聖徳太子 VS 毛利小五郎 -LIANCOURT ROCKS最終決戦-
| タイトル | 聖徳太子 VS 毛利小五郎 -LIANCOURT ROCKS最終決戦- |
|---|---|
| 画像 | Shotokutaishi_vs_MouriKogoro_LR.jpg |
| 画像サイズ | 260px |
| caption | パッケージイラスト |
| ジャンル | アクションシューティングゲーム |
| 対応機種 | ドリームルームX |
| 開発元 | 草薙インタラクティブ |
| 発売元 | 新月堂エンタテインメント |
| プロデューサー | 相原 恒一 |
| ディレクター | 三浦 霧人 |
| 音楽 | 藤森 朱鷺 |
| シリーズ | LIANCOURT ROCKS |
| 発売日 | 2006年11月17日 |
| 対象年齢 | 12才以上推奨 |
| 売上本数 | 全世界累計84万本 |
| その他 | 通称はLR最終決戦 |
『聖徳太子 VS 毛利小五郎 -LIANCOURT ROCKS最終決戦-』(しょうとくたいし ぶいえす もうりこごろう リアンコート・ロックスさいしゅうけっせん、英: Prince Shotoku VS Kogoro Mouri - LIANCOURT ROCKS Final Battle -、略称: SHMK)は、にのから発売された用。『』シリーズの第3作目である[1]。
概要・概説[編集]
『聖徳太子 VS 毛利小五郎 -LIANCOURT ROCKS最終決戦-』は、沖の仮想軍事施設「」を舞台としている対戦型である。プレイヤーはとのいずれかを操作し、最大4段階で変化する「石像弾幕」と「推理爆破」を使い分けて勝敗を競う[1]。
作品の位置づけ[編集]
本作は『』三部作の完結編とされ、シリーズ一作目にあたる『岩礁の預言者』、二作目『毛利警部補と石の子午線』の系譜を継ぐ作品である。とくに「歴史人物と探偵役が同一画面で殴り合う」演出が話題を呼び、発売前から系誌面で過剰な予告が掲載された[2]。
通称とキャッチコピー[編集]
通称は「LR最終決戦」であり、開発内部では「案件」と呼ばれていた。キャッチコピーは「いま、岩は推理を超える。」で、北米版の帯にはなぜか「JUSTICE HAS A BOULDER」と印刷されていたという[要出典]。
ゲーム内容[編集]
基本ルールは風の対話パートから始まり、制限時間内に会話を入力すると、その内容に応じて弾幕パターンが変化する仕組みである。プレイヤーは「徳を積む」「現場を読む」「岩を投げる」の3系統を切り替えながら、相手の精神ゲージを削っていく。
ゲームシステムの特徴として、の連鎖をそのまま必殺技に変換する「連句コンボ」や、に着想を得た「五輪書ステージ」がある。なお、対戦モードではで8人まで観戦可能であり、協力プレイ時には太子側と小五郎側が一時的に同盟を結ぶこともできた。
戦闘[編集]
戦闘は形式で、各キャラクターに固有の「封印ゲージ」が設定されている。聖徳太子は十人同時詠唱の「一斉祈念」、毛利小五郎は眠り状態で自動発動する「名推理乱射」を持ち、どちらも発動時に背景のとが一瞬だけ入れ替わる演出がある。
アイテム[編集]
アイテムには「冠位十二段の茶葉」「警部バッジ型ミサイル」「聖水で湿った名刺」などがあり、回収率によってエンディングが12種類に分岐する。とくに「和紙のマント」は防御性能が高すぎたため、初回出荷版では大半のプレイヤーが装備したまま無言でクリアしてしまい、後の更新で弱体化された。
対戦モード[編集]
対戦モードでは、相手のセリフを先読みして「封書カウンター」を出すのが基本である。1試合の平均決着時間は約3分40秒とされるが、都内の店舗大会では1回だけ27分を超える泥仕合が発生し、筐体の横でが見守っていたと記録されている[3]。
オフラインモード[編集]
オフラインモードには「史実補正キャンペーン」と「探偵雑談モード」が収録されていた。後者では、毛利小五郎が延々と暖簾の文句を考えるだけのミニゲームが5時間以上続くため、発売当時は一部で「眠気に特化した傑作」と評された。
