なんとなく・マザーグース
| 名前 | なんとなく・マザーグース |
|---|---|
| 別名 | なんマザ |
| 出生名 | — |
| 出身地 | (結成時の拠点) |
| ジャンル | オルタナティブ・ロック / 物語詩ロック |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ギター/ボーカル、ベース、ドラム、キーボード |
| 活動期間 | 1996年 - (一時活動休止を経て継続) |
| レーベル | 夜更けサイレンス・レーベル |
| 事務所 | 霧灯レコード有限責任事業組合 |
(なんとなく・まざーぐーす)は、日本の4人組ロックバンドである。所属事務所は、レコード会社はである。に結成、にメジャーデビュー。略称および愛称は「なんマザ」。公式ファンクラブは「ねむねむ便」。
概要[編集]
は、韻と民謡調の比喩を現代のロック文法に接続した作品群で知られる、日本の4人組ロックバンドである。彼らの楽曲は、日常の「なんとなく」を“言語化された観測”として扱う点に特色があるとされる。
バンドはのメジャーデビュー以降、短いインタールードに長い余白を仕込む作風でファン層を拡大し、特ににリリースされたシングル『夜更けの数え唄』が、街頭での替え歌合戦(後述)を誘発したことで社会的な話題となった。音楽評論では「子守唄が社会実験になったバンド」と評されることもある。
メンバー[編集]
バンドの中核は4名で構成され、各メンバーは作詞にも関与するとされる。
(とぐち わたり)はギターとボーカルを担当する。彼は歌詞の冒頭を毎回『“言い切らない一文”から始める』というルールで固定していると報じられた。
(ゆうき しおり)はベースを担当し、コーラスでは低音の旋律に“ずれ”を作ることでサビの感情を浮かせる方式を採るとされる。
(みさきだ るお)はドラムを担当し、一定テンポを崩さない代わりにフィルインを小刻みに変化させることで“なんとなく”の揺らぎを再現する。
(しのはら さや)はキーボードを担当し、古い玩具ラジオの録音をサンプル素材として常用しているとされる。
バンド名の由来[編集]
バンド名の「なんとなく」は、結成当初にメンバーが通っていたの小さな録音スタジオが、夜間の電源容量に制限があり「必要十分な音だけを“なんとなく”録る」運用だったことに由来するとされる。
「マザーグース」は“子守唄”を指す英語圏の童謡文化と結びつけつつ、実際には当時、作詞ノートの余白に書かれていた“母語(マザー・トン)を探す”という冗談の略語が原点だと語られている。
このため、公式には「童謡の雰囲気」だけでなく「言語の母体を探す」という二重の意味があると説明されることが多い。なお、一部の古参ファンの間では“母親の鳩小屋(マザー・グース)”という失笑ネタが真相であるとされるが、裏付けはない。
来歴/経歴[編集]
結成とインディーズ時代(1996年 - 1998年)[編集]
、とが札幌の深夜ラジオ番組の制作班で出会ったことがきっかけとされる。2人は即興の歌詞をICレコーダーに録る実験を始め、録音時間は1本につき最大37分までというスタジオの規定に縛られた。
には、仮タイトル『なんとなく便』でミニアルバム『霧の送料(送料=音数換算)』を制作した。収録曲の音数は全曲で合計4,096(2の12乗)にそろえたとされるが、当時の本人談では「偶然寄っただけ」であるという。
に札幌市中央区の路上で行った“替え唄ワークショップ”が反響を呼び、集まった子どもたちが紙に書いた歌詞が後の『夜更けの数え唄』の下書きになったとされる。
初期の転機とメジャーデビュー(1999年)[編集]
、が、夜間の交通量データを音に変換した試作品を展示していた際、出展ブースで偶然流れたデモがスタッフの耳に留まったという経緯があると報じられた。
当時の契約書には「童謡由来のフレーズをロックの小節に必ず一度は折り込む」条項があり、編集者からは“縛りが強すぎる”と注意されたが、結果として曲作りが整ったとされる。
同年のメジャーデビューシングル『夜更けの数え唄』は、発売初週の推定売上が8.4万枚、店頭試聴の再生回数が27,613回に達したと記録される。推定値であるにもかかわらず、数値が細かいことがファンの記憶に残り、以後“秒読みのバンド”と呼ばれる下地になった。
メディア露出の拡大(2000年 - 2005年)[編集]
にはテレビ番組のエンディングテーマに起用され、彼らの歌詞が“言い切らないのに刺さる”として評価を受けた。
、シングル『雪の積算』は全国の図書館で読み聞かせイベントとセットで流され、来場者アンケートでは「子守唄のようで怖くない」という回答が全体の61.2%を占めたとされる。
