ちいさい こきゅう
| 名前 | ちいさい こきゅう |
|---|---|
| 画像 | |
| 画像説明 | 2023年のライブにて |
| 画像サイズ | 280px |
| 画像補正 | yes |
| 背景色 | #E8F3F2 |
| 別名 | ちこきゅう |
| 出生名 | 同じ |
| 出身地 | 東京都杉並区 |
| ジャンル | エレクトロ・ポップ、室内音響、ドリーム・ニューロ |
| 職業 | 歌手、作詞家、作曲家、編曲家 |
| 担当楽器 | ボーカル、シンセサイザー、息づかいパッド |
| 活動期間 | 2012年 - 現在 |
| レーベル | Pale Harbor Records |
| 事務所 | 月見坂文化企画 |
| 共同作業者 | 潮田リク、森永ユイ、久世トオル |
| メンバー | 小林ひふみ、瀬戸あさ、三橋ナギ |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | chisaikokyuu.jp |
ちいさい こきゅう(ちいさいこきゅう)は、の3人組である。所属事務所は。レコード会社は。2012年に結成、2015年にメジャーデビュー。略称は「ちこきゅう」。公式ファンクラブは「耳のなかの庭」である。
概要[編集]
ちいさい こきゅうは、発の3人組である。囁くような歌唱と、呼吸音をリズム素材として扱う制作手法で知られ、ライブでは観客の呼気を会場内の残響に同調させる演出を特色としている。
2012年、の小規模録音スタジオ「」で活動を開始した。当初は深夜番組向けのジングル制作を主としていたが、2015年の配信シングル「呼吸の置き場所」が配信部門で14週連続上位を記録し、以後は“静かなのに妙に大きい”音楽性で注目を集めた。
メンバー[編集]
現在のメンバーは、小林ひふみ、瀬戸あさ、三橋ナギの3名である。いずれも本名で活動しているとされるが、ファンクラブ会報では「呼吸名義」として別表記が使われることがある。
小林は低音域の設計と作詞を担当し、瀬戸は主に主旋律と舞台演出を担う。三橋は編曲と演奏機材の整備を担当しており、特に“無音の尺を2.4秒単位で調整する”技術で知られる[要出典]。
バンド名の由来[編集]
グループ名は、結成初期に使用していた仮題「小さな呼吸譜」から転じたものとされる。2011年末、メンバー3人がの喫茶店「」で打ち合わせを行った際、店内の加湿器の音がやけに楽曲的に聞こえたことから、短い息継ぎを意味する語として「こきゅう」が採用された。
ただし、事務所側は後年になって「小さいが故に拡張する余白を持つ」という哲学的な命名であると説明しており、双方の解釈が併記されることが多い。なお、漢字表記が存在しないのは、初回デザイン段階でロゴの線幅が1.8ミリを下回ると印刷所が再現不能だったためである。
来歴[編集]
結成からインディーズ期[編集]
2012年、の録音スペースでデモ制作を開始し、同年夏に自主盤『夜の肺』を制作した。発売枚数は218枚で、うち37枚は会場の空調不良によりジャケットがわずかに波打っていたという。
インディーズ時代は、の小箱との喫茶ライブを中心に活動していた。観客が手拍子を控えるよう促される珍しい公演が多く、代わりに袖で紙袋を軽く揉む音が“参加音”として推奨された。
メジャーデビュー[編集]
2015年、シングル「呼吸の置き場所」でよりメジャーデビューした。MVはの旧倉庫地区で撮影され、霧を再現するために実際の海霧ではなく、保健基準を満たした微粒子ミストが6時間連続で噴霧された。
この楽曲は系深夜ドラマ『眠れぬ灯台』の主題歌に起用され、サビ終わりの1.7秒だけ無音になる構成が「放送事故に見せかけた名演出」として話題になった。
2018年以降[編集]
2018年のアルバム『肺活量の旅』では、会場ごとに収録テイクを差し替える“都市別ミックス”が導入された。東京盤、仙台盤、福岡盤が存在し、同じ曲でも息の強さが0.3〜0.6段階異なる。
2021年には活動休止が噂されたが、実際にはの企画展「見えないリズム」への参加準備が重なっていただけであり、同年末に『小さな夜の再配線』を配信リリースしている。2024年には初のアジアツアーを行い、とで“静寂に拍手する”独自の観客文化が紹介された。
音楽性[編集]
ちいさい こきゅうの音楽性は、を基礎に、環境音、息継ぎ、椅子のきしみ、紙の擦過音を高密度に配置する点に特徴がある。制作上は4/4拍子を用いながら、1小節ごとに呼吸の間合いをずらすことで、聴取者に“速度が変わったように感じさせる”効果があるとされる。
また、歌詞には駅のホーム、深夜の自販機、保健室の消毒液の匂いなど、日常の微細な感覚が頻繁に登場する。音楽評論家の潮田リクは「彼らはを装飾ではなく構造として売った最初期の商業ユニットである」と評している。
一方で、楽曲の一部にはライブ会場の空調能力に依存する箇所があり、冬季公演では息の伸びが短くなるため、編曲を現地環境に合わせて3種類ほど持ち込むのが通例となっている。
人物[編集]
メンバー3人は、普段から会話量が少なく、打ち合わせではメモ帳の端に線を引いて意思疎通を行うことで知られる。小林ひふみは日常的に加湿器の水位を気にする癖があり、瀬戸あさはライブ前に必ずの甘味店の白玉を食べる。三橋ナギは機材の持ち込み量が極端に多く、ツアー初期には“ミニマルな見た目に反して搬入車が2台必要”と関係者を驚かせた。
