PlayStation Phone
| タイトル | PlayStation Phone |
|---|---|
| 画像 | 架空パッケージ(黒地に金の電話番号、端末アイコンが点滅) |
| 画像サイズ | 300px |
| ジャンル | アドベンチャーRPG(番号召喚ハンティング) |
| 対応機種 | 量子リストバンド端末(Q-LBシリーズ) |
| 開発元 | 星雲モバイル開発局 |
| 発売元 | 銀河通信ゲーム販売 |
| プロデューサー | 渡辺精一郎 |
| ディレクター | エミリー・ハートウェル |
| 音楽 | 久遠寺ユウ(作曲)、「着信音協奏パーカッション隊」(編曲) |
| シリーズ | PlayStation Phoneシリーズ |
| 発売日 | 2017年9月21日 |
| 対象年齢 | 12歳以上 |
| 売上本数 | 全世界累計312万本 |
| その他 | 日本ゲーム大賞(企画賞)受賞/電話番号連動セーブ方式 |
『PlayStation Phone』(英: PlayStation Phone、略称: PSPH)は、にのから発売された用である。『PlayStation Phone』は、据え置きゲームの常識を“電話の番号”に接続したとして、後年の端末ゲーム文化の第1作目とされる[1]。
概要[編集]
『PlayStation Phone』は、電話番号と連動して敵の出現パターンが更新される仕組みを採用したである。プレイヤーは「端末の裏に刻まれた“発信コード”」を入力し、番号ごとに変化する路地裏世界を探索する。
企画の発端は、据え置き機の起動が“待ち時間”として嫌われ始めた時期に、の商業施設「新宿サテライト通り」で行われた公開デモにあるとされる[2]。デモでは来場者の携帯番号の下3桁が抽選され、その番号に対応するモンスターがその場で現れる仕組みが披露され、翌月には星雲モバイル開発局が「携帯電話をゲームのパラメータ装置にする」方針を固めたとされる。
本作は、発売から72時間で出荷目標の88.6%に達し、最終的に全世界累計312万本を記録したと報告されている[3]。一方で、番号連動セーブが“個人情報のようだ”と感じる層からの反発も早期から見られた。
概要の要点(当時のキャッチコピー)[編集]
キャッチコピーは「“鳴らせ、運命。冒険は発信コードから始まる”」である[4]。公式サイトでは「通話はしない。ただし番号は語る」と表現された。
成立経緯(なぜ“電話”なのか)[編集]
開発側は、電話の“着信待ち”をゲームのテンポに置き換えることを狙ったと説明した。ただし内部資料では、着信の代替として「着信音の周波数分布」を乱数に用いたとされ、これが後の“番号召喚”システムに直結したと推定されている[5]。
ゲーム内容[編集]
ゲーム内容は、番号召喚ハンティングとダンジョン冒険を組み合わせた構成である。プレイヤーは街の端末端子(青色の照明が点灯する箇所)に手首をかざし、発信コードに紐づく“回線の裂け目”へ入る。裂け目の内部では、敵が一定周期で呼び出されるが、呼び出しは通話ではなく端末内の疑似プロトコルで行われる。
戦闘はリアルタイム寄りのターン制として整理される。通常攻撃は“フリック入力”でテンポを作り、必殺技は番号を“桁ごとに再生”して発動する仕様である。例として、3桁コード「4-1-9」を持つプレイヤーは、敵に対して「419ミリ秒の間合い」を取ると命中率が上がると説明された[6]。ただし検証コミュニティでは、間合いの体感は端末の気温補正でブレると報告されている。
アイテム面では、着信音を模した結晶「リングクリスタル」や、番号に似た形状を持つ鍵「桁鍵(けたかぎ)」が知られる。対戦モードは“発信コード競り”と呼ばれ、自分の番号帯に近いコードを相手より早く申告できた側が先攻権を得る。協力プレイでは、二人のコードが重なると“合唱フィールド”が生成され、回復の代わりに戦闘テンポが上がるとされる[7]。
システムの特徴としての「番号ログ」[編集]
本作のセーブは、単なるデータ保存ではなく“番号ログ”として扱われる。具体的には、プレイヤーの発信コードに加え、撤退ボタンを押した回数(撤退回数ログ)と探索時間の中央値(中央値ログ)を合わせて復元されるとされる。これにより、同じコードでもプレイ感が揺れる設計が意図されたとされる[8]。
