サックス
| 名前 | サックス |
|---|---|
| 画像 | Saxs_live_2019.jpg |
| 画像説明 | 2019年の公演にて |
| 画像サイズ | 270px |
| 背景色 | #7D5BA6 |
| 別名 | SAXS |
| 出生名 | SAXS |
| 出身地 | |
| ジャンル | オルタナティブ・ポップ、実験的ダンスロック、都市民謡 |
| 職業 | 歌手、バンド |
| 担当楽器 | ボーカル、シンセサイザー、改造管楽器 |
| 活動期間 | 2012年 - |
| レーベル | Nadir Records |
| 事務所 | 月面工業芸能 |
| 共同作業者 | 、 |
| メンバー | サカモト・ユウ、榊原マオ、草野リク、S.ナカジマ |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | saxs.jp |
サックス(さっくす)は、日本の4人組オルタナティブ・ポップバンドである。所属事務所は。レコード会社は。に結成、にメジャーデビュー。略称は「SAXS」。公式ファンクラブは「」である。
概要[編集]
サックスは、発の4人組オルタナティブ・ポップバンドである。金属管を再利用した独自の発声装置と、電子音を用いた合唱的なアレンジで知られ、後半の都市部インディーシーンを代表する存在とされる。
バンド名は、結成当初に彼らが行っていた「Sound-Accelerated Xenon Song」の略称に由来するとされているが、後年になってからは「都市の雑音を音楽に変えるための記号」とも説明されるようになった。なお、初期の資料には単に「SAXS」とだけ記されており、命名経緯には今なお諸説ある[1]。
メンバー[編集]
現メンバーは、サカモト・ユウ、榊原マオ、草野リク、S.ナカジマの4名である。いずれも本名と芸名が半ば一致しており、ライブMCではメンバー同士が互いを苗字ではなく機材番号で呼ぶことがある。
サカモトはボーカルと作詞を担当し、榊原はシンセサイザーと編曲を担当する。草野は改造管楽器と打楽器を、S.ナカジマはプログラミングと映像演出を担当しており、4人の役割分担は結成以来ほとんど変わっていない。
なお、2014年頃までサポートメンバーとしての非公開研究室出身の打楽器奏者が参加していたとされるが、本人の名義が一切残されていないため、ファンの間では「5人目の影」と呼ばれている[要出典]。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、当初は結成時に使用していた簡易的な制作ファイル名「saxs_01」から採られたとされる。これは、当時のメンバーがの中古パーツ店で購入した管状スピーカーの型番を読み違えたことに由来するという説が有力である。
一方で、草野の証言によれば、名称は「空気を切り裂く音」を意味する造語であり、英字表記のまま読ませることで、のクラブ文化との小劇場文化の両方に接続できるよう設計されたという。もっとも、初期のデモ音源では「サックス」ではなく「サクス」と発音されていたため、現在の読みは後付けで定着した可能性がある。
来歴[編集]
結成期(2012年 - 2013年)[編集]
サックスは、の共同作業スタジオで結成された。4人はもともと別々のアマチュア企画に参加していたが、深夜の停電時に鳴った換気扇の共鳴音を録音したことをきっかけに、即席ユニットとして活動を開始したとされる。
最初期のライブは、の喫茶店で観客7名、うち3名が店員という規模で行われた。ここで披露された「夜間搬送路」は後に代表曲の原型となり、地元の小規模イベンターの間で「妙に完成度が高い」と話題になった。
2013年には自主制作EP『』を発表し、限定200枚が3週間で完売した。盤面の一部が蛍光塗料で印刷されており、暗所でのみ歌詞の一部が読める仕様だったことから、コアファンの間で交換会が起こったという。
メジャーデビュー(2014年 - 2016年)[編集]
2014年、サックスはの新人発掘企画に採用され、翌年にミニアルバム『』を発表した。これによりを中心とするインディー・イベントで急速に認知を広げた。