ストーリー[編集]
物語は、末期に発見されたという謎の岩塊「LIANCOURT ROCKS」をめぐり、が国家鎮護のために封印したはずの推理エネルギーが、の沖で再覚醒するところから始まる。これにより、各地の石碑が自律起動し、事件の現場だけを的確に照らす「月光証拠帯」が発生する。
一方で、私立探偵として招集されたは、岩礁から発せられる“犯人しか理解できない周波数”を追跡するうち、聖徳太子と宿敵関係にあることを思い出す。中盤では、太子が名義で残した暗号文と、小五郎の寝言が偶然一致し、両者が同じ人物の別時代の姿ではないかという説が浮上するが、最終的には「岩に聞け」という結論で押し切られる。
終盤ではの沖合に建設された人工潮流塔が崩壊し、二人は「最終決戦」と銘打たれた45秒の殴り合いに突入する。ここでプレイヤーが選ぶ選択肢により、岩が勝つエンド、太子が勝つエンド、小五郎が寝落ちするエンドの3系統に分岐する。
エンディング[編集]
真エンディングでは、両者が和解して「岩を文化財に登録する」ことで事件は収束する。なお、クリア後に解放される解説文では、岩礁の成分の17%が「古代の会議録」でできていたことが明かされ、制作スタッフからも困惑の声が上がったという。
登場キャラクター[編集]
本作の登場人物は、史実・創作・伝承が混線した構成になっている。主要キャラクターは全員が武器を持つが、攻撃力よりも「どれだけ会話が成立しないか」で評価される。
また、敵キャラクターはすべて「岩礁評議会」の構成員であり、見た目は風の衣装だが、内部処理はほぼ現代の探偵ドラマに近い。発売後のガイドブックでは、これを「歴史再現ではなく歴史誤配」と説明していた。
主人公[編集]
聖徳太子は、遠距離から法螺貝状のビームを放つバランス型キャラクターである。毛利小五郎は近距離に強いが、20秒ごとに自動で居眠りするため、熟練者向けとされた。
仲間[編集]
仲間キャラクターには、の影を継ぐ案内役「鎌足Jr.」、事件現場にだけ現れる屋台商人「潮騒の文吉」などがいる。文吉は序盤でしか登場しないが、彼の売る「岩塩入りおはぎ」は回復量が異常に高く、実質的な最強装備とされた。
敵[編集]
敵勢力の中心は、岩礁の意志を代弁する「リャンクール審問官」と、毎回立ち絵だけ変わる「無名の記録係」である。とくに記録係は、敗北時に毎回違う顔で「それは私ではない」と言うため、プレイヤー間では半ば都市伝説化していた。
用語・世界観[編集]
本作の世界観では、は単なる岩礁ではなく、海底に埋もれた“未完の法令”が結晶化したものとされる。これに触れた者は一時的に「自分が何県出身か」を忘れる症状を起こすという。
作中用語の「最終決戦」とは、戦闘の最後ではなく、むしろ議事録の最終確認を意味する。開発資料によれば、世界設定の整合性を取るためにとの間に架空の「岩礁史料調整班」が置かれたことになっているが、もちろん実在しない。
設定[編集]
設定資料集では、岩礁が1,200年前に「外交の練習台」として設計されたと記されている。さらに、ゲーム内カレンダーの3月32日は「沈黙の日」と呼ばれ、全キャラクターのセリフが岩の擦れる音に差し替わる。
開発・制作[編集]
本作は秋に、の若手スタッフ8名と、外部協力の石材検証班2名によって制作が始まった。元々は歴史シミュレーションの試作であったが、会議中に「太子が探偵と戦う方が売れるのではないか」という意見が通り、急遽ジャンルがへ変更された。
ディレクターのは、実際の岩礁観測を行うための海岸で3日間滞在したとされる。なお、開発終盤には音声収録が間に合わず、毛利小五郎の掛け声の一部は社内で飼われていたインコの鳴き声を加工したものだという[要出典]。
制作経緯[編集]
企画名は当初『太子と小五郎の午後』であったが、社外試写の段階で「岩が足りない」との指摘を受け、現在のタイトルに改められた。タイトルの“VS”は対戦を意味するだけでなく、「Very Serious」の略でもあると説明されていた。
スタッフ[編集]
プロデューサーのは、広報資料で「この作品は歴史教育番組ではない」と繰り返していた。音楽担当のは、テーマ曲に8分の7拍子と拍子木を組み合わせ、発売記念イベントでは観客の半数が手拍子を諦めたという。
