『ファイアーエムブレム 甲州の秘宝』
| タイトル | ファイアーエムブレム 甲州の秘宝 |
|---|---|
| 画像 | Koshuhihou_keyart.png |
| 画像サイズ | 300px |
| ジャンル | ターン制戦術ロールプレイングゲーム(秘宝探索連動) |
| 対応機種 | 蒼藍携帯円盤機 / 次世代蒼藍X |
| 開発元 | 甲州光学開発局 |
| 発売元 | 八幡商事ゲーム開発部 |
| プロデューサー | 安原 錬(やすはら れん) |
| 音楽 | 甲州響庁オーケストラ設計課 |
| その他 | ファイアーエムブレム:歴史改変系ミステリー |
『ファイアーエムブレム 甲州の秘宝』(よみ、英: Fire Emblem: Kōshū no Hihō、略称: KSH)は、[[2032年]][[9月21日]]に[[日本]]の[[甲州光学開発局]]から発売された[[蒼藍携帯円盤機]]用[[コンピュータRPG]]。[[ファイアーエムブレム]]シリーズの第6作目である[1]。
概要[編集]
本作『ファイアーエムブレム 甲州の秘宝』は、[[山梨県]]の架空州「甲州(こうしゅう)」を舞台に、[[戦術ロールプレイングゲーム]]としての戦闘と「秘宝封印」探索を組み合わせた作品である[2]。
シリーズ第6作目として扱われつつ、同時期に流行していた「史料再演(しりょうさいえん)」というゲーム制作技法が導入されたとされる[3]。その結果、プレイヤーは戦闘中のみならず、勝利後の街区で“記録の改変”を行う手順を強いられることになった。
発売前のプロモーションでは、秘宝が眠るとされた「甲州地下文庫」が実在する地形として描かれたが、後年にはそれが“地元観光課向けの模型”に基づく二次創作であったとも言及された。なお、この逸話はゲームメディアで「正しい嘘」として半ば伝説化している[4]。
ゲーム内容[編集]
ゲームシステム[編集]
プレイヤーは「分隊長」あるいは「秘宝担当官」として、最大10体の部隊ユニットを操作し、ターンごとに行動選択を行う。戦闘は通常の[[ターン制]]に加えて、秘宝に触れると発生する“熱量(ねつりょう)ゲージ”を管理する形式が特徴である[5]。
熱量ゲージは各ターンの経過で減衰するが、秘宝碑文(ひひぶん)に記載された呪文を正しい順に読み上げると回復する、と説明される。そのため攻略情報では、音声ではなく画面上の文字の“行間”(文字が並ぶ位置)を読む手順が推奨された[6]。この仕様は一部で「紙芝居を指でなぞる戦術」と揶揄されたが、後に“沈黙のチュートリアル”として評価された。
また、戦闘以外にも街区モードがあり、[[甲府市]]周辺を連想させる「八王口(はちおうぐち)地区」では、住民の会話ログから“改変可能な史実”を選ぶ。改変の結果は次の戦闘マップの敵配置に影響するとされるが、公式には「間接影響である」とのみ記載されていた。実際には影響が明確で、プレイヤーは攻略サイトで“関数表”のように整理した[7]。
戦闘・アイテム・対戦/協力[編集]
戦闘システムには「封印斬り」「焔(ほむら)継承」「甲州結界破り」といった固有アクションがある。特に「焔継承」は、火種(ひだね)アイテムを消費してスキルの属性を上書きする仕組みであり、消費量は“炎の粒度”として1〜7段階で表示される[8]。
アイテムは、戦闘後に獲得する“封蝋(ふうろう)袋”からランダムに抽出される。袋の個数はマップごとに固定ではなく、「勝利条件を満たすまでの残り歩数(ざんりほすう)」に応じて変動するとされ、残り歩数が13前後のときに当たりが増えるという俗説が広まった[9]。
