Suchmos
| 名前 | Suchmos |
|---|---|
| 画像 | Suchmos_StagePhoto.png |
| 画像説明 | 結成後初期の路上ライブ(の高架下)で撮影されたとされる |
| 画像サイズ | 260px |
| 画像補正 | auto |
| 背景色 | #003366 |
| 別名 | サチ/モス |
| 出生名 | — |
| 出身地 | |
| ジャンル | シティ・ロック、エレクトロ・ファンク、オルタナティブ・ポップ |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ボーカル/ギター/ベース/ドラム/キーボード |
| 活動期間 | 2011年 - 2022年(のち再始動) |
| レーベル | Tachyon Records(のちへ移籍) |
| 事務所 | 北緯音楽事務所 |
| 共同作業者 | 音楽プロデューサー |
| メンバー | (ボーカル)、(ギター)、(ベース)、(ドラム)、(キーボード) |
| 旧メンバー | (キーボード、2011年〜2013年) |
| 公式サイト | https://suchmos-portal.example |
Suchmos(さちもす)は、日本の5人組ロックバンドである。所属事務所は。レコード会社は。2011年に結成、2013年にメジャーデビュー。略称および愛称は「サチ」。公式ファンクラブは「モス家」。
概要[編集]
Suchmosは、日本の5人組ロックバンドである。2010年代初頭の東京のストリート文化を背景に、ファンクのグルーヴとロックの推進力を、疑似アナログ・シンセと短いブレイク(いわゆる「息継ぎ」)で結びつけたことが特徴とされる。
バンドの象徴は、ライブ終盤に必ず行われる「反転拍(はんてんぱく)」と呼ばれる合図であり、観客が手拍子の向きを変えることで音が“反転して聞こえる”演出が評判となった。なお、この反転拍はのある地下レコード店で偶然発見された古い録音再生装置から着想したと、本人たちは語っている。
メンバー[編集]
ボーカルのは、発声よりも“言葉の角度”を重視するスタイルで知られる。ギター担当のは、3弦だけを残した変形チューニングを多用し、ベースのは「音程より圧」を合言葉に低域の立ち上がりを鍛えたとされる。
ドラムのは、1曲につき平均で17回以上「空白(スペース)を叩く」といわれ、キーボードのは、古いシンセを修理する時間を曲作りの一部として扱うことで制作の速度を上げたとされる。
バンド名の由来[編集]
バンド名のSuchmosは、メンバーが共有していたメモ帳の最初のページに書かれていた造語であるとされる。その語源は「satellite(衛星)」「hush(静寂)」「mosaic(モザイク)」を互いに“ずらして読む”ことで得られた語感だと、後年のインタビューで説明されている。
また、当初は綴りが「Suchmosz」であったが、メジャーデビュー前に印刷会社の担当者が誤って「Suchmos」と記載したため、そのまま採用されたという逸話もある。若干の綴り揺れは、公式ファンクラブの名称が「モス家」に定着するまで残っていたとされる。
来歴/経歴[編集]
結成(2011年)[編集]
Suchmosは2011年、の音楽系学生サークル「昼休み同期室」で出会った5人によって結成された。結成当初は“バンド”ではなく、週3回の共同録音と、録音データの統計整理(テンポごとの散らばり)を主目的としたグループだったとされる。
同年の夏、メンバーは地下鉄の乗換駅で50分間だけ演奏する実験を行い、その音源を「雑音の中の小さなメロディ」として編集した。結果として、街のアナウンスがリズムになったことで、後の「息継ぎ」構造が生まれたと語られている。
インディーズ期(2012年)[編集]
2012年には、インディーズ盤『反転拍の予習』をの小規模スタジオで制作した。プレスは限定で3,000枚、うち手書きジャケットはちょうど1,247枚であったと公式資料で整理されている。
同年のライブでは“到達点”を可視化するため、会場の床にテープで円を描き、円の中心に立つ時間(秒数)で曲順が変わる仕組みを採ったとされる。初期のファンはこれを「モス・ダンス」と呼び、SNSで模倣する者が増えた。
デビュー(2013年)[編集]
2013年、Tachyon Recordsからミニアルバム『窓の裏側』でメジャーデビューした。デビュー作はオリコンチャートで最高順位6位を記録し、特に収録曲『グラスが先に冷える』は、発売から10日目でストリーミング再生が累計280万回に到達したとされる。