音楽[編集]
音楽は和楽器、電子ノイズ、法要用の鐘音を組み合わせた実験的な内容で、サウンドトラックは全34曲である。代表曲「月下の岩礁裁定」は、ゲーム中の対戦時間が60秒を切るとテンポが自動で上がる仕掛けがあり、ライブでは演奏者が最後まで追いつけないことで有名になった。
エンディングテーマ「それでも岩は語らない」は、の小劇場で初披露された後、なぜかの老舗旅館の館内放送でも流用され、宿泊客から抗議が入ったと伝えられている。
サウンドトラック[編集]
発売元のからは2枚組の限定盤が発売され、初回特典として“岩の欠片風ブックマーク”が付属した。収録曲のうち1曲は無音トラックで、説明書では「推理の余白」と表記されていた。
他機種版・移植版[編集]
翌には、簡易移植版『LR最終決戦 Lite』が向けに配信され、岩礁の描写がすべてアイコン化された。さらにには対応版が配信されたとされるが、実際には起動時に毎回「この岩は本物ですか?」と確認が出る仕様だった。
海外向けには欧州版『Clash of the Sacred Detective』が発売されたほか、向けには字幕だけが異様に丁寧な版が存在した。なお、どの移植版も毛利小五郎の居眠り演出だけは微妙に強化されており、携帯機で遊ぶとより眠くなると評判であった。
移植版の差異[編集]
一部の版では、聖徳太子の操作時に十人同時入力が不可能なため、代替として「空気読み」ボタンが追加された。これにより難易度が下がったかと思われたが、実際には空気を読みすぎて何もできない問題が発生した。
評価[編集]
発売当初の販売本数は初週12.4万本、累計84万本とされ、シリーズ最大のヒット作となった。とくにの量販店では、発売から3日で限定版が完売し、購入者の約18%が“どちらの陣営を選ぶべきか”を店頭で30分以上悩んだという。
評価面では、の企画部門で入賞候補に挙がったほか、海外のゲーム誌では「最も説明しづらいのに最も遊べる作品」と評された。一方で、歴史表現の過剰さから教育委員会系の団体に苦情が寄せられたとする報告もある[4]。
売上[編集]
発売2か月後には全世界累計50万本を突破し、年末商戦では異例のロングセラーとなった。シリーズ全体の中でも本作の売上比率は約41%を占めるとされ、開発チームは以後しばらく岩礁関連の企画書しか通らなくなった。
関連作品[編集]
本作の成功を受けて、前日譚にあたる小説『』、後日談漫画『毛利小五郎、石を継ぐ』が刊行された。また、テレビアニメ化されたという触れ込みの短編映像『LR最終決戦 外伝・潮の向こうの推理』も存在するが、実際には展示会場の端で流れていた12分のループ映像に過ぎなかった。
そのほか、『十人目の太子』、舞台版『リアンコート・ロックス 朗読会』などのメディアミックス作品群が作られ、ゲーム本編より外伝の方が説明が丁寧だとしばしば言われた。
派生作[編集]
派生作の多くは、岩や潮汐を主題にした教育色の強い内容だった。だが、唯一の対戦格闘版『LIANCOURT ROCKS FIGHTING』だけは、なぜかキャラクター全員が箸で戦う仕様で、シリーズ中もっとも常識的であると評された。
関連商品[編集]
攻略本『聖徳太子 VS 毛利小五郎 -LR最終決戦- 完全推理書』はから刊行され、256ページのうち78ページが用語索引で占められていた。書籍版には未使用設定として「太子は実は潮位計だった」という記述があり、発売後に話題となった。
その他の書籍としては、開発秘話をまとめた『石ができるまで』、ファン向けアンソロジー『小五郎の眠る夜、太子の起きる朝』などがある。なお、限定フィギュアは関節が多すぎて自立できず、購入者の多くが台座だけを飾った。
攻略本[編集]
攻略本の巻末には、開発者インタビューとして相原恒一と三浦霧人の対談が収録された。そこで三浦は「小五郎が強すぎたので、最終的に岩を強くした」と語ったとされる。
脚注[編集]
1. ゲーム雑誌『月刊インタラクション』2006年12月号、草薙インタラクティブ特集、pp. 42-47.
