vrchat
| タイトル | 『vrchat』 |
|---|---|
| 画像 | (架空)VRゴーグル型コネクタのスクリーンショット |
| 画像サイズ | 320x180 |
| caption | 回線の「呼気温度」が戦闘力に直結するUI |
| ジャンル | 音声対話型バーチャル冒険ロールプレイング |
| 対応機種 | 幻視網対応端末(据置幻視卓・携帯幻視鎖など) |
| 開発元 | 幻視相互通信研究所 |
| 発売元 | 街道放送販売協同組合 |
| プロデューサー | 山条 里緒(やまじょう りお) |
| 音楽 | 星屑記憶楽団 |
『vrchat』(ぶいあーるちゃっと、英: VRChat、略称: VRC)は、[[2072年]][[8月19日]]に[[日本]]の[[幻視相互通信研究所]]から発売された[[幻視網]]用[[コンピュータRPG]]。[[接続礼儀作法]]の第1作目として扱われ、オンライン上で「会話」そのものが進行手段となる点が特徴とされた[1]。
概要[編集]
『vrchat』は、会話を入力するほど環境が生成されるとされた、音声対話型の[[コンピュータRPG]]である。プレイヤーは「参加者」としてログインし、[[幻視網]]上の広場から現実の地理を“参照”した世界(通称「参照島」)へ移動する形式が採用された。
成立の経緯としては、幻視相互通信研究所が[[東京]]の[[港区]]に設けた地下試験室で、1990年代末から続いた「音声遅延を娯楽化する」研究を統合したことが挙げられる。特に、通話品質を単なる通信指標ではなく「会話の礼儀(相手への聞き返し率)」として設計し直した点が、後発の類似作品群の雛形になったとされる[1]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの中心は、発話内容からではなく発話の“間(ま)”から判定される[[ターン]]にある。プレイヤーは「応答間隔(msec)」と「呼気温度補正(℃)」の2値を暗黙パラメータとして扱い、相手の発話に対して1回だけ短い相槌を打つと、NPCの警戒心が下がるとされた。
戦闘は「会話戦」と呼ばれ、武器は実在の武器ではなく[[敬語]]タグとされる。敵対NPCは失礼タグを浴びると「沈黙ゲージ」が急減し、沈黙が閾値を割ると物語上の“逃走ルート”が開く仕組みであった。なお、声量の上げすぎは「威圧」と判定され、こちらの防御値が下がるとされる[2]。
アイテムとしては、[[謝意符号]](装備すると聞き返しが自動化される)、[[沈黙チップ]](会話遅延を意図的に作る)、[[回線灯]](広場の照度が増し視界外ドロップが増える)などが存在した。これらは見た目が地味な一方で、会話戦の勝敗に直結することが報告されている。
対戦・協力としては、協力プレイがメインであり、2人以上で「礼儀の連鎖(chain)」を成功させると、同じ発話でも別の意味として解釈される仕様があった。オンライン対応に関しては、初期は[[幻視網]]の混雑時間帯に接続するとログイン待機列が“ダンジョン”として生成される不具合が語り草になった。
ストーリー[編集]
物語は、参照島に漂着した参加者が「会話の習慣」によって世界の法則を書き換えていく構造である。主人公は航路の名残を示す称号「元・無音旅人」とされ、最初の目的は「礼儀の辞書」を再構成することに置かれた。
中盤では、[[横浜]]港の上空に“浮く図書館”が現れ、そこで収集した[[沈黙チケット]]を消費すると、過去ログが改竄されて敵が味方になる分岐が解放された。特に第5章「聞き返し祭」では、規定回数の質問を行わないと、世界が進まずゲーム進行が停止するとされ、攻略サイトが「質問は義務、ではなく儀式」と煽った[3]。
終盤では、相手プレイヤーの発話から生まれた“仮想人物”が敵となり、打ち負かす方法が武力ではなく謝意の再提示である点が評価された。ただし一部では、最終決戦の条件が当時のチャット文化に偏っていたとして、理不尽さのある終盤設計と批判された経緯もある。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公側では、「山条 里緒」直伝の口調と一致することで会話判定が安定するNPC「安堵の受付係・ミサキ」が有名である。ミサキは礼儀タグを読まずに“空気”で判断するため、プレイヤーが論理的に説明すると逆に警戒するという仕様が話題になった。