オフラインモードの扱い[編集]
オンライン非対応端末でもプレイ可能だが、オフラインでは「予報値モンスター」が出現すると説明された。予報値モンスターは、天気アプリではなく端末の歩数センサーから推定されるため、同じ街でも日によって“微妙に違う敵”が出る仕様となっている[9]。
ストーリー[編集]
ストーリーは、都市の地下に“交換機”が埋め込まれたことで、電話回線が世界の境界を縫うようになった世界観で描かれる。主人公は発信コードを失った探索者であり、街の端末端子に触れるたびに、失われた番号の断片がモンスターとして具現化するとされる。
物語の核となるのは「裂け目の継ぎ目は、鳴らされた回数で太くなる」という台詞である。つまり、プレイヤーが何度も同じ端子へ戻るほど、裂け目が“学習”し、より強い敵が呼ばれる。この設計はゲームプレイのリズムに沿うよう計算され、説明文では“悪循環を面白さへ変換する”目的が明記された[10]。
終盤では、銀河通信ゲーム販売の監査官が登場し、「冒険は公共インフラであり、誰もが番号を均等に使うべきだ」と主張する。しかし主人公は、それが“世界の自由”を削る監督だとして対立する。最後に開示される真相として、主人公のコードが実は「街の誰かの忘れ物」であることが語られるとされる。なお、この結末は複数の分岐があると発表され、同時に“裏エンディングは発信コードの素因数分解で決まる”という噂が広まった[11]。
印象的なエピソード(第9章「管路の沈黙」)[編集]
第9章では、ボス戦の前にプレイヤーが「沈黙を3回カウントする儀式」を行う必要がある。カウント方法は“画面が暗くなる瞬間”を起点にする仕様で、攻略サイトでは「暗転は平均1.8秒、個体差は±0.2秒」と報告された[12]。この細かさが話題となり、実際に暗転が遅い個体では勝率が下がることがコミュニティで確認された。
登場キャラクター[編集]
主人公は無名で、プレイヤーの発信コードとして表象される。作中では「あなたの桁が剣になる」と説明され、戦闘アクションはキャラクターではなく“番号”によって処理される思想が強調される。
仲間としては、通信保守員の「梶原モナ(かじわら もな)」が知られる。彼女は端末端子の修理だけでなく、着信音に似たリズムで敵の注意を逸らす“注意分散術”を使うとされる[13]。もう一人は、元監査官の「ナオミ・クレア」とされ、コードの不正使用に対して厳格である一方、戦闘では“嘘の着信”を投げる。
敵側には、銀河通信ゲーム販売の影の部門「回線審理室」が置かれる。回線審理室は、人々の発信コードを均質化しようとし、差異を“ノイズ”として排除する。ボスとしては、交換機の擬体「桁喰い機(けたぐいき)」が登場し、勝利条件は“撃破”ではなく“正しい番号の折り返し”だとされる[14]。なおこの折り返し条件の説明文が、後日発売された公式攻略本で一部修正されていることがファンの間で指摘された。
主人公のサブ称号システム[編集]
主人公にはサブ称号が付き、例として「下4桁の救世主」「撤退回数ログが少ない者」などがある。これらは対戦モードにも反映されるため、プレイヤーは称号を“戦略指標”として運用したとされる[15]。
用語・世界観[編集]
世界観の中心概念は「裂け目(れつけめ)」である。裂け目は回線の境界が擦り切れた場所に生じ、発信コードが似ているほど“同じ匂い”の敵が現れると説明される。また、裂け目を閉じる儀式として「折り返し」が導入され、特定の桁順で入力すると敵が“呼び戻される”。
ゲーム上の重要用語としては「番号召喚」「リングクリスタル」「桁鍵」が挙げられる。番号召喚は、着信音の周波数分布を乱数に変換して敵を生成する仕組みとして整理された。桁鍵は、扉のロックに似た“番号の形”をしており、合致すると扉が開くとされるが、開発資料では“合致率が92%を下回ると扉が咳払いする”と表現され、実際に低確率では演出が発生した[16]。
なお、世界観内での団体としての情報文化団体「港湾メディア監督協議会」が登場し、番号の扱いに関する規定を制定している。規定の内容は「個人番号の即時公開を禁ずる」とされるが、作中の“ログの共有”が黧くなっていることが論点とされた。
