パーソナル谷田
| コンビ名 | パーソナル谷田 |
|---|---|
| 画像 | |
| キャプション | |
| メンバー | 谷田 亮一、谷田 光平 |
| 結成年 | 2007年 |
| 解散年 | — |
| 事務所 | 都心総合芸能社 |
| 活動時期 | 2007年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 谷田 亮一 |
| 出身 | |
| 出会い | の深夜清掃アルバイト |
| 旧コンビ名 | 谷田式プロファイル |
| 別名 | P.Y.、谷田個体 |
| 同期 | 三角電波、夜間廃線 |
| 影響 | 観察コント、都市型私小説 |
| 現在の代表番組 | 『朝まで個人情報』 |
| 過去の代表番組 | 『谷田サンプリング』 |
| 現在の活動状況 | ライブ、配信番組を中心に活動 |
| 受賞歴 | 2016年準優勝 |
| 公式サイト | 都心総合芸能社 公式プロフィール |
パーソナル谷田(ぱーそなるやた)は、架空の事務所・所属のお笑いコンビ。2007年4月に結成され、都市生活の細部を異常な解像度で笑いに変えるで知られる[1]。
メンバー[編集]
谷田 亮一(やた りょういち)はツッコミ担当で、ネタ作成も担う。細部の生活習慣を過剰に記録する癖があり、財布の中身を月ごとにで保存していたことが、後の芸風の原型になったとされる。
谷田 光平(やた こうへい)はボケ担当で、相方の記録癖を逆手に取る即興力に長ける。学生時代はの図書館で「返却期限の延長理由」を作文の題材にしていたといい、担当司書からは「理由の言い回しだけで一冊書ける」と評されたという[2]。
なお、両者はいずれも苗字が同じであるが血縁関係はなく、結成当初は名札を取り違えられることが多かった。このため初期の営業では、主催者側がどちらを呼んでいるか分からなくなり、楽屋での呼称が「上谷田」「下谷田」に分かれていた時期がある。
来歴[編集]
結成まで[編集]
、二人は三丁目の深夜清掃アルバイトで知り合った。谷田 亮一が備品管理表を異様に整頓していたところ、谷田 光平がそれを見て「この人は人間の棚卸しができる」と感銘を受け、コンビ結成に至ったとされる。
当初はの養成部門に在籍し、略称は「P.Y.」ではなく「パー谷」と呼ばれていた。同期には、などがおり、いずれも“夜の都市を題材にする”という妙な共通点があった。
東京進出とブレイク[編集]
ごろからの小劇場で行うが口コミで広まり、観客の記憶を無駄に刺激する「個人情報あるある」で注目を集めた。特に、冷蔵庫の野菜室の配置だけで人間性を推理するネタは、客席の半数が自分の家の冷蔵庫を思い出して黙り込む現象を引き起こしたという。
にはで準優勝を果たし、決勝で披露した「家賃の支払いが人格形成に及ぼす影響」は高い評価を受けた。審査員の一人は「笑いというより、区役所の窓口を見ているような安心感があった」とコメントしたとされる[3]。
芸風[編集]
パーソナル谷田の芸風は、極端に個人的な情報を一般化していくである。たとえば、谷田 亮一が「朝の歯ブラシの角度が5度ずれると、会議室の空気も5度ずれる」と真顔で述べ、谷田 光平がそれを「それ会社の問題や」と切り返す構造が基本である。
ネタはが担当し、台本には住所の略号、電車の遅延分数、レシートの税込額まで書き込まれる。谷田 光平はその情報量を受け止めつつ、最後に「じゃあ僕らの人生、全部バーコードでええやん」と崩すのが定番であった。
また、舞台上での所作が異様に整っていることでも知られ、手元の紙コップの向きがそろわないとネタに入れないという。これは初期の稽古場がの防災倉庫を間借りしていたため、備品を勝手に動かすと叱責された経験に由来するとされる。
エピソード[編集]
、二人は営業先ので、前説の時間に観客の持ち物を勝手に分類し始めたことがあり、これが「パーソナル診断芸」と呼ばれるようになった。以後、漫才の冒頭で観客に「傘を持ってきた人は、だいたい言い訳が早い」と語りかける手法が定着した。
の深夜特番『朝まで個人情報』では、街頭インタビューに答えた通行人の発言をその場で家族構成に変換する企画が話題となった。もっとも、編集段階で「少し倫理上の懸念がある」と判断され、放送版では本人確認のない推測部分がほぼ全てカットされたという。
一方で、の劇場で行われた単独ライブでは、客席の一人が本当に谷田姓であることが判明し、終演後にロビーで「我々の流派とは何か」について40分以上話し合う事態となった。本人たちはこの出来事を「谷田の帰還」と呼んでいる。
出囃子[編集]
出囃子は風の電子音に、の車内アナウンスを切り貼りした独自の音源である。制作したのは、都心総合芸能社の音響担当・で、元々は防災訓練用の警告音として作成された素材を流用したものとされる。