ただし、出版社側のリリースノートには「到達時点が12日目」「280万回が約310万回」といった相違がある。のちに編集者が校正段階で数字を書き換えた可能性が指摘されたが、本人たちは「誤差もライブの味」と受け止めていた。
主流化(2016年〜2018年)[編集]
2016年、セカンドアルバム『反転する太陽』が大ヒットし、累計売上枚数は73万枚を記録したとされる。翌2017年には横浜アリーナでの単独公演がチケット即日完売となり、観客数は公称で17,800人だった。
2018年には、東京・の大型スクリーン連動企画「街路灯ネオン・タイムライン」が話題となり、楽曲が通勤ルートで流れることが増えた。これによりSuchmosは“移動中のBGM”の象徴として、若年層の音楽視聴習慣に影響を与えたと評価された。
活動休止と再始動(2022年)[編集]
2022年、制作疲労と機材更新の遅れを理由として活動休止が発表された。公式サイトの文面では「心拍が整うまで待つ」とだけ記され、ファンは約1年半の沈黙を「反転拍の充電期間」と呼んだ。
その後、2024年に再始動が報じられ、キーボードは新たにサポート編成(相沢コトネに加え、が即興枠で参加)となった。なお、休止期間の計算に関しては「2022年7月から2024年3月まで」と「2022年8月から2024年4月まで」という揺れがある。
音楽性[編集]
Suchmosの音楽性は、シティ・ロックを基盤にしつつ、エレクトロ・ファンクの骨格と、短い休符を“聴かせる”構造が特徴とされる。楽曲の多くでは、ボーカルのフレーズが小刻みに切り替わり、聴き手が次の一小節を予測する“ゲーム”のような仕掛けが配置される。
制作面では、各メンバーが平均して曲の原型を12時間以内に提示するというルールがあったとされ、デモ段階のテンポはBPM表記で「108〜124」のレンジが主流だったと整理されている。また、ライブ録音の際には、客席のざわめきをリングモジュレーターへ入力する手順が導入され、「ざわめきが曲の第3の楽器になる」と説明されたこともある。
人物[編集]
渡辺サブロウは、歌詞を“天気予報”の語彙体系で書くことがあるとされ、たとえば『雨宮ユウトの夢日報』では「湿度が上がるほど声が鋭くなる」という比喩が繰り返される。雨宮ユウトは、ギターの弾き方ではなくピッキングの“角”を調整する癖があるとされ、観察者からは「音が紙を切る感じがする」と評された。
一方で高野ミチオは、ドラムのシンバルに触れる前に必ず息を止めてから打つ儀式をしていたとされる。相沢コトネは、楽器を分解して番号を付ける作業を“祈り”と呼び、曲が行き詰まるほど手が動くと述べたことがある。
評価[編集]
Suchmosは、当時のロックバンドの主流から少し外れた方向性で支持を獲得したとされる。特に、2017年の年間チャートで上位に入った『夜の改札線』は、メロディよりもグルーヴの連続性が評価され、評論家のによって「踊らせるためのロックではなく、踊り続けるためのロック」と評された。
また、若年層のスマートフォン視聴に合わせた「30秒で“次の場面”へ移る構成」が模倣され、バンド以外のアーティストにも影響が及んだと論じられた。もっとも、反転拍の演出が過度に“参加型消費”へ寄ったとの指摘もあり、ライブの体験価値と商業性の境界が争点となった。
受賞歴/賞・記録[編集]
Suchmosの受賞歴としては、2016年にの最優秀新人賞相当部門(名称は当時「新人の波」)を受賞したとされる。公式発表では受賞曲は『反転する太陽』の一節で、会場では歌唱ではなく“反転拍の実演”が行われたとも報じられた。
記録面では、ストリーミング再生が通算で10億回を突破したとされるが、年ごとの内訳が資料によって異なる。たとえば“10億到達日”は2020年12月19日説と2021年1月3日説があり、ファンの間では「どちらも微妙に違うけど、どちらにせよ年末の忙しさを越えた」として記憶されている。
ディスコグラフィ[編集]
シングルとしては『窓の裏側』(2013年)、『グラスが先に冷える』(2013年)、『夜の改札線』(2017年)などがある。CDシングルは各回に限定特典としてライブ音源(各5分31秒)が付属し、配信限定のものは“反転拍”の無音秒数が収録されることで話題となった。
アルバムは『窓の裏側』(2013年)、『反転する太陽』(2016年)、『ネオンの息継ぎ』(2018年)、『モス家の観測記』(2021年)などが発表され、ベスト・アルバムとして『Suchmos 反転大全(2023年)』が整理されている。映像作品は『反転拍 LIVE at 』(2017年)などが知られる。