仲間としては、声を出すほど行動が遅れるメカニカル存在「遅延天使ユニットE-12」が登場した。ユニットE-12は、呼気温度補正が低いほど協力攻撃の“タイミング一致率”が上がるとされ、会話練習コミュニティが盛り上がった。
敵側では、礼儀ではなく主張の強さだけで会話戦を成立させようとする「語勢教団(ごせいきょうだん)」の管理者「座標牧師オロス」が中心敵として設定されている。オロスは戦闘中にプレイヤーの沈黙を狙い撃ちし、沈黙ゲージをゼロにすると「ログの巻き戻し」が発生する。なお、巻き戻し回数が3回を超えると、救済イベントが確率で失われるとされた。
用語・世界観/設定[編集]
世界観の根幹は[[幻視網]]と、そこで成立する“会話由来の物理法則”である。会話由来の物理法則は、会話の「間(ま)」が空間の距離に変換されると説明され、プレイヤーは短い間合いで移動速度が上がる“会話ブースト”を利用した。
用語としては、礼儀タグの集合体を「[[接続礼儀作法]]」と呼び、辞書のように組み替えることで世界の反応が変化する。広場の生成に関わる数値「参照密度」は、プレイヤーが一度に眺めるNPCの視線方向の一致度で測定されるとされている。
また、攻略記事では[[横浜]]の図書館上空イベントの際に“呼気温度補正が-0.7℃以下になるとページが燃える”という記述が出回ったが、のちに計測系の仕様理解不足であった可能性が指摘されている[4]。一方で、仕様書に「温度閾値は四捨五入される」とあるため、疑似的な怪談として残った。
開発/制作[編集]
制作経緯としては、幻視相互通信研究所が通信工学の研究を娯楽に応用するため、[[港区]]の試験施設に「礼儀計測室」を設けたことが語られている。そこでは、通話品質が低いと“礼儀が成立しない”という直感的な問題が発生し、逆転の発想として「礼儀が成立しない状態」をゲーム性として扱う方針が決まったとされた。
スタッフは、音声解析担当に[[佐久間 玲(さくま れい)]]、対話台本に[[宇田川 眞澄(うだがわ ますみ)]]、ネットワーク最適化に[[楢崎 朋也(ならさき ともや)]]が起用されたとされる。特に楢崎は「回線灯のアルゴリズムは物理ではなく“会話の倫理”」と語ったと報じられた。
ただし開発史には不整合があり、内部ログによると発売日の調整が2回行われたとされる。最初の延期理由が“礼儀辞書の誤訳”だったとする説と、“参照島の地形モデルが[[東京湾]]側に寄りすぎた”という説が併存しており、ファンの間では後者を「わざとだろ」と笑う定番ネタになっている。
音楽[編集]
音楽は[[星屑記憶楽団]]が担当したとされ、BGMは会話の間に同期してテンポが変化する仕組みが導入された。例えば、質問を挟むたびにテンポが0.08ずつ上がるとされ、最終章では合計で「テンポ加算が7.04」に到達すると演出が変わるという、妙に細かい数値がコミュニティで共有された[5]。
サウンドトラック『礼儀の残響録(れいぎ の ざんきょうろく)』には、広場用曲「待機列カノン」や、戦闘用曲「沈黙の和声」が収録された。特に待機列カノンは、オンライン混雑時の回線挙動をサンプリングして作曲されたと説明されたが、公式インタビューでは「サンプリングの具体値は言えない」と濁したため、後年になって“本当に測っているのか問題”が残った。
他機種版/移植版[編集]
発売当初は[[幻視網]]専用であったが、同年末に据置幻視卓版として「vrchat:卓上礼儀編」がリリースされた。卓上礼儀編では、声の代わりに指示ジェスチャーでも礼儀タグが成立する仕様が追加され、アクセシビリティ向上として宣伝された。
翌年には携帯幻視鎖版が登場し、バッテリー残量が一定以下になると“会話ブースト”が弱まり、代わりに“早口対策モード”が起動するとされた。ここでは本来の世界観が崩れないよう、低バッテリー時にはNPCが優しくなるという方向で調整されたとされる。
ファン移植としては、非公式クライアント「参照島ローカル」が流通したが、礼儀判定が別実装であったため、一部イベントが別ルートに分岐する現象が報告された。のちに対策パッチが出たが、修正内容は「礼儀辞書の一語だけ」だったため、逆に「1語が世界を変えるって設定そのままじゃん」と笑われた。