ファンの間では、3人の個人写真よりも“息を合わせている瞬間”のほうが価値が高いとされ、グッズでも単独ポートレートは少なく、手元や肩の角度だけを切り取った写真が多い。これが「顔より呼吸が先に売れるグループ」と呼ばれる所以である。
評価[編集]
批評面では、国内のインディー・ポップ文脈と、都市生活の微細音を再編集する実験音楽の双方から評価されている。特に2019年のアルバム『呼吸の標本』は、文化欄で「疲れた社会に対する、ほとんど介護的な音楽」と紹介された。
ただし、露骨に“息を聴かせる”演出が行き過ぎると指摘されることもあり、ある音楽誌は「全体に親切すぎて、逆にこちらの肺活量を試されている」と評した。なお、海外では『Little Breath』の名で紹介されることがあるが、正式な英題はアルバムごとに異なる。
受賞歴・記録[編集]
2016年、第58回で優秀作品賞を受賞した。2019年には『呼吸の標本』が年間アルバムチャートで12位となり、ユニットとしては異例の“無音区間の長さ”が配信プラットフォーム内で最もスキップされにくい楽曲群として記録された。
2022年には、ライブ中の合唱と客席の呼気を同期させる試みが評価され、の協力企画「音の環境設計」部門で特別表彰を受けた。もっとも、同企画の審査記録には「分類が難しい」とだけ記されており、選考の実態はよく分かっていない。
ディスコグラフィ[編集]
シングル[編集]
「呼吸の置き場所」(2015年) 「窓辺の肺活量」(2016年) 「静かな速度」(2017年) 「朝が来る前に息をする」(2019年)
アルバム[編集]
『夜の肺』(2012年) 『肺活量の旅』(2018年) 『呼吸の標本』(2019年) 『小さな夜の再配線』(2021年) 『白い息で書く地図』(2024年)
映像作品[編集]
『ちいさい こきゅう 1st Live at 白糸倉庫』(2016年) 『静寂の増幅装置』(2020年) 『Breath Atlas Tour Final at 東京国際フォーラム』(2024年)
タイアップ一覧[編集]
「呼吸の置き場所」は系ドラマ『眠れぬ灯台』主題歌、「窓辺の肺活量」はの車内環境キャンペーンCMソングとして起用された。「静かな速度」はの季節限定香料プロモーションと結びつき、MVでは香りの立ち上がりを波形で可視化する演出が話題となった。
また、2023年にはの特集番組『音はどこで息をするか』に楽曲提供し、放送内で使用された未発表曲は“CMに入る前の数秒がいちばん売れた”と関係者に記録されている。
ライブ・イベント[編集]
ライブは“声量より気配”を重視する構成で、開演前に観客へ深呼吸の回数を指定することがある。代表的なツアーに『Breath Atlas Tour』(2019年)、『小さな夜の再配線』(2021年)、『白い息で書く地図』全国編(2024年)がある。
特筆すべきは、2020年の公演で、会場の空調を3つの温度帯に分けて同一曲を同時再生した“三区画同時演奏”である。これは音響上の事故を避けるための措置であったが、結果的に中央席だけが最もよく聴こえるという、やや不公平な名演となった。
出演[編集]
テレビ出演は風の特番、の音楽教養番組、深夜バラエティなどが中心である。ラジオでは系番組『息の合う夜に』にレギュラー出演し、CMでは空気清浄機、寝具、保湿用品の案件が多い。
映画では、2022年公開の短編ドキュメンタリー『音が小さくなる前に』でナレーションを担当したほか、メンバーの3人全員が“通行人役”としてカメオ出演した作品もある。なお、本人たちは「映る仕事より、映らない音のほうが得意」と公言している。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
2021年、第72回に初出場した。披露曲は「朝が来る前に息をする」で、ステージ上には実際の息の流れを可視化するための薄いスモークが用いられた。
2023年にも再出場を果たしたが、演出が過剰に繊細であったため、テレビ中継では歌唱終盤の2秒がほぼ無音に聞こえる事故が発生した。これについて制作側は「仕様」と説明したが、視聴者の間では“紅白史上もっとも静かなサビ”として語り草になっている。
脚注[編集]
注釈
[1] 2014年に配布された自主制作冊子『呼吸の使い方』による。 [2] 事務所資料では「息づかいパッド」と表記されているが、一般にはシンセサイザー扱いである。
出典
[3] ただし、白糸レコーディング・ルームの所在地は資料ごとに微妙に異なる。 [4] 2022年の文化庁関連記録は公開範囲が限定されている。 [5] 空調三分割公演の詳細は関係者証言によるとされる。
参考文献[編集]
1. 潮田リク『都市呼吸音楽論』月見坂書房、2019年、pp. 44-67. 2. 森永ユイ『静けさの売り方——2010年代ユニット研究』Pale Harbor Press、2021年、Vol. 3, pp. 12-31. 3. 高橋真央『息と拍のあいだ』青波館、2018年、第2巻第1号、pp. 5-22. 4. Margaret A. Thornton “Breath as Arrangement in Contemporary J-Pop,” Journal of Audiographic Studies, Vol. 18, No. 2, 2020, pp. 101-119. 5. 久世トオル『無音区間の経済学』白糸出版、2022年、pp. 88-104. 6. 小林ひふみ『呼吸名義論序説』月見坂文化企画研究叢書、2017年、pp. 1-19. 7. 佐伯みのり『ライブ会場の空調と感情同期』港南学術社、2024年、pp. 55-73. 8.