スーパーマリオ64-2(未発売)
| タイトル | スーパーマリオ64-2(未発売) |
|---|---|
| 画像 | 未収録スプライトの試作パネル(仮) |
| 画像サイズ | 320×240px |
| caption | 開発用ラベルには「Second 64 / Minus Two」と記されていた。 |
| ジャンル | アクションRPG(探索・落ちもの式パズル要素) |
| 対応機種 | 任天堂互換機(開発名: SG-64) |
| 開発元 | きのこ電気合金開発社 |
| 発売元 | ピクセル王国流通(提携) |
| プロデューサー | 伏見 砂糖次郎 |
| ディレクター | エルマー・クライン(通称: 霜降りE) |
| 音楽 | 大工町交響擬音団 |
| シリーズ | スーパーマリオ |
| 発売日 | 1997年11月21日(予定) |
| 対象年齢 | 全年齢(ただし一部ステージはPG-12相当) |
| 売上本数 | 未発売のため集計対象外(社内見込: 132万本) |
| その他 | 未公開ROM「KR-2/Blue」から一部検証版が流出したとされる |
『スーパーマリオ64-2(未発売)』(英: Super Mario 64-2 (Unreleased)、略称: SM64-2)は、にのから発売予定だった用。実際の発売前に開発打ち切りとなったため、のシリーズ第N作目としては幻とされている[1]。
概要[編集]
『スーパーマリオ64-2(未発売)』(SM64-2)は、の向けに計画されていたシリーズの続編構想である。未発売であったにもかかわらず、当時の開発資料と“幻のデバッグ動画”が断片的に流通したことから、ファンの間では「幻の第64階層」と呼ばれてきた[1]。
本作は、単なる続編ではなく、という表現が意味していた内部設計(後述の「64面体メモリ」)を二度目に組み直す計画として語られている。特に、戦闘の主軸がへ寄せられ、さらに「落ちものパズル」と「ハンティングアクション」に似た探索サイクルが結合される予定だったとされる[2]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
プレイヤーは、基本的にとして操作し、キノコ王国周辺の「64帯域遺跡」を巡る冒険を行う設定とされている。移動は三次元の自由歩行を軸としているが、当初は“壁抜け”が多発したため、最終候補として「微スナップ歩行」が導入される予定だった[3]。
戦闘は、通常の打撃に加え「スピン・ロックオン」「パリィのきのこ判定」という特殊入力が段階的に用意されていたとされる。なお、上級者向けのシステムとして“敵の種類ごとに落下軌道が変わる”仕組みが想定され、開発チーム内では「落ちものパズル的敵AI」と呼ばれていた[4]。
アイテム面では、「スーパーきのこ塊」「64-2硬貨」「真空マフラーパウダー」など、回復と探索を兼ねる設計が目立つ。特には、所持すると“未来の足跡”が表示されるとして仕様書に記載されており、実装できずに後期開発が遅れた原因の一つだったとされる[5]。
対戦モードについては、未完成ながら「協力プレイの対戦転用」として“同一ステージ内での非対称勝利条件”が検討された。具体的には、片方は敵を狩り、もう片方は「落ちものパズルの盤面を凍結」させるという勝敗設計が噂されている[6]。
ストーリー[編集]
物語は「64帯域遺跡の崩壊予報」により始まるとされる。崩壊予報はが発明した携帯端末で読み取られるもので、端末は“誤差が逆再生する”特性を持つとされていた[7]。
主人公であるは、崩壊の兆候が強いほど地形が“前の状態へ戻る”という現象を目撃する。結果としてステージが二重構造になり、プレイヤーは「先に失われた道」を作るように進む必要があると説明されている[8]。
この設定により、探索はただの回収作業ではなく“失われた手順の復元”に変わる。資料では、特定のギミックを踏む順序が1回でも違うと、敵が「より丁寧に回り込む個体」に進化する、という不気味な記述がある[9]。
終盤では「64-2の扉」が出現し、扉の前でのみセーブが可能になる。ところが、未実装の“扉の向こうのセーブ”が原因で、社内では「未発売でも先に心が折れるゲーム」と半ば冗談として語られたという[10]。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公のに加え、仲間としてが“調停役”として登場する予定だったとされる。彼は敵の攻撃モーションを一時的に反転させる「影返しシューズ」を所持し、プレイヤーに補助行動を促す役割だったと記録されている[11]。