ストリーミング認定[編集]
ストリーミング認定としては、国内の音源配信プラットフォームにおけるダイヤモンド級(再生数基準は当時「1曲あたり3,000万回」)を複数曲で達成したとされる。特に『夜の改札線』は、配信開始から88日で再生が3,200万回に到達したと報告された。
ただし、認定の更新時期に関しては「毎月集計」説と「四半期のみ集計」説が混在しており、編集者の間では“どの月の数字か”が抜け落ちることがあると指摘されている。
タイアップ一覧[編集]
タイアップとしては、2015年にテレビ番組内のエンディングテーマに『息継ぎの角度』が採用されたとされる。映画では、製作の青春作『改札の向こうで』に『グラスが先に冷える』が起用されたと報じられた。
また、都市型交通広告としての地下区間を模したバーチャルスタンプラリーに楽曲が組み込まれ、「移動がプレイになる」という新しい消費モデルとして注目された。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
ライブ・コンサートツアーとしては『反転拍予報ツアー』(2014年〜2015年)、『太陽の折り返し』(2017年)、『ネオンの息継ぎ巡航』(2019年〜2020年)が知られる。特に『太陽の折り返し』では、各会場で観客の手拍子方向を揃えるため、スタッフが事前に配った“透明カード”を用いたとされる。
会場の規模は、初期が1,200人規模から始まり、終盤では約20,000人級へ拡大した。なお、会場ごとの反転拍成功率を追跡する独自指標(成功を「反転拍後の低音が増幅した」と定義)を導入していたといわれる。
出演[編集]
テレビ出演としては、の音楽特番で“反転拍が成立するまで”を検証する企画に参加したとされる。ラジオでは系の深夜番組で、歌詞の候補を即興で読み上げるコーナーを担当した。
CMでは、架空の文具メーカーの“消えない下書き”キャンペーンに『窓の裏側』が採用されたと報じられた。映画や配信ドラマへの出演は、メンバーが自身の役名で登場した“半ドキュメンタリー形式”が多かったとされる。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
NHK紅白歌合戦への出場歴としては、2019年の第70回大会で初出場したとされる。演目は『ネオンの息継ぎ』で、歌唱の間に反転拍だけをアナウンス音声で誘導する演出が採られ、視聴者からは賛否が分かれたとされる。
なお、出場年の記録は「2019年」と「2020年(第71回)」で揺れがある。これは“リハーサル映像の公開日”と“当日の放送日”が混同された可能性があると、後年に編集資料で触れられている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
外部リンク[編集]
脚注
- ^ 海老原ユウ「反転拍の成立条件:ライブ音響の擬似反転をめぐって」『音楽技術評論』第12巻第4号, pp. 41-63, 2019年。
- ^ 松島シオン「踊らせるロックから踊り続けるロックへ:Suchmos論」『批評ジャーナル』Vol.8 No.2, pp. 12-27, 2018年。
- ^ 渡辺サブロウ「沈黙を測る:息継ぎの歌詞設計」『作詞研究月報』第5巻第1号, pp. 3-19, 2020年。
- ^ 雨宮ユウト「3弦だけで完結するコード進行の探索」『ギター・データブック』第2巻第7号, pp. 88-101, 2016年。
- ^ 相沢コトネ「古いシンセはなぜ鳴るのか:修理と作曲の分岐」『電子音楽実験』Vol.3 No.9, pp. 55-74, 2021年。
- ^ 小原レン「低域の圧:ベースラインの時間分解」『リズム工学』第9巻第6号, pp. 101-119, 2017年。
- ^ 高野ミチオ「空白は叩ける:ドラムの“間”の統計」『パーカッション研究』Vol.11 No.1, pp. 20-38, 2015年。
- ^ 『Suchmos 反転大全』編纂委員会『Suchmos 反転大全』タキオン出版, 2023年。
- ^ 北緯音楽事務所『モス家通信(非売品資料集)』北緯音楽事務所, 2014年。
- ^ Tachyon Records編『窓の裏側リリースノート』Tachyon Records, 第1版, 2013年.
外部リンク
- Suchmos公式アーカイブ
- モス家チケットセンター
- 反転拍研究室
- Tachyon Recordsアーティストページ
- Azimuth Labセッションログ