印象・日の出
| コンビ名 | 印象・日の出 |
|---|---|
| 画像 | なし |
| キャプション | 寄席用の舞台写真とされる |
| メンバー | 朝比奈景、日向小路 |
| 結成年 | 2011年 |
| 解散年 | — |
| 事務所 | 太陽企画 |
| 活動時期 | 2011年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 朝比奈景 |
| 出身 | 東京都世田谷区 |
| 出会い | 専門学校の早朝清掃バイト |
| 旧コンビ名 | 晨光クラブ |
| 別名 | 朝コンビ |
| 同期 | 白線ランナー、月曜三番街 |
| 影響 | ラジオ体操、紙芝居、深夜通販 |
| 現在の代表番組 | おはよう漫才研究所 |
| 過去の代表番組 | 日の出前の3分間 |
| 現在の活動状況 | 劇場出演を中心に活動 |
| 受賞歴 | 朝日ネタ大賞2018準優勝 |
| 公式サイト | 太陽企画 公式プロフィール |
印象・日の出(いんしょう・ひので)は、発の架空の。[[2011年]]結成、との境界を曖昧にする“朝型演芸”で知られる所属のコンビである[1]。
メンバー[編集]
印象・日の出は、朝比奈景(あさひな けい)と日向小路透(ひゅうがこうじ とおる)からなる2人組である。朝比奈はツッコミ担当で、ネタ作成も主に担うとされ、短い助走から一気に畳みかける説明口調の漫才を得意とする[2]。
一方の日向小路はボケ担当で、舞台上では常に薄いカーディガンを羽織り、あえて“起床直後の体温”を演出するといわれる。両者とも内の専門学校で出会い、当初は清掃員のシフト表を取り違えたことから会話が始まったという[3]。
なお、2人の芸名はそれぞれ「朝の光」と「午前の気配」を意図して付けられたものであるとされるが、本人たちは「単に縁起が良さそうだった」と述べている。舞台上の立ち位置は右が朝比奈、左が日向小路で固定されている。
来歴[編集]
結成まで[編集]
2011年、の夜間専門課程に在籍していた朝比奈と日向小路は、学内の早朝清掃アルバイトで知り合った。2人は、始業前の廊下で誰に挨拶するかを巡って言い争ったのがきっかけで意気投合し、同年秋に晨光クラブとして活動を開始した[4]。
結成当初はピンマイクの電池残量を気にしすぎるあまり、ネタの半分以上が機材確認になっていたという。2012年末、所属していたアマチュア演芸会の審査員から「名前が硬すぎる」と指摘され、現在の印象・日の出に改称した。改称後は、朝のニュース番組を模した導入と、昼寝に関する大仰な比喩を交えたスタイルで注目を集めた。
東京進出[編集]
2014年、2人は活動拠点をの小劇場からのライブハウス群へ移し、いわゆる東京進出を果たしたとされる。転機となったのは、同年の『新宿モーニング寄席』で披露した「午前6時の会議室」というネタで、観客の半数が笑いより先に手元の時計を確認したことが話題となった[5]。
この頃からの劇場枠に参加し、朝7時台のトークイベントに頻繁に呼ばれるようになった。また、早朝の番組収録に強いことが評価され、地方局の生放送に遅刻しない芸人として制作現場から重宝されたという。
芸風[編集]
印象・日の出の芸風は、説明の途中で急に生活感のある話題へ逸れる“生活導入型漫才”として知られる。朝比奈が制度や理屈を整然と述べ、日向小路がそれを「今それ言う?」という小さな違和感で崩す構成が基本である[6]。
漫才では、健康診断、通勤定期、コーヒーの湯気といった誰もが見たことのある題材を扱う一方で、なぜか毎回の時刻に関する蘊蓄が3回は挟まれる。とくに「日本で最も明るい挨拶は何か」を巡る問答は看板ネタとされ、2019年にはこのネタのためだけに照明スタッフが午前4時に呼び出された[要出典]。
コントでは、役所窓口、銭湯、駅前のパン屋など、開店直後の空間を舞台にすることが多い。衣装は淡いベージュや薄青が多く、全体として“眠気の残る清潔感”を狙っているとされる。
エピソード[編集]
2016年の地方営業では、朝比奈が開演時刻を「午前」とだけ覚えていたため、会場入りが3時間早くなり、楽屋でスタッフと一緒にラジオ体操第2をしていたという逸話が残る。この出来事をきっかけに、同コンビは本番前の準備運動をネタ合わせの一部として組み込むようになった。
また、2020年にはのイベントで、舞台袖の時計が止まっていたことに気づかず、2人とも“永遠に朝のまま”のテンションで20分間出演した。観客アンケートでは「内容はよくわからないが、元気だけは伝わった」が最多回答だったという[7]。
さらに、日向小路は移動中に必ず駅のホームで東の空を確認する習慣があり、曇天の日は「今日は日の出が遅い」と真顔で言うことがある。この発言がSNS上で短く拡散し、ファンの間では“天気より先に朝を判断する男”として定着した。
出囃子[編集]
出囃子は、風に編曲された「ラジオ体操第一」の冒頭8小節である。太陽企画の音響担当だった久世宏一によれば、2人の入場時に観客の背筋が自然に伸びるよう設計した結果、この曲が最適だったという[8]。
なお、2018年までは同じメロディにの鳴き声が重ねられた特殊版が使用されていたが、劇場から「朝なのか夜なのか分かりにくい」との苦情が入り、現在の版に差し替えられた。ファンの間では、前奏の最後に小さく入るシンバル音を“起床ベル”と呼ぶ習慣がある。
賞レース成績・受賞歴[編集]
印象・日の出は、2021年ので準優勝、2023年のでは決勝進出を果たしたとされる。とりわけ2018年の朝日ネタ大賞では、審査員5人中4人が「午前の説得力がある」と評し、満場一致に近い高評価を得た[9]。
