血の祭典4 -Battle of Illumination-室井慎次&依神紫苑タッグ VS 工藤新一&洪武帝タッグ
| タイトル | 血の祭典4 -Battle of Illumination-室井慎次&依神紫苑タッグ VS 工藤新一&洪武帝タッグ |
|---|---|
| 画像 | Blood_Carnival4_boxart.jpg |
| 画像サイズ | 280px |
| caption | 北面版パッケージ。タイトルロゴの下に「光は、誰の手にあるか」と記されている。 |
| ジャンル | 対戦型アクションシューティングゲーム |
| 対応機種 | PlayBox 64 |
| 開発元 | 夜灯ソフト第三制作室 |
| 発売元 | 黎明インタラクティブ |
| プロデューサー | 三島桂一郎 |
| ディレクター | 長谷川みつる |
| デザイナー | 小笠原霧人 |
| プログラマー | 佐伯隆之・潘 岳 |
| 音楽 | 濱田ユキオ |
| シリーズ | 血の祭典シリーズ |
| 発売日 | 2009年11月19日 |
| 対象年齢 | CERO D相当 |
| 売上本数 | 初回出荷48万本、全世界累計126万本 |
| その他 | 限定版に「煤けた懐中時計」が同梱された |
『』(ちのさいてんフォー バトル・オブ・イルミネーション むろいしんじ&よがみしおんタッグ VS くどうしんいち&こうぶていタッグ、英: Blood Carnival 4 -Battle of Illumination-)は、にから発売された用。『血の祭典』シリーズの第4作目にあたり、通称は「イルミネーション戦役」である[1]。
概要[編集]
『血の祭典4 -Battle of Illumination-』は、が2009年に発売した対戦型アクションシューティングゲームである。プレイヤーはとのタッグ、またはとのタッグを操作し、光源が戦力として扱われる都市「」を舞台に、照明回路の争奪戦を繰り広げる[2]。
シリーズ第4作である本作は、前作までの的な配置要素を捨て、遮光板と反射鏡を用いた戦術戦へと舵を切ったことで知られている。また、人物の組み合わせが極めて不釣り合いであることから、発売当時から「史上もっとも説明文の長いゲーム」とも呼ばれた[3]。
ゲーム内容[編集]
本作は、プレイヤーが2人1組のを操作し、フィールド中央に設置された《照度核》の占有率を上げることで勝利を目指す。各キャラクターを別々に操作することも可能で、片方が投光器を設置し、もう片方が相手の足元に影を差し込むと、攻撃力が一時的に上昇する。
ゲームシステムの特徴として、照明の角度がそのまま命中率に影響する「」が挙げられる。たとえば、側は推理によって照明の死角を読む「観測」、側は兵法書を引用して街灯を増殖させる「整備」を得意とする一方、は防御壁を黙って増設し、は近くの光量を無意識に吸い取るため、初心者には非常に扱いづらいとされる[4]。
対戦モードは最大4人までので、通信対戦では「昼」「夕」「停電」の3種の時間帯がランダムに切り替わる。なお、オフラインモードには「監視カメラ演習」と呼ばれる一人用キャンペーンがあり、これをクリアすると隠し演出としての地下鉄車庫に似たマップが解禁されるが、これが実在施設をモデルにしたものかは明言されていない。
ストーリー[編集]
物語は、燈京市で発生した連続停電事件を発端とする。市内の照明局が保有する《第4系統反射炉》が何者かに奪取され、夜間の交通と証言の両方が混乱する中、は「秩序維持班」の臨時顧問として現地に派遣される。一方、は光を失った区域に偶然居合わせ、結果として街の不運を一身に引き受ける形でタッグを組まされる。
対するとは、史料上は面識がないにもかかわらず、作中では「観察と統治の理想的統合」として同室に配置される。とくに洪武帝は、なぜか近代的な双方向拡声装置を自然に使いこなし、推理の補助として「明朝暦に基づく影の伸び方」を提示する場面がある。これにより本作は、推理劇、的成長要素、そしてやや不必要な帝政シミュレーションが混在する独特の構造を持つに至った。
終盤では、《照度核》の真価が「光を集める装置」ではなく「証言を照らし出す装置」であることが判明し、室井と工藤がそれぞれ「黙って見守ること」と「見過ごさないこと」の差異をめぐって対立する。ここで紫苑が吸い尽くした運により、洪武帝の演説台だけが停電を免れる展開は、発売当時から賛否が分かれた。
登場キャラクター[編集]
主人公[編集]
は、作中では元管理官でありながら照明局の非常勤監督として登場する。無口なまま防御施設を建て続ける性能が評価され、初心者向けではないが大会では採用率が高かった。
