トラバサミヒーローズ
| タイトル | トラバサミヒーローズ |
|---|---|
| 画像 | (架空)TH_Logo.jpg |
| 画像サイズ | 320px |
| caption | 狙撃型ヒーローの「綱引きトラバ」展示用イラスト |
| ジャンル | ハンティング・アクションRPG(便宜上) |
| 対応機種 | TramX-ONE / SteamWagon / SwitchLite-K |
| 開発元 | カゴメネクサス・スタジオ |
| 発売元 | 北港通信販売(株) |
| プロデューサー | 渡辺精一郎 |
| ディレクター | Mira K. Sato |
| 音楽 | 音響工房トロサ |
| シリーズ | トラバサミヒーローズ |
| 発売日 | 2021年9月17日 |
| 対象年齢 | CERO: B(12歳以上)相当 |
| 売上本数 | 全世界累計 136万本突破(発売後18か月) |
| その他 | オンライン対応。協力プレイ対応。データ復元機能「罠帳」搭載 |
『トラバサミヒーローズ』(英: Trabsami Heroes、略称: TH)は、[[2021年]][[9月17日]]に[[日本]]の[[カゴメネクサス・スタジオ]]から発売された[[TramX-ONE]]用[[アクションシューティングゲーム]]。[[トラバサミヒーローズ|同名シリーズ]]の第2作目である[1]。
概要[編集]
『トラバサミヒーローズ』は、[[カゴメネクサス・スタジオ]]が中核概念に「罠(トラバサミ)を先に置き、ヒーロー本人は後から追い込む」という発想を据えて開発した[[TramX-ONE]]用ソフトである[1]。
通称はTHであり、キャッチコピーは「勇者は先に罠を学ぶ」とされる。なお本作は、前作で称賛された“即死判定の学習”路線をさらに拡張し、初心者ほど手順書(クラフト手帳)を読み込むほど強くなる設計が特徴として知られている[2]。
ゲーム内容/ゲームシステム[編集]
システム[編集]
プレイヤーは「編成班(えんせいはん)」の隊員として操作する。戦闘では武器と同様に、フィールドに設置する[[トラバサミユニット]]が重要な役割を持つとされる。ユニットは“固定砲台”ではなく、条件(風向・湿度・敵の歩幅)に反応して展開する仕組みが採用された。
ゲームシステムの特徴として、罠の設置→敵の誘導→回収という三工程が一サイクルとして設計されている。ここで罠を回収できるかどうかは、ヒーローの行動ではなく「罠の学習ログ」に依存して判定されるため、プレイヤーは敵の動線を読み、ログを上書きする“二度目の罠”を使い分ける必要があるとされる。
戦闘とアイテム[編集]
戦闘は[[アクションシューティングゲーム]]として進行しつつ、遠距離では「牽引ワイヤ」、近距離では「踏み込みスプリング」のように射撃と接触が段階的に接続される。敵の“足音”が3種類の周波数帯に分解され、プレイヤーの[[聴覚センサー]]がそれを色で表示する演出が採用された。
アイテムは落ちものパズルのように場に散らばる[[罠材]]を拾い、[[クラフト]]によって罠の品質を上げる。クラフト画面では必要素材が「紙片」「金具」「樹脂芯」「塩分フィルム」のように細分化され、合成成功率は湿度ログにより毎回変動する。なお、公式攻略チャートでは“雨天のほうが成功率が1.7倍”と明記されているが、これは検証手順が多すぎるため一部で「要出典」とされることもあった[3]。
対戦モードとオンライン[編集]
対戦モードとして[[罠席(なわせき)デスマッチ]]が搭載されている。試合中、各プレイヤーは一定時間ごとに罠席を交換でき、その結果として罠の“癖”が引き継がれる仕様がある。このため上級者は、勝負以前に「相手の癖を奪う」ことを目的に罠の配置を相手に学習させる戦術が確立したとされる。
オンライン対応は協力プレイにも拡張され、「二人で罠の会話(コール&レスポンス)」を成立させると特殊スキルが解放されるとされる。オンライン時に一度回収できなかった罠は翌日まで“腐食状態”として残るため、素材経済の設計が評価された一方で、回線不安定時の復旧要望が相次いだ[4]。
ストーリー[編集]
本作の舞台は、湿地と港湾工区を結ぶ架空都市[[北海霞町]]である。ここでは昔から「罠は倫理である」という言い伝えがあり、行政が“危険罠の登録制度”を持つことで治安を保ってきたとされる。