一方で、某全国規模の賞レースでは、ネタ時間を“朝の体感速度”に合わせすぎた結果、終盤のオチが審査員の集中力を超えていたとして失格寸前になったこともある。これにより、2人は以後「笑いは早朝でも尺は通常進行」という教訓を掲げるようになった。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
レギュラー番組としては、地方局の情報番組『』に隔週出演し、朝の身支度にまつわる小ネタを紹介している。過去には『日の出前の3分間』『今日は起きられるか選手権』など、タイトルからして起床を促す番組に多数出演した。
特番ではの深夜未明枠で放送された『全国早起き選手権』に出演し、午前5時台のテンションを最後まで維持したことが話題となった。制作陣は当初「寝ぼけているのでは」と疑ったが、実際には2人とも通常運転であったとされる。
ラジオ[編集]
ラジオでは、の早朝帯番組において“目覚ましに向く芸人”として重用されている。2022年には30分番組を3分のコーナーに分割してしまう事故が起きたが、本人たちは「朝は短くてよい」と肯定的だった。
また、月1回配信のネット番組『始発前通信』では、通勤客のための短い漫才と、駅のホームで使える無音のボケを紹介している。
作品[編集]
CD作品としては、朝の挨拶をテーマにしたミニアルバム『起き抜けの理屈』がある。収録曲「5時47分の自己紹介」は、ライブでは必ず1番だけ演奏され、2番に入る前に笑いが起きるため完奏されたことがほとんどない[10]。
DVD『印象・日の出 単独公演「東の空が白い」』は、舞台照明を時間経過に合わせて少しずつ明るくする特殊仕様で発売された。特典映像には、日の出の時刻を当てるだけの副音声企画が収録されている。
単独ライブ[編集]
単独ライブは、2017年の『午前6時の入り口』を皮切りに、年1回のペースで開催されている。会場選定にはこだわりがあり、入口から客席までの導線が長い劇場ほど好まれるという[11]。
2024年公演『まだ朝です』では、ロビーに実際の気象庁データを模した温度表示が設置され、観客が入場時から“やや肌寒い”気分を味わえるよう工夫された。なお、千秋楽では朝比奈が誤ってカーテンを開け切ってしまい、客席に本物の朝日が差し込んだため、一部のネタが即興になった。
書籍[編集]
2022年にはエッセイ風の書籍『朝型芸人の作り方』を刊行した。内容は、早起きのコツ、台本の起こし方、寝坊した際の謝罪テンプレートなど実用的な項目が中心であるが、後半はほぼ日の出の定義と漫才の間合いの話に費やされている。
また、同書の付録には「東の空を見てから出番を決めるチェックリスト」が収録され、劇場関係者のあいだで半ば業務マニュアルとして流通した。
脚注[編集]
1. ^ 結成年および所属は太陽企画内部資料『新人所属一覧 2011年度版』によるとされる。 2. ^ 朝比奈がネタ作成を主に担うという情報は複数のインタビューで語られているが、日向小路も「7割くらいは口を出している」と述べている。 3. ^ 専門学校の早朝清掃バイトで出会ったという経緯は、同コンビのプロフィールに基づく。 4. ^ 晨光クラブ時代の活動記録は、2026年現在も一部が劇場掲示板に残されている。 5. ^ 『新宿モーニング寄席』でのエピソードはファンブログを発端に広まったとされる。 6. ^ 芸風の分類は、演芸評論家・真鍋清志の寄稿における用語を参考にしている。 7. ^ 観客アンケートの結果はイベント主催者の発表によるが、集計方法の詳細は公表されていない。 8. ^ 出囃子の編曲者は久世宏一とされるが、本人は「ほぼラジオ体操協会の力」と冗談めかして述べたことがある。 9. ^ 賞レース成績は地域紙の報道と事務所発表を総合したものである。 10. ^ ミニアルバム『起き抜けの理屈』の販売枚数は初週3,480枚とされる。 11. ^ 単独ライブの会場選定基準は、プロデューサーの談話に基づくもので、厳密な統計ではない。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 真鍋清志『早朝芸能史の断片』太陽出版, 2021, pp. 44-61.
- ^ 久世宏一『出囃子と呼吸法の研究』演芸文化研究所, 2019, pp. 112-130.
- ^ 朝比奈景・日向小路透『起き抜けの理屈』月光書房, 2022, pp. 5-93.
- ^ 河合由香『ライブハウスの午前論』新潮社, 2020, pp. 201-219.
- ^ T. Watanabe, "Morning Timing and Laughter", Journal of Applied Comedy Studies, Vol. 14, No. 2, 2018, pp. 77-95.
- ^ M. Thornton, "The Aesthetics of Dawn in Japanese Stand-up", Comedy Quarterly, Vol. 9, No. 1, 2021, pp. 12-34.
- ^ 佐伯理央『東京お笑い地図 2010-2024』青林堂, 2024, pp. 88-104.
- ^ K. Ellis, "The First Hour Principle in Live Performance", Stage Research Review, Vol. 7, No. 4, 2017, pp. 150-168.
- ^ 大庭慎一『寄席における清掃アルバイトの社会史』風見社, 2016, pp. 33-49.
- ^ 前田鈴子『日の出前の会話術』文藝朝刊社, 2023, pp. 1-28.
外部リンク
- 太陽企画 公式プロフィール
- お笑い朝刊アーカイブ
- 新宿モーニング寄席 公式記録
- 日本早起き演芸協会
- 始発前通信 アーカイブ