は、周囲の資源を貧しくする代わりに相手の設備を自壊させる特殊能力を持つ。開発初期案では敵専用だったが、テスト中に「味方でも最も怖い」と判断され、プレイアブル化されたとされる。
仲間[編集]
は、足跡と照明の角度から相手の行動を推理する「観測」タイプで、シリーズ屈指の理論派である。なお、台詞の半分が「つまり」で始まるため、一部の攻略本では使用難度とは別の意味で注意書きが付された。
は、史実上の皇帝像を土台にしつつ、本作では《灯令》を発布して街区全体の光量配分を変更する支援役である。彼の固有演出には、なぜか風の城門が一瞬だけ出現するものがあり、国内版のみ妙に演出が長い。
敵[編集]
敵勢力は《暗幕庁》と総称され、舞台である燈京の旧発電区画を根城としている。中ボスには「反射板官」「遮光僧」「電線を食う鳩」などが登場し、とくに鳩は公式設定資料集で「後のシリーズに影響を与えた最重要生物」と記されている。
最終ボスは《零照の監察官》で、プレイヤーの操作に応じて明るさの基準値そのものを改竄する。この演出は当時の家庭用テレビに依存する部分が大きく、画面が暗すぎてボスの顔が見えないという報告が多数寄せられた。
用語・世界観[編集]
本作の世界では、光は単なる視覚情報ではなく、都市国家の税率、治安、噂話の流通量を左右する「公共資源」として扱われている。これを管理するのが《照度局》であり、燈京では毎月第2木曜に街灯の発光色を更新する儀式が行われるという。
また、《反射鏡階級》と呼ばれる独自の社会制度が存在し、鏡面の質によって市民の発言権が変動する。鏡が曇ると議決権も曇るとされ、実際にゲーム内では会議シーンの直前にキャラクターが布で鏡を磨くミニゲームが挿入される。
なお、設定資料の一部には「洪武帝は一度だけ2008年の試遊会に出席した」と書かれているが、歴史的整合性は一切検証されていない。ファンの間では、この一文こそが本作最大の狂気として知られている。
開発・制作[編集]
制作経緯[編集]
開発はが担当し、前作の売上が伸び悩んだことから「光で戦う格闘ゲームを作ろう」という企画会議が2007年秋に立ち上がった。ところが初期案では真面目な刑事ドラマ調だったため、途中でのような“不運を可視化する存在”を投入し、方向性が一気に混線したという。
プロデューサーのは、発売前インタビューで「推理と統治と怨念の三位一体を目指した」と発言している。これがどのジャンルを指すのかは最後まで不明であったが、結果としてゲームソフトシリーズの中でも特に説明不能な一作となった。
スタッフ[編集]
ディレクターのは、マップ上の照明角度を細かく調整するために実在の舞台照明技師を招聘したとされる。プログラマーのは、影の計算処理を高速化するために独自の「逆光圧縮法」を導入し、これが後の用タイトルに応用された。
音楽はが担当し、金属音を減らすために実際の交番の蛍光灯を録音したという逸話が残る。ただし、この話は公式ファンブックと攻略本で微妙に内容が食い違っており、要出典とされることがある。
音楽[編集]
サウンドトラックは、打楽器主体の戦闘曲と、街灯の点滅音を加工した環境音で構成されている。特に「灯火無双」「影の起訴状」「反射鏡の朝」は、ゲームミュージックとしては異例の長さで、1曲平均6分40秒ある。
主題歌「Illuminate the Blood」は、国内版と北面版で歌詞が異なり、北面版では洪武帝のパートだけ漢文調になる。発売後には限定12cmシングルがの一部ゲームショップでのみ配布され、コレクター市場では未開封品が現在も高値で取引されているとされる。
他機種版・移植版[編集]
20011年には簡易移植版『血の祭典4 Light Cut』が向けに配信されたが、照明表現の削減によりゲームの大半が赤と黒の二色で表示された。これにより、むしろ原作より怖いと評された。
2013年にはのに移植され、バーチャルコンソール対応タイトルとして再配信された。移植版では対戦モードに「観客席のざわめき」パラメータが追加され、ネット対戦中に野次が多いほど必殺技が出やすくなる仕様が話題となった。
また、海外版『Blood Carnival IV』は字幕の都合で工藤新一が単に「Shin」と表示され、洪武帝は「Emperor Hongwu」としか呼ばれない。これにより、2人の関係性が一層わかりにくくなったとされる。
評価[編集]
発売当初の初週売上は推定17万8000本で、シリーズ最高の初動を記録した。年末商戦では大型家電量販店での試遊台が評判となり、全世界累計126万本を突破したと発表されたが、集計に《燈京特区限定版》が含まれているかは不明である。
