ロシア(お笑いコンビ)
| コンビ名 | ロシア |
|---|---|
| 画像 | (提供なし) |
| キャプション | 『冷蔵庫の国勢調査』で話題となった[2] |
| メンバー | 渡辺 ソリ(つっこみ担当)、レフ・ボリュー(ぼけ担当) |
| 結成年 | 2011年 |
| 解散年 | なし |
| 事務所 | ロシア企画 |
| 活動時期 | 2011年〜現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| ネタ作成者 | 主に渡辺ソリ、共同で両者 |
ロシア(英: Rosia)は、所属の。9月結成。NSC校19期生であり、漫才を中心に活動している[1]。
概要[編集]
は、地名・国名を連想させる語感を“言い換え術”として扱うことで知られるである。特に、台本上の単語をあえて「架空の行政手続き」や「規格書」に落とし込む作風が特徴とされる[3]。
結成の契機は、当時の養成所での講義「単語は翻訳すると別の税になる」に由来するともされる。のちに、ふたりは漫才の中でを“冷えるほど意味が増える単語”として運用し、ウケの回転を工学的に最適化していったと説明されている[4]。
メンバー[編集]
渡辺 ソリ(わたなべ そり)は、出身の担当として活動している。ネタ作成では語尾の速度(「〜である。」を言うまでの間)をメトロノームで測る癖があるとされ、稽古の記録はA4で年1冊分あるという[5]。
レフ・ボリュー(れふ ぼりゅー)は、ロシア風の名前を名乗りながらも本人は「気分で文字数を変えるタイプ」であると語っている。ぼけでは、架空の機関名(例:のようなもの)を出しつつ、最後に必ず“家計簿”へ着地させることで知られる[6]。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成と養成所時代[編集]
ふたりはNSC校19期で同室になったことがきっかけとされる。席替えのたびに、ボリューが「国名を冷蔵庫に貼るとネタが凍らない」と言い続けたため、周囲は次第に“ロシア”という単語を課題名のように呼ぶようになった[7]。
当時のユニット名は「ソリ×ボリュー」だったが、学園祭の際に「ロシア企画」という“事務所っぽい紙”を自作し、審査員に提出したところ、なぜか通過したという逸話が残っている。この紙に書かれた電話番号は『0(ゼロ)の桁が3回多い』と後年まで訂正され続けたとされる[8]。
東京進出とブレイクの端緒[編集]
2014年頃、ふたりは内の深夜枠で『冷えすぎた統計』を演じ、観客が笑いながらも手元のチラシを数え始めたことで話題になった。番組側は「笑いの前に“数え癖”が発生する」と評したとされる[9]。
以後、ネタ中の“数字”が増えた。たとえば、ボリューが「当コンビは年間260日、言い換えだけで生き延びる」と宣言したところ、スポンサーが冷凍食品の販促を合わせてきたという。結果として、数字は単なる小道具ではなく“契約文言”として扱われるようになった[10]。
芸風[編集]
の漫才は、国や行政を連想させる語を、あえて“手続きの手順書”として読み上げる構造を持つ。たとえばボリューが「本日の天候は、第7条のため“晴れ”である」と言った直後、ソリが「じゃあ傘はどこですか?第7条で決まってます!」と反転させる[11]。
コントでは、架空の物流網や規格を舞台装置にすることが多い。『冷蔵庫の国勢調査』では、の某倉庫で“卵だけが入居者登録される”という設定が採用され、最後は家計簿アプリの画面に着地する。なお、このアプリは実在の既存サービス名を“誤って思い出した風”に言い換えることで作られたとされる[12]。
一方で、社会性の強いテーマも扱う。ふたりは「国名とは、視聴者の脳内に一度置かれるラベルである」と語り、言葉をラベリングする行為自体を笑いの対象にしていると説明される[13]。
エピソード[編集]
最大のエピソードは、2017年の地方番組収録『言い換え税の夜』で起きたとされる。ソリがネタの中での架空条文を読み上げた際、スタジオの照明が一瞬だけ“青白く点滅”した。その直後、ディレクターが「会計ソフトが誤認識して自動で“ロシア”という摘要を作りました」と報告したという逸話が残る[14]。
さらに、ボリューは出囃子が鳴ると同時に“冷えた指先”を演技に組み込む。本人は「指が温かいと話が嘘にならない」として、控室の氷枕を交換する頻度を、スタッフと分刻みで管理したとされる。細かい数字としては『交換は平均41分ごと』『氷の種類は国内流通の表面積が大きいものを選ぶ』などがメモに残っているという[15]。
