風のコーナーが収録されているが、実際にはスタッフの“採寸データ”がテロップとして一部公開されているとの話もある[26]。
書籍としては、中央名義で『オカンの波瀾万丈、数値で笑う』(2022年)が刊行された。内容は日常会話の“誤差許容”を一覧化したような構成で、読者から「生活のルールが緩くなった」という声が出たとされる[27]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 中央リーダー『オカンの波瀾万丈、数値で笑う』マイクロスター出版, 2022.
- ^ 江東校編纂委員会『NSC江東校 7期生の実習記録(演習課題集)』NSC出版局, 2010.
- ^ 山口カズノリ『漫才の衛生観:笑いを許可制にする試み』笑芸文化研究会, 2019.
- ^ Dr. Margaret A. Thornton“Audience Safety as Comedy Mechanics: A Post-Live Study of Phase-Shift Timing”, Journal of Performative Laughter, Vol.12 No.3, 2021, pp.44-59.
- ^ 鈴木ハル『沈黙は音楽になる:元プロスポーツ所作の転用』演芸アーカイブス, 2017.
- ^ 『キングオブコント公式ガイドブック 2020』スポーツ審査企画, 2020, pp.210-225.
- ^ 『M-1グランプリ2018審査講評集』テレビバラエティ審査庁, 2018, 第2巻第1号, pp.98-110.
- ^ 右ぶりっ子『嘘と角度:笑顔の誤差理論』星屑文庫, 2020.
- ^ 片桐ユウ『地雷系のメタ構造:踏まれ方の社会学』関東舞台社会学会, 2023.
- ^ 中村サトル『余白の取り扱い:舞台設計の統計』サーカス工学研究所, 2016.
外部リンク
- マイクロスター芸能 公式プロフィール
- 位相ずれ行進曲 特設ページ
- 中央の指定席〜オカン監修〜 公式サイト
- 左の沈黙メーター 過去回アーカイブ
- 美少女大サーカス 安全宣言レポート