対戦モードとしては、秘宝封印のタイミングを奪い合う「奪熱(だつねつ)戦」が搭載され、協力プレイでは“同期読み上げ”が必須となる。オンライン対応は段階的に実施され、最初はローカル同時プレイのみで、後にパッチで協力通信が解放された。通信の遅延が“碑文の行間判定”に影響するとの報告があり、競技では有線接続が推奨された[10]。
ストーリー[編集]
物語は、甲州地下文庫が“燃えない焔”を蓄えることで均衡を保っていた時代から始まるとされる。ある日、文庫の鍵を握る「甲州公(こうしゅうこう)」の系譜が途絶え、焔が暴走する兆候が各地の井戸から観測された[11]。
プレイヤーの分隊は、[[海野沢]]と呼ばれる交通要所を経由し、秘宝を封じ直すために各地の遺構へ向かう。遺構には“正しい順序”があるとされるが、作中ではたびたび順序が入れ替わり、「なぜ入れ替わるのか」はエンディングで半分だけ回収される仕掛けになっている[12]。
終盤では、敵側の目的が単なる略奪ではなく、焔を別の歴史へ移すための“改変装置の起動”であることが示唆される。ここで提示される仮説が、実在の史料用語をもじった「反証(はんしょう)封蝋」である。プレイヤーは選択によって、完全に封印するか、あえて噴出させて“未来の火種”を残すかを迫られる[13]。
登場キャラクター[編集]
主人公と仲間[編集]
主人公は分隊長の「[[朧名(おぼな)レン]]」である。レンは“火傷(かしょう)を傷として扱える”という体質を持ち、通常攻撃が一部の敵には通りやすくなる代わりに、熱量ゲージが減りやすいという弱点が付与されている[14]。
仲間には、史料再演の技術を学んだ「[[清泉院(せいせんいん)エリサ]]」、結界破りの系譜を持つ「[[相原 梓(あいはら あずさ)]]」、封蝋鑑定の職能を持つ「[[鍵巻(かぎまき)ドウ]]」がいる。エリサは会話ログから“改変の芽”を嗅ぎ取るため、街区モードで探索効率が上がるとされる[15]。
特にドウは、アイテムの封蝋袋の開封順序を決める係であり、開封順が「左→右→左→右」と固定されている章がある。プレイヤーはその固定に対して、なぜ偶数番目の袋だけ光るのかを議論したが、公式は「演出である」と説明した[16]。
敵とライバル[編集]
敵勢力は「焔監局(えんかんきょく)」が統括する。焔監局は、火種を“監査”するという建前のもと、封印碑文の改ざんを行う。彼らの幹部「[[鈎白(かぎしろ)ゼノ]]」は、攻撃ではなく“地形の解釈を奪う”戦術で知られている[17]。
ライバルとしては、かつて仲間だったとされる「[[灰原 ルカ]]」が登場する。ルカは味方時には熱量を増やす支援を持つ一方、敵時には熱量の“逆流”を起こす。プレイヤーが初めて逆流を受けた場面で一時停止し、コントローラーの挙動を疑ったという報告が多い[18]。なお、この逆流演出は開発段階でバグと誤解されていたとされる。
用語・世界観/設定[編集]
世界観では、甲州地下文庫が保持する焔を「ファイアーエムブレム」と呼ぶ設定が中核になる。ここでいうファイアーエムブレムは紋章(もんしょう)ではなく“封蝋付きの熱記録”とされ、記録の読み取りが戦闘能力として転写されると説明される[19]。
秘宝は全部で27個存在し、各秘宝が持つ属性は「火」「影」「湿」「霜」の4系統に分類される。属性の組み合わせはレア度に直結し、湿×霜の秘宝は“発火しないはず”なのに、なぜか回避率だけが上がるとされる[20]。
なお、本作には地名として[[韮崎市]]を連想させる「[[ニラサキ]]台地」が登場するが、実際の地形は架空の“三段段丘(さんだんだんきゅう)”で再構成されている。作中の「三段段丘」の段数は3ではなく“4段に見える”ため、地形評論家のようなプレイヤーが検証動画を上げた[21]。このズレが、いわゆる“正しい嘘”の快感と結びついたとされる。
開発/制作[編集]
制作経緯[編集]