敵役には「アンチ・キノコ教団」の指揮者がいる。ラゼットはキノコを“上から順に食べる”ことで世界が整うと信じており、その思想は戦闘ステージの落下ギミックに反映される構想だったとされる[12]。
また、独特な存在として「64面体ゴースト」ことが挙げられる。トライヘクスは半透明で、プレイヤーが同じ地点に長く立つほど“形が六角形から三角形へ戻る”性質があるとされ、社内試作ムービーでも奇妙な挙動が確認されたという[13]。
NPCとしては、開発資料にだけ登場するの整備員・がいる。彼はプレイヤーに「今は買えない攻略」を渡す係で、攻略情報の販売がキャンセルされる理由が物語の伏線になったと説明されている[14]。
用語・世界観/設定[編集]
本作の世界観は、の周縁にある「64帯域」と呼ばれる空間帯を中心に構成されている。64帯域は、過去と未来の“座標のズレ”が蓄積される場所であり、滞在すると過去の道具が現在の地面へ落ちてくる現象が起きるとされる[15]。
64帯域の技術的な中心として「64面体メモリ」なる概念が置かれる。これは、キャラクターの状態を64種類の“面”に分解して保存する方式で、面の境目にいるとアニメーションが微妙に裏返ると説明されている[16]。ただしこの設定は、実装担当が「言葉が先行しすぎて、物理が追いつかない」と苦笑したとされ、仕様が何度も修正されたという[17]。
ゲーム内通貨のは、硬貨が“投げた方向へ次の一手を誘導する”とされる奇妙なアイテムである。面白い点として、硬貨を所持していないプレイヤーには存在が見えない一方、持っているプレイヤーには地面の“将来の傷”が見えるという説明がある[18]。
落ちものパズル要素は「盤面が落下する」のではなく「敵が盤面として落ちる」という逆転の発想で導入される予定だったとされる。つまり、敵の攻撃はステージのタイルを“置き換える”形で進み、結果としてパズル的な理解が必要になる構造だったという[19]。
開発/制作[編集]
開発の発端として、が保守的に進めていた“メモリ圧縮の次世代案”が挙げられる。社内の企画書では「SM64の続編ではなく、SM64を二枚重ねにする」と書かれていたとされ、ここから“64-2”という呼称が生まれたと推定されている[20]。
制作経緯では、1996年の後半に「KR-2/Blue」と呼ばれるデバッグROMが試作された。しかし、ROMのCRCが一致しない日が続き、原因が“同じ音色の波形だけが別バージョンとして保存される”という実装ミスにあると判明した。これにより、の音データが再圧縮され、スケジュールが三週間ずれたと記録されている[21]。
スタッフ面では、ディレクターのが、ゲームシステムを「対話の少ないアクションRPG」に寄せる方針を取ったとされる。彼は会議でしばしば「プレイヤーはボタンを押しているのではなく、未来の手順を触っている」と述べたと伝えられ、以後の設計思想に影響したという[22]。
一方で、発売直前に「64-2硬貨」の演出負荷が原因で動作が不安定になり、さらに量産版でハングが再現される問題が出た。未発売の理由としてはこれが最も有力視されているが、ファンの間では「社外秘の広告契約が白紙に戻った」という別説も根強い[23]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
音楽は、が担当する予定だったとされる。特徴として、通常のBGMではなく“足音とギミック音が和声になる”方針が採られ、プレイヤーの行動に応じて複数トラックが再構成される想定だったという[24]。
キャッチコピー案には「きのこを踏むほど、未来が鳴る」があり、実験曲として「64帯域協奏曲 第2番(符号: Minus Two)」が作られたとされる[25]。ただし社内試聴では、特定の段差で音が逆位相になり、イヤホンからのみ“遠い笛の残響”が聞こえる現象が起きたという逸話が残る[26]。
未公開のトラックリスト断片では、ステージ曲が12曲、フィールドが8曲、そして“扉の前の無音曲”が1曲ある構成とされている。最後の無音曲は、ゲーム内では何も起きないのにサウンドエンジンだけが動作している、という仕様案だったとされる[27]。
他機種版/移植版[編集]
他機種版の計画も存在したとされ、まず以外では「ポータブル64互換機(通称: まどろみSG)」に適用する検討があった。ここでは演出を簡略化し、落ちものパズルの“置き換え演算”をテーブル化する案が提示されたという[28]。
また、海外向けとしては英語版ローカライズのための音声“擬音”を別録りする必要があったとされる。担当者が「英語の数字読みは小数点が増えてバグる」と冗談を言った記録があるが、実際に字幕フォントの都合でUIがずれる問題が起きたとされる[29]。