にはの特集番組で特集され、スタジオ内の音響を測るために設置されたマイクが“1台だけ位相がずれている”状態で収録されていたことが明かされた。メンバーは「それがなんとなくの正体だった」と語ったとされる。
活動休止と再結成(2006年 - 2012年)[編集]
に開催された全国ツアー『ねむねむ便、全国へ』の最中、の手首の負傷により一時活動休止が発表された。公式声明では「完全休止ではなく、録音活動のみ継続」とされた。
休止期間中、バンドは旧友の技術者と共同で“歌詞の余白を音階として可視化する装置”を開発し、録音素材として使用したとされる。ただし、技術の実在性については疑問が呈された。
に再結成が発表され、のアルバム『余白測定器』がリリースされた。収録曲のタイトルはすべて長さが一致しており、並べ替えると“郵便番号”に見えるとネット上で話題になった。
音楽性[編集]
の音楽性は、童謡的な反復構造とロックの推進力の間に“微妙な確信の欠如”を置く点で特徴づけられる。評論家のは「音は進むが、意味は追いつかない」と評したとされる。
作曲は、まずが“言い切らない一文”を歌詞として書き、その後にが玩具ラジオの周波数をもとにメロディの輪郭を作る流れが定番とされる。ただし、同バンドはこの手順を公表しない時期もあった。
一方でライブでは、曲の途中で必ず観客に短い合唱パートを要求する。特に『夜更けの数え唄』では、会場の照明が消える瞬間にだけ歌詞が一語だけ変化する演出が知られている。変化語が何かは当日まで伏せられ、正解を当てたファンには“ねむねむ便”の会員証が追加発行される。
人物[編集]
メンバーは個々に“物語の語り口”を重視することで知られる。音楽誌『』のインタビューでは、が「低音は結論に近づくが、近づきすぎない」と述べたとされる。
また、は演奏中に視線を固定しない“視線の失速”を行うことがあり、これが録音でも反映されるとファンの間で噂になった。本人は否定していないが、根拠も示していない。
バンドは作詞会議を“家計簿会議”と呼ぶことがある。これは歌詞の単語を点数化し、合計が規定値(例えば『余白測定器』では7,204点)を超えると削るという、やけに具体的な基準があるためだとされる。
評価[編集]
デビュー以降、チャートでの上位記録が続いたとされる。特に『夜更けの数え唄』は週間ランキングで最高位2位を獲得し、同年の年間シングルで“伸び率部門”として異例の表彰が行われたという。
国民的な位置づけに近づいたきっかけは、2003年の全国ツアーでの“替え唄の自発発生”であると説明される。公式側は楽曲の旋律だけを提供し、歌詞は各地で変化してよいとしたため、結果として地域ごとの物語が増殖した。
ただし、批評では“意味が散らかっている”という見方もあり、特に後期の作品では抽象度が上がりすぎたとの指摘がなされた。
受賞歴/賞・記録[編集]
に日本の音楽賞で新人部門を受賞したとされる。受賞理由として「メロディの切れ目を歌詞の文脈として成立させた」ことが挙げられた。
にはライブ映像作品『ねむねむ便、終点の手前で』がの“聴きやすさ”認定を受けたとされる。認定基準が「聴取者の平均瞬目回数(算出方法は非公開)」である点から、皮肉交じりの評価が生まれた。
また、配信の累計ストリーミング数は“2020年末時点で約11億回再生”を突破したと発表された。数字の出典は社内集計であるとされ、外部監査の有無は不明であると報じられている。
ディスコグラフィ[編集]
シングルとしては『夜更けの数え唄』(1999年)、『雪の積算』(2003年)、『余白測定器』(2008年)、『なんとなく合図』(2012年)などが知られている。
アルバムは『霧の送料』(1997年、インディーズ)を皮切りに、『夜更けの数え唄・完全余韻盤』(2000年)、『余白測定器』(2009年)、『母語の鳩(からくりダウンロード特典付き)』(2013年)などがリリースされた。
映像作品としては『ねむねむ便、終点の手前で』(2007年)と『合唱の一語だけ』(2014年)がある。後者は特典ディスクに“照明が消える瞬間の歌詞表”が収録されており、ファンの検証行動を促したとされる。
なお、配信限定シングル『郵便番号の子守唄』(2016年)は、タイトルどおり曲中に架空の郵便番号を数十回繰り返す構成になっているとされるが、実際の番号列に意味があるかは議論が続いている。
ストリーミング認定[編集]
ストリーミング認定では、作品ごとに異なる達成基準が採用されたとされる。『夜更けの数え唄』は“再生時間の中央値が3分12秒”を超えた場合に上位認定される方式で、中央値ベースでの認定が話題になった。
『雪の積算』は“冬季(12-2月)に限った再生増加率”で認定され、当該期間の増加率が推定で148%だったと発表された。元データの掲載がないため、数値の確度には温度差があると指摘されている。
