金管アンサンブルBliss
| 名前 | 金管アンサンブルBliss |
|---|---|
| 画像 | Bliss_official.jpg |
| 画像説明 | 結成10周年記念ライブ(神戸・みなとホール) |
| 画像サイズ | 250px |
| 画像補正 | 1.2 |
| 背景色 | #2F79A8 |
| 別名 | Bliss(略称)/ 青い金管倶楽部(通称) |
| 出生名 | — |
| 出身地 | |
| ジャンル | 金管アンサンブル、シティ・ファンファーレ、クロスオーバー |
| 職業 | 音楽グループ |
| 担当楽器 | トランペット、ホルン、トロンボーン、ユーフォニアム、チューバ、パーカッション |
| 活動期間 | 1997年 - 現在(2020年以降は断続的活動) |
| レーベル | 暁月音楽工房 |
| 事務所 | 澄響プロダクション |
| 共同作業者 | 音響デザイン:[[海星工房]]、作曲:[[渡雲ミナト]]ほか |
| メンバー | 東雲(しののめ)リョウ/ 明石(あかし)サラ/ 皐月(さつき)ナオ/ 夕凪(ゆうなぎ)ケイ/ 浜波(はまなみ)ユウ/ 澪標(みおつな)ミチル |
| 旧メンバー | — |
| 公式サイト | https://brassbliss.example.com |
金管アンサンブルBliss(きんかんあんさんぶるぶりす)は、日本の6人組[[金管]]アンサンブルである。所属事務所は[[澄響プロダクション]]、レコード会社は[[暁月音楽工房]]。[[1997年]]に結成、[[2003年]]にメジャーデビュー。略称および愛称は「Bliss」。公式ファンクラブは「青い金管倶楽部」。
概要[編集]
金管アンサンブルBlissは、[[兵庫県]]を拠点に活動する6人組金管アンサンブルである。特徴として、既存の吹奏楽譜に寄せない「金管だけの“呼吸設計”」を打ち出した点が挙げられる。とくにメンバーが各曲の頭で必ず行う“深呼吸カウント(4-1-7)”が、のちに模倣されるほどの定番行動となったとされる[1]。
結成は[[1997年]]で、同年の神戸港周辺の再開発に合わせて生まれた地域の社会実験「港区サウンド・プロトコル」を前身とする説がある。公式には「偶然のアイデア」と説明されてきたが、実際には当時、管楽器の音圧を“観客の導線”に合わせる研究会が[[神戸市立音響研究所]]で組織されていたとされる[2]。このためBlissは、純粋な演奏集団でありながら、のちに街のイベント設計にも影響を与える存在になったと評価されている。
メンバー[編集]
メンバーは東雲リョウ、明石サラ、皐月ナオ、夕凪ケイ、浜波ユウ、澪標ミチルの6名である。彼らは結成以来、楽器の固定にこだわりつつも、楽譜上の役割は曲ごとに入れ替える“準交換制”を採用しているとされる[3]。
東雲リョウはトランペットを担当し、即興のブレス(息継ぎ)パターンを“言語化”することで知られる。明石サラはホルンを担当し、音程の細部を「色温度」に見立てて表現する癖があるとされる。皐月ナオはトロンボーン、夕凪ケイはユーフォニアム、浜波ユウはチューバ、澪標ミチルはパーカッション兼アレンジを務めるとされる[4]。
また、2014年頃からは演奏面に加えて、作詞作曲の一部にも関与するようになった。とくに澪標ミチルは、合図のブレス記号を楽譜に起こす作業を“楽員台帳”と呼び、ファンクラブ会報に掲載していた時期がある。なお、この呼称の由来は内部資料によれば「提出期限が13分刻みだった」ことに由来するとされるが、真偽は定かでない[5]。
バンド名の由来[編集]
バンド名の「金管アンサンブルBliss」は、当初「Bliss」という英単語が“至福”ではなく“B(ベル)・L(ラージベル)・I(アイドリング)・S(サイレントブレス)”の略として使われていたことに由来するとされる。澄響プロダクション側は、音響設計上の手順書がその頭文字で呼ばれていたことが名前になったと説明した[6]。
一方で、結成直後の仮スタジオに貼られていた看板が“青い金管のロッカー”であり、そこに「Bliss=箱の中で音が泣き止む」と書かれていた、という逸話も伝わっている[7]。さらに、最初の合奏で鳴った響きがあまりに気持ちよく、メンバーが「bliss…って叫んだ」と語り継がれることもある。ただし、この“叫んだ日”が何月何日だったかは記録が揺れている。
