マルモト
| 名前 | マルモト |
|---|---|
| 画像 | Marumoto_group_photo.jpg |
| 画像説明 | デビュー前夜の路面標識“W-12”前で撮影 |
| 背景色 | #1a2b3a |
| 別名 | 穴居ロック隊 / Marumo(通称) |
| 出身地 | 川崎市・臨港工業地帯周辺 |
| ジャンル | オルタナティブ・ロック / ナラティブ・パンク |
| 職業 | バンド(作詞・作曲・編曲) |
| 担当楽器 | ギター / ベース / ドラム(兼コーラス) |
| 活動期間 | 2010年 - 現在(断続的活動) |
| レーベル | Lazurite Records |
| 事務所 | 秋霜音工房 |
| 共同作業者 | 音響設計:市ノ瀬静馬、作家:佐渡谷ミサ |
| メンバー | 渡辺精一郎(Gt/作詞)・小早川碧(Ba)・虎徹竜(Dr) |
| 旧メンバー | なし(途中加入も公式上は「役務契約」) |
| 公式サイト | marumoto-official.jp |
マルモト(まるもと)は、の3人組である。所属事務所は。レコード会社は。に結成、にメジャーデビュー。略称および愛称は「Marumo」。公式ファンクラブは「穴居(あなご)クラブ」である。
概要[編集]
マルモトは、の3人組ロックバンドである。デビュー前から、彼らは“音の地層”をテーマにしたライブ構成で知られ、終演後に客へ「次層(つぎそう)用のメモリーカード」を配布する習慣が話題となった[1]。
バンドの特徴は、歌詞の情景が地名のように具体的である点にある。特に代表曲群は、作中の地点を川崎市の架空埠頭から、実在する港区の会議室までまたいでおり、その“距離感の嘘の精度”が評価されている[2]。
なお、彼らのファンクラブ「穴居クラブ」は会費とは別に、年1回「沈黙測定キット(全7部品)」を送付することで知られる。キットは未開封のまま保管されることが多く、結果として会員の家庭内で“音が反射しない期間”が生まれるとファンの間で語られている[3]。
メンバー[編集]
渡辺精一郎は、ギターと作詞を担当する。幼少期に川崎市の倉庫街で働いていた祖父の影響を受け、「音は物の位置を覚える」という信条で作詞を行うとされる[4]。ライブでは曲間に必ず“回収係の声”を模したコールを挟むことで知られる。
小早川碧はベースとコーラスを担当する。彼女は大学で材料力学を学び、そのレポートを転用した和音設計があるとされるが、本人は「数式を言い訳にしただけ」と語っている[5]。
虎徹竜はドラムを担当する。虎は「拍を数えるより、拍が転ぶ瞬間を聞け」と主張し、タイムキープをあえて1拍だけ遅らせる“地雷テンポ”を武器にしている。なお、この遅れは『第3層の通行制限』という社内呼称でファンに共有されている[6]。
バンド名の由来[編集]
バンド名の「マルモト」は、“丸い音”(=共鳴の円)と“元”(=原点)を掛け合わせた社内提案が元になったとされる。結成当初は「MARMOT(マーモット)」案もあったが、商標照会で“同名の牧場音響機器”が先に登録されていることが判明し、ひらがな寄りに改めたという経緯が語られている[7]。
また、彼らが初期に通っていたスタジオが川崎市の“埋立地・旧測量棟”にあり、スタッフが外で鳴る風の音を「マルモト」と呼んでいたという説もある。さらに、2013年のインタビューでは「地下で掘った丸穴に入ると音が戻ってくる」という謎の比喩が記録されており、由来の正確さ自体が“作品”の一部として扱われている[8]。
来歴/経歴[編集]
結成/インディーズ期(2010年 - 2013年)[編集]
マルモトは、川崎市のライブハウス「桟橋ロフト」で集まった3人により結成されたとされる[9]。結成初年度の活動は、月2回の路上試験演奏と、地下倉庫での“無観客ミックス”が中心であった。
2011年、彼らは初の試作EP『沈黙の第1層』を“配布のみ”で出した。配布方法は、港湾警備の緊急通知を印刷した紙袋にCDを入れて渡すというもので、受け取った人だけが次回の場所を知る仕組みになっていた[10]。
2012年、音源の中に一箇所だけ「聴くと耳が痛くなる周波数帯」が混入していることが判明し、レーベルが慌てて“音を削る”メタ作業を行ったと伝えられる。ただし、当時の映像記録では、削ったはずの音がライブ終盤で復元されていたという[11]。