ただし、未発売であるため移植の“成果物”はほぼ見つかっていない。例外として、ファンコミュニティでは「SG-64のモデルデータだけが、先に別ゲームのデモに流れた」という噂が繰り返されている[30]。
評価(売上)[編集]
本作は未発売のため公式売上は存在しない。しかし社内見込として、発売が実現した場合の初年度予測がとされていた。根拠は、同時期の“隠し要素市場”の伸び率から逆算されたと説明されている[31]。
また、プロトタイプ配布会では一時的に試遊できたとされ、参加者のアンケートでは「操作感がRPG寄り」「敵が盤面を作る感覚が新しい」という評価が多かったとされる。特に“扉の前の無音曲”にだけ票が集中し、最も不気味で最も好きという矛盾した評価が同数だったという記録が残っている[32]。
評価の別の側面として、開発資料には“誤差が逆再生する予報端末”がプレイヤーの心理に与える影響が記述されている。端末の説明文を読んだユーザーほど、次の一手を急がずに待つ傾向があった、という当時の観察がある[33]。
関連作品[編集]
関連作品としては、SM64-2の世界観“64帯域”を引用する短編データ群が存在するとされる。ファンの間では、後年に発掘されたテキスト断片が「64面体メモリ読本」として読まれたとされる[34]。
また、同名に近い「スーパーマリオ64-2β」という未完成版が別ルートで走っていたという噂がある。β版ではの形状が常に三角形で固定され、代わりに落ちものパズルの難度が上がっていたと語られる[35]。
さらに、メディアミックスとして整備員のが主人公の読み物が“誌面企画”として持ち上がったとされる。実際の刊行有無は不明とされるが、開発会議の議事録には「攻略本ではなく寓話にする」と書かれているという[36]。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本としては、発売前に作られた“前売り攻略”が存在したとする証言がある。タイトルは『の光り方:未発売ソフトの半歩先』で、販売は実現しなかったが見本冊子だけが流出したとされる[37]。
書籍の体裁としては、技術解説寄りの『64帯域メモリ講義録 第2版(符号: -2)』があるとされる。ただし出版者名が“ピクセル王国学術印刷部”になっている点から、架空出版社の可能性も指摘されている[38]。
その他の書籍としては、音楽資料集『大工町交響擬音団 実験曲ノート』が挙げられる。ここには、無音曲の波形を“見えない拍”として表す独自記法が掲載されていたという[39]。
さらに、コレクター向けの商品として「未収録スプライトの試作パネル」が限定配布された可能性が語られている。これらは骨董のように扱われ、展示目的で研究者団体に寄贈されたという話がある[40]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 伏見 砂糖次郎『64-2構想記録集』ピクセル王国出版, 1998年.
- ^ エルマー・クライン「“64面体メモリ”の設計意図と入力遅延」『ゲーム制御学会誌』第12巻第4号, pp. 33-57, 1997年.
- ^ 針生 マコト『配送の哲学:未発売ソフトが届かなかった理由』霜降り文庫, 2001年.
- ^ 田端 祐介『幻のデバッグ動画を追って』関東映像工学研究所, 2003年.
- ^ 大工町交響擬音団『擬音が和声になるまで』工学音楽研究会, 1999年.
- ^ M. A. Thornton, “Retroactive Save States in Planned Action RPGs,” 『Proceedings of the Interactive Time Lab』, Vol. 9, No. 2, pp. 101-130, 2000.
- ^ Yuki Watanabe『未発売タイトルの市場心理学』欧文企画書房, 2004年.
- ^ S. R. Alvarez, “Minus Two: Memory Compression and the Myth of Unreleased Sequels,” 『International Journal of Mythic Game Studies』, Vol. 3, Issue 1, pp. 1-18, 2002.
- ^ 森川 透『任天堂互換機の周辺史(第二版)』任天堂互換技術史叢書, 2005年.
- ^ (タイトルが不自然)『スーパーマリオ64-2の全て:未発売でもできること』きのこ王国公式対談集, 1997年.
外部リンク
- SM64-2資料保管庫
- 64帯域ファンアーカイブ
- KR-2/Blue CRC検証掲示板
- 大工町交響擬音団 音源夢譜
- 配送ドローン課コレクター交流会