みんなでいこうね ~遠足編~
| タイトル | みんなでいこうね ~遠足編~ |
|---|---|
| 画像 | (架空)遠足カバンのドット絵キーアート |
| ジャンル | 協力型ホラーRPG |
| 対応機種 | 夢見ポータル / 夢見ポータル Lite / 夢見クラウド |
| 開発元 | 潮騒デジタル・エンタープライズ |
| 発売元 | 通学路流通協同組合(TSU-TRA) |
| プロデューサー | 上条 カナミ |
| シリーズ | みんなでいこうね |
| 発売日 | 2032年9月13日 |
| 対象年齢 | 12歳以上(ホラー表現・対話制限あり) |
『みんなでいこうね ~遠足編~』(略称: MDE-TK)は、[[2032年]][[9月13日]]に[[日本]]の[[潮騒デジタル・エンタープライズ]]から発売された[[夢見ポータル]]用の[[コンピュータRPG]]。[[みんなでいこうね]]の第2作目である。
概要[編集]
『みんなでいこうね ~遠足編~』は、放課後の郊外学習を模した舞台で、プレイヤーが“クラスの集合”を維持しながら進行する協力型ホラーRPGである[1]。
本作は[[みんなでいこうね]]シリーズの第2作目として位置づけられ、前作にあたる『みんなでいこうね ~遊園地編~』で培われた“誰かが遅れると世界が歪む”という演出設計を、遠足の時間割へ翻訳した点が特徴とされる[2]。
キャッチコピーは「“みんな”の定義を、守りきれ。」であり、公式放送では“怖さよりも、置いていく罪悪感が先に来る”と説明されたとされる[3]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
システム[編集]
プレイヤーは基本的に“集合班”の代表として操作し、各班には遠足の持ち物に対応したスキル(例: [[お弁当]]班・[[しおり]]班・[[方位磁針]]班)が割り当てられる[4]。戦闘はターン制というよりも、会話ゲージと足取りゲージの噛み合いによって進行する“すれ違い運用”が採用されている。
ゲーム内で重要なのは、敵のHPではなく“歩幅の同調率”である。プレイヤー同士、あるいはプレイヤーとNPCの歩幅が揃わない場合、画面右下に[[集合遅延]]メーターが出現し、一定値を超えると暗転前の校内アナウンスが勝手に再生される(これがホラー演出の核として語られることが多い)[5]。
なお、オフラインモードでは“声の重なり”が省略されるかわりに、会話選択肢が強制的に減る仕様となっており、「家で遊ぶほど怖い」という意見と「家だと逆に怖くない」という意見が同程度に見られたとされる[6]。
戦闘・対戦モード[編集]
戦闘は“立ち止まるほど不利”な設計で、敵と遭遇すると地形が教育施設の縮尺へ変換され、[[自販機]]や[[売店]]が獲物ではなく“縛り札”として機能する。敵の正体は多くが“クラスの輪郭”として描かれ、攻撃ではなく“順番の修正”で倒すと説明される[7]。
対戦モードとしては協力対戦型の[[班争奪フィールド]]があり、各チームは“集合地点”の再配置を競う。勝敗は旗の奪取ではなく、最終到達時点での集合人数の実数が基準となるため、あえて遅れて誰かを助ける戦術が成立する一方、初心者は“急げ急げ”に引きずられがちとされる[8]。
協力プレイでは、パーティメンバーが死亡してもクラス名簿の余白に“一時的な空席”が記録され、次回ログイン時に空席の声がBGMに混入することがある。この挙動はパッチノートでは説明されず、のちに一部編集者が「仕様だが、出典がない」と指摘した[9]。
アイテム・進行[編集]
アイテムは通常の消費品に加えて、“儀式消耗品”と呼ばれるカテゴリがある。たとえば[[遠足のしおり]]は単なる攻略ヒントではなく、特定の分岐で“時間が戻る”代わりに、以後の会話が一つだけ早口になるデメリットが付く[10]。
進行はチェックポイント方式であり、[[代替集合]]が3回発生すると“忘れ物の章”へ強制移行する。忘れ物の章では、プレイヤーは落とし物探しをしながら、なぜ落としたのかを“校則の語彙”で説明する必要があるとされた[11]。
この仕組みは、遠足の定番であるレジャー要素を持ちつつも、会話の整合性が崩れた瞬間にホラーが増幅する構造になっている。公式資料では「恐怖は演出ではなく、論理の欠損として実装されている」とされる[12]。
ストーリー[編集]
物語は[[2032年]]の秋、雨上がりの朝に始まる遠足計画の“二段階確認”から始まる。クラス担任は集合前に名簿を読み上げ、プレイヤーは“みんなでいこうね”の合言葉とともに、先生の視線から逃げないように歩く必要があるとされる[13]。
最初の目的地は[[市立・夢光自然公園]]である。プレイヤーは“レジャーの荷物”を持っているはずなのに、インベントリのどこにも[[レジャーシート]]がないことに気づき、代わりに“未配布の図工プリント”が入っている。これが本作で最初のねじれとして扱われる[14]。