メジャーデビュー(2014年)[編集]
にLazurite Recordsからメジャーデビューを果たした。デビュー作『穴居図(あなごず)』は、発売初週の売上が約1.8万枚と報じられ、オリコンの週間チャートで最高位2位を獲得したとされる[12]。
当時のプロモーションでは、実在の港区にある架空の“会議室:第13号”を借り切り、招待客のみに“リハーサル音声”を公開した。ファンはその会議室の鍵の番号が「13-0-0」だったことまで覚えているといい、スタッフの一人は「数字はいつも多いほど良い」と語っている[13]。
なお、この年のテレビ初出演でMCが「なんでタイトルが地図なんですか」と聞いた瞬間、メンバーが無言で床に描いた円を指したため、視聴者の間で“円=マルモト”という即席解釈が広まったと記録されている[14]。
2015年 - 2018年(社会的認知の拡大)[編集]
にリリースしたシングル『風向きの折返し』は、サブスクリプションで初動72時間の再生数が約680万回を突破したとされる[15]。その後のライブで、曲の合間に「折返し地点(おれかえちてん)」と書かれた紙片が客席に投げ込まれ、拾った人はアンコールの抽選に参加できる仕組みだった。
には初の全国ツアー『第2層、静かな移動』を開催。ツアー期間は117日とされ、各地のライブハウスで“床の材質”を記録した写真が公式SNSに投稿された[16]。ただし、投稿された写真の一部には撮影場所の座標が付与されていなかったため、視聴者が推理ゲームのように真偽を検討したこともある。
に発表したアルバム『港の骨格(こっかく)』は、初週売上が約2.6万枚で、年間ランキングで上位入りしたと報じられた。収録曲『港区の明け方』は“実在の地名だけを使う曲”としてメディアで取り上げられたが、歌詞内の距離が現実の徒歩ルートと一致しないことから、編集者から「嘘の地理学」と呼ばれた[17]。
2019年 - 現在(活動の再構成)[編集]
、バンドは一度活動を“再構成”すると発表し、同年後半は演奏ではなく音響実験の展示を主軸に据えた。展示名は「共鳴回路(きょうめいかいろ)調律展」で、入場者に配布された小型の録音機が作品の一部とされた[18]。
には配信限定シングル『W-12の帰路』をリリースし、MVの公開日は雨量データ(気象庁観測)の平均値に合わせると公式に述べた[19]。ただし、ファンが実際の雨量と公開日の対応関係を検証した結果、平均値より“外れ値”が採用されていたと指摘されている。
からはツアーを再開し、同時に公式ファンクラブの規約が改定された。改定内容は、会員が新しい“沈黙測定キット”を受け取ってから、最初の1分間だけ通話を控えるというルールである[20]。
音楽性[編集]
マルモトの音楽性は、オルタナティブ・ロックを土台にしつつ、ナラティブな歌詞構造を前面に出す点に特色がある。楽曲は物語の「層(レイヤー)」として設計され、1曲の中に“地図の折り目”のような転調が埋め込まれているとされる[21]。
作詞は、地名・施設名・時間帯を細かく置くことで現実味を狙う一方、距離や所要時間はあえて矛盾させる傾向がある。たとえば『港区の明け方』では、港区の「会議室:第13号」から川崎市の埠頭までを“徒歩42分”とするが、聞き手が計算しないようにテンポ設計で誤差を吸収していると批評される[22]。
編曲面では、虎徹竜の“地雷テンポ”が核になっており、リズムがわずかに転ぶたびに、曲の情景が変わるように聴こえると説明される。市ノ瀬静馬によると、ドラムの残響は残響室ではなく“ライブハウスの机の角”をモデリングしているという[23]。
人物[編集]
渡辺精一郎はインタビューで「音楽は証拠の収集」と述べている。彼は歌詞を書く際、まず地図上で円を描き、その円に入るキーワードだけを採用するといわれる[24]。
小早川碧は“ベースは土台ではなく翻訳”だと語り、低音域の振幅が感情の翻訳になると考えるとされる[25]。彼女はライブでベースを弾く時間より、音の外周をなぞるようなジェスチャーを多用し、撮影者からは「演奏者というより測量士」と評されることがある。
虎徹竜は、ステージ上で時折無線マイク越しに、架空の行政文書の文言を読み上げる。内容は「第3層の通行制限」などの表現で知られ、聞き取れないようにしているが、観客が文字起こしし始めると曲が少し遅れるため、ファンの間で“悪戯”として継承されている[26]。
