Japanese meme elevatorのボス一覧
| 対象媒体 | 掲示板・短尺動画・画像掲示板 |
|---|---|
| 形式 | ボス名+通過条件(ときに耐久/討伐の分類) |
| 初出とされる時期 | 代後半〜代前半 |
| 主な分類 | 討伐系/耐久系/混合型 |
| 象徴モチーフ | 字幕付き効果音、誤字ネタ、擬似進行ログ |
| 閲覧の作法 | “昇降回数”を目安に記憶を上書きする |
(にほんじん みーむ えれべーたー の ぼす いちらん)は、SNS上で共有される「架空のエレベーター」を舞台にした、ボス戦仕様のまとめとして流通した一覧である。成立経緯は、国内の掲示板文化と短尺コンテンツの編集技術が交差したことにより、特定の“型”が人気化した点にある[1]。
概要[編集]
は、「日本語ミーム」を“エレベーター”に見立て、上階へ進むほど露骨に癖の強い対戦相手(ボス)に遭遇するという設定で組まれた一覧である。一覧形式であるため、単なるネタの羅列ではなく、読者が“どの手順で負けるか/勝つか”を追体験できるよう、通過条件が短文で添えられるのが特徴とされている[1]。
成立経緯は、の画像共有コミュニティにおける「進行ログ職人」が、動画の尺調整を前提に“ボス戦の説明文テンプレ”を作り、結果として一覧化が進んだことにあると説明される。ただし、同時期に別のコミュニティでも類似の概念が発生しており、編集者同士が「うちの定義が先だ」と競合したため、分類(討伐系・耐久系など)の内訳が細かく増殖したとされる[2]。
本一覧では、ユーザーの行動を促すため、ボス名の直後に“分類ラベル”と“想定戦術”を付す慣習が採用されている。さらに、固有名の実在感を補うために、の地名・組織名をわずかに混ぜる編集が流行し、これがのちに「信じたい気持ち」を増幅させる仕掛けになったとも指摘されている[3]。
選定基準と掲載範囲[編集]
掲載基準(“勝ちやすさ”ではなく“負け方”)[編集]
一覧に載るボスは、討伐の可否よりも「どこで詰まるか」が明確なものが優先されるとされる。たとえば、耐久系ボスは“静観しているだけで状況が悪化する”ため、読者がわざと回復アイテムを使い、失点のログを読ませる構造になっている場合が多い。逆に討伐系ボスは“正解が1つに見えて実は複数”という作りが好まれたとされる[4]。
また、編集履歴が追いやすいよう、各項目には「推奨昇降回数(通称:エレベーターミーター)」が付くことがある。具体的には、上昇の“回数”が・・のいずれかに収束する例が多いと報告されている[5]。この偏りは偶然とされる一方で、テンプレ職人の“癖の強い素因数”に由来するという説もある。
分類の系譜(討伐系・耐久系・混合型)[編集]
分類は、戦術の中心が「短時間で相手を崩す」か「長時間で自分のノリを維持する」かで決まると整理された。討伐系は、ボスが“決め台詞”を吐くまでに特定の反応を引き出す必要があるとされる。一方、耐久系は、こちらの“反応速度”が下がるほどボスのセリフが増え、結果的に読者が自滅しやすい仕組みになっていると説明される[6]。
混合型として扱われるボスは、前半は耐久、後半は討伐に切り替わるとされる。ただし、この切り替え条件が曖昧に書かれることが多く、「読者の“解釈”が難易度になる」点が笑いの核と見なされている。なお、ボス一覧の版ごとに分類ラベルが微妙に揺れたため、同じボスでも討伐系とされる場合と耐久系とされる場合の両方が並存している[7]。
一覧(ボス項目)[編集]
※本節は、当時の“テンプレ職人”が残した体裁を模したものである。
## 討伐系(短期決戦型)
1. ビリー、討伐系(HG(ゲイマスオ))(不明)- は、降車ボタンに触れた瞬間に「声がでかい方が勝ち」と宣言するボスである。倒し方は反射神経ではなく、効果音字幕のフォントをに寄せることだとされ、勝利ログには“ゲイマスオ”の謎表記が残る[8]。
2. HG(ゲイマスオ)・開幕フリーズ(不明)- HGは前座ではなく、討伐の“条件”そのものとして機能することがある。エレベーターがの倉庫街のように静まり返ったタイミングで一斉に文字が揺れるとされ、そこで一度だけ「察する」をやめるのが正解とされている(なお、なぜ正解かは各版で説明が割れている)。
3. やる夫、耐久からの討伐介入(不明)- 一見すると“やる夫は優しい”系のボスに分類されがちだが、一定の沈黙時間を超えると討伐モードへ移行するとされる。討伐に必要なのは勇気ではなく、沈黙の秒数を小数点以下で数える作法であるとされる[9]。この細かさが「これマジ?」の引き金になったと伝えられる。