ストーリーの中盤では、遠足用の交通案内が異常に詳細になり、「右折 17m、信号3回、横断歩道の幅は同じ」がログに刻まれる。このログは世界の実測として機能し、誤差が大きい箇所ほど敵の出現率が上がるとされる[15]。
終盤では、クラスの“全員”とは誰かが問われる。結末の分岐は複数あり、最良ルートでは“空席を認めたうえで歩幅を揃える”ことで恐怖が沈静化するとされる。一方で、名簿を絶対視するとラスボスが“校内アナウンスの声帯”として実体化するとも語られる[16]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公は無名で、プレイヤーは自分のニックネームが“名簿の空欄”に書き込まれる形で参加する。シリーズ共通の演出として、初期ステータス画面に[[学級活動の遅刻]]欄があり、ここが“プレイヤーの未来の罪”として扱われるとされる[17]。
仲間には、雨の日だけ口数が増える[[若菜 リコ]]、行動順を暗唱する[[澤田 ハル]]、方位磁針を分解して会話の癖を直そうとする[[ミナトの科学委員]]がいる。彼らは戦闘要員というより“集合班の定規”として描写され、歩幅を揃える役割が強調される[18]。
敵は大別すると“置いていかれる感情”に由来する[[遅延幽体]]、そして校則の文言で増殖する[[しおり食い]]である。特にしおり食いは、プレイヤーが選んだ選択肢の語尾だけを食べるため、後続の会話が妙に子どもっぽくなる現象が起きると報告された[19]。
また、前作からの継続キャラクターとして、遊園地編の終盤で登場した[[メガネの班長]]が“遠足編では委員会名簿の修正係”として再登場する。ファンの間では「前作の続きではなく、前作の“後悔”が来ている」という解釈が広まったとされる[20]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の世界は、現実の地名を“教育施設の属性”に翻訳して再配置したものとされる。たとえば舞台の一部に[[神奈川県]]の海沿いを連想させる[[潮霧通り]]が登場するが、道路標識のフォントが極端に教科書体で統一されている点が特徴である[21]。
重要な概念として[[みんなでいこうね]]がある。これは単なる合言葉ではなく、時間割と同様の“順序契約”として扱われ、違反した瞬間にBGMが無音ではなく“音の行方”に変換されると説明される[22]。
もう一つの概念が[[集合権]]である。集合権は“誰が一緒にいる資格を持つか”を数値化したものとされ、プレイヤーが一度離脱するたびに権利が減る。公式コメンタリーでは「減った分だけ、あなたがあなたを置いていく」と表現されたとされる[23]。
なお、シリーズの他作品として[[遊園地編]]・[[水族館編]]・[[修学旅行編]]・[[最後の入学式編]]が言及される。これらは別舞台ながら、共通して“遠足編の合言葉が別の語彙に変換される”という演出があるとされる[24]。
開発/制作[編集]
制作経緯[編集]
制作の発端は、潮騒デジタル・エンタープライズが社内研修で実施した“集合ドリル”にあるとされる。開発スタッフが毎朝、全員集合を確認する儀式を行ったところ、会議室の時計がずれるたびに“遅れて来た人ほど罪悪感を強く認識する”という行動ログが取れたという[25]。
その後、ゲーム化にあたっては[[筑波学習記録研究室]]との共同で、遠足の時間割を“ゲームの乱数源”として設計する案が採用された。時間割の並びが崩れるとホラーが増幅するのは、乱数の不確実性ではなく“社会的整合性の欠損”として描くためと説明された[26]。
制作中は“こわさ”の調整が繰り返され、最終的には恐怖ではなく、置いていく側の言い訳が増える方向へ調整されたとされる。ただし、その詳細な設計資料は現場が保管しておらず、のちのオフレコインタビューで“たぶん、あの机の引き出し”と語られた[27]。
スタッフ[編集]
プロデューサーは[[上条 カナミ]]であり、インタビューでは“怖さは不条理ではなく儀式の失敗”だと語ったとされる[28]。
ディレクターは[[佐伯 眞人]]、ゲームデザインは[[榊田 ユズ]]が担当した。プログラミングは[[潮見野 シュン]]が統括し、集合遅延メーターの演算は“歩幅のFFTっぽいもの”として社内で冗談半分に語られたとされる[29]。
音楽は[[小鳥遊 ルイ]]が監修し、サウンドは“無音にも聞こえる音”を目標に制作された。具体的には、[[鐘]]の倍音だけを抽出したパッドが、集合権が減る局面で自動的に混入する仕様となったと説明された[30]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラックは『[[みんなでいこうね ~遠足編~]] オリジナルサウンド集』として発売された。収録曲は全23曲で、うち4曲が“同じ旋律の子ども声版”として扱われる[31]。
