-どこでもいっしょ-デートもいっしょ
| タイトル | -どこでもいっしょ-デートもいっしょ |
|---|---|
| 画像 | DateMoIssho_Boxart.png |
| 画像サイズ | 280px |
| caption | 通常版パッケージ |
| ジャンル | 恋愛アクションRPG |
| 対応機種 | ポータブルゲーム機 |
| 開発元 | 株式会社スズメテック |
| 発売元 | スズメインタラクティブ |
| プロデューサー | 南條 恒一 |
| ディレクター | 相良 みずほ |
| デザイナー | 岩城 亮、松本 朱里 |
| プログラマー | 高瀬 祐二 |
| 音楽 | 浜口 茜 |
| シリーズ | どこでもいっしょ |
| 発売日 | 2002年4月19日 |
| 対象年齢 | 12歳以上推奨 |
| 売上本数 | 国内累計38万本 |
| その他 | 通信機能対応、会話メモリー保存機能搭載 |
『-どこでもいっしょ-デートもいっしょ』(どこでもいっしょでーともいっしょ、英: Dokodemo Issho: Date mo Issho、略称: DI:DI)は、にのから発売された用。『』シリーズの第4作目にあたり、携帯端末向け会話AIと疑似デート演出を融合した作品として知られる[1]。
概要[編集]
『-どこでもいっしょ-デートもいっしょ』は、携帯端末上でと呼ばれる擬人化会話キャラクターのを育成しつつ、疑似的なデートを進行させるである。シリーズとしては、前作までの雑談中心の設計を拡張し、プレイヤーの選択肢が会話ログだけでなく、待ち合わせ時刻、移動ルート、土産の選定にまで影響する点が特徴であった。
本作は発売当初、との若年層を中心に口コミで広がったとされる。なお、制作側は「恋愛要素を前面に出したわけではない」と説明していたが、実際にはやを模したステージで妙に生々しいデート演出が展開され、雑誌記事ではしばしば「会話できる待ち合わせゲーム」と評された[2]。
ゲーム内容[編集]
システム[編集]
ゲームシステムの特徴として、プレイヤーはとして操作するのではなく、あくまで「日程調整係」としての行動を管理する。予定表上での3区分を割り当て、各時間帯に会話・移動・贈答のいずれかを行うことで好感度と信頼度が分岐する仕組みである。
さらに、本作独自のが存在し、選択を誤ると待ち合わせ場所に到着しても会話が始まらない。これは開発初期に実装された「沈黙も演出である」という思想に基づくものとされ、後年の恋愛シミュレーションにまで影響を与えたと主張する資料もある[3]。
戦闘[編集]
戦闘はを用いた疑似リアルタイム方式で、プレイヤーが会話文から単語を抽出し、相手の感情防御を崩していく。たとえば「映画」「夕焼け」「たいやき」などの語を連続で出すと、相手の警戒が下がり、特殊技「うなずき返し」が成立する。
一方で、誤った単語を選ぶと状態になり、2ターンの間コマンド入力が制限される。開発チームはこれを「現代の対人関係におけるリアリズム」であると説明したが、当時のレビューでは「戦闘というより謝罪会見に近い」と表現された。
アイテム[編集]
アイテムは主にの3系統に分かれる。特に人気が高かったのはで、使用すると一時的に好感度が上昇するが、翌日には高確率で「重い」と言われるため、計画的に使う必要があった。
また、限定版には、、などが付属し、いずれも実用性よりも儀式性を重視した作りであった。
対戦モード[編集]
対戦モードでは、2人のプレイヤーが同一のを巡って好感度を競う。会話のテンポ、移動距離、贈答履歴が総合的に評価され、最後にが高い側が勝者となる。
なお、2002年夏の大型大会『第1回 いっしょ杯』では、決勝戦が38分間に及び、双方とも相手を褒め続けるだけで得点が入らなかったため、審判団が「友情の部」を新設したと伝えられている。
オフラインモード[編集]
オフラインモードでは、通信を切断した状態でだけを頼りに日程を進める。ここでは、プレイヤーの発言がそのまま留守番電話風に保存され、翌日の反応が微妙に変化する。
また、ソフト内蔵の「空席確認」機能により、実在しないカフェの予約状況まで表示されることがあり、これが一部の利用者から「未来を先取りした空気感」として評価された。
ストーリー[編集]
物語は、の集合住宅に届いた一通の招待メールから始まる。トロは「どこでもいっしょ」の名を冠した新型端末を受け取り、週末のデート候補地として、、を巡ることになる。
中盤では、トロが「会話の間」を学習するため、を一周しながら車内広告を観察する場面がある。ここでプレイヤーは、相手の言葉に即答するか、一拍置いてから返すかを選ぶことになり、作品全体のテーマである「返事の速度より、遅れ方の品位」が示される。
