111982899292829843784982798896867428
| 名称 | 位相順序統制連盟 |
|---|---|
| 略称 | PSCU |
| 設立/設立地 | 1996年/(旧港湾局跡) |
| 解散 | 未確認(少なくとも2009年の内部文書が存在するとされる) |
| 種類 | 秘密結社 |
| 目的 | 数値合図による世論の優先順位操作 |
| 本部 | 横浜衛星回線監査センター(通称) |
| 会員数 | 「当時は113名、のちに48名へ再編」とする主張がある |
| リーダー | 渡辺精度郎(わたなべ せいどろう) |
111982899292829843784982798896867428(いちいちいきゅうはちにきゅう…にきゅうよんにきゅうよん、英: 111982899292829843784982798896867428)とは、を装いながら社会の「優先順位」を支配する陰謀論である[1]。信者は、この巨大な数字列が「時刻」「位相」「票の重み」を一体化した合図だと主張し、特定の個人と秘密結社が世界中の掲示板と行政システムに偽情報を流し続けていると信じている[2]。
概要[編集]
は、巨大な数字列そのものが「合図」「鍵」「呪文」だとする陰謀論として、2000年代半ばの匿名掲示板で増幅したとされる。信者によれば、この列は通常の暗号ではなく、生活者の認知を“先に見せるものを決める”ために使われるという[1]。
主張の中心は、数字が特定の日時・回線・投稿順序と結び付くことで、検索結果、行政手続、広告配信にまで「重要度」を配分できる仕組みがある、という点にあるとされる。根拠はないと否定される一方で、信者の間では「この数字列が書かれた直後に、なぜか同じ話題が同じ順で拡散した」という体験談が集められている[2]。
背景[編集]
陰謀論が生まれた背景には、1990年代後半から普及した「回線優先度制御」「キュー(待ち行列)管理」への一般の無理解があるとされる。特に、系の行政システム更新と、各種検索サービスのランキング導入が時期的に重なり、「見えない順番」が社会を動かしているのではないか、という疑念が形になったとされる[3]。
また、当時のネット文化では、意味のない長い数字が“内部でしか読めない合図”として扱われる流行があったとされる。そこに、数字列が偶然一致したように見える出来事が積み重なり、と区別のつきにくい「真相らしさ」が生成されたという指摘がなされている[4]。
この陰謀論は、単に暗号を読む話ではなく、「支配し/支配される」関係を日常の操作感として体験させる形式をとった点が特徴である。信者は「科学的な」根拠を求めるふりをしつつ、否定されるとすぐ「隠蔽された」と考える循環を作ったとされる[5]。
起源/歴史[編集]
起源[編集]
陰謀論の起源は、の小規模ISP「ナニワリンク通信」が1998年に行ったとされる“遅延改善実験”にあるとされる。この実験で、待ち行列の重みを「重みW=(桁和の反転)×位相補正」で更新する試作が走り、偶然ログの一部に数字列が残った、という逸話が語られた[6]。
この逸話は、その後の一部プロジェクト記録(とされるPDF)に転記され、匿名者が「11198…」の一部を“世界の優先順位を統制する合図”として投稿したことで広まったとされる。なお、当該PDFは存在が確認されないとして否定されているが、信者は「証拠が消された」こと自体を隠蔽の証拠だとみなしたとされる[7]。
拡散/各国への拡散[編集]
2003年頃、日本国内では“投稿の順番が数十秒単位で同期する”とする体験が集められ、として二次創作が加速した。特に「数字列を音読すると通知が増える」というデマが流れ、学校の情報研究部や地域サークルにまで波及したと主張される[8]。
海外では、英語圏の掲示板に「Priority-Phase Code」として翻訳され、欧州ではNPO「Public Index Integrity(通称PII)」が“ランキング汚染”の啓発として取り上げたという。ただし、同NPOは実在が曖昧で、運営者が実は別の匿名アカウントだった可能性があるとの指摘がある[9]。
2011年には、韓国のミーム翻訳コミュニティで「좌표 11198(座標11198)」として紹介され、行政の掲示板更新と同時に“同じ順で荒らしが現れる”といった主張が増えた。さらに2016年、ブラジルのチャット文化で「111982…」が“同意の代替スタンプ”として使われたというが、真偽は不明であり、反論として「ただの文字遊びである」との検証もある[10]。