用語集(作中の皮肉が強い)[編集]
作中では、攻略を助ける“電話帳の妖精”がいるとされるが、実際の妖精は会話せず、メニュー画面にしか現れないと描写される。このズレが当時のライター陣の好みとして語られている。
開発/制作[編集]
開発は星雲モバイル開発局が主導し、プロデューサーは渡辺精一郎、ディレクターはエミリー・ハートウェルとされた。企画段階では“電話番号を扱う倫理”が最大の論点とされ、社内では法務部「生活通信法務局」が審査を担当したとされる[17]。
制作経緯としては、2016年夏にの試験施設「新宿サテライト通り」で行われた“番号抽選デモ”が基礎になったとされる。開発者によれば、来場者が番号を口頭で渡すことに不安を覚える様子を見て、最終的には“口頭入力を最小化し、端末側で完結する入力導線”へ切り替えたという[18]。ただし内部メモでは、切り替え後も撤退回数ログが“気分の揺れ”を推定する指標として残ったと記録されている。
スタッフ面では、音楽は久遠寺ユウが担当し、「着信音協奏パーカッション隊」がフィールドレコーディングを行ったと説明された。ここで録音された音は一般の着信音ではなく、通電直後のノイズから抽出した“短い周期の音”だったとされる[19]。この音がゲーム内で“番号の匂い”として扱われるため、作曲とシステムが密に結びついた設計になったと評価された。
“発売日最適化”のための小細工[編集]
発売日は2017年9月21日とされたが、これは暦上の“電話番号の切り替え帯域が安定する日”として銀河通信側の技術者が提案したためだと説明された。ファンの間では「9/21は素数の並びが多いからだ」という推測が広まったが、公式側は否定している[20]。
音楽[編集]
サウンドトラックは『リングコード交響曲』として発売され、全38曲で構成されたとされる[21]。特徴は、通常BGMでも“短い着信音断片”がパーカッションに紛れ込む点である。聴感上は気づきにくいが、番号召喚の直前には微妙に周波数が寄せられる。
作曲方針として、久遠寺ユウは「BPMはゲームの呼吸に合わせるのではなく、プレイヤーの手首の戻りに合わせる」ことを目標にしたと述べた。実際の調整は、開発中に手首の動作データを取得し、その中央値からテンポの揺れを決めたという。
また、エンディングでは“沈黙カウント”の逆再生により生まれた音が流れ、そこでのみ、敵が倒れないのに演出が進む。これが一部ユーザーに“終わったのに終わっていない感”を与え、炎上ではなく好意的な議論を呼んだとされる。
限定版のボーナストラック[編集]
数量限定版には、桁喰い機撃破後にだけ聴ける「417番の余韻」が付属したとされる。曲の長さは当初3分14秒と表示されたが、最終パッチ後は3分13秒に短縮されたという[22]。
評価[編集]
評価は概ね好意的だった。日本の月刊誌『ファミ通クロス』は本作を「テンポが良く、携帯的な不安を設計に変換した」と評し、レビュー点を“ゴールド殿堂”枠として扱った[23]。売上については、発売から2週間で国内が91万本、海外が136万本とされ、全世界累計312万本を突破したと公式発表された。
ただし、番号連動セーブに関する議論は続いた。具体的には「撤退回数ログが推測に近い」という指摘があり、生活通信法務局が“推定可能性の誤認を避ける”注意喚起を行ったと報道された[24]。その結果、アップデートでログの扱いが一部マスクされ、プレイヤーが気にしていた体感差が減った。
一方で、競技性の高い対戦モードに関しては「発信コード競りが運寄り」とも批判された。とはいえ開発側は、競りが“事前申告”を誘発し、コミュニケーションを促す意図があったと反論したとされる。最終的に、本作は日本ゲーム大賞(企画賞)を受賞したとまとめられている。
売上の細かな数字(当時の資料による)[編集]
出荷ベースの累計は、発売日当日で約28.4万本、翌日で約19.7万本、その後の週末合計で約64.1万本とされる[25]。細かい数値が好まれたことが、続編や関連商品へ波及する要因になったと分析されている。
関連作品[編集]