4. やらない夫、反撃条件(訂正要求)(不明)- “やらない夫”は攻撃をしない代わりに、「説明が足りない」と断定してくる。討伐の手段は、叙述の語尾を一度だけ「〜である。」へ統一し直すことであるとされる。統一しないと、エレベーターが上昇せずに“返答待ち”として固定されるため、実質的に詰みになる[10]。
5. GTT(ゴアタイムトリオ)、討伐宣告(不明)- GTTは三人で行動するとされるが、ログ上はいつも“1人分の気持ち”しか現れないと記録される。倒すには、誰の気持ちかを当てる必要があるとされ、正答率は当時の議論でと見積もられたと書き残されている(ただし算出方法は不明である)。
## 耐久系(ログ維持型)
6. 小泉進次郎、耐久系(不明)- 小泉進次郎は“話を止めないことで勝つ”という珍しい耐久系ボスとして扱われる。ボスが上から落としてくるのは論点ではなく、毎回“次の問い”であるため、読者は質問に質問を返し続ける必要があるとされる[11]。なお、耐久の目標はターン目での沈黙とされ、沈黙が0.5秒でも短いと失敗ログが出る。
7. ASD(オールスターダストキン)、耐久系(不明)- ASDは「星屑のように何でも混ぜる」能力を持つボスで、こちらの理解力が削られる。耐久のコツは、混ざった要素をあえて“順番に意味を持たせる”こととされるが、意味付けのルールが毎回変わるため、実務的には“気合”が要求されるとされている[12]。
8. DIYUSI(ぢゆし)、耐久系(不明)- DIYUSIは、補助輪ではなく“補助引用”を配布する耐久ボスである。こちらが出した自作の説明に対し、「その引用元、どこ?」と返される頻度が上がっていく。掲示板の議論では、確認が増える割合がエレベーターの上昇に連動して倍になるという怪しい計測が残っている[13]。
9. GTT(ゴアタイムトリオ)、耐久の前借り(不明)- 討伐でも耐久でも登場するGTTだが、耐久としては“時間を借りる”タイプに分類されることがある。負ける条件は、こちらが「次で終わる」と思った瞬間だとされ、思った回数が累積される。累積の上限は版によって〜回と異なると報告されている。
10. やる夫&やらない夫、耐久二重奏(不明)- 2体同時扱いの耐久ボスで、やる夫は共感、やらない夫は訂正を担当する。読者の役割は“両方に同意せずに両方を読了する”という矛盾したタスクになると説明される[14]。達成するとエレベーターが勝手に上階へスキップするが、スキップ先の景色が毎回違うため、再現性が低い。
11. GTT(ゴアタイムトリオ)、ゴアタイム・ノイズ壁(不明)- 耐久の終盤には“ノイズ壁”が現れ、文字が読めなくなるとされる。ノイズ壁はの深夜ラジオ局が発する“習慣的ノイズ”に似ていると比喩されるが、根拠は示されていない。突破には、読めないまま字幕を読み切る必要があるとされる[15]。
## 混合型(条件次第で討伐にも耐久にもなる)
12. ビリー、条件反転(討伐→耐久)(不明)- ビリーは通常は討伐系とされるが、ある版では“倒すほど耐久になる”と記述される。具体的には、こちらが積極的に攻めるほど、ボスが「まだ終わらない」と追加ログを投下する。追加ログの回数は回、うち回だけ余計な敬語が混入するという報告がある[16]。
13. HG(ゲイマスオ)、沈黙支配(耐久→討伐)(不明)- HGが沈黙を支配する版では、沈黙が一定閾値を超えると討伐ボスへ転生するとされる。この転生条件は、読者が自分の脳内で“ツッコミ”を完了したかどうかで判定されるとされ、判定は誰にも見えない。この見えなさが、むしろリアリティを補強していると論じられている[17]。
14. ASD(オールスターダストキン)、混合の正規化(不明)- ASDの混合型は、意味が崩れた状態を“正規化”することで勝利へ寄せるとされる。ただし、正規化は数学ではなく編集方針で、たとえば「“いつもの語尾”へ寄せる」などが指定される。成功例はの同人誌棚で発見されたという逸話が添えられることがある[18]。
15. DIYUSI(ぢゆし)、改造ログ・最終版(不明)- DIYUSIは“改造”を促す混合型として扱われる。読者が自分でテンプレを書き換えると、ボスがそれを即座に評価してくるという。評価指標として「好みの誤字の数」が用いられるとされ、誤字が多すぎると反則負けになるのが最終版の定番である[19]。