2. 佐伯和真『現代対戦ゲーム論』白鷺出版、2008年、pp. 119-123.
3. 東都電機広報部「筐体イベント記録集2006」社内資料、pp. 8-9.
4. 三宅由里子「歴史人物を用いた架空ゲーム表現の受容」『映像と遊戯』Vol. 14 No. 2、2010年、pp. 55-71.
注釈[編集]
本項の一部記述は、当時の販促ポスターおよび限定版同梱冊子にのみ見られるものである。
出典[編集]
各種の記述は、架空の攻略本、広告資料、ならびに発売記念イベントの記録をもとにしたものとされる。
参考文献[編集]
・相原 恒一『LR最終決戦 制作日誌』新月堂エンタテインメント、2007年。
・三浦 霧人『岩礁ゲーム史序説』草薙出版、2009年。
・藤森 朱鷺『音で読む推理シューティング』白砂館、2011年。
・H. Carter, "The Politics of Stone Combat in Japanese Arcade Culture," Vol. 3 No. 1, Meridian Press, 2012, pp. 14-39.
・M. L. Thornton, "When Princes Fight Detectives," Journal of Imaginary Software Studies, Vol. 8 No. 4, 2013, pp. 201-226.
・『ゲーム年鑑 2006』東都メディア年鑑社、2007年。
・『ドリームルームX 公式ハンドブック』新月堂エンタテインメント、2006年。
・高瀬慎一『架空の続編はなぜ売れるのか』白鷺出版、2014年。
・渡辺精一郎『対戦型歴史劇の系譜』港北書房、2010年。
・A. B. Felton, "A Treatise on Final Battles and Coastal Theology," Coastal Games Quarterly, Vol. 5 No. 2, 2014, pp. 88-93.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
・LIANCOURT ROCKS 公式記録庫
・草薙インタラクティブ アーカイブ
・新月堂エンタテインメント 資料室
・岩礁ゲーム保存委員会
・ドリームルームX 年表館
脚注
- ^ 『月刊インタラクション』編集部「聖徳太子 VS 毛利小五郎 特集」『月刊インタラクション』第18巻第12号、2006年、pp. 42-47.
- ^ 佐伯和真『現代対戦ゲーム論』白鷺出版、2008年、pp. 119-123.
- ^ 東都電機広報部『筐体イベント記録集2006』東都電機、2006年、pp. 8-9.
- ^ 三宅由里子「歴史人物を用いた架空ゲーム表現の受容」『映像と遊戯』Vol. 14 No. 2、2010年、pp. 55-71.
- ^ 相原 恒一『LR最終決戦 制作日誌』新月堂エンタテインメント、2007年、pp. 21-64.
- ^ 三浦 霧人『岩礁ゲーム史序説』草薙出版、2009年、pp. 10-29.
- ^ 藤森 朱鷺『音で読む推理シューティング』白砂館、2011年、pp. 88-104.
- ^ H. Carter, "The Politics of Stone Combat in Japanese Arcade Culture," Meridian Press, Vol. 3 No. 1, 2012, pp. 14-39.
- ^ M. L. Thornton, "When Princes Fight Detectives," Journal of Imaginary Software Studies, Vol. 8 No. 4, 2013, pp. 201-226.
- ^ A. B. Felton, "A Treatise on Final Battles and Coastal Theology," Coastal Games Quarterly, Vol. 5 No. 2, 2014, pp. 88-93.
外部リンク
- LIANCOURT ROCKS 公式記録庫
- 草薙インタラクティブ アーカイブ
- 新月堂エンタテインメント 資料室
- 岩礁ゲーム保存委員会
- ドリームルームX 年表館