来歴/経歴[編集]
結成(1997年)[編集]
1997年、神戸市内の若手管楽器奏者が集められ、港区イベント用の「可聴アナウンス」研究が始まったとされる。研究会は形式上は[[神戸市立音響研究所]]の関連団体とされたが、実態としては澄響プロダクションの前身スタッフが設計したと推定されている[8]。
最初の合奏は、みなと周辺の夜風が最も安定する“第2観測帯(毎週火曜22時〜22時30分)”で行われたという。細かいが、この時間帯が採用された理由は「潮の反射が高周波を削る」ためと説明された[9]。当時の曲は即興中心で、アレンジは“耳で数える”手法が主流だった。
インディーズ(2000年)[編集]
2000年、Blissは自主制作盤『青い金管の息』を1000枚だけ制作したとされる。そのうち約47枚が、配布先の倉庫で湿気により片面だけが曇ったため、のちに「曇り盤」としてオークションに出回ったと語られることがある[10]。
このころ、ラジオ番組[[KOBE FM]]の深夜枠で“金管だけの都市伝説”というコーナーが始まり、Blissの即興が繰り返し流れた。番組はリスナー投稿で盛り上がり、最終的に「泣ける金管」というキャッチコピーが商標出願されたともされるが、出願の有無は当時の書類が見つかっていない。
メジャーデビュー(2003年)[編集]
2003年、暁月音楽工房よりメジャーデビューした。デビュー作はシングル『港灯(みなとあかり)』で、発売初週にオリコンの上位を占めたとされる。ただし資料によっては“初週2位”と“初週1位”が混在しており、編集者の間でも確定していないとされる[11]。
同年のライブでは、曲間の無音時間を平均12.6秒に揃える試みが話題となった。これは舞台照明のタイマーが12.6秒刻みだったためだと説明されるが、実際には暗転の心理効果を検証する目的もあったとされる[12]。
メジャー拡大(2008年〜2012年)[編集]
2008年にはアルバム『呼吸回路(こきゅうかいろ)』でシーンを拡大した。2010年には全国ツアー「Bliss導線ライブ」を実施し、会場の誘導BGMとして編曲が使われたとされる。ここでの編曲は、駅のアナウンス周波数帯を避けるよう調整されたという逸話が残っている[13]。
2012年には初のベストアルバム『金管アンサンブルBliss:青の全記録』をリリースし、累計売上は約38万枚に達したと報じられた[14]。ただし、当時の集計方法は“CD換算”と“配信換算”が混ざっていた可能性が指摘されている。
断続的活動(2020年以降)[編集]
2020年以降は社会状況の影響で活動が断続的になったとされる。一方で、在宅配信のために「自宅トランペット練習会」を月1回開催したことが話題となった。練習会では、各家庭のキッチンタイマーを揃えるという奇妙なルールが設けられたとされるが、理由は“同じ秒数が脳内で位相を揃える”という仮説に基づくとされる[15]。
また、2022年には[[NHK]]向けに特番『金管の向こうの静けさ』が制作されたが、放送前に一部映像が差し替えられたと報じられた。差し替え理由は「一瞬だけ映った楽譜の手書きが、内部の設計メモに見えたため」とされる。
音楽性[編集]
金管アンサンブルBlissの音楽性は、金管の素材感を前面に出しつつ、メロディよりも“呼吸の周期”を主役に据える点に特徴があるとされる。音楽評論家の間では、彼らを「吹奏楽の延長ではなく、身体運動の音響化を行う集団」と評する見方がある[16]。
代表曲では、トランペットとトロンボーンが同じ音程を保ちながら、攻撃の瞬間(アタック)の時間差を0.03秒単位でずらす手法が用いられるとされる。これにより、聴き手に“遅れて届く安心”が生まれるという説明がなされた[17]。また、曲によってはパーカッションがメトロノームの代替を担い、観客の足拍子を前提にテンポが微調整されるという。
一方で、作品によっては過剰な設計が“演奏の自由度を奪う”という批判も出ている。ただしBliss側は、「設計があるからこそ、余白が際立つ」と回答したとされる。なお、この“余白”の定義は「無音12.0秒+残響期待値(測定値)0.7」と内部資料では記載されていたという。
人物[編集]
金管アンサンブルBlissは、個々の奏者の性格が極端に対照的であることでも知られる。東雲リョウは短い即興を好むのに対し、浜波ユウは長い基音を維持することに快感があるとされる。明石サラは客席の動きを見て譜面の強弱を決めるとされ、夕凪ケイは舞台袖で“太陽の角度”を記録してから演奏する習慣があるという[18]。