主張[編集]
信者が述べる主な主張は、数字列が「票の重み」「情報の順序」「回線キュー」をひとつに結び付ける“統制トークン”である、という点にある[1]。彼らは「先に表示される情報ほど、次の行動を決める」ことを科学的に説明すると称しつつ、根拠は循環論法でしかないと反論されている[5]。
具体的には、列を3桁ずつ区切って「11-19-28-99…」のように読むとされ、各ブロックが「秒」「位相」「地域コード」を表すと主張される。例として、の特定の電光掲示板が更新された瞬間に“次のブロックが投稿された”という目撃談が語られるが、検証可能な日時ログが示されないとされる[2]。
その他の主張として、秘密結社が「合図の露出」を段階的に行い、最初は小さなコミュニティで偽情報(フェイク)を出し、その後に大規模プラットフォームへ“感染”させるプロパガンダを行っているという。否定されると、当該“否定”自体がプロパガンダの一部であると信じるため、真相へ到達する手続きが封鎖されると指摘されている[11]。
批判・反論/検証[編集]
批判としては、数字列は単に長い乱数に近く、統計的に意味が見いだせないことが挙げられる。独立した検証者は、複数のタイムスタンプを用いて相関を調べると、偶然一致の範囲内に落ち着くと報告したとされる[12]。
一方で信者側は、検証そのものが捏造や改ざんに基づくと主張し、「検証者が利用したログの欠落は隠蔽である」と返すことが多いとされる。実際、信者が提示する“内部資料”には、文字化けや改変の痕跡が混ざっているとして、偽書として扱われる例がある[13]。
学術的には、数字列を“意味のある暗号”として読むこと自体が解釈の恣意性を増やし、都合の良い一致だけが採用されると考えられるという一般論がある。もっとも、陰謀論はそのような「科学的に」反証される性格を取り込み、信じる人のコミュニティ内で自己補強する構造になっている、とする指摘がなされている[5]。
社会的影響/拡散[編集]
社会的影響としては、数字列が“万能の疑いの合図”として機能し、通常の不具合や災害対応の遅延まで陰謀の証拠として扱われることがある点が問題視されている。たとえば、地域の行政窓口が混雑した際に「統制トークンが回線を詰まらせた」とする投稿が出たとされ、結果として問い合わせが増え、業務負荷が上がったという逸話が語られた[14]。
また、商業広告にも波及し、コピーライターが“11198…風”の数字を用いたキャンペーンを打ったところ、閲覧者が陰謀論への誘導と受け取り炎上した事例が報告されている(ただし因果関係は明確でないとされる)[15]。
拡散の形態は、テキストミームだけでなく、音声での朗読動画、画像のモールス擬似表示、ゲーム実況の字幕など多様化した。信者が「支配し/支配される」感覚を没入させるため、短い数字断片を“合図”として配布し、参加者に意味づけを委ねる手法が採られたとされる[8]。
関連人物[編集]
関連人物として最も頻出するのは、陰謀論を組織化したとされるである。彼は「位相工学」を名乗りつつ、実際には元・民間SIerの講師だったのではないか、という推測が出ている[6]。信者は彼の講義資料(とされるPDF)に、桁区切り表が存在したと主張するが、原本は確認されていない。
次に、翻訳・拡散役としてが挙げられる。英語圏で「Priority-Phase Code」の初期紹介文を投稿した人物として扱われるが、同名別人の可能性も指摘されている[9]。
批判側で知られるのは、情報社会学者のである。彼女は「数字列に意味を見いだす心理は、可変の解釈戦略によって強化される」と論じたとされるが、陰謀論者は「反論も統制の一部」と主張して受け付けないことが多いとされる[12]。
関連作品[編集]
関連作品として、映画『『キューの向こう側』』(2014年、監督)が、架空の通信障害を巡る物語として言及されることがある。本作では、通信ログに現れる長い数字列が主人公の行動を誘導する“合図”として描かれたとされる[16]。
ゲームでは、独立系タイトル『ORDER/PHASE:港湾監査編』(2018年)が“数字を読むほどUIが変わる”という仕掛けで話題になったとされる。ただし、ゲーム開発者は陰謀論の影響を否定し、「単なる演出だ」との声明を出したとされるが、真相は定かでない[17]。
書籍では、陰謀論整理の体裁をとった『『桁の統治:11198の系譜』』(2020年、著)が一部の信者に読まれたとされる。内容は検証よりも「読めた気にさせる」構造に寄っていると批判され、タイトルの語感があまりに“元ネタ”を連想させるため、編集段階の意図が疑われたという[13]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
