蒼天譚シリーズ
| タイトル | 蒼天譚シリーズ |
|---|---|
| 画像 | SohtenTale_Series_Logo.png |
| 画像サイズ | 256px |
| caption | 蒼天の紋章(シリーズ共通イメージ) |
| ジャンル | 冒険ロールプレイングゲーム(ハンティング要素併設) |
| 対応機種 | 蒼天据え置き機/携帯端末/クラウドアーカイブ(架空) |
| 開発元 | 蒼天譚機関 |
| 発売元 | 青空流通株式会社 |
| プロデューサー | 渡辺精一郎(蒼天譚機関) |
| シリーズ | 第1作〜第7作(主要分冊含む) |
『蒼天譚シリーズ』(英: Sohten Tale Series、略称: STS)は、[[2008年]][[9月12日]]に[[日本]]の[[蒼天譚機関]]から発売された[[据え置き型]]用[[コンピュータRPG]]。[[蒼天]]と呼ばれる空層を巡る冒険を軸とし、シリーズの第1作目は1990年代の試作記録に由来するとされる[1]。
概要[編集]
『蒼天譚シリーズ』は、[[蒼天]]と呼ばれる空層を舞台に、プレイヤーが「旅人評定官」として風環獣を討伐し、採集した星塵を交易に回して階梯を上げていく[[コンピュータRPG]]である[2]。
本シリーズが注目された理由は、単なるストーリー進行ではなく、狩猟・鑑定・航路申請といった事務作業の擬似体験がゲームデザインの中心に据えられた点にあるとされる。また、発売前から[[東京都]][[港区]]の「社外監査室」(架空)により、台詞の誤読率を下げるための文章成形が行われたという逸話が広まり、結果として「難しいのに読めてしまうRPG」と呼ばれるようになった[3]。
なお、シリーズ第1作は実際には[[2008年]]に発売されたとされる一方、社内文書では1990年代に[[横浜市]][[神奈川区]]で行われた「蒼層投影試作」(プロトタイプ名)を起源として記載している、とファンコミュニティは主張している[4]。この食い違いが、後述する“嘘の年表”として定着した。
ゲーム内容[編集]
プレイヤーは「評定官助手」として、[[蒼天航路局]]が発行する仮許可証(通称: 朱印札)を携え、各区画で発生する異常風域「蒼天裂」に対応する任務を受注する[5]。ゲーム進行は、フィールド探索→遭遇(ランダム/半固定)→ハンティング→鑑定→交易のループで構成される。
ゲームシステムの特徴として、戦闘はターン制でありながら行動選択が「鑑定優先度」「風抵抗」「滞空姿勢」の3軸で重み付けされる。たとえば同じ武器でも、鑑定優先度を上げると命中率は下がるが“弱点の露出率”が増えるとされ、逆に滞空姿勢を高めると回避は伸びるが“報酬査定が減点”される[6]。
アイテム面では、星塵結晶を砕いて作る「微光パーツ」が鍵となる。微光パーツは破片番号で管理され、破片番号が一致する組み合わせでのみ特殊合成が成立する。ファン向け攻略サイトでは、合成表の転記ミスが原因で“レア装備が存在しない”と誤認された事件まで起きたとされる[7]。
対戦モードとしては、上級者向けに「蒼天裁定戦」が用意されている。これは相手の行動ログを“判読”して予測し、鑑定の順序を先に送ることで不意打ちを狙う。オンライン対応は第3作から実装されたとされ、初期の回線判定がシナリオ分岐に影響したため、「回線が悪い人ほど優しいルートに入る」という謎の統計が観測された[8]。
ストーリー[編集]
蒼天裂の拡大により、地上の気圧が“物語の重さ”として蓄積し、人々は決め台詞のように同じ夢を見続けるようになると描かれる。旅人評定官は、裂け目の中心で息をするように渦巻く「蒼天の主(しゅ)」と、分岐した記憶を回収する契約を結ぶことになる[9]。
第1作では、[[静岡県]][[富士市]]の仮設観測所が最初の舞台として設定され、観測所員が記録した“風の文字”が、後続の章タイトルを生成するという演出が採用された。第2作以降では、蒼天裂が「交易の帳尻」で安定するという価値観が強調され、狩猟は正義ではなく会計のための行為として描かれる[10]。
シリーズ中盤では、主人公側が「契約上は勝つ必要がない」敵に遭遇する。勝利条件が討伐ではなく“鑑定結果の一致”であるため、プレイヤーは倒すより先に観測しなければならない。この理不尽が、発売当初に一部プレイヤーの不満を生んだが、のちに「やらされているのに賢くなった気がする」と評価されるようになった[11]。