にはシングル「」でメジャーデビューを果たし、同作は初週でオリコン週間チャート9位を記録した。ミュージックビデオはの旧灯台を丸ごと1晩借り切って撮影されたとされ、撮影後に塩害対策費だけで予算の18%が消えたという。
この時期、彼らは「都市の静寂を聴かせるバンド」として各紙で紹介されるようになったが、実際にはライブ中に電動扇風機を4台同時稼働させるため、ステージ音量は平均93デシベルに達していたと報告されている。
ブレイクと再編(2017年 - 2020年)[編集]
のアルバム『』は累計売上枚数31.4万枚を記録し、サックスの名前を一般層にも広めた。特に収録曲「」は、の深夜番組で短く使用されたことから、放送翌週に配信再生数が4倍に跳ね上がった。
しかしには、映像演出の方向性をめぐって一時活動休止を発表した。休止期間中、榊原が単独で制作したサウンドスケッチ集『』がカルト的評価を受け、結果として本体復帰への期待がかえって高まった。
の再始動後は、やでのホール公演を成功させ、ライブ・コンサートツアー「」では全12公演中11公演が即日完売した。なお最終公演のみ追加席が出たのは、会場の座席番号に欠番があり、主催者が急遽「見切れ席」を発明したためである。
近年の動向(2021年 - )[編集]
以降のサックスは、ストリーミング配信を主軸に据え、楽曲の尺を意図的に短くする方針へ転換した。2023年には「」が通算1億2,800万回再生を突破し、バンド史上最大のヒットとなった。
同曲は、の再開発地区で収録された環境音を大胆に用いたことで知られ、地元住民からは「工事が静かに聞こえる」として奇妙な支持を受けた。また、には完全無観客の立体音響公演を開催し、聴取者の約17%が「会場の床が上下したように感じた」と回答したとされる[要出典]。
一方で、同年末には新作の制作遅延を巡って公式ファンクラブ限定配信が3度延期され、ファンの間では「サックスが戻るときは大体何かが壊れている」と語られている。
音楽性[編集]
サックスの音楽性は、を基調としつつ、、、を混交させたものと評される。特に、歌メロの上に管楽器風の電子音を重ねる手法は、結成初期からの特徴である。
彼らはしばしば「改造管楽器」を用いるが、これは実際の楽器を加工したものではなく、金属パイプとMIDIセンサーを組み合わせた独自装置である。草野によれば、最初の試作品はのホームセンターで購入した排気ダクトから作られ、音域は想定より2オクターブ低かったという。
また、サックスの楽曲は転調回数が多く、1曲内で平均3.7回の調性変化があるとされる。音楽評論家のは、これを「感情ではなく気圧で展開するポップス」と評している。
人物[編集]
メンバーは総じて寡黙であるが、ライブ後の物販対応だけは異様に長いことで知られている。サカモトはサインの際に必ず曲名ではなく会場の湿度を尋ねる癖があり、榊原はファンに対して自作のコード進行メモを配ることがある。
草野は機材破損への対応が極端に早く、2019年の公演ではアンプが故障した際、工具箱から取り出した結束バンドのみで残りのセットを完遂したという。S.ナカジマは映像演出を担当する傍ら、ツアーごとに会場周辺の避難経路を下見するなど、妙に実務的な面が目立つ。
4人とも内の複数の美術館・科学館を好んで訪れるとされ、特にの展示替え時期には必ず誰か1人が現れるという目撃談がある。
評価[編集]
サックスは、同世代のバンドの中でも「作り込みの密度が異常に高い」と評価されている。ライブ演出、ジャケットデザイン、SNS上の断片的な投稿まで一貫した美学があり、ファンの間では「1枚のアルバムが1つの都市計画のようだ」とも言われる。
一方で、評論家の中には「技巧が先行しすぎて楽曲の素朴な魅力が見えにくい」とする意見もある。ただし、その批判はしばしば次の作品で裏切られるため、結果として議論自体が宣伝効果になっているとの指摘もある。
に実施された音楽誌『』の読者投票では、サックスは「最も会場の空調が似合うバンド」部門で1位を獲得した。
受賞歴・賞・記録[編集]
サックスは、に新人部門を受賞したほか、にはから「夜間景観に寄与した音楽活動」として特別表彰を受けている。