評価[編集]
音楽評論家の間では、マルモトが“地理の演出”をポップスに持ち込んだことが高く評価されている[27]。一方で、歌詞の精密さに対して、楽曲の抽象性が意図的に揺らされている点も指摘される。
特に、2017年のライブ『第2層、静かな移動』では、観客が入場順に“層の番号”を割り当てられ、同じ曲でも最初のサビが異なることが観測された。公式は「ランダム」と説明したが、後に配布カードの刻印が回収順と相関していたという報告が出ている[28]。
また、YouTube以外のプラットフォームではMVの“視聴開始タイムスタンプ”が一致しない現象が起きた。これは配信仕様の差とされるが、ファンはあえて「別層視聴(べつそうしちょう)」と呼び、ストーリーの続編だと解釈した[29]。
受賞歴/賞・記録[編集]
マルモトは複数の音楽賞でノミネートされており、2016年には新人枠を外れた形で“年度作品の発明”部門に選出されたとされる[30]。ただし、この部門は年により名称が変動しているため、記録の整理には揺れがある。
公式記録としては、ストリーミング認定で2020年時点の累計が約12億回再生を超えたとされる[31]。さらに、2022年のライブ映像作品『穴居図(ライブ・アーカイブ)』は、単一回の撮影スケジュールとしては異例の“3夜連続・同一セット”を採用したことで業界誌に言及された[32]。
また、彼らはインディーズ時代から「沈黙測定キット」に関する研究ノート(未公開)を残していると噂され、学会のようにコピーが回っていたという証言が残っている。ただし、出所は確認されていないとされる[33]。
ディスコグラフィ[編集]
シングル
・『風向きの折返し』(2015年) - 折り返しの比喩が歌詞のみに存在し、曲中のブレイクが聴感上“戻り”として配置されたとされる[34]。
・『W-12の帰路』(2021年) - “W-12”という規格番号の正体は明かされないが、MVの冒頭8秒でだけ読める字幕があると噂される[35]。
CDシングル
・『港区の明け方』(2018年) - 初回盤の歌詞カードが、実在の港区の会議室案内風フォーマットになっていることで話題になった[36]。
配信限定シングル
・『回収係の声』(2019年) - ライブで使う“コール模写”が曲に取り込まれているとされる[37]。
アルバム
・『沈黙の第1層』(2012年、EP) - 配布のみで出されたため、現在はプレミア化していると語られる[38]。
・『穴居図(あなごず)』(2014年) - メジャーデビュー作で、円の図形がジャケットにのみ隠されているとされる[39]。
・『港の骨格(こっかく)』(2018年) - “距離が合わない歌詞”を肯定するようなサウンド設計が話題となった[40]。
ベスト・アルバム
・『第3層コレクション:沈黙測定』(2022年) - 選曲基準が「客の拍手が遅れた曲」だと記され、ファンが当時の動画を掘り起こすきっかけになった[41]。
映像作品
・『穴居図(ライブ・アーカイブ)』(2022年) - 3夜連続の同一セットで撮影され、映像の時間コードが毎回ズレているとされる[42]。
ストリーミング認定[編集]
マルモトの主要楽曲はストリーミングで高い再生数を記録したとされる。『風向きの折返し』は累計で約3.9億回再生を達成したと報じられている[43]。
また、『港区の明け方』は配信開始後に短期で拡散し、初週の再生数が約4600万回に達したとされる[44]。ただし、ある分析では、再生数の急上昇が音源の切り替えタイミングと同期していたことが示唆されており、単なる人気とは異なる要因があった可能性が指摘されている[45]。
2024年時点では、公式に「認定の内訳(無料/有料/視聴時間)」を公開したとされるが、その表には“7部品”という記載があり、沈黙測定キットとの連動があるのではないかと推測されている[46]。
タイアップ一覧[編集]
・提供番組『未明の会議室』テーマソング(2018年) - 曲中に会議室風の無音区間を挿入したとして話題になった[47]。
・ドキュメンタリー『折返しの産業史』主題歌(2020年) - “折返し”を産業用語として転用したが、番組側の表現は比喩に留まったとされる[48]。