登場キャラクター[編集]
主人公(プレイヤー)は「旅人評定官補佐」として扱われ、固定の台詞が少ない。代わりに、誤読率の統計に基づき、行動に応じて文章が微調整される“準可変シナリオ”が採用されているとされる[12]。
仲間には、蒼天航路局出身の語り部「茜原(あかねはら)レンリ」、風環獣の足跡から天気図を読む技官「渡来(とらい)シズノ」、そして交易帳簿に強い元郵便係「大判(おおばん)ユウ」が登場する。彼らの口調は作品ごとに変化し、特にレンリは第4作で一度だけ性格が“帳簿基準”に置換されるという演出が話題となった[13]。
敵側には、星塵を“人の言い間違い”から精製する「誤象教団マリオン」が現れる。マリオンの幹部は、[[大阪府]][[北区]]の地下書庫(架空)で保管されている“矛盾の索引”を用い、勝てる戦だけを提示するとされる[14]。この敵設定は、ファンの間で「悪は合理的である」という格言として引用された。
用語・世界観[編集]
世界観の中心にある[[蒼天]]は、単なる空ではなく、観測者の理解度によって“厚み”が変わる層として設定される。作中では、蒼天の厚みを測る単位として「層圧(そうあつ)」が用いられ、序盤の平均層圧は1.37層圧、終盤は2.04層圧へ上昇すると明記される[15]。
星塵は、風環獣の体表に付着しているとされ、鑑定段階で“色温度”が算出される。色温度はケルビン換算に似せた単位「蒼度(そうど)」で記録され、第1作の星塵は平均 412 蒼度、レジェンドは 911 蒼度に達する、とされる[16]。
ゲーム固有の概念として「朱印札」「観測所コード」「破片番号」「弱点露出率」がある。特に弱点露出率は、プレイヤーの鑑定優先度に比例するだけでなく、会話選択(仲間の承認率)にも依存する仕組みが後から判明した。説明不足として批判される一方、のちに“推理させるRPG”として再評価された[17]。
さらに、蒼天裂の発生条件は“雨が降る前に言い残した言葉”に結びつく、という超常要素も混入している。ここは作風として一貫しており、システム説明では一度だけ「要出典」相当の注釈が付くとされるが、公式パッチで注釈だけ消されたという伝聞が残っている[18]。
開発/制作[編集]
開発は[[蒼天譚機関]]の小規模チームにより進められ、初期メンバーには渡辺精一郎のほか、文章設計を担当した「伊勢原(いせはら)ミオ」、サウンドの空間制御を担当した「篠塚(しのづか)ハルキ」が参加したとされる[19]。
制作経緯として語られているのは、最初に作られたのが“鑑定UIだけ”であり、戦闘は後付けだったという逸話である。鑑定UIは、誤読率を下げるために文字幅をわずかに変え、結果的に読みやすさが評判になったと記録されている。ただし、わずかな調整のためにフォントライセンス契約が三度も更新されたという細かな混乱が、開発史として語られている[20]。
スタッフに関する小ネタとして、敵組織「誤象教団マリオン」の幹部名が、開発中の誤入力ログから自動生成されたとされる。実際には人名に見えるが、初期は文字列の塊だったとされ、最終的に語感の調整だけが行われた、と当時の新人デザイナーが証言したとされる[21]。
制作体制は分業化が進み、物語班とシステム班が互いのパラメータを知らない状態で進められた。ゆえに、物語上の“勝利条件”と、実装上の“評価関数”が最初は一致せず、完成直前に統合作業が12時間延長されたとされる[22]。
音楽[編集]
音楽は、作曲家の「鈴ノ宮(すずのみや)ユウト」が中心に据えられたとされる。鈴ノ宮は“蒼天の厚み”を音程で表現する方針を取り、層圧の増加に合わせてテンポが 1.5%ずつ上がるよう設計した、と説明されている[23]。
サウンドトラックは『蒼天譜(そうてんふ)』として全5枚構成で発売された。収録曲のうち「裂音・序」が平均 3分14秒である一方、「裂音・終」は 6分47秒とされ、終盤ほど“呼吸の間”が長くなる仕掛けがあるとファンが解析した[24]。
また、蒼天裂の発生予兆はBGMの弱い倍音で示される。プレイヤーは気づかないまま回避行動を取りやすくなるため、結果として“難易度が理不尽ではない”と評価された面もあるとされる[25]。
評価[編集]
売上は全世界累計で 164万本を突破したとされる(第2作合算)。特に第3作『蒼天譚 蒼層監査篇』が牽引し、発売初月で 38.2万本に達したとされる[26]。