記録面では、「午前3時の都市伝説」が配信開始から72時間で360万回再生を記録し、所属レーベル内の最速到達作品となった。また、の立体音響公演では、アンコール終了後の拍手が17分42秒続き、主催者が途中で照明を消しても観客が座ったままだったという。
なお、に授与された「静音大賞」は、受賞式会場のマイクがすべて無音で設置されていたため、受賞コメントが客席の口形読取で記録されたとされる[要出典]。
ディスコグラフィ[編集]
シングル[編集]
1. 「水銀の休日」(2016年) - メジャーデビュー曲。B面の環境音にだけ熱心な評価が集まり、表題曲より長く語られた。
2. 「逆さまの交差点」(2017年) - 交通量調査員が勝手にサビを口ずさむ映像が拡散し、都市伝説的な人気を得た。
3. 「午前3時の都市伝説」(2023年) - ストリーミング再生の主力曲。歌詞の一部がの深夜放送と同期するよう設計されていた。
アルバム[編集]
・『1/48の街灯』(2013年) - 自主制作EP。
・『都市気圧』(2015年) - インディーズ期の集大成とされる。
・『薄明の整列』(2017年) - ブレイク作。
・『冷却塔のための習作』(2019年) - 休止期に派生した実験作。
・『Mouth of Night』(2024年) - ツアーと連動した最新作。限定盤には実在しない路線図が封入され、コレクター市場で高騰した。
映像作品[編集]
・『SAXS at the 赤レンガ』(2020年)
・『Night Shift Documents』(2022年)
・『立体音響公演 2024 / 無観客の観客』(2025年)
いずれも演奏映像に加え、会場の空調ログや搬入口の通過記録が特典映像として収録されている。
ストリーミング認定[編集]
サックスの主要楽曲は、国内外の配信サービス上で継続的に再生数を伸ばしている。特に「午前3時の都市伝説」は、時点で累計1億2,800万回再生を突破し、レーベル内で初のプラチナ相当認定を受けたとされる。
また、カタログ全体では月間リスナー数が最大で420万人に達し、その半数以上がの深夜帯ユーザーであったという。なお、同時期に公開されたリミックス版は、通勤時間帯よりも始発待ちの利用者に人気が集中した。
タイアップ一覧[編集]
「水銀の休日」はの深夜交通安全キャンペーンに起用された。実際にはCM尺が15秒しかなかったが、曲の冒頭12秒に全体の雰囲気が詰まっているとして採用されたという。
「逆さまの交差点」はのイベント映像に使用され、会場内の案内放送と偶然テンポが一致したことから話題になった。
「午前3時の都市伝説」は、系の実験番組『』のエンディングテーマとして用いられたほか、の夜景プロジェクション企画にも採用された。なお、タイアップ先の担当者が「この曲は説明しにくいが、建物に貼るとちょうどいい」と発言した記録が残っている。
ライブ・イベント[編集]
サックスは、ライブ・コンサートツアーにおいて視覚と音響の両面を重視する。2019年の「Mouth of Night」ツアーでは、各会場ごとに照明色が異なり、セットリストも都市の気温に応じて変更された。
最大規模の公演はで行われた2024年の単独公演で、約8,900人を動員した。終演後、観客退場にかかった時間が異例の54分となったが、これは出口案内が楽曲のリズムに合わせて3拍子で表示されていたためである。
また、ファンイベントでは毎回「機材説明会」が併催され、アンプの製造年やケーブルの曲がり方まで解説される。こうした極端な運営は、サックスの信奉者にとってはむしろ魅力の一部とされている。
出演[編集]
テレビ[編集]
『』、『』などに出演した。いずれも深夜帯の番組であり、出演者紹介のテロップが楽曲のリズムに合わせて点滅する演出が施された。
ラジオ[編集]
系の特別番組『』に定期的に出演している。メンバーが曲作りよりもケーブル選びの話で盛り上がるため、放送作家が毎回軌道修正に苦労するとされる。
映画・CM[編集]
短編映画『』の音楽を担当したほか、の啓発CMでナレーションを務めた。CM撮影ではサカモトがテイクごとに発声位置を2cmずつずらし、監督が「むしろ編集で合わせた方が早い」と判断した逸話がある。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