・ゲーム『層(そう)を歩く:仮想埠頭編』エンディング(2021年) - 虎徹竜の地雷テンポに合わせてゲーム内BGMの遅延仕様が組まれたと説明された[49]。
・香料メーカーのラジオCM(2023年) - 無香の実験会として取り上げられ、結果として“香りの代わりに余韻”を売る広告だと評された[50]。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
全国ツアー
・『第2層、静かな移動』(2016年、全18公演) - 開場前に“床の材質アンケート”を実施し、後日アンケート回答が歌詞の微修正版に反映されたとされる[51]。
・『共鳴回路調律展ライブ』(2021年、全6公演) - 会場が展示室であったため、楽器の反響を前提にセットが組まれたとされる[52]。
・『穴居図、最後の円』(2023年 - 2024年、全24公演) - 最終公演のみ、同じ鍵番号のレプリカが配布されたと報じられた[53]。なお、鍵番号は「13-0-1」だったとする証言と「13-0-0」だったとする証言があり、どちらが正しいかは確定していないとされる[54]。
主なイベント
・代替企画『湾岸サイレントデイ』(2017年) - 本来は無音の時間を設けるはずが、なぜか客席の咳が合唱のように録音され、その音が次の曲のイントロに混ぜられたとされる[55]。
出演[編集]
テレビ
・『MUSIC LIVE 24』ゲスト出演(2016年) - 出演時に司会者が曲名を読み間違えたことで、メンバーが即興で“誤読版”を披露したと記録されている[56]。
ラジオ
・『夜間回収放送』パーソナリティ(2019年 - 2020年) - 彼らが放送で紹介する架空の行政用語がSNSで引用され、リスナーの間で“回収係の声”というコール文化が拡散した[57]。
映画
・『層のある街』(2022年) - 主題歌として『回収係の声』が使用され、サウンドトラックのクレジットに“市ノ瀬静馬(音響)”が記載された[58]。
CM
・『無香の余韻』篇(2023年) - 放送では“香りの説明を一切しない”構成が採用され、広告批評で取り上げられた[59]。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
マルモトは、に出場したとされる。出場年はであり、曲は『港区の明け方』だったと記録されている[60]。
ただし、当時の公式記録と、ファンクラブ会員向け冊子の記載が一致しない箇所があるという指摘があり、冊子では“帰路(W-12)”を出場曲として挙げているとされる[61]。この差異がファンの間で「紅白の層がずれた」と呼ばれ、以後、ライブのMCでも層の話題が増えたとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 編集部『Marumoto 徹底解剖:円の音学』音響書房, 2016年.
- ^ 渡辺精一郎「歌詞における地名の誤差設計」『ポップス工学研究』第12巻第3号, 2017年, pp.21-37.
- ^ 小早川碧「低音域を翻訳する—振幅と感情の対応モデル」『日本音楽心理学会誌』Vol.8 No.1, 2019年, pp.55-73.
- ^ 虎徹竜「地雷テンポの実装と観客反応」『リズム・シミュレーション年報』第5巻第2号, 2020年, pp.101-120.
- ^ 市ノ瀬静馬『残響は机の角に宿る』青藍音響出版, 2021年.
- ^ 佐渡谷ミサ『行政文書として読ませる歌詞』港都文庫, 2018年.
- ^ 『NHK紅白歌合戦 記録資料:2020』日本放送出版協会, 2020年.
- ^ 編集部『ストリーミング再生の統計怪談』数字社, 2022年, pp.77-84.
- ^ Marumo Fan Club『穴居クラブ会報・訂正版(2014-2016)』穴居クラブ, 2016年.
- ^ 土屋キョウ『折返しの産業史—湾岸ドキュメンタリー批評』Bayline Press, 2020年.
外部リンク
- marumoto-official.jp
- Lazurite Records アーティストページ(非公式ミラー)
- 穴居クラブ資料庫
- 第2層 静かな移動アーカイブ
- 回収係の声(音声ログ)