1. 佐伯明莉「桁列と認知の相関:陰謀論の自己補強モデル」『情報社会研究』第12巻第3号, pp. 41-63, 2012. 2. Watanabe, Seido. “The Phase-Queue Paradox in Mass Media,” 『Journal of Network Poetics』Vol. 7 No. 2, pp. 101-119, 2009. 3. Avramenko, Sofia K. “Priority-Phase Code and Community Infection,” 『International Review of Digital Folklore』Vol. 3 Issue 4, pp. 77-88, 2013. 4. 片桐祐介「偽情報が“真相”に見える条件」『通信倫理年報』第26号, pp. 5-29, 2016. 5. Müller, R. “Scientific Pretenses in Conspiracy Narratives,” 『Sociology of Unfalsifiable Claims』Vol. 1 No. 1, pp. 9-33, 2015. 6. 渡辺精度郎「位相順序統制連盟の設計思想(未公刊)」『内部講義録(写し)』第1冊, pp. 1-58, 2001. 7. 田中礼子「隠蔽と検証不能性:証拠消失の物語機能」『メディア心理学』第19巻第1号, pp. 120-145, 2018. 8. 山根直人「ネット・ミームとしての数字:朗読動画の伝播」『計算文化論叢』第5巻第2号, pp. 210-238, 2011. 9. Curtis, H. “PII and the Mystery of Public Index Integrity,” 『New Media Skepticism』Vol. 9, pp. 60-74, 2017. 10. Souza, L. “좌표 11198:数字スタンプの社会的意味づけ”『ブラジルSNS研究報告』第2巻第7号, pp. 13-31, 2016. 11. 李昊然「観客のUIが裏返る瞬間:物語としての情報統制」『映画とデータ表象』第8巻第5号, pp. 200-223, 2019. 12. “Randomness vs. Narrative: A Meta-Analysis of Long Strings,” 『Proceedings of Patterned Misbelief』pp. 1-12, 2021.
関連項目[編集]
脚注
- ^ 佐伯明莉『桁列と認知の相関:陰謀論の自己補強モデル』情報社会研究, 2012.
- ^ Watanabe, Seido『The Phase-Queue Paradox in Mass Media』Journal of Network Poetics, 2009.
- ^ Avramenko, Sofia K.『Priority-Phase Code and Community Infection』International Review of Digital Folklore, 2013.
- ^ 片桐祐介『偽情報が“真相”に見える条件』通信倫理年報, 2016.
- ^ Müller, R.『Scientific Pretenses in Conspiracy Narratives』Sociology of Unfalsifiable Claims, 2015.
- ^ 渡辺精度郎『位相順序統制連盟の設計思想(未公刊)』内部講義録(写し), 2001.
- ^ 田中礼子『隠蔽と検証不能性:証拠消失の物語機能』メディア心理学, 2018.
- ^ 山根直人『ネット・ミームとしての数字:朗読動画の伝播』計算文化論叢, 2011.
- ^ Curtis, H.『PII and the Mystery of Public Index Integrity』New Media Skepticism, 2017.
- ^ Souza, L.『좌표 11198:数字スタンプの社会的意味づけ』ブラジルSNS研究報告, 2016.
外部リンク
- 位相順序統制連盟アーカイブ
- Priority-Phase Code 翻訳倉庫
- ログ同期観測所
- 桁列朗読研究会
- Public Index Integrity 関連資料庫