また、彼らのサイン色紙には「ロシアは凍る前が面白い」とだけ書かれることが多い。初見のファンは地名だと思うが、実際は“ネタのタイミング”の比喩であると後に説明されることがある。ここが、笑いと誤解の境界として機能しているとされる[16]。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は『冷気は経理を救う』(作曲:榊原コンプライアンス)とされる。イントロの16拍目で必ずソリが一度だけ深呼吸するため、ライブの観客がそれを合図に拍手を始めることがある[17]。
賞レースでは、2018年のにて準決勝進出、敗者復活で再登場した。さらに、その年の“数字縛りラウンド”で「言い換えの語尾を3回まで」と指定されたにもかかわらず、彼らは語尾を“3回”ではなく“3回目だけ違う国にする”という方式を採用したと語られている[18]。
2020年には、キングオブコントの予選で「規格書コント」部門に抜擢され、最終的に評価点が平均94.2点だったとされる(審査員4名のうち3名が“法律っぽい笑い”を挙げた)。なお、満点は100点であるとして説明されるが、公式記録の端数はなぜか小数第2位まで一致しなかったという指摘がある[19]。
出演[編集]
テレビでは『深夜の語尾工場』(のように表記されるが番組表では別名称扱いになることが多い)にてレギュラーを務め、架空条文を“生活の手引き”に見せる特集回が高視聴率だったとされる[20]。
過去の代表番組としては『笑いの監査室』(系の枠として語られることが多い)や、『週末・言い換え会議』が挙げられる。特番では『冷蔵庫の国勢調査 完結編』に出演し、視聴者参加型で“冷蔵庫内人口”を募集したとされる[21]。
ラジオでは『ロシア語尾研究所』のパーソナリティを担当し、リスナーから「自分の名字の語感で作る架空の行政」投稿が数千通寄せられたという。なお、投稿の総数は月間で3,214通と報告されている[22]。
作品[編集]
CD『第7条は晴れ』(2019年)では、漫才の音源に加えて“言い換えの間”だけを収録したトラックが話題となった。DVD『冷気は経理を救う』(2021年)では、舞台袖で氷枕を交換する場面が特典映像として収録され、ファンの間で「疑似ドキュメンタリー芸」と呼ばれた[23]。
書籍『国名で笑う技術』(著:渡辺ソリ、発行:言い換え出版社)も刊行され、章立てがやけに実務的であることが評価されたとされる。一方で「本当に使える付録が一つもない」というツッコミがファンレターとして紹介されている[24]。
単独ライブ[編集]
単独ライブは『言い換え税の夜』を皮切りに、『第7条の傘』、『凍結した語彙の解凍』などがシリーズ化した。2018年の公演では、会場の客席に“読み上げ用の紙”が配布され、観客がソリのテンポに合わせて一斉にカウントしたという[25]。
2022年の公演『冷蔵庫の国勢調査:後編』では、ステージ上の温度表示が何故か『-3.1℃』から動かず、スタッフが「演出上の仕様」と説明した。のちに温度計を調べたところ、実は表示だけが固定で、内部の値は通常の変動をしていたと報道された。ふたりは「それでも“固定の嘘”は成立する」とコメントしたとされる[26]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺ソリ『言い換え税の夜:漫才の法務部』言い換え出版社, 2018.
- ^ レフ・ボリュー『凍結した語彙の解凍:笑いの温度管理』冷気学会出版, 2020.
- ^ 榊原コンプライアンス『冷気は経理を救う:出囃子の統計』労務音楽社, 2017.
- ^ 日本お笑い台本研究会『第7条は晴れの構造』第3巻第1号, 2021, pp. 12-35.
- ^ M-1グランプリ事務局『全国決勝記録(言い換え語尾縛りラウンド含む)』Vol.18, 2018, pp. 1-210.
- ^ 『週末・言い換え会議』番組資料編集部『放送裏マニュアル:誤認識される摘要』, 2019, pp. 44-63.
- ^ Thornton, Margaret A. “On Pseudo-Legal Humor in Contemporary Japanese Comedy.” Journal of Linguistic Play, Vol.12 No.4, 2022, pp. 77-98.
- ^ Kovalenko, Ilya. “Freezing Meaning: Timing in Stand-up and Manzai.” International Review of Laugh Studies, Vol.6, 2019, pp. 201-219.
- ^ 言い換え出版社編集部『ロシア企画人物名簿(誤植が多い版)』2019, pp. 3-9.
外部リンク
- ロシア企画 公式アーカイブ
- 言い換え税 記録室
- 語尾工学 ファンサイト
- 冷気監査室 放送資料
- ロシア語尾研究所(試聴ページ)