本作は直接の続編として『PlayStation Phone: 折返しライン』が発売された。そこでは折り返し条件がさらに細分化され、桁鍵の“形状の手触り”が演出として追加されたとされる。
またメディアミックスとして、テレビアニメ『桁喰い機の返事』(2018年10月放送開始)が挙げられる。アニメでは、ゲームの主人公に声が与えられ、なおかつ“沈黙カウントの理由”が別の人物の告白に置換されるという脚色が行われた[26]。
さらに、冒険ゲームブック『リングコードと14の路地裏』が出版され、分岐ルールとして“発信コードの素因数”が書かれている。読者が自分の番号でルートを決められる設計だったため、文庫版ではページ増が発生し、結果として紙面費の増加が出版社の決算説明に登場したとされる[27]。
スピンオフ(小話が強い)[編集]
短編として『着信音の散歩者』が刊行され、ゲームでは語られない端末端子の清掃員たちの視点が描かれた。
関連商品[編集]
攻略本としては公式攻略書『PlayStation Phone 完全番号解析読本』が発売された。内容は、章ごとの裂け目タイプ、桁鍵の配置、対戦モードの“先攻申告の目安”などを扱うとされる。
書籍以外ではサウンドトラックのほか、グッズとして「桁鍵レプリカ(実物大)」や「発信コード刻印ストラップ」が人気になった。特にストラップは、装着すると端末が温まる仕様が噂され、オカルト的な信者コミュニティまで生まれた。
また、関連商品として“電話番号風の”文具シリーズが展開され、ノートの罫線が「回線の裂け目」を模した波形になっていると宣伝された。なお、これらの文具の一部は文房具店「銀河文具連盟」の棚に並んだことが確認されている[28]。
ユーザーが求めた周辺データ[編集]
攻略本の付録では、沈黙カウントの暗転タイミングを測る“スマホ温度補正表”が付いたとされる。付表は便利だった一方、別の検証では逆に混乱を増やしたと指摘されている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「『PlayStation Phone』開発思想:番号を入力にせず、環境に変換する」『星雲モバイル開発局紀要』第12巻第3号, pp. 41-63.
- ^ エミリー・ハートウェル「電話待ちのゲーム化:着信音断片の乱数化」『International Journal of Playful Interfaces』Vol. 9 No. 2, pp. 12-29.
- ^ 銀河通信ゲーム販売「販売実績報告(2017年度上半期)―全世界累計312万本の内訳」『銀河通信月報』第2017巻第9号, pp. 5-18.
- ^ ファミ通クロス編集部「第38回クロスレビュー:ゴールド殿堂『PlayStation Phone』」『ファミ通クロス』2017年11月号, pp. 88-93.
- ^ 星雲モバイル開発局法務チーム「番号ログの取り扱い指針と注意喚起文の作成経緯」『生活通信法務局報告』第6号, pp. 201-219.
- ^ 久遠寺ユウ「BPMは手首に従う:着信音協奏パーカッション隊の実験」『作曲技法研究』第4巻第1号, pp. 77-96.
- ^ 梶原モナ取材班「第9章『管路の沈黙』における暗転の平均1.8秒説の検証」『ゲーム演出研究会レポート』Vol. 3, pp. 33-51.
- ^ ナオミ・クレア「折り返し条件は“正しさ”ではなく“体験”である」『設計評論』第27巻第2号, pp. 1-24.
- ^ 新宿サテライト通り運営委員会「公開デモの観客行動:番号入力への不安と導線改善」『都市型アトラクション年報』第18巻第0号, pp. 90-107.
- ^ 山田啓介「携帯RPGの倫理的地図:個人情報に見える設計の境界」『デジタル社会学ジャーナル』第21巻第4号, pp. 145-176.
- ^ (タイトルに誤字がある資料)「PlayStation Phone: 完全番号解説読本」『リングコード文庫』, 2017年, pp. 1-512.
外部リンク
- 星雲モバイル開発局 公式アーカイブ
- 銀河通信ゲーム販売 リリースノート
- リングコード交響曲 特設ページ
- 回線審理室 設定公開ポータル
- 新宿サテライト通り 公開デモ記録館