開発は[[甲州光学開発局]]が主導し、当初は純粋な戦術RPGとして設計されたとされる。ところが、企画会議の議事録が“全角文字の行間だけを解析する”という異常な手法により残され、その解析結果をゲームの判定へ流用する方針が採用された。これにより、初期プロトタイプでは熱量ゲージが3ターン目に爆増する不具合が発生したとされる[22]。
その後、八幡商事ゲーム開発部の広報担当「[[鷹羽 尚久(たかば なおひさ)]]」が、史実を連想させるコピーを大量に提案し、“甲州の秘宝”という名称が採用された。特に「甲州」という語は、古い製紙工場の社歌に出てくる比喩から取られたという社内伝承が残っているとされるが、後年に社歌そのものが存在しないことが指摘された[23]。
制作チームの中には、地元官公庁の資料閲覧を行ったとされるメンバーがいた。具体名は伏せられているが、[[山梨県]]の“地下保存庫”という言葉だけが手元に残り、ゲームの地下文庫に転用されたという[24]。
スタッフ[編集]
ディレクターは「[[中里 透(なかざと とおる)]]」、デザインは「[[篠原雲母(しのはら うんこ)]]」、プログラミングは「[[多摩部 周作(たまべ しゅうさく)]]」が担当したとされる[25]。
なお、制作体制は“光学”を冠した部署があり、キャラクターの瞳に反射する紋様を計算で生成するために、当時流行の簡易レンダリングを戦闘判定へ流用したと説明される。戦闘中、ユニットの顔アップが出る確率が“2.7%”に固定されていたことが内部ツールで見つかったとされるが、公式サイトでは削除されている[26]。この点はファンの間で「2.7%のロマン」と呼ばれている。
音楽制作は甲州響庁オーケストラ設計課が関与し、各秘宝の章ごとに“拍の取り方”が異なる。プレイヤーはリズムゲームのように音を数えることで回避率が上がると誤解したが、後に統計的には上がらないことが示された。とはいえ誤解が文化として残ったことが、本作の社会的影響の一部であるとされる[27]。
音楽(サウンドトラック)[編集]
サウンドトラック『[[焔記録譜(えんきろくふ)]]』は全48曲で構成されるとされる。特に秘宝探索BGM「甲州地下文庫:沈黙の拍」は、途中のブレス(息継ぎ)音を含むことで緊張を演出したとされる[28]。
また、戦闘曲ではユニットごとに小さな旋律差が入り、敵味方の熱量差に応じてオーケストレーションが変化する。実装上は“熱量ゲージが5以上で弦が増える”単純化がなされたが、評論では「感情の層が増える」と形容され、語りが独り歩きした[29]。
初回限定版には、CDではなく蒼藍携帯円盤機の端末音声に同期する“符号カード”が同梱された。カードは読み取りにより、ゲーム内で特定の碑文が1回だけ“音読される”演出が追加される仕様であったとされる[30]。
他機種版/移植版[編集]
発売直後は蒼藍携帯円盤機のみで提供され、後に高解像度化された次世代蒼藍Xへ移植された。移植版では熱量ゲージの減衰速度が“旧仕様の98.5%”へ調整されたと説明されるが、実際にはマップの歩数カウントが異なり、戦術が再設計を迫られた[31]。
また、協力プレイの同期読み上げは、次世代蒼藍Xでは音声入力が必要になった。しかし入力方式の都合で、方言が強いほど碑文の行間判定が不利になるという報告が相次ぎ、ファンの間では「関西訛りは不利」といった誇張が広まった[32]。後のパッチで改善されたとされるが、どの訛りが対象だったかは公表されていない。
評価(売上)[編集]
全世界累計は、発売から18週間で約136万本を記録し、その後も“秘宝封印の正解ルート探索”が流行して伸長したとされる[33]。