評価(売上)[編集]
売上は初動で好調とされ、発売から3週間で全世界累計が120万本を突破したと報じられた。ただしこの数字は「卓上礼儀編の同梱分」も含むとされ、集計の境界が曖昧である点が指摘された。
日本国内では、[[日本ゲーム大賞]]における新ジャンル部門で受賞したとされ、レビューは「会話が戦闘であるという大胆さ」を評価した。ファミ通系の評価ではクロスレビューにおいてゴールド殿堂入りが達成されたと記録されている。
一方で、音声疲労を理由に“会話プレイが苦痛”とする意見もあり、公式は「謝意符号を常用すると疲労が緩和される」と案内した。さらに、礼儀タグの学習が教育コンテンツに近いとして、学校現場での自主導入が検討された経緯があるとされるが、実態は広くは確認されていない。
関連作品[編集]
関連作品としては、同世界観を舞台にしたメディアミックスが展開された。テレビアニメ『沈黙の受付係ミサキ』は、シリーズ第1章の一部を“丁寧すぎるコメディ”として脚色した作品である。
また漫画『会話戦線の礼儀学』では、礼儀タグの組み替えを学習漫画の形式で説明し、作中で“第12回質問の角度は17.5度が最適”といった学術風の数値が頻出した。さらに小説『参照島の地図は聞き返す』では、地理の描写が会話ログの引用で構成されるという独自性があった。
ゲームとしては、後続作に「vrchat:礼儀辞書リライト」「vrchat:無音の回復薬」などが登場したが、いずれも会話戦の比率が変化したことから、原作と別ジャンルとみなす声もある。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本『VRChat公式 礼儀辞書 完全編集版』は、礼儀タグの組み合わせ表と、章ごとの推奨“間隔カレンダー”を掲載したとされる。特に「聞き返しは1分ではなく、発話の波形が収束する瞬間に行う」という指針が強調された。
書籍としては、研究書の体裁を借りた『幻視網通信倫理学 第3巻(Vol.3)』が出版され、通信遅延と社会性の関係を“経験則”としてまとめたとされる。なお、この本は一部の章で脚注の形式が一般的な学術誌と一致せず、架空の引用が混ざっている可能性が指摘された。
さらに、周辺商品として「礼儀練習用マイク(回線灯付き)」が販売され、呼気温度補正を視覚化するという売り文句が採用された。価格は当時の平均的マイクより高価であったが、売れ筋になったとされる[6]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 星屑記憶楽団『礼儀の残響録(サウンドスコア集)』幻視網出版, 2072年。
- ^ 山条 里緒『会話が戦闘になる設計論』街道放送販売協同組合, 2073年。
- ^ 佐久間 玲「応答間隔と沈黙ゲージの相関(Vol.12)」『音声対話工学研究誌』第12巻第4号, pp.41-58, 2072年。
- ^ 宇田川 眞澄「接続礼儀作法の台本構造と分岐確率」『物語生成と社会性』第1巻第2号, pp.101-129, 2073年。
- ^ 楢崎 朋也「幻視網における呼気温度補正の実装」『通信倫理アルゴリズム年報』Vol.7, No.1, pp.9-27, 2072年。
- ^ ファミ通編集部『クロスレビュー殿堂録:vrchat』エンタメ記録局, 2072年。
- ^ Sakuma Rei, Udagawa Masumi, “Silence-First Dialogue Systems,” Journal of Virtual Etiquette, Vol.3, Issue 1, pp.55-73, 2073.
- ^ 山条 里緒『礼儀辞書の完全編集版(改訂第2版)』幻視網出版, 2074年。
- ^ 幻視相互通信研究所『内部ログ抜粋:礼儀計測室の計測手順』研究所資料, 2072年。(ISBN未登録)
- ^ 『幻視網通信倫理学 第3巻(Vol.3)』参照島大学出版局, 2075年。(一部章の書式が異なる)
外部リンク
- 幻視網公式アーカイブ
- 礼儀辞書翻訳コミュニティ
- 沈黙ゲージ検証ラボ
- 参照島地図倉庫
- 待機列カノン鑑賞会