国内では「日本ゲーム大賞」を受賞したと公式に言及され、レビュー側は“システムの事務性が物語の熱量を増幅した”点を評価した。しかし一方で、鑑定優先度の説明が難解であるという批判もあり、攻略本が複数の版で数値表を差し替える事態になった[27]。
なお、ある有名記事では「蒼天譚シリーズは総プレイ時間の中央値が 17,340分である」とする統計が引用されたが、のちに統計元が社内ダッシュボードのスクリーンショットに過ぎなかったとして、信頼性が揺らいだと指摘されている。とはいえ、その数字の“妙な具体性”が逆に記憶に残り、結果として検証されないまま定着した[28]。
関連作品[編集]
メディアミックスとして、テレビアニメ『蒼天譚-蒼層裁定-』が制作され、物語の“会計”テーマが強調された。アニメ版では第2作のストーリーが短縮され、その代わり主人公の内心独白が増量されたとされる[29]。
また、小説『朱印札の作法』(全3巻)では、朱印札の発行手続きが儀式として描かれ、ゲーム未収録の星塵レシピが提示される。さらに漫画『裂音ノート』は、BGM解析が物語の鍵になるという独自解釈で支持を得た[30]。
関連商品としては、星塵鑑定チャートを印刷した“蒼度定規”が数量限定で販売された。定規の目盛りは実測に基づくとされながら、後日、目盛りがズレていたために交換対応が行われたと報告されている[31]。
関連商品[編集]
攻略本には『蒼天譚シリーズ完全鑑定 改訂第6版』があり、誤読率低減のために用語集の索引ページが色分けされているとされる[32]。ただし改訂第6版でのみ、破片番号の表の右端が印刷上欠けていると指摘された回があり、“欠けこそがヒント”としてネタにされた[33]。
書籍では、渡辺精一郎監修の『蒼天の会計原理 第1巻』が出版され、ゲームデータの評価関数を一般向けに解釈する形でまとめられたとされる[34]。また、研究者向けには『風環獣の鑑定学: 立証と物語の接点』(Vol.2)が刊行され、ゲーム研究の文脈で引用されることがあるとされる[35]。
その他の書籍として、サウンドトラックの譜面を収録した『蒼天譜(楽譜集)』があり、複数のページでページ番号が重複していると当時話題になった(ただし不具合ではなく“演出”と説明された)[36]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 蒼天譚機関編集部『蒼天譚シリーズ公式航路記録(第1版)』青空流通株式会社, 2008.
- ^ 渡辺精一郎「鑑定UIが物語を運ぶ—誤読率再設計の実務」『日本インタラクティブ設計年報』Vol.12 No.3, pp.41-58, 2009.
- ^ 伊勢原ミオ「評定官補佐の可変台詞生成に関する試行」『ゲーム文章学研究』第2巻第1号, pp.101-126, 2011.
- ^ 鈴ノ宮ユウト「層圧とテンポの線形近似—裂音生成アルゴリズムの概説」『音響計算ジャーナル』Vol.7 No.2, pp.13-27, 2010.
- ^ M. A. Thornton「Designing Administrative Play: RPGs and Bureaucratic Loops」『Proceedings of the International Symposium on Game Fiction』Vol.4, pp.220-233, 2012.
- ^ 藤堂九十九「蒼天譚における交易会計の語り—勝利条件の再定義」『物語ゲーム学論集』第9号, pp.77-96, 2013.
- ^ 青空流通株式会社「『蒼天譚 蒼層監査篇』販売動態(初月集計)」『青空流通白書』pp.55-61, 2010.
- ^ 佐々木寧「オンライン判定がシナリオ分岐に与えた影響について」『対戦設計研究会報告』第6巻第4号, pp.1-9, 2011.
- ^ 荒井しおり「風環獣の弱点露出率—プレイヤー行動ログからの推定」『行動ログ統計と娯楽』Vol.3 No.1, pp.33-49, 2014.
- ^ 誤象教団マリオン学会「矛盾の索引と鑑定結果一致条件」『蒼天裂論叢』第1巻第2号, pp.5-12, 2015.
外部リンク
- 蒼天譚航路局公式アーカイブ
- 蒼度定規のユーザー交換記録
- 蒼天譚機関 年表サポートページ
- 裂音解析コミュニティ
- 朱印札ジェネレーター