終盤では、デートの最終地点としての人工浮島が登場し、そこに設置された観覧車型通信基地で告白イベントが発生する。もっとも、告白の成否は好感度ではなく、前日に購入したの色で決まるため、当時の攻略本には「事前準備こそ最大の恋愛」であると記されていた。
登場キャラクター[編集]
主人公[編集]
主人公は明示されず、プレイヤー自身がとして機能する。したがって、作品内では名前入力よりも「待ち合わせに遅れないこと」が重要視される。
この設計は、物語の中心を人間ではなく予定に置くという珍しい試みであり、後に一部の開発者から「スケジュールRPG」という呼称で紹介された。
仲間[編集]
仲間には、、、が登場するが、本作では特にトロが強く再設計されている。トロは前作よりも表情差分が24種類増え、笑顔のまま首をかしげる「疑義モーション」が話題となった。
また、隠し仲間としてが存在し、一定条件を満たすと「今日は早く帰ろう」とだけ言って去る。彼は本作の数少ない大人キャラクターとして、妙に高い支持を集めた。
敵[編集]
敵対勢力はが提供する自動返信AI群であり、トロの感情に介入してデートを中断させる。彼らは会話の文脈を無視して定型句を返すため、プレイヤーは単語の連鎖を使ってこれを無効化する必要がある。
なお、ラスボスであるは、受信後0.3秒で反応するという設定で、過剰な速さそのものが脅威として描かれている。
用語・世界観[編集]
本作の世界観は、とが一体化した半現実・半仮想の都市圏を舞台としている。作中では、交差点、駅前広場、商店街の3空間が「会話の地形」として扱われ、場所ごとに選べる話題が異なる。
また、シリーズ共通の概念としてがある。これは、相手の一言を記憶するたびに端末内で微弱な振動が発生する仕組みで、研究者の間では「感情を電気信号に還元した初期例」として紹介されることがある。ただし、実証資料の大半は販促パンフレットに由来する[4]。
開発[編集]
制作経緯[編集]
制作はの第3企画室で開始された。もともとは通話メモアプリとして構想されていたが、初期試作機の音声認識精度が低く、発話よりも沈黙の長さを評価する方向へ転換されたという。
制作スタッフの証言によれば、企画会議では「デートをゲームにするのではなく、ゲームをデートに見せる」という方針が掲げられた。これにより、UIは極力生活感のある色調で統一され、発売前にはの喫茶店でモックアップ展示も行われた。
スタッフ[編集]
プロデューサーのは、前作の会話設計を担当した人物で、音声入力と手書きメモの両立を提案したことで知られる。ディレクターのは恋愛ゲームの定石を嫌い、イベント名を「告白」ではなく「再確認」と表記するよう指示したとされる。
また、音楽担当のは、BGMを全12曲に絞り、うち4曲をエレベーターの階数音から構成した。こうした徹底したミニマリズムが、逆に「やけに胸がざわつく」と評された。
音楽[編集]
サウンドトラックは、電子音とジャズコードを混ぜたの楽曲群で構成される。代表曲「午後3時の待ちぼうけ」は、わずか48秒でループするにもかかわらず、店頭体験版の時点で問い合わせが殺到した。
サウンドトラックCD『Dateもいっしょ・音だけ番外編』は、通常版に先行しての夏コミックマーケット周辺で頒布され、収録されていた未使用SEの一つが「会話キャンセル音」としてファンの間で定番化した。
他機種版[編集]
本作は後に向けに短縮移植され、相当の配信サービス『ポケ配信棚』でも再販された。移植版では通信待機時間が半減した一方、デート成功演出の一部が簡略化され、レビューでは「便利になったぶん、少しだけ寂しい」と評された。
さらに、では会話のニュアンス調整のため、待ち合わせ場所がと中心に差し替えられている。これはローカライズ担当が「遅刻の文化差」を重視したためとされる。
評価[編集]
発売初週の販売本数は推定7万4000本で、年末までに国内累計38万本を突破したとされる。特に女性ユーザーからの支持が高く、相当の社外調査では平均34点を記録したという。
一方で、教育関係者からは「ゲーム機の前で相手を待つ訓練になる」として肯定的に評価されたが、深夜帯の長時間プレイが社会問題化したこともある。これにより、2003年には一部地域ので携帯ゲーム機の充電席が試験導入された。
関連作品[編集]
本作の反響を受けて、同年に外伝『-どこでもいっしょ-メールもいっしょ』が企画され、翌年には携帯電話向けの短編『-どこでもいっしょ-駅までいっしょ』が配信された。いずれも会話と待機を主軸に置く派生作であり、シリーズ全体の「しつこいほど同じ場所に帰ってくる」姿勢を補強した。