しかし21世紀初頭、港湾局の倉庫台帳から一斉に削除された「回収期限なし」の罠が、無主物として暴走し始める。プレイヤーは編成班として調査を受け、各地の罠碑(ひ)に残る暗号ログを読み取りながら、“トラバサミの意志”の正体へ近づくことになる。
終盤では、敵勢力がただの盗賊ではなく、都市の学習システム(通称「罠帳」)そのものを乗っ取る技術者集団であることが示唆される。ただしストーリーの多くは、断片的な台詞と設置ログのみで語られるため、解釈が割れる構成として知られる。
登場キャラクター/登場人物[編集]
主人公と仲間[編集]
主人公は無名隊員として始まるが、ゲーム後半で“編成班の継承者”として[[渡辺精一郎]]に由来する仮名「精一(せいいち)」が割り当てられる。公式設定では、彼の武器は拳銃ではなく“計測ペン”であり、罠の最適化に用いられるとされる[2]。
仲間には、視界外の挙動を音で捉える[[ソナール・レン]]、金具の融点を暗記して罠の耐久を伸ばす[[ルイザ・ブロム]]、そして港湾局出身の事務官[[日下部ミサキ]]がいる。日下部は「罠は回収されて初めて意味を持つ」と繰り返し、プレイヤーに“回収率ボーナス”の概念を刷り込む役割を担う。
敵と勢力[編集]
敵勢力は[[塩霧同盟]]と呼ばれ、湿地の微生物反応を利用して罠材を腐食させる。特に[[腐食猟(ふしょくりょう)]]と名付けられた個体は、銃撃よりも“踏ませる速度”に価値があるとされる。
また、最終盤のボスとして[[帳面王(ちょうめんおう)]]が登場する。帳面王は都市の罠帳にアクセスし、プレイヤーの過去の設置パターンを逆流させる能力を持つとされる。なお彼の勝利条件は「撃破」ではなく「学習ログの同意取得」であり、条件を満たすと演出が変化するため、攻略勢の間で論争を呼んだ[5]。
用語・世界観/設定[編集]
本作では罠が単なる捕獲装置ではなく、都市インフラの一部として扱われる。制度上、危険罠は[[罠登録局]]へ申請され、登録番号に紐づいて回収期限が設定されるとされる。
ゲーム内ではこの期限を延長する概念として[[無期限タグ]]がある。無期限タグは、行政上の“善意の例外措置”として導入されたが、のちに悪用されて塩霧同盟が“無主の罠”を量産したとされる。なお、同盟が使ったタグの改竄方法は「湿度7.3%のときだけ鍵が開く」と説明されるが、湿度は地域・季節で変動するため、学術方面では“比喩表現”と見る向きもある[6]。
世界観の基調となる[[トラバサミ倫理]]では、「罠を置く者は回収まで責任を負うべき」とされ、これが協力プレイの評価につながったとされる。
開発/制作[編集]
制作経緯[編集]
開発の発端は、カゴメネクサス・スタジオのプロトタイプチームが、雨天時の屋外で実験した“音響による誘導”の検証結果に触発されたことにあるとされる。渡辺精一郎はインタビューで、アイデアの根は「天文学者が星図を作るとき、位置を固定せず“歩幅”で補正していた」という説にあると語った[7]。ただしこの発言は裏付けが弱いとされ、社内メモでは「罠の設置は星図と似ているだけ」と注記されていた。
制作では[[TramX-ONE]]の即応性を活かすため、射撃の遅延補正と罠材の劣化演算を統合した。結果として、プレイヤーが罠を設置した瞬間から“ログが確定”し、プレイ体験が後戻りできないものになった点が特徴として評価された。
スタッフ[編集]
ディレクターはMira K. Satoであり、UI設計の中心には[[林田柚香]]がいたとされる。音楽は音響工房トロサが担当し、射撃の反響音と罠の機構音を同じ周波数帯で合わせるという方針が取られた。
プログラマー陣には、物理挙動担当として[[アナ・コルデ]]、ネットワーク担当として[[佐伯陸翔]]が参加した。なお、発売後のアップデートでオンライン罠席の挙動が変わったが、パッチノートは“癖”という語で表現され、プレイヤーに読解を求めたとされる[4]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラックは『Tramsami Sound Index』として2021年11月3日にリリースされた。収録曲のうち、特に「雨帯ホイッスル」「港湾隔離区のチェンバロ」「踏み込みスプリングの賛歌」などは、罠の状態を音階で表現する設計が採られているとされる。
音楽制作の裏話として、同作編曲者が“湿度が高い日に録ったテイクだけが、後のゲーム内演算と一致した”という証言がある。ただし一致率の根拠は明示されず、ファンコミュニティでは「要出典」として扱われている[8]。一方で、ゲーム内BGMのテンポがプレイヤーの回収率に同期する仕様は、やや過剰なリアクションとして受け止められた。
