ソーメンズ
| コンビ名 | ソーメンズ |
|---|---|
| 画像 | なし |
| キャプション | 出囃子使用時の模式図 |
| メンバー | 青柳そう介、森田メンマ |
| 結成年 | 2007年 |
| 解散年 | 活動中 |
| 事務所 | 北池袋演芸研究所 |
| 活動時期 | 2007年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 両者共同 |
| 出身 | 東京都豊島区 |
| 出会い | 古書店のアルバイト |
| 旧コンビ名 | 細麺トルネード |
| 別名 | SZ |
| 同期 | 夜半のガゼル |
| 影響 | 短尺ネタと反復ギャグ |
| 現在の代表番組 | 『真夜中の箸休め』 |
| 過去の代表番組 | 『演芸深夜便』 |
| 現在の活動状況 | ライブを中心に活動 |
| 受賞歴 | 第12回北関東笑芸大賞 審査員特別賞 |
| 公式サイト | 北池袋演芸研究所 公式プロフィール |
ソーメンズは、発祥の架空のお笑いコンビ。細長い小道具と異様に間の長いを特色とし、2007年に結成されたとされるのユニットである[1]。
メンバー[編集]
青柳そう介(あおやぎ そうすけ、生)はボケ担当で、細い動作を誇張する「箸芸」で知られる。かつては豊島区の乾物問屋で包装作業をしており、そこで結束の強いを毎日扱っていた経験が芸風の原型になったとされる。
森田メンマ(もりた めんま、生)はツッコミ担当で、相方の長い前振りを遮らず、最後に一語だけ返す極端な間合いで人気を博した。名前の「メンマ」は学生時代にラーメン店で働いていた際、常連客から「見た目が穏やかで麺類に向いている」と言われたことに由来するという。
両者とも本名ではないとされるが、いずれも芸名の由来が食文化に寄っている点が特徴である。なお、初期の資料では青柳の芸名が「青柳そうすけ麺」と表記されることがあり、編集者の間で要出典扱いとなったことがある[2]。
来歴[編集]
結成まで[編集]
ソーメンズは、の古書店兼喫茶「書肆カンナ」で、青柳と森田がアルバイトとして同僚だったことから結成されたとされる。当初は本の背表紙を読む速さを競う余興をしていたが、店主の提案で「間を味わう芸」を本格化させた。
結成当初のコンビ名は「細麺トルネード」であったが、の地下ライブハウスで司会者に「長すぎて口が渇く」と評されたため、現在のソーメンズに改称したという。改称日は8月3日とされるが、実際には8月5日説もあり、資料によって揺れがある[3]。
東京進出と知名度の上昇[編集]
にはの小劇場「演芸58号館」で行われた深夜ライブ『一口目の沈黙』に出演し、7分間ほぼ無言で箸を並べ替えるだけのネタが話題となった。この公演をきっかけに、の研究生制度に準じた枠で活動拠点を移したとされる。
、ローカル番組『演芸深夜便』で披露した「そうめんの束をほどく漫才」が一部の食文化研究者に引用され、テレビ誌では「季節性の高い笑い」と評された。なお、この頃からへの出場歴があるとする資料が出回ったが、公式記録との整合性には疑義がある。
現在[編集]
以降はライブ活動を主軸としつつ、・・を中心に月3〜4本の公演を続けている。コロナ禍では配信ライブ『半分だけゆでる夜』で観客の反応を秒単位で可視化する演出を導入し、配信同時接続数は最大1,842人を記録したとされる。
には、東西の箸文化を題材にした単独公演『湯切り未満』を開催し、物販で販売された「麺帯付きうちわ」が完売した。
芸風[編集]
ソーメンズの芸種は漫才とコントの中間に位置するとされ、特に「説明しない説明」「待ち時間の笑い」を重視することで知られる。青柳が極端に細い身振りで状況を作り、森田がその空白に一語だけ差し込む構成が基本である。
ネタ作成は両者共同であるが、実際には青柳が紙幅の8割を埋め、森田が赤字で削る方式が採用されているという。彼らの代名詞である「30秒の沈黙」は、出身の舞台演出家・三枝田静夫の影響を受けたものとされる。
一方で、観客に前提知識を要求するネタが多く、初見では難解であるとの指摘もある。ただし、その難解さ自体を笑いに転化するため、マニア層からは「食べ終わるほどではないが噛みごたえがある」と評されることがある。
エピソード[編集]
、下北沢の小ホールで行われたライブ中、舞台袖に用意されていた本物のそうめんが照明熱で乾き、ネタの終盤に麺が自立した状態になった。この偶然の現象が大受けし、以後「立つそうめん」はソーメンズの象徴的モチーフとなった。
には、内の商業施設で行われた夏祭りイベントに出演した際、会場側がコンビ名を誤って「ソーメンズ(そう面ズ)」と記載し、正面看板に大きな顔のイラストが添えられた。本人たちはこれを逆手に取り、以後しばらく「顔が面に寄る」ネタを増やした。
また、青柳はの料理番組収録で、麺をすする音がマイクに乗りすぎたため一時的に出演見合わせとなったという逸話がある。真偽は定かでないが、所属研究所の年報には「音量管理上の配慮」として記録されている[4]。
出囃子[編集]
出囃子はの曲に着想を得た架空の和風リミックス『湯気の向こうの三拍子』であるとされる。演奏時間は14秒と極端に短く、冒頭のシンセ音が鳴った時点で観客の笑いが先行するよう設計されている。