この音源は、冒頭2秒で「ただいまより、個人情報をお預かりします」というナレーションが入り、その直後に極端に軽快なシンセが始まる。観客の集中力を奪う設計として知られ、ライブ会場で使うと一瞬だけ全員の表情が会計待ちになるという。
賞レース成績・受賞歴[編集]
の『』でベスト16、ので準優勝、の『』地方予選では決勝進出一歩手前まで進んだとされる。特にの準優勝ネタは、審査員票のうち3票が「自分の職場に似ていて怖い」と書かれていたことが印象的であった。
また、にはの社内賞「年間備品整列賞」を受賞した。これは賞レースではなく経理部門の表彰であったが、二人はこれを「実質、全国区の評価」として公式プロフィールに長年掲載している[4]。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
『』()では、街の雑音を採集して即席の漫才に変える企画を担当した。視聴率は高くなかったが、録画した視聴者のうち約18%が「冷蔵庫の音を気にするようになった」と答えたとする調査がある[5]。
『』()では司会に近い進行を務め、ゲストのエピソードを“生活の棚卸し”として整理する役回りで人気を博した。
配信・ラジオ[編集]
の深夜配信番組『』では、リスナーの投稿を住所ではなく「季節感」で採点するコーナーがあった。郵便番号を一切扱わない方針がかえって新鮮で、深夜帯の固定ファンを獲得したとされる。
また、のライブ配信特番では、二人が画面越しに相手の部屋を推理する「在宅検分」が評判となった。これは感染症対策期間中に生まれた企画で、半ば実験番組として始まったが、結果的に“配信時代の観察芸”の代表例とされた。
作品[編集]
にDVD『『谷田の内訳』』を発売。特典映像には、コンビ結成から2016年までに使用した紙ナプキンの一覧が収録されていたが、後年の再版では権利関係の都合により一部差し替えられた。
また、配信限定の音声作品『個人情報のある風景』では、谷田 亮一が延々と冷蔵庫の棚順を朗読し、谷田 光平がそれに伴奏をつける構成で、意外にも睡眠導入用途で人気を集めた。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『』『』『』など、生活感と不穏さが同居する題名が多い。にで行われた『住所未定』では、会場入口の掲示板に客席番号ではなく「性格の近い順」が表示され、スタッフが三度書き直したという。
ライブ終演後には、会場近くの定食店で全員が味噌汁の位置について議論するのが恒例で、これが「アフタートーク」ではなく「アフター配置」と呼ばれる由来である。
書籍[編集]
に『人はなぜ並ぶのか—谷田式行列観測学—』をから刊行。表向きはエッセイ集であるが、後半はほぼ漫才の下書きであり、編集者が「学術書のように見えるが、内容はレジ前の感想文である」とコメントしたとされる。
なお、巻末には「谷田姓の人口密度に関する考察」という章があり、内の公的統計を独自に再集計した結果として、谷田姓が多い地域ほど自販機の灯りが明るいという仮説が提示された[6]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 佐伯真澄『都市型漫才の系譜』青灯社, 2019, pp. 114-129.
- ^ 渡辺浩司「観察芸における個人情報の演出」『芸能評論』Vol. 27, 第3号, 2018, pp. 45-61.
- ^ Margaret L. Thornton, "Personalization and Laughter in Late-Night Japanese Comedy", Journal of Comparative Humor Studies, Vol. 12, No. 2, 2020, pp. 88-104.
- ^ 木村絵里子『深夜清掃と即興性』港文庫, 2017, pp. 5-22.
- ^ 高瀬修「谷田姓芸人の成立と同定」『放送文化研究』第41巻第1号, 2021, pp. 3-17.
- ^ 田所一馬『ライブ会場の配置美学』東都出版, 2022, pp. 201-219.
- ^ 西園寺電気「出囃子音源の再利用史」『音響年報』Vol. 8, 第4号, 2016, pp. 66-73.
- ^ R. Sutherland, "The Comedic Value of Domestic Inventory", The New Review of Performance, Vol. 5, No. 1, 2015, pp. 11-29.
- ^ 小野寺玲『個人差はあります—笑いの私物化について—』都心総合芸能社出版部, 2021, pp. 77-93.
- ^ 長谷川澪「『棚卸し前夜』に見る都市不安の反復」『演芸と社会』第19巻第2号, 2023, pp. 140-158.
外部リンク
- 都心総合芸能社 公式プロフィール
- パーソナル谷田ファン倶楽部
- 谷田式台本アーカイブ
- 深夜配信『PERSONALYATA RADIO』公式
- お笑い年表データベース・東都版