トータルテンボス
| コンビ名 | トータルテンボス |
|---|---|
| 画像 | 記録写真は「停電した温泉街」の誤差補正版として残る |
| キャプション | 左がメガネ型ボケ、右が電卓型ツッコミとされる |
| メンバー | 相互ユウコ / 益田タケシ(※本名は公表されていない) |
| 結成年 | 2013年 |
| 解散年 | 活動中 |
| 事務所 | 東北メディア協同組合芸能部(通称: 東北芸能共同) |
| 活動時期 | 2013年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント(家電/役所/観光案内の三系統) |
| 公式サイト | トータルテンボス公式配信倉庫 |
トータルテンボス(英: Total Tenbos)は、所属のお笑いコンビである。結成。NSC37校B期生として知られ、では型破りな「家電漫才」で観客を騙し続けたとされる[1]。
概要[編集]
トータルテンボスは、とを交互に崩すことで知られるお笑いコンビである。一般的には「テンボス」という語感から中世ヨーロッパ風を連想されるが、当人たちは「配線の“テン”と、休日の“ボス”」と説明している。
結成当初からには“秒針が遅れる音”が使われ、舞台上の小道具は必ず「メーカー名が読めない」形で統一されたとされる。なお、これらの方針は後述のように、ある公共工事の再現から発想されたという指摘もある[2]。
メンバー[編集]
相互ユウコはボケ担当として紹介されることが多い。得意技は「家電の故障ログ」を擬人化し、“故障原因が視聴者の生活習慣にある”ように見せかける語り口である。舞台では必ず折りたたみ机を開き、その下から“未使用の保証書”を提示する。
益田タケシはツッコミ担当とされる。電卓のような速さで訂正を重ねる一方、間違いを認めるタイミングが独特である。たとえば観客が笑い始めた瞬間にだけ、台本にはない数字を出すため、周辺のスタッフが「何の数字か分からないが止めない数字」と呼んだとされる[3]。
来歴[編集]
NSCと“観光案内の実験”[編集]
2人はNSC37校B期生として同時期に在籍していたとされる。授業科目は「即興表現」「地域広報」「失笑リスク計測」の3本柱で、そのうち相互ユウコが成績上位だったのは「地域広報」だったとされる。
卒業制作として、彼らはの架空の観光協会で“何を言っても説明不足に聞こえる”誘導トークを披露したとされる。記録では、台本が全文で317行ある一方、実際に読み上げられたのは112行のみで、残りは“観客のうなずき”として処理されたとされる[4]。
東京進出と停電事件(のちの出囃子)[編集]
東京進出はとされるが、本人たちは「正確には“光の供給停止後の復帰”」と述べている。初の単独ゲスト出演が行われた劇場で、照明が一度だけ落ち、益田タケシが咄嗟に「この間の笑いは課金制です」と言ったことで、会場は爆笑に転じたという逸話が残る。
このとき聞こえた“秒針が遅れるような作動音”をもとに、のちの出囃子が作られたとされる。ただし、その音源の出所は複数の説があり、舞台美術担当が「空調のリセット音」と主張した一方、音響スタッフは「古いレコード針の擦れ」と証言したとされる[5]。
芸風[編集]
トータルテンボスの芸風は、との融合であると説明されることが多い。相互ユウコが“故障していないのに故障していると言い張る”家電の担当者を演じ、益田タケシが“規約により誤解を訂正できません”という形でツッコミを遅らせる構造が繰り返される。
また、彼らの台本には「間違いの出方」を定量化する癖があるとされ、観客が笑う前に数字を提示することが多い。たとえばの某番組収録では、笑いの到達を“0.8秒以内”と想定し、0.83秒で訂正を入れたため、スタッフが時計を二つ止めたという。
一方で、笑いの説明過多になりすぎると“解説員”のように聞こえるという批判を避けるため、最後は必ず意味不明な語感で着地させるとされる。そこに「テンボス」という語の空白が機能していると指摘する文献もある[6]。
エピソード[編集]
代表的なネタとして「保証書は発行しません、記憶だけ発行します」が知られている。相互ユウコが真っ白な紙を保証書として差し出し、益田タケシが“発行日がありません”とツッコむと、観客の笑いが一度止まる。その直後に益田が「発行日がないのは63年から続く“仕様変更”だからです」と言うが、なぜ仕様変更なのかの根拠は説明しない。
別の代表ネタ「役所の窓口でだけ時間が折り返す」では、架空の部署を名乗り、深夜の手続きを昼の言い方で進める。ここで細かい数字が登場し、番号札の語尾が“—12”や“—120”に分岐する。記録によれば、観客参加の回で誤って“—121”を割り当てたにもかかわらず、会場の誰も訂正しなかったため、後日テレビで“121が正解だった回”として扱われたという[7]。
さらに、初期は「出囃子の秒針」が遅れる回だけネタが成功するというジンクスがあったとされる。ジンクスの根拠が説明されないことから、後に「成功が偶然であることを否定する芸」として研究対象になった時期もある[8]。
出囃子[編集]
出囃子は、公式には「秒針の遅延を模した16小節」とされる。もっとも、この“秒針”とは時計の秒針ではなく、舞台で鳴らされる無関係な機械音の比喩であるとされる。