澪標ミチルは、アレンジ作業の際に必ず「誰の息が一番早くなるか」を書き込み、そのページだけ厚紙で挟むことで保存したとされる。なお、この厚紙が再利用されて“ファンへの封入特典”になった回があり、当時の会報で「厚紙に名残の匂いがある」と投稿が殺到したとされる[19]。
また、夕凪ケイは作詞において、海や港を扱いながらも“港は実在しない”と書くことが多いと評される。歌詞の地名はしばしば実在の[[神戸市]]や[[横浜市]]に似せられるが、実際には音節の都合で崩されている場合があると指摘されている。
評価[編集]
音楽メディアはBlissを、金管の音響的可能性を一般向けに翻訳した存在として扱うことが多い。国民的ブームとまで呼ばれた時期もあり、街の商業施設で“金管の無料BGM”が導入される流れにつながったとされる[20]。
一方で、音楽学校の一部では「彼らの設計思想は、初心者にとって逆に難解ではないか」という懸念が表明された。とくに、深呼吸カウント(4-1-7)を暗記することが目的化し、肝心の発音練習が疎かになる例があったとする報告がある[21]。
批評家は、Blissが“エンタメと技術資料の境界”を曖昧にした点を評価しつつも、過度な再現主義が作品の偶然を奪う危険も指摘した。とはいえ、再現された空気感が多くの観客の記憶に残ったことは広く認められている。
受賞歴/賞・記録[編集]
受賞歴として、[[日本レコード大賞]]に相当する「[[暁月レコード賞]]」を2011年に受賞したとされる。受賞対象はアルバム『呼吸回路』で、審査理由は「金管の残響を“音楽教育の装置”として再定義した功績」とされた[22]。
記録面では、同一ツアー内でオープニングファンファーレの平均音圧差を±0.6dB以内に抑えたとされ、これは当時の音響計測記事で大きく取り上げられた。さらに、観客がアンケートで“落ち着いた”と回答した割合が第1回公演で61.2%、第3回公演で63.7%だったと報じられた[23]。
ただし、これらの数値の算出方法については、会場ごとの計測器の違いが影響した可能性があるとする指摘がある。もっとも、Bliss自身は「数値は結果であり、目的ではない」とコメントしていたと伝えられる。
ディスコグラフィ[編集]
シングルとして『港灯(みなとあかり)』(2003年)、『青の導線』(2006年)、『4-1-7の約束』(2009年)、『静けさのベル』(2013年)、『潮の位相(いそう)』(2018年)がリリースされたとされる。
アルバムとして『青い金管の息』(2000年・インディーズ)、『呼吸回路』(2008年)、『青の全記録』(2012年・ベスト)、『残響設計図』(2016年)、『導線の彼方』(2021年)が挙げられる。映像作品として『Bliss導線ライブ2010(夜行)』(2010年)と『金管の向こうの静けさ(特番映像)』(2022年)がある。
また配信限定シングルとして『キッチンタイマー交響』(2020年)があり、再生数が最初の72時間で約1,200万回再生を突破したと報じられた[24]。ただしこの数字は公式発表と配信プラットフォーム側で表記方法が異なったため、集計の差が出た可能性がある。
ストリーミング認定[編集]
ストリーミング認定として、配信シングル『4-1-7の約束』が複数回ゴールド相当の認定を受けたとされる。一般向けには「累計約3億再生」と説明されることが多いが、資料によっては“視聴”と“再生”の区別が揺れている[25]。
また、ライブ映像『Bliss導線ライブ2010(夜行)』は公開から1年で視聴時間合計が約4,500万分に達したと報じられた。いずれにせよ、金管アンサンブルの枠を越えて若年層にも浸透した点が評価されている。
タイアップ一覧[編集]
タイアップとして、2010年に映画『港の向こう側』(架空作品ではなく同名の実在扱いの扱いだとされる)で『港灯(みなとあかり)』が主題曲に採用されたとされる。ほか、[[神戸市]]の観光キャンペーンにおいて“金管の導線BGM”が採用され、『青の導線』が館内放送として使われた時期がある[26]。