代表曲は「しおりの速度」「集合遅延の時計」「お弁当が冷えるまで」「校内アナウンスの声帯」である。特に「集合遅延の時計」は、メトロノームのテンポがゲーム内時間と一致せず、プレイヤーが不安になるほど正確に外れるよう設計されたとされる[32]。
また、協力プレイ中はプレイヤーの会話テキストを解析して音程に反映し、“同じ言い回しほど同じ音が出る”ため、無言の間に不協和音が育つという設計が語られた[33]。
評価(売上)[編集]
発売初週の売上は約48万本と報じられ、月末には累計72万本へ達したとされる[34]。同時期の別ジャンル作と比較しても伸びが目立ち、翌年の受賞歴にもつながったとされる。
ゲーム誌[[ファミ通]]のクロスレビューではゴールド殿堂に相当する採点が付与され、「ホラーを“置いていく社会”へ接続した」と評された[35]。
ただし批判としては、協力プレイ前提の難易度が強く、ソロでは“集合権”の減りが速く感じられるという声が集まった。結果として、公式はパッチで“歩幅同調の許容誤差”を0.7%拡大したと発表している[36]が、当時のバージョンノートにはその数値しか書かれておらず、なぜ0.7%なのかは説明されなかった[37]。
関連作品[編集]
シリーズ作品として、前作にあたる『みんなでいこうね ~遊園地編~』、派生する『みんなでいこうね ~水族館編~』『みんなでいこうね ~修学旅行編~』『みんなでいこうね ~最後の入学式編~』がある[38]。
各作品では舞台の“学校行事”が変わるが、根幹の仕組みは共通しているとされる。具体的には、時間割の順序契約が別の儀式に置換され、同じ合言葉が違う形で現れると説明される[39]。
また、遠足編の“忘れ物の章”は後の水族館編で“拾い上げた展示カードが呪文になる”という形で再解釈されたという指摘があり、スタッフが「同じ不安を別の水槽へ入れた」と語ったとされる[40]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本としては『[[みんなでいこうね ~遠足編~]] 集合遅延攻略名簿』が発売された。全192ページで、巻末に“空席ログ”の読み方が図解されているとされる[41]。
また、学校行事をモチーフにしたコラム集『校則ベースのゲームデザイン』([[第1刷]]で誤植があり“第0章”と記されていた)も刊行された。作中で引用される架空の教育心理モデルは、読者によって“真面目に笑える”と評価されたとされる[42]。
さらにサウンド関連として、[[小鳥遊 ルイ]]の“鐘の倍音だけを使う作曲法”をまとめた同人誌が、公式許諾のもと複製販売された。公式サイトでは“複製番号 00017-Δ”が印字されたと報告されているが、真偽は確認されていない[43]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 上条 カナミ「集合権が減る瞬間の設計思想」『潮騒ゲームデザイン紀要』Vol.12 No.3, pp.41-58, 2033.
- ^ 佐伯 眞人「協力型ホラーRPGにおける歩幅同調率の導入」『日本インタラクティブ学会論文集』第8巻第2号, pp.77-92, 2034.
- ^ 榊田 ユズ「儀式消耗品が会話分岐へ与える影響」『エンカウント・パターン研究』Vol.5 No.1, pp.10-26, 2033.
- ^ 小鳥遊 ルイ「鐘の倍音パッドによる不安誘導の試作」『サウンド・シミュレーション研究』第3巻第4号, pp.201-219, 2032.
- ^ 潮見野 シュン「集合遅延メーター演算モデルの実装報告」『業務用ゲーム機構技報』pp.12-19, 2032.
- ^ 筑波学習記録研究室『教育行事ログのゲーム応用(遠足編)』筑波学習記録出版, 2031.
- ^ ファミ通「みんなでいこうね ~遠足編~」『週刊ファミ通』2032年10月2日号, pp.34-39, 2032.
- ^ Tsubasa Shimizu, “Order-Contract Systems in Narrative Horror RPGs”, Journal of Applied Play, Vol.9 No.2, pp.88-103, 2034.
- ^ Margaret A. Thornton, “Group Compliance and Fear in Cooperative Interfaces”, Proceedings of the International HCI Seminar, Vol.21, pp.1-9, 2033.
- ^ 潮騒デジタル・エンタープライズ『公式パッチノート集:夢見ポータル版』TSU-TRA編集部, 2033.
外部リンク
- 潮騒デジタル・エンタープライズ 公式サイト
- 通学路流通協同組合 TSU-TRA サポート
- 夢見ポータル 互換データベース
- みんなでいこうね シリーズ資料室
- ファミ通 クロスレビュー アーカイブ