批判と論争[編集]
本一覧は、分類が細かすぎる点と、ボス名に実在する人物の連想を混ぜる点で議論を呼んだとされる。特にの耐久系描写については、「政治的言及を耐久ゲームの比喩で覆っている」との批判が、掲示板の別スレッドで何度も繰り返された[20]。
一方で支持側は、「この種のミームは即時性のためにメタファーを借りる必要がある」と反論した。さらに、編集者の間では「ボス一覧は統計ではなく儀式である」という主張が出ており、エレベーターが示す“昇降回数”が偶然のようでいて規則的に見える現象は、読者の集合記憶が作る誤差だという見方が採られた[21]。
また、脚注的に追加される“要出典っぽい一文”が、あえて信頼性を装っている点が問題視された。実際、ある版では「測定者はの調査員を名乗った」と書かれたが、根拠が提示されなかったため、後から編集方針が変わったと報告されている[22]。
歴史[編集]
生成期:掲示板ログ職人の“昇降テンプレ”[編集]
生成期は、短尺動画の編集技術が一般化した頃とされる。ここで重要だったのは、内容そのものよりも“テンプレの型”が共有されることだった。最初期の一覧は、討伐系を「短く刺す」、耐久系を「長く毒を残す」と定義したうえで、ボスごとの勝利条件を統一フォーマットに落とし込んだとされる[23]。
その後、ボス名に意味のありそうな略語(例:HG(ゲイマスオ)、ASD(オールスターダストキン)、GTT(ゴアタイムトリオ))が増え、読者は“知っている風”を維持できるようになった。略語の中には、英語圏のゲーマー文化ではなく、日本の業務略語の雰囲気を再利用したものがあると指摘されている[24]。
拡散期:編集競争と“現実の混入”[編集]
拡散期には、実在の地名や組織名を少量混ぜて、架空のエレベーターに現実の通行証を持たせる工夫が行われた。たとえばやといった都市名が、なぜかボスの行動半径としてだけ登場する。これが不自然にも見えるが、不自然さがミームとして定着したため、逆に信じられやすくなったと分析されている[25]。
また、勝利条件に“細かい数字”が頻出したことが重要である。例として、DIYUSI関連では確認率が倍になるという計測が流通し、さらに“秒数の小数点以下3桁”といった精度が追加された。この精度は実測ではなく編集ルールの産物である可能性が高いとされるが、読者には測定の真似事として機能した[26]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山田ヨシヒロ『ミーム編集の暗黙規則—昇降ログ職人の技術体系—』ミーム工房出版, 2021.
- ^ Katherine R. Watanabe『Verticality and Viral Lists: A Study of Meme Elevator Systems』Vol. 12, No. 3, Journal of Internet Folk Mechanics, 2020.
- ^ 鈴木エミリ『討伐系・耐久系ラベルの言語学的機能』メディア言語研究会, 2019.
- ^ 佐藤トモナリ『“勝ち方”より“負け方”が記憶に残る理由』第2巻第1号, 風見書房, 2022.
- ^ Dr. Margaret A. Thornton『On the Semiotics of Abbreviations in Japanese Online Games』Vol. 7, pp. 41-66, 2023.
- ^ 田中海斗『ASD(オールスターダストキン)解釈の揺れと読者参加』現代ミーム論叢, 第5巻第2号, pp. 88-103, 2020.
- ^ 中村リョウ『DIYUSI(ぢゆし)の改造ログと評価指標の再現性』ミーム計測学会誌, Vol. 3, No. 4, pp. 10-27, 2018.
- ^ “日本語ミームの擬似統計”編集委員会『エレベーターミーターの正体』中央ワイヤ書店, 2024.
- ^ 松本カズキ『小泉進次郎耐久系の比喩政治史』架空政治史研究, 第1巻第9号, pp. 201-219, 2017.
- ^ Eleanor S. Grant『The Real-World Anchors of Fake Worlds』pp. 33-58, Random House Analogues, 2016.
外部リンク
- エレベーター・ログアーカイブ
- 討伐系ラベル辞典
- 耐久系スキーマ検証所
- ミーム字幕フォント研究会
- HG/ASD/GTT 命名規則倉庫