さらに、[[NHK]]の番組『楽器で旅する日本』の企画内で“呼吸の科学”コーナーにBlissが参加したとされる。参加回では、メンバーが“呼吸を測る”ために家庭用体重計を改造したという逸話も紹介されたが、のちに誤解を招く表現だったとして訂正された。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
ライブ・ツアーとしては、2010年の「Bliss導線ライブ」、2013年の「静けさのベル全国行脚」、2016年の「残響設計図リサイタル」、2019年の「潮の位相ミッドナイト公演」が代表例とされる。
とくに2013年の公演では、各会場で“開演前の無音が最長のホール”を条件として選定したという。会場の選定基準は「室内残響が0.86秒以上」だったとされ、音響技術者がわざわざ周波数応答を測定したと報じられた[27]。
なお、2021年の「導線の彼方」ツアーでは、観客に配布された小型リーフレットに“自分の息を記録する欄”があり、記入率が会場で平均42%だったとされる。数字が妙に具体的であるが、発表資料には“集計担当者の気まぐれ”とあるため信頼性は揺れている。
出演[編集]
テレビ出演として、[[日本テレビ]]の音楽バラエティ番組『週末金管劇場』にゲスト出演した回があるとされる。ラジオでは[[J-WAVE]]の特番『息の都市』で、楽曲のアレンジ背景が語られた。
映画・CMでは、[[横浜市]]の交通広告において“次の一拍を作る金管”というコピーでBlissが起用されたとされる。また、飲料メーカー[[北海レモン]]の期間限定CMにて『潮の位相(いそう)』が流れ、金管の音が炭酸の泡の周期に合わせていると説明された[28]。なお、当該CMの泡の周期は計測値が一致していなかったとする指摘もある。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
Blissは[[NHK紅白歌合戦]]に、2017年と2020年の2回出場したとされる。2017年は“金管×合唱”の特別編成で、2020年は“無観客で事前撮影した映像を合成する”方式であったと説明された[29]。
ただし、紅白出場の際に披露された楽曲のうち『静けさのベル』の放送尺が、資料によって19分なのか21分なのかが揺れている。編集の都合で誤差が生じた可能性があるともされるが、視聴者からは「カットが少なかった」との声が多数寄せられたとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 澄響プロダクション編『金管アンサンブルBliss:青い金管倶楽部記録集』澄響出版, 2013年.
- ^ 渡雲ミナト「呼吸の周期が聴取体験を変える—金管アンサンブルBlissの設計思想」『音響芸術研究』第12巻第3号, pp.41-58, 2009年.
- ^ 東雲リョウ「無音時間12.6秒の意味—舞台照明との同期」『舞台音楽年報』Vol.7, pp.201-219, 2011年.
- ^ 海星工房「都市の導線における金管BGMの周波数回避」『都市音響ジャーナル』第5巻第1号, pp.9-27, 2010年.
- ^ 明石サラ「色温度としてのホルン音程」『器楽研究』第18巻第2号, pp.77-92, 2015年.
- ^ 日本放送協会編『楽器で旅する日本:番組資料集(第3集)』NHK出版, 2018年.
- ^ 暁月レコード賞委員会『暁月レコード賞審査要項と講評』暁月レコード賞事務局, 2011年.
- ^ KOBE FM編『夜のコーナー大全:週末金管劇場の前史』KOBE FM出版, 2002年.
- ^ 山田清隆『オリコン・データの読み方—再生・視聴の混在問題』統計文化社, 2020年.
- ^ Harrison, Emily. “Breath-Driven Ensemble Performance.” Journal of Spectral Music, Vol.4, No.2, pp.113-136, 2017.
- ^ Thompson, Robert. “The Myth of Silence in Brass Arrangements.” International Review of Performance Arts, 第3巻第1号, pp.1-19, 2016.
外部リンク
- 金管アンサンブルBliss 公式サイト
- 澄響プロダクションアーティストページ
- 暁月音楽工房 ディスコグラフィ倉庫
- 青い金管倶楽部 会報アーカイブ
- 神戸港区サウンド・プロトコル 記録館