なお、初期は古典落語の出囃子を変調しただけのものだったが、頃から箸を叩く効果音が追加された。ライブ会場のPA担当によれば、最も扱いが難しい出囃子の一つであったという。
賞レース成績・受賞歴[編集]
ソーメンズはやといった全国規模の賞レースでは目立った実績がない一方、地域大会での評価が高い。特にの第12回北関東笑芸大賞では、審査員特別賞を受賞した。
には『笑いの湯切り選手権』で準優勝したとされるが、この大会は実在確認が困難であり、内部資料のみに記載が残る。編集史上はこの項目がもっとも長く争われ、結果的に「大会は存在したが開催地が毎年変わる」という説明で落ち着いた。
出演[編集]
テレビ[編集]
『演芸深夜便』、『真夜中の箸休め』、『東京笑芸倶楽部』などの深夜帯番組に出演している。とくに『真夜中の箸休め』では、毎回冒頭で2分間だけ沈黙する構成が人気を博した。
また、には情報番組の特集「夏の麺類をめぐる旅」にゲスト出演し、の製麺所でロケを行った。収録時に森田が現地の職人へ土下座したという記述があるが、こちらは後年になって誇張だった可能性が示された。
ラジオ[編集]
系の深夜枠を模した配信ラジオ『ソーメンズのほどける前に』では、リスナーの投稿を一切読む前に10秒間の間を置く演出で知られる。平均メール採用率は14.3%とされ、番組史上もっとも高かった回では麺のゆで時間をそのまま企画に転用した。
一方で、公開収録では笑い声よりも麺をすする音が多く、会場内の湿度が上がりすぎたため換気が増設されたこともある。
インターネット配信[編集]
の公式チャンネルでは、ショート動画『30秒で分かる長い前フリ』が累計再生数98万回を超えたとされる。さらにには、配信限定企画『そうめんを最後まで言わない夜』が行われ、タイトル通り最後まで「そうめん」という単語を言わずに終わった。
この配信は一部でカルト的人気を得たが、視聴者アンケートでは「理解はできないが体感として面白い」が最も多かった。
作品[編集]
ソーメンズの作品としては、ライブ会場限定で頒布されたCD『細麺の証明』、DVD『沈黙の湯切り』がある。いずれも収録時間の割に無音部分が長く、再生機器の故障と誤認された事例が報告されている。
また、には写真集風冊子『箸先の哲学』が制作され、青柳の指先だけを延々と追う構成が「現代芸のアートブック」として一部で話題となった。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『一口目が遠い』『湯気の記憶』『未完成の丼』などが知られる。特にの『湯気の記憶』は、会場入口に本物の乾麺200束が積まれ、入場特典として観客に1束ずつ配布された。
ライブ後のアンケートでは、満足度が高い一方で「空腹で帰る羽目になった」との意見も多く、以後は物販に即席だしスープが追加された。
書籍[編集]
書籍としては、インタビュー集『沈黙の作法』、ネタ台本集『ソーメンズの間合い学』が刊行されたとされる。前者はの内部出版物で、一般書店にはほとんど流通しなかった。
後者には「1行目で笑わせず、4行目で思い出させる」といった独自のメモが収録され、演芸学校の教材として参照されたという。
脚注[編集]
[1] ただし、結成年月日については資料差がある。
[2] 地域紙『池袋タイムズ』2008年4月号。
[3] 北池袋演芸研究所『研究年報2007-2008』。
[4] 同上、p. 41.
関連項目[編集]
脚注
- ^ 青木遼一『間を食べる笑い――ソーメンズ論』演芸評論社, 2021, pp. 14-39.
- ^ 三枝田静夫『舞台の沈黙技法』北池出版, 2018, pp. 88-102.
- ^ 北池袋演芸研究所 編『研究年報2007-2008』同研究所, 2009, pp. 5-18.
- ^ Harper, Jonathan. "The Aesthetics of Delay in Contemporary Japanese Manzai" Journal of Performance Studies, Vol. 12, No. 3, 2020, pp. 201-224.
- ^ 森田メンマ『箸休めの夜に』演芸文庫, 2022, pp. 11-27.
- ^ 藤堂みのり『麺類と笑いの民俗学』東都書房, 2017, pp. 66-91.
- ^ Kobayashi, Emi. "Silent Punchlines and Wet Audiences" The Tokyo Review of Comedy, Vol. 7, No. 1, 2019, pp. 55-73.
- ^ 青柳そう介『細麺の証明』北池袋演芸研究所出版部, 2016, pp. 3-49.
- ^ 佐伯一真『笑いの湯切り選手権史』関東芸能資料館, 2015, pp. 120-131.
- ^ 田所由布子『箸先の哲学――あるユニットの舞台美学』芸文社, 2024, pp. 9-22.
外部リンク
- 北池袋演芸研究所 公式プロフィール
- 真夜中の箸休め 番組ページ
- 池袋ライブアーカイブ
- 演芸資料室オンライン
- ソーメンズ非公式年表