レビューでは、照明と推理を結びつけた独創性が高く評価された一方、「との同居感が強すぎる」との指摘もあった。とくに系の評論では、ゲームとしては高評価ながら、人物相関図の説明に3ページを要した点が“レビューの敗北”として語られている。
2009年度にはに相当する《燈都ソフトアワード》の革新賞を受賞し、以後、照明を扱う対戦ゲームの始祖・元祖の一つとして扱われるようになった。
関連作品[編集]
続編として『血の祭典4.1 -Subterranean Glow-』が構想されたが、完成版は発売されず、代わりに設定資料だけが冊子で頒布された。ほかに、派生作品として『依神紫苑の不運会計簿』や、『洪武帝の夜警録』などのスピンオフが企画されている。
また、メディアミックス展開としての計画が一度だけ発表され、深夜帯に3分間のCMが流れたことがある。ただし、本編は制作中止となり、残されたのは「これはゲームの話です」という謎のナレーションのみであった。
関連商品[編集]
攻略本『血の祭典4 完全灯火解析書』は、全352ページにわたり光量の分布とタッグ相性を解析した大冊である。付録CDには未使用BGMのほか、なぜかの街角を録音したフィールドノイズが収録された。
書籍としては、小説版『影の巡礼者たち』、設定資料集『燈京照度史』、そして公式には「ゲームと関係がある」とだけ説明された謎の随筆『反射鏡の倫理』が刊行された。なお、これらの中で最も読まれたのは帯文であり、本編ではないとされる。
その他の商品として、懐中時計型メモリーカードケース、遮光眼鏡、光る湯呑みなどが存在した。とくに湯呑みは、傾けると洪武帝の顔が浮かぶ仕様であったが、飲料を入れると消えるため不評であった。
脚注[編集]
1. 公式発表では2009年11月19日発売とされるが、初回出荷分の一部には日付印が翌月になっているものがある。 2. 燈京のモデルがどの都市かについては諸説あり、、、架空都市の三説が併存している。 3. 20011年移植版の表記は、当時の販促物に見られた誤植をそのまま再現したものである。 4. 依神紫苑の能力説明には編集版ごとの差異が大きく、攻略サイト間でも見解が分かれている。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
三島桂一郎『血の祭典4 開発秘録』黎明インタラクティブ出版部, 2010年.
長谷川みつる『イルミネーション軸の設計』ゲームデザイン研究会, 2011年.
佐伯隆之「影演算と家庭用機における照度補正」『PlayBox研究』Vol. 12, No. 3, pp. 44-67, 2010年.
濱田ユキオ『灯火無双 サウンドトラック解析』夜灯音響叢書, 2012年.
M. Thornton,
外部リンク[編集]
夜灯ソフト公式アーカイブ
黎明インタラクティブ資料室
燈京ゲームミュージアム
血の祭典ファン年表館
PlayBox64保存協会
脚注
- ^ 三島桂一郎『血の祭典4 開発秘録』黎明インタラクティブ出版部, 2010年.
- ^ 長谷川みつる『イルミネーション軸の設計』ゲームデザイン研究会, 2011年.
- ^ 佐伯隆之「影演算と家庭用機における照度補正」『PlayBox研究』Vol. 12, No. 3, pp. 44-67, 2010年.
- ^ 濱田ユキオ『灯火無双 サウンドトラック解析』夜灯音響叢書, 2012年.
- ^ M. Thornton, "Illumination Tactics and Civic Night Systems", Journal of Arcade Studies, Vol. 8, No. 1, pp. 19-53, 2011.
- ^ 潘 岳「反射鏡配置における離散最適化」『東亜ゲーム工学誌』第5巻第2号, pp. 101-129, 2010年.
- ^ 小笠原霧人『燈京設定画集』燈都メディア, 2009年.
- ^ J. B. Calder, "The Politics of Shadow in Competitive Software", Interactive Media Review, Vol. 4, No. 4, pp. 203-218, 2012.
- ^ 『血の祭典4 完全灯火解析書』黎明インタラクティブ, 2010年.
- ^ 『反射鏡の倫理』燈京文化社, 2011年.
外部リンク
- 夜灯ソフト公式アーカイブ
- 黎明インタラクティブ資料室
- 燈京ゲームミュージアム
- 血の祭典ファン年表館
- PlayBox64保存協会