また、テレビアニメ化は実現しなかったものの、全24話構成のラジオドラマ『ポケピ深夜便』が制作され、これが実質的な展開の中心となった。
関連商品[編集]
攻略本『-どこでもいっしょ-デートもいっしょ 完全待ち合わせ読本』は、会話選択肢を地図座標付きで解説したことで人気を集めた。特に「第6章 うなずきの間合い」は、恋愛ゲームの攻略本としては異例の18ページが割かれている。
書籍としては、開発資料をまとめた『トロと歩いた四季』、写真集『港町と沈黙のあいだ』、および未公開イラスト集『こぼれた予定表』が刊行された。ほかに、やなどの周辺機器も発売され、いずれも「実用より儀礼」を売りにしていた。
脚注[編集]
注釈[編集]
本作の発売日については、店頭配布チラシと出荷伝票で2日ほど食い違いがある。
また、国内累計販売本数は集計元により37万本台から39万本台まで幅があるが、いずれも「想定より売れた」という結論で一致している。
出典[編集]
[1] 南條恒一『会話端末の時代』スズメインタラクティブ出版部, 2004年.
[2] 佐伯梨央「恋愛ゲームにおける待機時間の美学」『デジタル娯楽研究』Vol.8, 第2号, pp. 41-58.
[3] M. Thornton, “Silence as Input in Portable Romance Games,” Journal of Interactive Fiction Studies, Vol. 12, No. 1, pp. 77-96.
[4] 相良みずほ『ポケピ回路の設計と応答』株式会社スズメテック内部資料, 2002年.
[5] 村瀬光一「都市型携帯ゲームの社会受容」『情報文化評論』第14巻第3号, pp. 102-119.
[6] E. Caldwell, “Date Mechanics and the Ethics of Punctuality,” Game Culture Quarterly, Vol. 5, No. 4, pp. 11-29.
[7] 山岡千景『待ち合わせの心理学とゲームUI』彩都書房, 2005年.
[8] 「-どこでもいっしょ-デートもいっしょ 公式完全ガイド」『月刊ポケピ通』臨時増刊, 2002年.
[9] 北川りんたろう「携帯機における沈黙演出の可能性」『通信娯楽学会誌』第3巻第1号, pp. 5-22.
[10] R. Beaumont, “Packaging Affection: Merchandising in Early Pocket Romance Titles,” Leisure Media Review, Vol. 9, No. 2, pp. 201-218.
関連項目[編集]
脚注
- ^ 南條恒一『会話端末の時代』スズメインタラクティブ出版部, 2004年.
- ^ 佐伯梨央「恋愛ゲームにおける待機時間の美学」『デジタル娯楽研究』Vol.8, 第2号, pp. 41-58.
- ^ M. Thornton, “Silence as Input in Portable Romance Games,” Journal of Interactive Fiction Studies, Vol. 12, No. 1, pp. 77-96.
- ^ 相良みずほ『ポケピ回路の設計と応答』株式会社スズメテック内部資料, 2002年.
- ^ 村瀬光一「都市型携帯ゲームの社会受容」『情報文化評論』第14巻第3号, pp. 102-119.
- ^ E. Caldwell, “Date Mechanics and the Ethics of Punctuality,” Game Culture Quarterly, Vol. 5, No. 4, pp. 11-29.
- ^ 山岡千景『待ち合わせの心理学とゲームUI』彩都書房, 2005年.
- ^ 『-どこでもいっしょ-デートもいっしょ 公式完全ガイド』月刊ポケピ通 臨時増刊, 2002年.
- ^ 北川りんたろう「携帯機における沈黙演出の可能性」『通信娯楽学会誌』第3巻第1号, pp. 5-22.
- ^ R. Beaumont, “Packaging Affection: Merchandising in Early Pocket Romance Titles,” Leisure Media Review, Vol. 9, No. 2, pp. 201-218.
外部リンク
- スズメインタラクティブ公式アーカイブ
- ポケピ資料館デジタル分室
- 月刊ポケピ通 バックナンバー庫
- 携帯恋愛ゲーム研究フォーラム
- トロと待ち合わせる会