日本国内では、[[ファミ通]]クロスレビューが最高位帯を獲得し、「ファイアーエムブレム史上最も“疑似史料”が濃い」と評された。なお、受賞の根拠は“サブクエスト完遂率”という指標で、サブクエスト完遂率が何故か小学生のプレイ動画で跳ねたことが話題になったとされる[34]。
一方で、熱量ゲージの減衰と碑文判定が難解であるという批判もあり、特定の章だけ難易度が不自然に上がる“十三歩の壁”と呼ばれた現象が議論された。公式は「難易度は均一である」としつつも、ユーザーが再現した統計の一部を“演出の個体差”として処理したため、疑念が残った[35]。
関連作品[編集]
関連作品としては、世界観を補完する外伝『[[焔記録譚(えんきろくたん)]]:封蝋の手触り』、戦闘システムを軽量化した派生『[[奪熱アリーナ]]』、ならびに碑文を解読する読書寄りゲームブック『[[甲州地下文庫の選択]]』がある[36]。
また、テレビアニメ化もされたとされる。題材は“レンが改変を選ぶ回”に寄せられたが、アニメの独自設定で敵幹部ゼノが主人公と同じ“火傷体質”を持つと変更され、原作派と対立した。なお、アニメ脚本の担当者名はエンディングクレジットから削除されたとファンは主張している[37]。
関連商品[編集]
攻略本としては、[[書籍]]『[[甲州秘宝解析大全]]』(第1版:2027年)があり、熱量ゲージの挙動を“温度ではなく記録速度”として説明している。ほかにも、符号カードの読みに関する手引き『[[符号カードと碑文行間]]』、さらに設定資料集『[[地下保存庫の図譜]]』が刊行された[38]。
限定商品としては、封蝋袋を模したパッケージ菓子『焔封蝋チョコレート』がコンビニチェーンと提携して販売されたとされる。パッケージにはランダムで秘宝図版が印刷され、当たり図版の確率が“1箱あたり0.82%”と記載されていた。消費者庁への問い合わせがあったとされるが、結論は公表されていない[39]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 中里 透『焔記録譜から読む戦術史料』甲州響庁オーケストラ設計課, 2032年.
- ^ 安原 錬『ファイアーエムブレム:甲州の秘宝 開発顛末(第6章まで)』八幡商事ゲーム開発部, 2033年.
- ^ 鷹羽 尚久『“正しい嘘”のコピー戦略:疑似史料設計の実務』東邦出版, 2034年.
- ^ Margaret A. Thornton『Turn-Based Systems and Written-Grid Interfaces』Game Studies Review, Vol. 12, No. 3, pp. 41-68, 2035.
- ^ 篠原雲母『行間判定UIの研究:秘宝探索連動モデル』日本人間工学会誌, 第58巻第2号, pp. 101-129, 2032.
- ^ 多摩部 周作『熱量ゲージ減衰の実装と誤差:98.5%調整の背景』電算戦術工学論集, 第7巻第1号, pp. 9-27, 2032.
- ^ 清泉院 エリサ(著者表記は異なる可能性あり)『碑文を読む者の会話ログ解析』甲州学芸叢書, pp. 200-235, 2036.
- ^ 山梨県企画局『地域連動型エンタメの統計:秘宝探索例』山梨県資料集, 2019年.
- ^ 『ファミ通クロスレビュー・ゴールド殿堂集(仮)』エンタメ教育社, 2033年.
- ^ Etsuji Nakamura『Kōshū Underground Archives as Game Narrative』Asia Interactive Quarterly, Vol. 9, Issue 4, pp. 77-95, 2037.
外部リンク
- 蒼藍公式アーカイブ
- 甲州秘宝ファンデータベース
- 碑文行間研究所
- 奪熱アリーナ・コミュニティポータル
- 焔封蝋チョコレート特設ページ