他機種版/移植版[編集]
移植版として[[SteamWagon]]版が2022年5月26日に発売され、[[SwitchLite-K]]版は2022年10月14日とされた。携帯機版では、罠材クラフトの入力が簡略化され、代わりに“自動分解”機能が追加された。
評価面では、携帯機版のほうがクラフトミスが減るとされ、競技シーンでは“正しいミス”を奨励する風潮が出た。これは「失敗ログを敵に読ませる」という対戦文化と噛み合ったためであると推定される。
評価(売上)[編集]
売上面では、発売後18か月で全世界累計136万本を突破したと発表されている。日本国内でも初動で約41.2万本に達し、月間稼働率は次回作の制作に影響したとされる。
[[日本ゲーム大賞]]を受賞した経緯は、審査員が“罠を扱う倫理設計が教育的だ”とコメントしたことにあるとされる。ただし、そのコメントの出典が曖昧で、授賞式の台本が流出したという噂もあった。
一方で批判としては、罠材の細分化が“通りすがりの射撃ゲーム”としての入口を狭めた点が挙げられた。しかし公式は「玄関は扉、罠は鍵」と反論し、クラフト手帳の読み物性が体験を補完するとしている[2]。
関連作品[編集]
関連作品にはテレビアニメ『[[トラバサミヒーローズ 罠帳の向こう側]]』(2023年放送、全24話)や、児童向けゲームブック『踏ませる前に読む!トラバサミ講座』がある。
また、派生作品として協力プレイに焦点を当てた『Trabsami Heroes: Two-Person Doctrine』が、ダウンロード専用タイトルとして配信された。これらは“罠を置くこと自体”を物語の起点にしている点で共通する。
関連商品(攻略本/書籍/その他の書籍)[編集]
攻略本は『[[罠帳完全記録]]』(2021年12月20日)と『雨帯クラフトの確率論』(2022年3月8日)が代表的である。特に『雨帯クラフトの確率論』は、湿度ログを数式で説明しつつ、最終章で“塩霧同盟の思想”を引用しているため、文系読者にも売れたとされる。
ほかにも、限定版として「罠材風アクリル札」付きのオフラインカードセットが発売された。なおこのカードセットは、ゲーム内の罠席モードを“机上で再現する”ことを目的にしているとされるが、再現性は保証されないと注記されている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精一郎「『トラバサミヒーローズ』設計思想:罠は先、回収は後」『月刊ゲーム装置学』第12巻第4号, pp.12-19, 2021.
- ^ Mira K. Sato「学習ログ同期の落とし穴」『International Journal of Play Systems』Vol.9 No.2, pp.77-95, 2022.
- ^ 林田柚香「湿度によるクラフト成功率の推定:雨帯テスト記録」『北海霞町工区報告』第3号, pp.41-58, 2021.
- ^ 佐伯陸翔「オンライン罠席の“癖”補正とパッチ運用」『Netcode Quarterly』Vol.6 No.1, pp.201-214, 2022.
- ^ 音響工房トロサ「周波数帯で語る罠の感情設計」『サウンド&インタラクション』第5巻第2号, pp.33-46, 2021.
- ^ アナ・コルデ「物理挙動の段階接続:踏み込みと牽引の数値化」『実装物理の小径』pp.10-29, 2020.
- ^ 日下部ミサキ「“回収されて初めて意味を持つ”をUIに落とす」『ユーザー体験研究』第2巻第7号, pp.88-103, 2021.
- ^ 『ファミ通クロスレビュー』編集部「TH全機種一斉レビュー:ゴールド殿堂の理由」『ファミ通クロスレビュー』第18号, pp.5-18, 2021.
- ^ 『Tramsami Sound Index』ライナーノーツ(編)雨戸印刷所, 2021.
- ^ Avery M. Holt「Traps as Ethics in Contemporary Action Titles」『Journal of Play Ethics』Vol.11 No.3, pp.1-16, 2023(題名が一部不正確と指摘あり).
外部リンク
- Trabsami公式ログ保管庫
- 罠登録局 公式データポータル
- 音響工房トロサ サウンド試聴室
- 北港通信販売 特設ページ
- ファミ通クロスレビューTHアーカイブ