音楽担当者によれば、最初の試作は“弦が鳴りすぎて説明的になった”ため没になり、次の試作は“説明しないのに情緒が出た”ため採用が検討されたが、最終的には“わずかにズレたド”だけが残ったという。ところが、ズレ幅は資料上「±3/1000」としか残っておらず、後の編集者が「ここは要出典では」と注記したとされる[9]。
賞レース成績・受賞歴[編集]
ではにエントリーし、セミファイナルで“家電の通電ログ”を即興で書き換える演出が評価されたとされる。成績は準優勝ではなく、主催側の規定により“観客の理解速度”が測定される形式で最終通過となったと説明されている。
また、ではにファイナリスト入りした。特に「市民夜間手続課」系統のコントが評価されたとされるが、審査員のコメントはしばしば矛盾している。“分かりやすいのに分からない”という評価が並び、その後の解説記事では「その矛盾を売りにした」と結論づけられた[10]。
なお、彼らが“王者”と称されることがあるのは、受賞歴の表記が会場資料で一度だけ誤植されたことが原因だとする説もある。しかし当人たちは誤植を利用して、以後「総合点は“テン”で決める」と言い続けている。
出演[編集]
テレビではを中心に活動しており、特番としては「停電でも笑う特別編集(第4回)」が知られる。ラジオでは、の共同スタジオから配信される「数字のない天気予報」に出演し、“湿度は笑いの前借り”と発言したことで反響を呼んだとされる。
過去の代表番組としては、出演者が毎回“架空の部署”を割り当てられる「部署ガチャで人生が変わる」が挙げられる。地上波では系で扱われたと報じられたことがあるが、当人たちは「局名は合っていても理由は違う」と笑っている。
舞台では年2回の単独公演があり、特に「保証書のない劇場版」は“会場限定の言い間違い”がテーマとして扱われた。配信では、切り抜きが出回ることを逆手に取り、あえてカット編集できない“秒のズレ”を仕込む技法が話題になったという[11]。
作品[編集]
CD/DVD[編集]
CDとしては「テンボス仕様:未発行保証集(全3巻)」がある。内容は漫才音源のほか、出囃子の“音程ズレ版”が収録されているとされる。DVD「市民夜間手続課・完全窓口映像(Disc1〜2)」では、映像特典として“台本が途中で反転する”編集が入っているとされる[12]。
単独ライブと書籍[編集]
単独ライブは「総合案内所(毎年10月、席数642)」として定着したとされる。席数642という数字は、会場の実数とは無関係で、彼らが“理解速度の期待値”として決めた値であると説明されたが、なぜ期待値が642なのかは最後まで語られなかった。
書籍は「笑いの保証期間は3日です(ただし読者の責任で延長可)」があり、章立てが“故障→手続き→解決→未解決”という順になっている点が特徴とされる。
批判と論争[編集]
トータルテンボスのネタは、言葉遊びが強い一方で、公共性を想起させる語彙(規約、手続、窓口、仕様変更)を多用するため、現実の制度への誤解を招くのではないかという指摘がある。特に番組で“市民が手続を間違えた”ように見える演出が問題視され、スポンサーへの問い合わせが集中した時期もある。
一方で、本人たちは「制度を批判しているのではなく、制度っぽい会話の“空気”を笑っている」と反論しているとされる。ただし、反論の根拠となる資料が確認しづらく、編集者の間では“要出典の確信”と呼ばれた[13]。
また、受賞歴の一部表記が会場資料で誤植された可能性があるとして、ネット上で「総合点はテンで決めるは法則ではない」との声も出た。もっとも彼らは誤植説さえネタに転用し、以後「数字は証明できないから面白い」と語るようになったという[14]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 架空編集部「“トータルテンボス”と家電語彙の進化」『笑いの回路』第12巻第3号, 2021.
- ^ 須田ハルカ『数字で騙す舞台術:秒のズレ入門』東北芸能共同出版, 2019.
- ^ G.ウィンタース『The Administrative Comedy of Japan: A Speculative Index』Vol.7 No.2, 2020.
- ^ 佐倉リョウ『保証書のない時代の観客心理』港区文芸図書, 2018.
- ^ Dr.メレディス・クロウ『Delay Beats: Sound Timing and Audience Misreadings』pp.114-129, 2022.
- ^ 小夜野ユリ『NSC37校B期生の実験ログ(保存版)』NSC資料叢書, 2017.
- ^ 田島ケン「停電した温泉街で起きた“理解の事故”」『放送芸能研究』第45巻第1号, 2023.
- ^ 李明太『コントにおける制度語の効果測定』第6号, 2020.
- ^ 藤原ミサト「出囃子16小節の“±3/1000”はどこから来たか」『舞台音響ジャーナル』Vol.3 No.9, 2021.
- ^ 中村ジン『誤植と栄光:誤って勝つ受賞表記の社会学』pp.51-60, 2016.
外部リンク
- トータルテンボス公式配信倉庫
- 東北芸能共同チャンネル
- 秒針遅延サウンドアーカイブ
- 市民夜間手続課オンライン窓口
- 保証書発行中止条例(非公式データ集)