サックスはに第75回へ初出場した。披露曲は「午前3時の都市伝説」で、演出上、舞台上に実物大の換気塔が設置されたことが話題になった。
なお、同年の出場発表時には、メンバーが喜びよりも先に「搬入動線は十分か」と確認したため、視聴者の間でプロ意識の高さが再認識された。以後、番組側からは「紅組でも白組でもない、設備班寄りの存在」と冗談交じりに評されたという。
脚注[編集]
1. バンド名の由来については、初期デモのファイル名に基づくという説と、管楽器装置の通称に由来するという説が並立している。
2. メンバー数や活動開始年は、インディーズ期の資料と後年の公式プロフィールで表記揺れがある。
3. 2024年のストリーミング再生数および立体音響公演の反応は、レーベル発表値とファン集計の双方を参照したものとされる。
参考文献[編集]
・佐伯修一『都市ポップと深夜搬送路』月面工業出版, 2021年.
・藤原玲子『感情ではなく気圧で聴く音楽』Nadir Press, 2019年.
・M. Thornton, "The Rise of Structured Noise in Japanese Indie Pop", Vol. 14, No. 2, pp. 88-113, 2022.
・高瀬英里『1/48の街灯:SAXS初期資料集』第2版, 真昼書房, 2018年.
・K. Ishimura, "Night-Time Publicity and the Aesthetics of Audio Logistics", Vol. 7, No. 1, pp. 4-29, 2020.
・榊原マオ『冷却塔のための習作ノート』月面工業芸能資料室, 2019年.
・『月刊ポリフォニー』第18巻第4号, 特集「会場の空調が似合うバンドたち」, 2022年.
・中嶋志穂『立体音響公演の設計と観客の錯覚』港北音響叢書, 2024年.
・R. Bell, "Mirrors, Ventilation and Music Videos", Vol. 9, No. 3, pp. 201-219, 2023年.
・小野寺透『深夜の見取り図とタイアップ文化』相模原文化研究所, 2025年.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
公式サイト
月面工業芸能アーティストページ
Nadir Records ディスコグラフィ
第七音階同盟 公式掲示板
SAXS ファンアーカイブ
脚注
- ^ 佐伯修一『都市ポップと深夜搬送路』月面工業出版, 2021年.
- ^ 藤原玲子『感情ではなく気圧で聴く音楽』Nadir Press, 2019年.
- ^ M. Thornton, "The Rise of Structured Noise in Japanese Indie Pop", Vol. 14, No. 2, pp. 88-113, 2022.
- ^ 高瀬英里『1/48の街灯:SAXS初期資料集』第2版, 真昼書房, 2018年.
- ^ K. Ishimura, "Night-Time Publicity and the Aesthetics of Audio Logistics", Vol. 7, No. 1, pp. 4-29, 2020.
- ^ 榊原マオ『冷却塔のための習作ノート』月面工業芸能資料室, 2019年.
- ^ 『月刊ポリフォニー』第18巻第4号, 特集「会場の空調が似合うバンドたち」, 2022年.
- ^ 中嶋志穂『立体音響公演の設計と観客の錯覚』港北音響叢書, 2024年.
- ^ R. Bell, "Mirrors, Ventilation and Music Videos", Vol. 9, No. 3, pp. 201-219, 2023年.
- ^ 小野寺透『深夜の見取り図とタイアップ文化』相模原文化研究所, 2025年.
外部リンク
- 公式サイト
- 月面工業芸能アーティストページ
- Nadir Records ディスコグラフィ
- 第七音階同盟 公式掲示板
- SAXS ファンアーカイブ