一方で、ファンクラブ内の解析では『余白測定器』の特定フレーズ後の再生停止率が異常に低い(0.8%)とされ、これが“なんとなくの引力”として語られた。
タイアップ一覧[編集]
タイアップとしては、前述のテレビ番組のほか、の地域連載“読書は夜更けに”で『雪の積算』がBGMとして使用されたとされる。
また、の広報映像で『余白測定器』が“観測の余白”を象徴する楽曲として起用されたという報道がある。ただし、広報映像の内容と歌詞の直接的関連性は薄く、担当者のコメントも残っていないとされる。
映画では地方都市を舞台にした作品『改札のない朝』(架空作品)で『なんとなく合図』が流れたとされる。映画自体は全国公開ではなく、限定上映のみだったという。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
ライブツアー『ねむねむ便、全国へ』(2003-2004年)は、当時の会場規模に合わせて“観客合唱の長さ”が調整されたことで知られる。調整は、会場ごとにマイクの残響時間を測り、合唱の語数を決める方式(語数は最大で41語)だったとされる。
2008年のツアー『終点の手前で』では、アンコールの曲順が会場アンケートで決まった。アンケート項目は3つだけで、「一語だけ覚えている言葉は何か」「雨のときの気分」「眠りの直前」など、妙に個人的であったと記録されている。
2012年以降は“合唱の一語だけ”という固定演出が加わり、観客が各自の推測で歌う一語を、メンバーが最後に正解として確定させる形式が確立した。
出演[編集]
テレビではの音楽番組『夜更けの余白』に複数回出演したとされる。初回の出演回では“照明が消える瞬間”がテレビ放送で実際に再現されず、翌週に訂正版の編集が出たと騒がれた。
ラジオではに相当する架空局『FMそらいろ』の深夜番組『なんとなく便』でパーソナリティを務めたとされる(放送年は公式発表が曖昧で、2002年説と2005年説がある)。
映画・CMでは、の観光CMで“なんとなく歩く”キャンペーンに『なんとなく合図』が使用されたとされる。使用地域としての架空観光協会“眠り灯台観光協議会”が挙げられているが、実在性は確認されていない。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
にへ出場したとされる。曲は『夜更けの数え唄』で、歌唱中に舞台上へ白い紙飛行機が放出された演出が話題になった。
ただし、紅白の放送記録との照合で出演年が揺れているとの指摘もあり、資料によっては“特別企画枠”として扱われているという。
このため、出場歴は公式には“参加した可能性が高い”として整理されることがあると、NHK周辺の資料整理担当者が語っていたとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 『月刊・位相の旅』編集部『“なんとなく”の作曲学:霧の送料から余白測定器まで』第12巻第3号、位相社、2004年。
- ^ 佐藤 弥生『言い切らない歌詞の社会学』青空学術出版, 2006年。
- ^ M. Thornton『Children’s Lullabies as Urban Signals: A Japanese Case Study』Vol. 41, No. 2, Kuroshio Academic Press, 2010.
- ^ 【夜更けサイレンス・レーベル】編『Nanonaku Mothergoose Official Archive』夜更けサイレンス・レーベル, 2012年。
- ^ 田中 琴音『ロックと童謡の位相差:反復構造の設計論』音楽技術叢書, 2009年。
- ^ K. Alvarez『Studio Noise and Meaning Delay in Alternative Rock』pp. 88-113, Journal of Sound Mythology Vol. 7, No. 1, 2015.
- ^ 『都市窓音楽賞』事務局『受賞記録集(1998-2008)』pp. 201-209, 都市窓音楽賞出版, 2008年。
- ^ 霧灯レコード有限責任事業組合『契約条項にみる歌詞の条件』pp. 14-29, 内部資料として流通, 2001年。
- ^ 戸口 亘理『一語だけを残す技術』夜更け文庫, 2017年(第2版)。
- ^ 篠原 砂夜『玩具ラジオの周波数と物語の輪郭』『音響物語研究』第9巻第4号, 音響物語出版社, 2020年。
外部リンク
- ねむねむ便 公式アーカイブ
- 霧灯レコード 有限責任事業組合 研究室
- 夜更けサイレンス・レーベル 受賞記録データベース
- 合唱の一語だけ 実験ログ
- FMそらいろ 放送アーカイブ